大胸筋のストレッチ方法！簡単にほぐして歪みを改善ケアしよう

大胸筋のストレッチを行うと、柔軟性が改善され胸を張りやすくなり、猫背や巻き肩姿勢の改善効果が期待できます。

胸の前にある大胸筋が縮んでいると肩が前に引っ張られ、「猫背」や肩が内側に巻き込まれる「巻き肩」などの姿勢不良を引き起こします。これはパソコン・スマホの長時間操作やデスクワークをする方などに多くみられる状態です。

ストレッチを行うことで姿勢改善が期待できます。

大胸筋のストレッチにより姿勢が改善されれば、肩甲骨や首周囲の筋への負担が減り、肩こり・首こりの軽減が期待できます。

猫背や巻き肩姿勢になると、更なる姿勢不良や肩こりの増悪を招くという悪循環にはまってしまいがちですが、ストレッチによりこれを断つことができます。

また、血行が改善され肩こり・首こりの軽減効果が得られます。

大胸筋の柔軟性が改善すると、肋骨の可動性が改善し、呼吸がしやすくなります。肋骨を覆う大胸筋が硬くなると肋骨が動きにくくなったり、歪みができることがあり、呼吸がしにくい状態を招きます。

胸を膨らませるように大きく息を吸うと肋骨が大きく動くので、ストレッチ前後でその動きを比較すると変化がわかりやすくなります。

立って行うストレッチは壁さえあればどこでもできるので、気軽に行えるのがメリットです。
胸骨から上腕にかけて大きく広がる大胸筋を伸ばすためには、身体の動きをうまく利用するのが効果的です。足を前後に開いて身体を安定させ、体重移動しながら体をひねることで、力を入れずにしっかりと大胸筋を伸ばすことができます。

①足を前後に開いて、壁に対して横向きに立ち、肘を肩より上にして壁に手をつきます。
②身体を反対方向にひねり大胸筋下部（胸前の広範囲）を伸ばしていきます。
③伸びを感じられる位置でキープし、大きく呼吸を行います。
④20～30秒行ったら休憩というサイクルを3回程度行います。

立って行う大胸筋下部線維のストレッチのポイント
・肘の高さは肩より上。
・呼吸は止めずにリラックスして行いましょう。

①足を前後に開いて、壁に対して横向きに立ち、肘と肩を同じ高さにして壁に手をつきます。
②身体を反対方向にひねり大胸筋中部（胸前の広範囲）を伸ばしていきます。
③伸びを感じられる位置でキープし、大きく呼吸を行います。
④20～30秒行ったら休憩というサイクルを3回程度行います。

立って行う大胸筋中部線維のストレッチのポイント
・肘の高さは肩と同じ高さ。
・呼吸は止めずにリラックスして行いましょう。

①足を前後に開いて、壁に対して横向きに立ち、肘を肩より下にして壁に手をつきます。
②手を壁に着けたまま身体を反対方向にひねり大胸筋上部（鎖骨の下あたり）を伸ばします。
③伸びを感じられる位置でキープし、大きく呼吸を行います。
④20～30秒行ったら休憩というサイクルを3回程度行います。

立って行う大胸筋上部線維のストレッチのポイント
・肘の高さは肩より下。
・呼吸は止めずにリラックスして行いましょう。

【大胸筋のストレッチを立って行う場合】
・身体をひねり、体重移動をうまく利用してストレッチする。
・肘の高さによって伸びる部位が変わることを意識する。
・呼吸を止めないようにする。

仰向けでストレッチを行うメリットは、力を抜きやすいことです。
ストレッチが苦手な方に多いパターンが、力がうまく抜けないというもの。仰向けだと身体が安定しやすく、比較的力を抜きやすい方法です。
ここではポールを使用した方法をご紹介していますが、ポールがない場合やポールの不安定感が苦手な方はバスタオルを筒状に丸めたもので代用できます。

①ポールに仰向けに乗り、足の裏を地面につけ姿勢を安定させます。
②腕を斜め下方に広げ、深呼吸を行います。
③3～5分、じっくりとストレッチしましょう。

仰向けで行う大胸筋上部線維のストレッチのポイント
・腕の位置は斜め下方向。
・鎖骨の下あたりが伸びる感覚を意識しましょう。
・深呼吸を行う時は胸を膨らませるように行います。

①ポールに仰向けに乗り、足の裏を地面につけ姿勢を安定させます。
②腕を真横に広げ、深呼吸を行います。
③3～5分、じっくりとストレッチしましょう。

仰向けで行う大胸筋中部線維のストレッチのポイント
・腕の位置は真横、肩と同じ高さ。
・胸の前面広範囲が伸びる感覚を意識しましょう。
・深呼吸を行う時は胸を膨らませるように行います。

①ポールに仰向けに乗り、足の裏を地面につけ姿勢を安定させます。
②両手を万歳するように上方に手をあげ、胸の前を伸ばします。
③3～5分、じっくりとストレッチしましょう。

仰向けで行う大胸筋上部線維のストレッチのポイント
・腕の位置は上方、角度を変えながらストレッチ感が強い位置を探しましょう。
・胸前面からわき腹にかけて伸びる感覚を意識しましょう。
・肩に痛みが出やすい位置です、痛みや不安感があれば無理をしないでください。

【大胸筋のストレッチを仰向けで行う場合】
・脚で身体を安定させ、力を抜くことを意識する。
・腕の角度によって、伸びる場所が変化することを意識する。
・ポールの形状を利用して身体を左右に揺らすとさらに効果的。

ストレッチを座って行うメリットは、デスクワークなどの作業の合間に気軽に行えることです。
姿勢不良や肩こりを感じたときなど、ちょっと椅子を後ろに下げるだけで座ったまま簡単にストレッチを行うことができます。コリが気になったらストレッチという習慣をつくることをおすすめします。

①椅子に浅めに腰をかけ、足を地面につけ姿勢を安定させます。
②腰の後方に手を回し両手を握り、手を後方にもっていきながら、肩甲骨を寄せ胸を張ります。
③伸びを感じる位置でキープ、20～30秒程度伸ばしていきます。

座って行う大胸筋ストレッチ　胸張り運動（１）のポイント
・肩甲骨の動きを意識して胸を張りましょう。
・鎖骨の下あたり（大胸筋上部線維）が伸びる感覚を意識しましょう。

①椅子に浅めに腰をかけ、足を地面につけ姿勢を安定させます。
②頭の後方に手を回し両手を握り、肩甲骨を寄せ胸を張り、肘を後方に引きます。
③伸びを感じる位置でキープ、20～30秒程度伸ばしていきます。

座って行う大胸筋ストレッチ　胸張り運動（２）のポイント
・肩甲骨の動きを意識して胸を張りましょう。
・胸前面からわき腹にかけて（大胸筋下部線維）伸びる感覚を意識しましょう。

①姿勢を正して座り、両手を肩に置きます。
②肘で大きく円を描くように肩をまわしていきます。
③同じ方向に5回回したら、逆方向に5回、これを3セット程度行います。

座って行う大胸筋のストレッチ　肘回し運動のポイント
・肩甲骨から大きく動かすことを意識しましょう。
・肘が前にきたら身体を丸め、後ろに回したら胸を反らすと効果的です。
・硬さを感じる位置は特にゆっくりと回しましょう。

【大胸筋のストレッチを座って行う場合】
・やや浅めに椅子に座り、足を地面につけて身体を安定させて行う。
・胸を張る動きの時に息を吸う。
・気軽に行えるので、こまめに行うことで効果アップ。

筋肉を手でほぐす方法のメリットは、硬くなっている部位を集中的にほぐすことができることです。また、力加減を調整しながらほぐすことができるのもメリットです。
筋肉を伸ばす方法は、筋肉全体を伸ばすことができますが、一部を集中的に伸ばすことはできません。一方手でほぐす方法だと、硬くなっている部分を集中的にほぐすことができます。

①鎖骨の下の中心側に反対の指をあて、身体の中心から外側に向けて鎖骨に沿って手を動かし筋肉をほぐします。
②腕の付け根のあたりは硬くなりやすいので、しっかりとほぐしましょう。

【大胸筋を手でほぐす場合】
・ほぐす強さは「いた気持ちいい」程度の強さ。
・身体の中心から外側方向に手を動かし、リンパを流すことも意識。
・特に硬くなっている部分を重点的にほぐすと効果的。

大胸筋ストレッチの効果的なタイミングは次の3つです。

・入浴後
・デスクワークの休憩時間
・トレーニングの合間や終了後

ストレッチは筋肉が柔らかくなっている入浴後に行うのが効果的。自宅でじっくりとできる仰向けで行う方法がおすすめです。

また、パソコン作業やデスクワーク時には、休憩時間にこまめに行うことが効果的です。座って行う方法や手でほぐす方法なら気軽に行えます。

大胸筋を多く使うトレーニングの後には筋が硬くなりやすいので、トレーニングの合間や終了後に重点的にストレッチを行いましょう。

大胸筋ストレッチを行う時は次の点に注意してください。

・不安感や違和感が出る方向には無理に動かさない。
・痛みやしびれが強い場合は早めに病院受診を。

肩を脱臼したことがある方など、動かすことで不安感や違和感がある方は無理に行わないようにしてください。
またストレッチ中に手の痺れや痛みが出る場合には、肩関節や頚部に疾患があるかもしれません。無理をせずに早めに病院を受診するようにしてください。

ストレッチ効果を高めるポイントは、大きく2つです。

・頻度高く、こまめに実施すること
・継続して行うこと

ストレッチ効果の持続性は高くないため、こまめに行うことが重要です。また継続して行うことも大切です。継続的に行うことで徐々に効果が蓄積し、柔軟性が高まっていきます。
こまめに継続して行うことで、効果を高めましょう！