バーベルスクワットの効果と正しいやり方とは?フォームをしっかり維持しよう
バーベルスクワットは下半身の多くの筋肉を鍛えることができる種目で、筋力アップ以外にもダイエットや美脚効果もあり理想の体づくりに欠かせません。初心者や女性でも正しいフォームや重量設定、最適な頻度、レベル別の重量を知ることで安全に効果的にトレーニングができるようになります。
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公式ライター old_user_id: 509
バーベルスクワットとは?
バーベルスクワットができる設備はほとんどのトレーニング施設に整っており、下半身のトレーニングとして最もポピュラーな種目のひとつです。
バーベルスクワットで効く筋肉・部位
・大腿四頭筋
・ハムストリングス
・大殿筋
・背筋
・腹筋
負荷をかける筋肉を意識することはトレーニング効果を向上させることがわかっています。
バーバルスクワットをする前にそれぞれの筋肉の位置やはたらき、意識するポイントを理解しておきましょう。
大腿四頭筋
バーベルスクワットでの大腿四頭筋は、しゃがむ動作のときは伸ばされながら負荷を支え、立ち上がる動作のときは収縮しながら負荷を持ち上げます。特にしゃがむ動作のときに力が抜けがちなので、ゆっくりとしゃがみながら大腿四頭筋の伸びを感じましょう。
ハムストリングス
バーベルスクワットでのハムストリングスは、股関節の安定や大腿四頭筋とのバランス保持のために常に緊張状態にありほとんど伸び縮みしません。お尻が最も低くなるボトムポジションでハムストリングスの伸びが感じられるため、正しいフォームでより深くしゃがむことを意識しましょう。
大殿筋
バーベルスクワットでの大殿筋は、しゃがむ動作のときは伸ばされながら負荷を支え、立ち上がる動作のときは収縮しながら大腿四頭筋を補助します。大殿筋はハムストリングスと同様にボトムポジションで最も伸びが感じられるため、より深くしゃがむことを意識しましょう。
背筋
バーベルスクワットでは、脊柱起立筋は負荷を支える上半身の姿勢保持に使われるため、背中を反ったり丸めたりせず腰から首のラインを一直線に保つように意識しましょう。
腹筋
バーベルスクワットでは、腹直筋は脊柱起立筋と対になり姿勢を維持をするために使われます。しっかりと息を吸い、常に腹直筋に力が入っていることを意識しましょう。
バーベルスクワットの効果
・テストステロン
・ダイエット
・脚やせ
バーベルスクワットは強い下半身をつくる以外に、健康的、美容的観点からもプラスになる要素が多くあります。
テストステロン
テストステロンの効果は主に3つあります。
・筋肉を成長させる
・やる気やモチベーションのアップ
・記憶力や集中力のアップ
テストステロンはトレーニングそのものへの効果以外に、日常生活や仕事、勉強にも好影響をもたらします。
ダイエット
・運動でのカロリー消費
バーベルスクワットは下半身の大きい筋肉を使うため、他の部位のトレーニングより消費カロリーが多くなります。
・基礎代謝でのカロリー消費
安静時の消費カロリーである基礎代謝は、筋力トレーニング後の数時間から2日程度高く保たれるため、定期的にトレーニングをすることで常に基礎代謝を高く維持できます。
・筋肉量増加による基礎代謝アップ
下半身の大きい筋肉が増えることで効率的に基礎代謝を高めることができます。
脚やせ
・体脂肪の減少
ダイエット効果によって脚についた余計な体脂肪を減らすことができます。
・筋肉の曲線美
脚の筋肉が発達することでメリハリのあるアウトラインができ、結果として脚が細く見えます。
女性は筋繊維の特性や男性ホルモン量の都合上、筋トレで筋肉が極度に発達することはありません。
適度な筋肉がつき、脂肪が減ることできれいな体づくりができることを覚えておきましょう。
バーベルスクワットの正しいやり方
バーベルスクワットで大腿四頭筋に効かせるフォームを解説
動画を参考にして、フォームや姿勢、動作のスピードなどについて正しいイメージを持ちましょう。
フォーム・姿勢
・スタンス幅
適切な両足の間隔は肩幅の1.5倍程度です。
スタンスが広すぎると股関節に、狭すぎると大腿四頭筋に負荷が集中して重量が上がらなくなります。
・姿勢
猫背や反り腰にせず、背骨の自然なアーチを保ちます。
特に男性は猫背に、女性は反り腰になりやすいため注意しましょう。
・上半身の前傾角度
上半身の前傾角度を浅くするときはお尻を真下に下ろすイメージで、前傾角度を深くするときはお尻を後ろに引きながら下ろすイメージで動作します。
重量設定
・初心者の場合
重りをつけずにバーのみの負荷から始めます。初心者のうちはすぐに扱える重量が上がるため、関節などに不安がなければ積極的に重さを上げていきましょう。
・運動経験者の場合
自分の体重程度を扱えることを目標とし、設定回数がクリアできたら徐々に重さを上げていきます。
・トレーニング経験者の場合
高重量が扱えるようになると怪我のリスクも増えます。
重量のみを追い求めず、正確なフォームでゆっくり動作して関節に負担をかけない工夫も必要です。
回数
・筋肥大
ボディーメイクなどの目的で筋肉を大きくしたい場合は8回から12回が最適です。
・筋力アップ
スポーツの基礎トレーニングとして瞬発力アップが目的の場合は6回から8回が最適です。
・ダイエット
健康目的や美容目的の女性は15回から20回が最適です。筋肉は高回数のトレーニングでは大きくなりにくい特徴があるためです。
セット数
また、使用重量に伸び悩みを感じたときは、毎回3セットではなく、高重量で2セット、低重量で4セットにしてみるなど筋肉に違った刺激を与える工夫をしましょう。
腹圧
パワーベルトは腹圧をかけやすくしてくれるため、特に腹筋の力が弱い初心者は装着するようにしましょう。
呼吸
高重量を扱うときはさらに強い負荷がかかるため、ボトムポジションから立ち上がるまでは息を止めるようにしましょう。
頻度
前回のトレーニングより回数が落ちたり同じ重量が重く感じる場合は疲労が回復していないサインとして、頻度を落とすなどの工夫をしましょう。
バーベルスクワットの重量をあげるコツとは?
平均重量
表内の数字はバーベルスクワットで1回が限界の重量、かっこ内の数字は10回が限界の重量です。
また、各レベルについては次のような基準です。
・初心者
格的なウエイトトレーニングの経験がない方
・初級者
バーベルスクワットを1ヶ月以上継続的している方
・中級者
バーベルスクワットを少なくとも1年以上継続している方
・上級者
バーベルスクワットをおおむね5年以上継続している方
・エリート
競技のための専門的にトレーニングを積んでいる方
男性の1回の限界重量の重量
体重/レベル | 男性初心者 | 男性初級者 | 男性中級者 | 男性上級者 | 男性エリート |
---|---|---|---|---|---|
60kg | 47kg | 68kg | 95kg | 126kg | 160kg |
65kg | 53kg | 76kg | 104kg | 136kg | 172kg |
70kg | 59kg | 83kg | 112kg | 146kg | 183kg |
75kg | 65kg | 90kg | 121kg | 156kg | 193kg |
80kg | 71kg | 97kg | 129kg | 165kg | 203kg |
85kg | 77kg | 104kg | 136kg | 174kg | 213kg |
90kg | 83kg | 110kg | 144kg | 182kg | 223kg |
95kg | 88kg | 117kg | 151kg | 190kg | 232kg |
100kg | 94kg | 123kg | 158kg | 198kg | 240kg |
男性の10回の限界重量の重量
体重 | 男性初心者 | 男性初級者 | 男性中級者 | 男性上級者 | 男性エリート |
---|---|---|---|---|---|
60kg | 36kg | 52.5kg | 95kg | 126kg | 160kg |
65kg | 40kg | 58kg | 104kg | 136kg | 172kg |
70kg | 45kg | 64kg | 112kg | 146kg | 183kg |
75kg | 50kg | 69kg | 121kg | 156kg | 193kg |
80kg | 55kg | 74kg | 129kg | 165kg | 203kg |
85kg | 59kg | 80kg | 136kg | 174kg | 213kg |
90kg | 64kg | 84kg | 144kg | 182kg | 223kg |
95kg | 67.5kg | 90kg | 151kg | 190kg | 232kg |
100kg | 72.5kg | 94kg | 158kg | 198kg | 240kg |
女性の1回の限界重量の重量
体重/レベル | 初心者 | 女性初級者 | 女性中級者 | 女性上級者 | 女性エリート |
---|---|---|---|---|---|
40kg | 17kg | 31kg | 50kg | 74kg | 101kg |
45kg | 20kg | 35kg | 55kg | 80kg | 108kg |
50kg | 23kg | 38kg | 60kg | 85kg | 114kg |
55kg | 25kg | 42kg | 64kg | 91kg | 120kg |
60kg | 28kg | 45kg | 68kg | 95kg | 126kg |
65kg | 30kg | 48kg | 72kg | 100kg | 131kg |
70kg | 33kg | 51kg | 75kg | 104kg | 136kg |
75kg | 35kg | 54kg | 79kg | 108kg | 141kg |
80kg | 37kg | 57kg | 82kg | 112kg | 145kg |
女性の10回の限界重量の重量
体重/レベル | 初心者 | 女性初級者 | 女性中級者 | 女性上級者 | 女性エリート |
---|---|---|---|---|---|
40kg | 13kg | 24kg | 38kg | 57kg | 77.5kg |
45kg | 15kg | 27kg | 43kg | 62kg | 83kg |
50kg | 18kg | 29kg | 46kg | 65kg | 87.5kg |
55kg | 19.5kg | 32kg | 59kg | 70kg | 92.5kg |
60kg | 22kg | 34.5kg | 52.5kg | 73kg | 97kg |
65kg | 23kg | 37kg | 55kg | 77kg | 101kg |
70kg | 25kg | 39kg | 57.5kg | 80kg | 104kg |
75kg | 27kg | 42kg | 61kg | 83kg | 108kg |
80kg | 28.5kg | 44kg | 63kg | 86kg | 112kg |
30kg
30kgは運動経験がなくても持ち上がる重量です。初心者のうちは30kg程度の負荷でフォームをチェックしましょう。
【女性】
30kgは初心者の女性には重すぎるため、重りをつけずにバーのみの20kgから始めましょう。
トレーニングごとに少しずつ程度重量を上げていき、1ヶ月から2ヶ月で30kgを扱えることを目標とします。
50kg
50kgはバーベルスクワットの経験がない男性でも1ヶ月から2ヶ月で扱えるようになる重さです。
扱える負荷が増えるにしたがい筋肉や関節への負担も増えるため、バーベルスクワットは1日から3日おきにするなどトレーニング頻度には注意しましょう。
【女性】
女性の場合、50kgを10回できることがバーベルスクワットのひとつの目標となります。
ほぼ自分の体重と同じ重量を扱うには筋力アップが必要になるため、バーベルスクワット以外にレッグプレスなどの補助種目を組み合わせてトレーニング効率を上げていきましょう。
80kg
80kgを10回できるようになることは、男性にとってのバーベルスクワットのひとつの目標です。
自分の体重以上の重さを扱うには、姿勢を維持するための上半身の筋力も必要になってきます。バーベルスクワット以外の下半身のトレーニングをすると同時に、上半身もバランスよく筋力アップするように意識しましょう。
【女性】
80kgのバーベルスクワットが扱える女性は上級者レベルで、数年間にわたるシビアなトレーニングと栄養管理が必要になります。
100kg
男性にとってバーベルスクワット100kgを10回できることが中級者と上級者を分けるラインです。
高重量に毎回挑戦すると怪我のリスクが高まるため、トレーニングプログラムを勉強し重量を上げるために計画的にトレーニングに取り組む必要があります。
【女性】
100kgを扱える筋力はパワーリフティング競技などのアスリート並みです。専門的なトレーニングを積み、高重量を持ち上げるテクニックを身につける必要があります。
バーベルスクワットの種類
ハイバースクワット/ローバースクワット
ハイバースクワットは首の付け根の比較的高い位置に、ローバースクワットは肩甲骨上の比較的低い位置にバーを置きます。
ハイバースクワット | ローバースクワット | |
---|---|---|
メインターゲット | 大腿四頭筋・大殿筋 | 大腿四頭筋・大殿筋・ハムストリングス |
フォームの違い | 上半身の角度を変えない | 上半身をやや前傾させる |
お尻を真下に下ろす | お尻を後ろに引いて下ろす | |
膝は少し前に出る | 膝は前に出ない | |
メリット | 比較的フォームを習得しやすい | ハイバースクワットに比べて高重量を扱える |
大腿四頭筋に集中的に負荷をかけられる | 大殿筋やハムストリングスにより効かせられる | |
デメリット | フォームが悪いと膝を痛めやすい | バーの担ぎ方のコツを掴むまでに時間がかかる |
フォームが悪いと腰を痛めやすい |
ワイドスクワット/ナロースクワット
ワイドスクワットは肩幅の1.5倍から2倍程度広めにスタンス取り、ナロースクワットは肩幅程度にスタンスを取ります。
ワイドスクワット | ナロースクワット | |
---|---|---|
メインターゲット | 大腿四頭筋・大殿筋・内転筋 | 大腿四頭筋 |
フォームの違い | 両膝とつま先を外側に向ける | 両膝とつま先を正面に向ける |
メリット | 大殿筋と内転筋を集中的に鍛えられる | 大腿四頭筋を集中的に鍛えられる |
デメリット | フォームが悪いと股関節を痛めやすい | フォームが悪いと腰を痛めやすい |
フロントスクワット
【メリット】
大腿四頭筋により負荷をかけることができる
【デメリット】
重心が前側にあるためバランスのとり方が難しく、腰を痛めやすい
フロントスクワットは上半身の強さも必要になるため中級者以上におすすめの種目です。初めて挑戦するときは怪我のリスクを下げるため、軽めの重量で正しいフォームを身につけることを優先しましょう。
ランジ
フロントランジ | バックランジ | サイドランジ | |
---|---|---|---|
フォームの違い | 足を前に踏み出す | 足を後ろに踏み出す | 足を横に踏み出す |
効く部位 | 大腿四頭筋に集中 | 大腿四頭筋と大殿筋 | 内転筋に集中 |
スミスマシン
バーベルスクワットをスミスマシンでするメリットは3つあります。
・フォームが安定し怪我をしにくい
・動作に集中でき、狙った筋肉に効かせやすい
・セーフティーストッパーが付いているため、万一のときでもバーベルの下敷きにならない
スミスマシンではバランスが取りやすい反面、体幹のトレーニング効果は薄いため、フリーウェイトでのバーベルスクワットとバランスよく使い分けましょう。
バーベルスクワットの疑問
毎日やってもいいの?
バーベルスクワットは下半身の筋肉や体幹、関節に大きな負担がかかり、疲労した筋肉が回復するために必要な時間は48時間から72時間と言われています。
ただし、バーベルスクワットが全く初めてで軽めの重量を扱うのであれば毎日やってもよいでしょう。
初心者の重量設定は?
バーのみの20kgから始めて重量を上げていきながら自分の限界を見つけていくことがおすすめですが、初心者のうちは正しいフォームで怪我を予防する意味で少し余裕をもった重量設定を心がけましょう。
女性がするときは?
・回数は15回
高回数にすることで速筋繊維と遅筋線維を同時に鍛えられます。速筋は消費カロリーが多く、遅筋は太くなりにくい特徴があります。
・ワイドスタンス
足を肩幅の2倍ほど開くことで大臀筋の関与を強め、ヒップアップ効果が期待できます。
・反り腰に注意
女性は男性に比べて背中のアーチが強く、過度な反り腰になることで背中や腰を痛めることがあります。上半身をあまり前傾させずにしゃがむようにしましょう。
・膝の向きに注意
女性は立ち上がりの動作のときは両膝が内側に入りがちで、膝や股関節を痛める原因になります。つま先を15°から30°ほど開き、膝はつま先と同じ方向を保つことを意識しましょう。
消費カロリーはどのくらい?
しかし、筋力トレーニング後にはトレーニング自体で消費したカロリーの数倍から数十倍の基礎代謝の向上が期待できることがわかっています。
バーベルスクワットで痛みがあるときは?
すでにこれらの部位を痛めている場合は再発防止として、現状は問題がない場合は怪我の予防としてフォームのチェックと改善に取り組みましょう。
腰が痛い
スクワットの動作中は、目線を真正面もしくはやや下側にし、首、背中、お尻が一直線にすることを意識しましょう。
膝が痛い
膝のお皿が常に正面を向くように、お尻を後ろに引きながら太もも全体で重さを支えるイメージを持つと股関節まわりの筋肉も使われるため膝を痛めにくくなります。
肩が痛い
また、両手でもバーベルを支える意識を持つとさらに安定感が増します。
首が痛い
上背部や肩まわりの筋肉が薄い初心者や女性は、スクワット用のパットをバーに巻くとさらに痛みが軽減されるのでおすすめです。
正しくバーベルスクワットをして筋力アップ・ダイエットしよう
また、大きな筋肉を鍛えることは消費カロリーを増やすことにもつながるため、ダイエットを目指す方にもおすすめのトレーニングです。バーベルスクワットは体にかかる負荷が強いため、フォームや重量設定、頻度などに気をつけながら理想の体づくりに役立てましょう。
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