肩甲骨周りの筋トレ方法とは?背中の筋肉の鍛え方とトレーニングメニュー
肩甲骨周りの筋トレ方法とは、手前から引く動きと肩を上下に動かして鍛える方法のことです。背中の筋肉の鍛え方には、家でできる自重トレーニングや、器具やマシンを使用してジムで鍛えるトレーニングがあります。肩胛骨周りのトレーニングメニューでは、広背筋を鍛えるチンニングや、背中の筋肉全体を鍛えるラットプルダウンがおすすめです。
Writer
公式ライター mblue1974
肩甲骨とは?
浮遊骨と呼ばれる肩甲骨は、背中に浮いているように存在しているため、可動範囲が広いことが特徴です。肩甲骨の周りの多くの筋肉は、上半身のあらゆる部分とつながっているため、筋肉を鍛えることで上半身全体のパフォーマンス向上が見込めます。
肩甲骨の場所
肩甲骨の役割
肩甲骨は、腕の骨の動きと連動することで、広い可動範囲の確保と自由な動きのサポートをする働きがあり、腕を動かすことや真っすぐな姿勢を保持するといった鍛えるメリットがあります。
肩甲骨周りの筋肉
・僧帽筋
・菱形筋
・棘下筋
・肩甲挙筋
・広背筋
僧帽筋
・肩甲骨を上げる
・肩甲骨を下げる
・肩甲骨を内側に寄せる
・肩甲骨を上方へ開く
上部・中部・下部の3つに分類される僧帽筋には、三角筋の働きを助けて肩甲骨を安定させる役割があるため、筋肉が衰えると血流が悪くなり、肩こりや猫背の原因となります。
菱形筋
菱形筋には、表層にある僧帽筋や広背筋をサポートして、腕を手前に引く働きをする役割もあります。菱形筋は姿勢不良による肩こりの原因となる筋肉の1つなため、肩回りの筋トレのときに重点的に強化することが大切です。
棘下筋
棘下筋には、ローテーターカフとしての働きのほかに、日常生活での髪をとかす動作やラケットスポーツといった腕を外側にひねる動作の主力となる役割もあります。棘下筋を鍛えると、肩まわりの安定性が得られるため、スポーツの運動パフォーマンスの向上が期待できます。
ローテーターカフとは、肩甲骨と上腕骨をつないでいる棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つのインナーマッスルの総称です。別名を回旋筋腱板と呼び、構造上不安定な肩関節を自由な動きを保ったまま安定させる働きがあります。
肩甲挙筋
肩甲挙筋は、僧帽筋よりも深層に位置して肩甲骨を強く支えているため、筋肉が硬くなり働きが低下すると、肩甲骨の動き自体が大きく制限されてしまいます。
広背筋
広背筋を鍛えると、体幹が太くなり身体の安定性が高まるため、腕や足の筋肉が力を出しやすくなります。筋力発揮の土台となる広背筋は、あらゆるスポーツのパフォーマンスを向上させる役割があるため、アスリートが強化するのにおすすめです。
肩甲骨周りの筋トレ効果とは?
肩こりの改善
・首や背中が緊張するような姿勢で長時間作業をする
・猫背や前かがみ姿勢
・運動不足
・ストレス
肩こりは、肩甲骨周りの肩甲挙筋や僧帽筋、菱形筋の機能低下が大きな原因であることが多いため、筋肉を鍛えて強くすることで、症状の改善が期待できます。
姿勢の改善
肩甲骨周りは、筋肉が衰えやすい部位のため、よい姿勢を維持するには普段から筋肉が衰えないように鍛えることが大切です。美しい姿勢に改善されると、呼吸機能が高まり、腹筋群が働いて血流が改善される効果を得られるため、全身状態の向上につながります。
基礎代謝の向上
・肥満の改善
・体温の上昇
・冷え性やむくみの解消
肩甲骨周りの鍛え方
・自重トレーニング
・器具を用いたトレーニング
・マシントレーニング
運動に伴う肩甲骨の動きをよくするためには、事前に十分な準備運動をしておきましょう。道具を使わずにできる自重トレーニングでは、軽い負荷でも、チューブを利用したり回数を重ねれば確実な効果を得ることができます。少ない回数で効率的に鍛えたい方には、器具やマシンを使ってトレーニングする方法がおすすめです。
準備運動
肩甲骨周りの筋トレ前にする準備運動は、数分その場で軽く足踏みをして心拍数や体温を上げた後に、肩を上下と前後に動かして、肩甲骨を動かしやすい状態にします。肩を動かすときには、反対側の腹筋群を刺激するようにすると、筋トレ効果が上がります。
自重トレーニング
自重トレーニングは器具を使わずに自分の負荷のみで鍛えるため、怪我のリスクが少なく、自宅で時間や場所を選ばず気軽に鍛えることが可能です。
器具・マシントレーニング
上・下方向もしくば前方から手前に引く動きに負荷をかける器具・マシントレーニングでは、背筋群に強く刺激を与えることができるデッドリフトがおすすめです。
肩甲骨周りの筋トレメニュー3選【自重】
・リバーススノーエンジェル
・タオルラットプルダウン
・チンニング
自重トレーニングは、簡単に取り組める負荷の低い種目から高負荷の種目まで幅広くあるため、自分の筋力レベルにあった方法を選ぶことができます。
リバース・スノーエンジェル
難易度 | ★☆☆☆☆ |
強度 | ★★☆☆☆ |
効く部位 | 広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋 |
回数 | 15回×3セット |
【リバーススノーエンジェルのやり方】
①腕立てをするようにうつぶせになり、両手を地面から浮かせて頭の上まで動かす
②両手を自然な状態で腰へ移動させる
③トップの位置で停止して、ゆっくりと元の位置に手を戻す
④ ②と③を繰り返す
【ポイント】
・肩甲骨を内側に寄せる
・下を向いてやる
タオル・ラットプルダウン
難易度 | ★☆☆☆☆ |
強度 | ★★☆☆☆ |
効く部位 | 広背筋、菱形筋 |
回数 | 20回×3セット |
【タオル・ラットプルダウンのやり方】
①タオルの両端の握り、足を腰幅に開いて立つ
②あごが上がらないように意識し、胸を張ったまま肩甲骨を寄せるように腕を下ろす
【ポイント】
・意識してゆっくり呼吸する
チンニング
難易度 | ★★☆☆☆ |
強度 | ★★★★☆ |
効く部位 | 広背筋、上腕二頭筋、大円筋、僧帽筋 |
回数 | 8回×2セット |
【チンニングのやり方】
①肩幅よりも少し広めにチンニングバーにぶら下がる
②胸を天井に向けるようにして身体を引き上げる
③あごがバーの近くまで近づいたら停止する
④.ゆっくりと身体を下げる。肘は完全に伸ばし切らずに少し曲げた状態で止める
【ポイント】
・腕の力だけではなく、背筋の力を使う
・グリップを順手で握る
肩甲骨周りの筋トレメニュー3選【器具あり】
・ダンベルベントオーバーローイング
・ダンベルシュラッグ
・デッドリフト
器具を使用したトレーニングは、自重トレーニングとは違い、自分にあった負荷の設定ができるといった大きなメリットがあります。
ダンベルベントオーバーローイング
難易度 | ★☆☆☆☆ |
強度 | ★★☆☆☆ |
効く部位 | 広背筋、僧帽筋 |
回数 | 15回×2セット |
【ダンベルベントオーバーローイングのやり方】
①ダンベルを持ち、肩幅に足を開いてお尻を突き出した前かがみの姿勢になる
②肩甲骨を寄せながらダンベルをおへその高さまで引き上げる
③ゆっくりと元に戻す
【ポイント】
・腰を痛めないように負荷量の調整をする
ダンベルシュラッグ
難易度 | ★☆☆☆☆ |
強度 | ★★☆☆☆ |
効く部位 | 僧帽筋 |
回数 | 15回×3セット |
【ダンベルシュラッグのやり方】
①両足を肩幅に広げてダンベルを持つ
②.両肩をすくめるように肩を上に挙げる
③もっとも高い位置で静止する
④元の位置に戻す
【ポイント】
腕の筋肉ではなく肩甲骨を動かすように意識する
デッドリフト
難易度 | ★★★☆☆ |
強度 | ★★★☆☆ |
効く部位 | 広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋、太ももの筋肉 |
回数 | 5回×3セット |
【デッドリフトのやり方】
①足幅を広げ、すねがバーに触れるぐらいの位置に立つ
②手幅は少し広めにしてバーを握る
③背中を丸めずに、両膝を伸ばして持ち上げる
④バーが両膝を通過したら、上体を起こしていく
⑤バーベルを同じ軌道で下ろす
【ポイント】
・身体の力で持ち上げる
・3分程度のインターバルを設ける
肩甲骨周りの筋トレメニュー3選【マシン】
・バックエクステンション
・シーテッドローイング
・ラットプルダウン
バックエクステンション
難易度 | ★☆☆☆☆ |
強度 | ★★☆☆☆ |
効く部位 | 脊柱起立筋 |
回数 | 10~15回×3セット |
【バックエクステンションのやり方】
①パッドの高さを調整して、正しく座る
②背筋を使って体を後ろに押し込む
③ゆっくりと元の位置まで戻す
【ポイント】
・無理な負荷量にならないように調整する
・呼吸を止めないように意識する
シーテッドローイング
難易度 | ★★☆☆☆ |
強度 | ★★★☆☆ |
効く部位 | 広背筋、僧帽筋、菱形筋 |
回数 | 10回×3セット |
【シーテッドローイングのやり方】
①胸を起こして座って、バーを握る
②背中をまっすぐにして、まっすぐのまま肩甲骨を引き寄せるように引く
③背中を真っすぐにしたままバーを戻す
【ポイント】
・体重を後ろにかけない
・手前に引いたときに肩甲骨を内側に寄せる
ラットプルダウン
難易度 | ★★★☆☆ |
強度 | ★★★☆☆ |
効く部位 | 広背筋、僧帽筋、大円筋 |
回数 | 8回×3セット |
【ラットプルダウンのやり方】
①肩幅よりも広めにバーを握る
②バーを胸に引きつけるようにゆっくりと下げていく
③肘が伸びきらない程度まで意識して上げる
【ポイント】
・呼吸を止めないよう意識する
・バーを引くときに肩甲骨を寄せる
肩甲骨周りの筋トレのコツ
肩甲骨周りのトレーニングは、目で動きを確認することができないため、使っている筋肉を正しく理解して取り組むことが大切です。適切な負荷量を守り、適切な方法でトレーニングしましょう。
筋肉への意識の仕方
・疲れを感じられるように集中する
・トレーニング前にイメージトレーニングとエアで動きの確認をする
どの筋肉が鍛えられるかを理解しながら筋トレをすることで、狙った通りの効果を得ることができます。
適切な負荷量の調整
【自重トレーニングの負荷】
筋肉疲労や筋肉痛を感じる回数をこなせる量
【器具やマシントレーニングの負荷】
限界回数8~10回をこなせる量
限界を超える重量でトレーニングすると、鍛える筋肉への意識が薄くなるため、負荷をかけすぎないように注意しましょう。
肩甲骨周りの筋トレの疑問
トレーニング前に疑問を解決して、安全にトレーニングに取り組みましょう。
初心者が鍛える時の注意点
正しいフォームを意識して筋トレをすることで、目的の筋肉を確実に刺激して鍛えることができます。
女性が筋トレするときの注意点
肩甲骨周りのトレーニングは、正しいやり方で取り組むと猫背が改善されて胸を美しくみせる効果が期待できるため、女性におすすめです。ただし、鍛えすぎると腕が太くたくましくなる恐れがあるため、負荷の掛け過ぎに気を付けることが大切です。
高齢者が筋トレするときの注意点
高い筋トレ効果を求める方は、チューブを使ったり、筋トレと一緒にウォーキングや片足立ちを取り入れた複合運動をするのがおすすめです。
肩甲骨に痛みがあるときは?
肩甲骨周りの痛みには、筋肉の回復を待つ間に、適度な肩甲骨のストレッチを取り入れてリラクゼーションを図ることが有効です。
肩甲骨周りを鍛えてきれいな背中を手に入れよう
肩甲骨周りの筋トレは初心者でも結果が出やすく、高齢者の健康回復が期待できるため、幅広い層におすすめです。鍛えるメリットを理解して正しいやり方で肩甲骨周りを鍛えて、きれいな背中を手に入れましょう!
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。