アームレスラーとは?世界チャンピオンの強さと日本人チャンピオンをランキング形式で紹介
アームレスラーは2人1組で腕を組み合って力を競い合う選手を指します。日本王者は世界選手権を2連覇した金井義信、世界王者は20年近くアームレスリング界を牽引するデボン・ララットが君臨しています。アームレスラーは体格も2m近く握力も平均80kg以上と世界レベルでアスリートに比べても引けを取りません。
Writer
公式ライター Yolo0910
アームレスラーとは?
アームレスラーは、競技台の上で1対1で腕を組み合いどちらかの手の甲がタッチパッドにつけることで勝敗が決まるアームレスリングをおこなう選手です。
腕相撲のようなシンプルな力と力のぶつかり合いだけではなく、相手との駆け引きや反射神経も非常に重要で、戦略的なクレバーさもアームレスラーには求められます。日本国内ではマイナー競技でプロ選手は存在しませんが、世界に目を向けるとアメリカやロシアで大規模な大会があり、世界ランキング上位の選手は賞金だけで2000万以上稼ぐ強者もいます。
アームレスリングと腕相撲の違い
ルール | アームレスリング | 腕相撲 |
競技開始前 | 競技台の前に立ち、 腕が互いに手の甲から前腕を水平に保つ |
床、地面、机など肘が 置けるスペースがあればよい |
競技中 | 相手の手の甲をタッチパッドにつける | 相手の手の甲を先につける |
反則行為 | 肘が浮く、肘が競技台から出るなど | 手首を巻き込む、体重をかけるなど |
時間制限 | なし | なし |
アームレスリングと腕相撲の違いは、競技台の有無や協議が始まる前の姿勢など明確なルールの有無が大きな違いとなります。
またアームレスリングは主審、副審の2名配置しないといけなかったり、グリップバーが競技台上に設置してあったりと場所を選ばずできるフランクな腕相撲と違い、よりスポーツ性が強く厳格な競技であると言えます。
アームレスリングの世界ランキング
アームレスリングの世界ランキングは、2015年ワールドアームレスリングリーグのチャンピオンシップを制したトラビス・バジェントや上腕二頭筋64cmの体格からリアル超人ハルクの異名が付くデニス・シプレンコフがいます。
世界ランキングは国際連盟WAFが主催する世界アームレスリング選手権での優勝回数や世界中のトップアームレスラーが競い合うワールドアームレスリングリーグでのチャンピオンに輝いた回数などを参考にし、またアームレスリングファンによるWEB上の口コミなども加味して順位付けしています。
世界1位:デボン・ララット
名前 | デボン・ララット |
生年月日 | 1975年4月24日 |
身長/体重 | 195cm/102kg |
国籍 | カナダ |
世界アームレスリング選手権の優勝回数 | 8回 |
ワールドアームレスリングリーグの優勝回数 | 2回 |
その他の実績 | カナダ世界選手権26回制覇 |
愛称 | ノーリミット |
デボン・ララットは、1990年代〜2023年現在に至るまで長きに渡りアームレスリング界を引っ張る世界最強アームレスラーです。
無尽蔵のスタミナと210cmをウイングスパンを活かした、アームレスリング用語で噛み手と呼ばれるハイフックで相手を倒していく姿は多くのファンを熱くさせています。2018年の全日本腕相撲選手権に参戦した際は、当時の日本チャンピオン相手にも余裕のホールド勝ちを収め、世界チャンピオンの実力をまざまざと見せつけました。
世界2位:トラビス・バジェント
名前 | トラビス・バジェント |
生年月日 | 1976年9月10日 |
身長/体重 | 191cm/120kg |
国籍 | アメリカ合衆国 |
世界アームレスリング選手権の優勝回数 | 6回 |
ワールドアームレスリングリーグの優勝回数 | 7回 |
その他の実績 | アームレスリングトーナメントチャンピオン(3回) |
愛称 | ザ・ビースト |
トラビス・バジェントは元海兵の父の影響で15歳でプロデビューを果たした世界ランキング上位の最強アームレスラーの1人です。
野性味溢れる見た目通りの荒々しいファイトスタイルからザ・ビーストの異名が付きました。191cm、体重120kgの恵まれた体格を活かし2014年のWAL世界選手権では左腕2位右腕は見事1位に輝き、勢いそのままに2015年チャンピオンシップも左腕チャンピオンを獲得しました。
世界3位:デニス・シプレンコフ
名前 | デニス・シプレンコフ |
生年月日 | 1985年3月10日 |
身長/体重 | 186cm/140kg |
国籍 | ロシア |
世界アームレスリング選手権の優勝回数 | 5回 |
ワールドアームレスリングリーグの優勝回数 | 2回 |
その他の実績 | アームレスリングロシア王者(1回) |
愛称 | リアル超人ハルク |
デニス・シプレンコフはウクライナ出身で、身長186cm体重140kgの恵まれた体格を活かして戦うアームレスラーです。リアル超人ハルクと異名が付くほどの筋力と技術で知られており、世界で最も強い男と称されています。
ウクライナの軍隊レスリングチームでも契約しており、2010年、2011年のアームレスリング世界大会では二連覇を達成しています。
アームレスラーの歴代の世界一
アームレスラーの歴代世界一は、握力180kg以上をマークし世界アームレスリング選手権を8回制覇、ワールドアームレスリングリーグ優勝4回を果たしたロシアのアラン・カラエフです。
現役引退後にはCMやTV番組YOUは何しに日本へなどに出演し、メディアに露出することでアームレスリングの発展に力を入れています。アラン・カラエフのようにアームレスリングで世界的に活躍した選手は、知名度を活かし今後の競技人口増加のために尽力している選手が多く存在します。
アラン・カラエフ
名前 | アラン・カラエフ |
生年月日 | 1977年5月19日 |
身長/体重 | 200cm/180kg |
国籍 | ロシア |
実績 | 世界アームレスリング選手権:8回優勝 WAF世界選手権ヘビー級王者(2007年~2010年) ZlotyTur世界選手権ヘビー級王者(2011年~2016年) |
愛称 | 破壊超人 |
アランカラエフは、総合格闘技選手のかたわらアームレスリングの大会に参戦するロシア出身のアームレスラーです。
2000年代前半のK1界で活躍したハスラン・カラエフをいとこに持ちます。アラン・カラエフは愛称である破壊超人そのままに身長2mの巨体を生かした攻め一辺倒のファイトスタイルで世界選手権を8回制覇しています。また2015年に放送されたyouは何しに日本へ?に出演し、訪れたお寿司屋さんで30貫以上を瞬く間に完食した姿はお茶の間を和ませました。
アームレスリングの日本人ランキング
アームレスリングの日本人ランキングは、ヘビー級世界選手権2連覇を達成した金井義信や2018年の世界アームレスリング選手権大会で中量級の5位に入賞した安斎光貴がなどがランクインしています。
世界レベルの選手と比べて日本人選手は体格で劣りがちですが、なかでも畠山裕介は身長190cm体重145kgと海外選手にも引けを取りません。日本人ランキングは、国際連盟WAF世界アームレスリング選手権での入賞経験や国内で最もメジャーなオールジャパンアームレスリング選手権の優勝回数などをもとに順位付けをしています。
日本1位:金井義信
名前 | 金井義信 |
生年月日 | 1976年2月10日 |
身長/体重 | 173cm/105kg |
出身地 | 兵庫県明石市 |
世界アームレスリング選手権の実績 | 2回優勝 |
オールジャパンアームレスリング選手権の実績 | 11回優勝 |
愛称 | ザ・ウォーロード |
金井義信選手は、兵庫県明石市出身の世界に誇る日本最強アームレスラーの1人です。 金井選手はシルベスタ・スタローンの映画オーバーザトップに憧れて競技を始め、18歳の時に臨んだ兵庫県大会優勝を皮切りにその後ヘビー級世界選手権2連覇を達成しました。
2010年に上腕二頭筋断裂の大怪我を負いながらも不屈の闘志でリハビリを重ね、年の復帰戦では見事に優勝し多くの日本のアームレスリングファンに感動を与えました。
日本2位:畠山裕介
名前 | 畠山裕介 |
生年月日 | 1978年12月23日 |
身長/体重 | 190cm/145kg |
出身地 | 長崎県松浦市 |
世界アームレスリング選手権の実績 | 2回優勝 |
オールジャパンアームレスリング選手権の実績 | 13回優勝 |
愛称 | ハク |
畠山裕介は身長190cm、体重145kgと超重量級の日本選手を代表するアームレスリング界のスーパースターです。
2016年に行われた総合格闘技界のイベントREALにアームレスラー王者として「自分が表に出ることでマイナーなアームレスリングをいろんな人に認知される」という思いから参戦し、アームレスリングの発展に尽力しています。また全日本アームレスリング選手権では11連覇を達成しており、今後あと何回優勝するのか期待がかかり今後の活躍から目が離せません。
日本3位:安斎光貴
名前 | 安斎光貴 |
生年月日 | 1985年7月30日 |
身長/体重 | 170cm/75kg |
出身地 | 熊本県菊池市 |
世界アームレスリング選手権の実績 | 5位入賞 |
オールジャパンアームレスリング選手権の実績 | 1回優勝 |
愛称 | – |
安斎光貴は日本のアームレスリング選手の一人で身長170cm体重75キロの中量級選手として活躍しています。
中量級選手の中でも右腕左腕両方ともに強いことで知られており、2015年のオールジャパンアームレスリング選手権で初めて優勝を果たし今後の期待が活躍される選手の1人です。また世界選手権にも出場し、2018年の世界アームレスリング選手権大会で中量級の5位に入賞を果たしており日本代表としての実力を存分に発揮しました。
日本4位:斎藤誠司
名前 | 斎藤誠司 |
生年月日 | 1980年10月8日 |
身長/体重 | 180cm/90kg |
出身地 | 熊本県菊池市 |
世界アームレスリング選手権の実績 | – |
オールジャパンアームレスリング選手権の実績 | 4回優勝 |
愛称 | ワンダーボーイ |
斎藤誠司は圧倒的な握力と左腕の強さが有名な日本が世界に誇るトッププレーヤーの1人です。身長は170cmと低めですが2020年のオールジャパンアームレスリング選手権90kg級では見事優勝を果たしました。
今後の期待がますます期待される存在であり、現役選手として活動するかたわら自身が運営するアームレスリング道場を通じて競技の発展を後世につないでいくための活動にも尽力しています。
日本5位:宮本真治
名前 | 宮本真治 |
生年月日 | 1973年3月22日 |
身長/体重 | 176cm/80kg |
出身地 | 埼玉県越谷市 |
世界アームレスリング選手権の実績 | – |
オールジャパンアームレスリング選手権の実績 | 2回優勝 |
愛称 | ラッシュ |
宮本真治は総合格闘技選手としての傍らアームレスリングにも挑戦している異色のアームレスラーです。
宮本はアームレスリング会で初めてマスクを着用し話題を集めました。試合では格闘技の経験を生かし強いグリップ力や腕力の強さを存分に発揮し、2012年にはオールジャパンレスリング選手権大会で優勝を飾りトップクラスの実力者として知名度をあげました。
アームレスリングの大会とは?
アームレスリングの大会は体重別、技術レベルによって階級が割り振られ男女共に参加可能で、日本国内の1番規模が大きい大会は毎年各地で行われるオールジャパンアームレスリング選手権大会です。2023年は6月にとちぎ大会が開催されます。
オールジャパンアームレスリング選手権大会を制すると最も有名な世界大会のWAF主催世界アームレスリング選手権に参加資格を得ることができます。
世界アームレスリング選手権
主催 | 世界アームレスリング連盟 |
開催時期 | 7月~11月の間 |
出場資格 | ・WAF加盟国の選手 ・ウエイト制限を満たしていること ・大会参加費用を支払っていること ・国内大会予選通過者…etc |
出場費 | 開催国により異なる |
出場クラス | ・左腕男子部門 ・右腕男子部門 ・左腕女子部門 ・右腕女子部門 ・ミックス団体部門 |
世界アームレスリング選手権は、世界中の最強アームレスラーが集う国際連盟WAFが主催するアームレスリングの世界大会です。
年齢や階級、障がい者の部門までさまざまなカテゴリーごとに出場すること可能で毎年500人近くのアームレスラーが参戦し、男女共にライトハンド、レフトハンドで競い合い1位~4位までの入賞を目指します。2023年大会はカザフスタンで8月24日~9月3日まで行われ、予選を勝ち抜くため各国の最強アームレスラーが本大会に向けてしのぎを削っています。
オールジャパンアームレスリング選手権大会
主催 | 日本アームレスリング協会 |
開催時期 | 9月~11月の間 |
出場資格 | ・WAF加盟国の選手 ・ウエイト制限を満たしていること ・大会参加費用を支払っていること ・各県大会予選通過者…etc |
出場費 | 階級、競技人数による |
出場クラス | ※A-1(有力選手) 一般ライト-55kg〜+100kg 一般レフト‐55kg〜+100kg 女子ライト‐50kg〜+55kg 女子レフト‐50kg〜+55kg ※A‐2(一般クラス) |
オールジャパンアームレスリング選手権大会は、各都道府県の予選会を勝ち抜いたアームレスラーが日本一を目指して出場する日本アームレスリング協会種主催の全国大会です。
日本大会も世界大会同様に、男女、左右別、各階級ごとに競技がおこなわれ優勝者は世界大会に出場する権利を獲得できます。15歳以上から参加可能で、出場費も一般で5000円女子で4000円とカテゴリーに分かれており、年々出場数も増えているアームレスリング愛好家にとって注目の大会の1つです。
アームレスラーの気になる疑問
アームレスラーになる方法や収入源や握力の強度などを知ることで、よりアームレスリング競技がどんなスポーツでアームレスラーがどんな存在なのか鮮明に把握することが可能です。
特にアームレスラーのなる方法はどうすればよいのか気になるところですが、結論特別な資格や試験などは存在しません。収入は大会賞金やスポンサー契約など他のアスリートに比べてさほど変わりありませんが、1度にもらえる賞金も多くても約10万でまだまだ低いのが現状です。
アームレスラーになる方法
アームレスラーになるには特に特別な資格や試験を受ける必要はなく、各県地域のアマチュア大会や交流会に参加すればアームレスラーとなることが可能です。大会に参加することのハードルは低いですがアームレスリングは体への負荷が深いため肩肘手首といった関節周りの筋肉を鍛える必要があります。
アームレスラーの収入は?
アームレスラーの収入源は大きく分けて3つあります。
・大会賞金
・スポンサー収入
・本業
日本国内のアームレスリングは一般的なプロ競技としてはまだまだマイナー競技のため、メインの収入は自身が経営するジムやトレーナーをするなど本業での収入がメインになります。アームレスリーが人気が高い国ではプロのアームレスラーはスポンサー契約や広告収入などほかの収入源がある場合がありますが日本国内の大会のメジャーの大会でも優勝賞金が最高額10万円未満のためアームレスラーの賞金1本で生活して行くには非常に厳しいのが現状です。
アームレスラーの握力は世界レベル?
一般男性 | 約40kg〜約50kg |
一般女性 | 約20kg〜30kg |
アスリート | 約60kg〜100kg |
アームレスラー | 約90kg〜140kg |
アームレスラーの握力は他のアスリートに比べもて非常に高く、握力の世界ギネスを記録しているのは元アームレスラーのマグナス・サミュエルが持つ192kgです。握力の平均値を見ても日本の一般男性で約40kg〜50kg、トップアスリートでも約60kg〜100kgとなっています。
またキャプテンズオブクラッシュと呼ばれる団体が販売している世界的に認められた握力測定器があり、最高レベルのグリッパーでも約165kgが測定の最大値です。アームレスラーの平均握力は約90kg〜140kgでグリッパーと比べても20kgほどの差しかなくアームレスラーの握力は世界レベルと言えます。
気軽にアームレスリングをやってみよう!
アームレスリングは腕相撲と比べて競技台が必要ですが、腕1本あれば始める気軽さが魅力の1つです。また各県でクラブチームも存在しており、全日本選手権を11回制した金井義信選手は1998年、1999年の世界大会で2年連続優勝を果たしています。
国内では発展途上のスポーツですが、海外のメジャーな大会では優勝賞金も1000万円を超えるなど夢のあるスポーツです。まずは近くのアームレスリングジムに行って気軽に競技を体験してみましょう。
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