
ローバースクワットの効果と正しいやり方とは?ハイバーとの違いを解説
ローバースクワットはハイバースクワットより低い位置にバーを担ぐスクワットです。バーの位置とフォームが少し変わるだけでハムストリングスや大殿筋により効かせることができます。ローバースクワットはより高重量を扱えるため下半身の筋肉を効率よく鍛えることができますが、バーの担ぎ方やフォームなどのテクニックが必要です。
2021.12.16
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ボディメイク
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ローバースクワットとは?
ローバースクワットはバーベルを使ったスクワットのバリエーションのひとつで、一般的なスクワットより低い位置でバーベルを担ぎます。バーベルの位置を数センチ下げるだけで効かせられる筋肉が変わるため、自分の目的に合わせて下半身のトレーニングに取り入れると効果的です。
ハイバースクワットとの違い
ローバースクワットとハイバースクワットの最も大きな違いはバーを担ぐ位置です。ハイバースクワットは首の付け根あたりでバーを担ぐのに対し、ローバースクワットは肩甲骨や三角筋でバーを担ぎます。バーを担ぐ位置が下がることで姿勢や動作にも違いが生じます。
・前傾角度
前後のバランスを保つため前傾角度が強めになる
・股関節の角度
上半身を前傾させるため股関節の動作角が大きくなる
・膝の角度
股関節の動作角が大きい反面、膝関節の動作角は小さくなる
・前傾角度
前後のバランスを保つため前傾角度が強めになる
・股関節の角度
上半身を前傾させるため股関節の動作角が大きくなる
・膝の角度
股関節の動作角が大きい反面、膝関節の動作角は小さくなる
ローバースクワットで効く筋肉・部位
ローバースクワットで鍛えられる筋肉は、スクワット系種目のターゲットである大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋がメインです。脊柱起立筋や腹直筋は姿勢維持のために使われ副次的に鍛えられます。
ハイバースクワットとの効く筋肉の違い
ローバースクワットはハイバースクワットに比べて股関節の動作角が大きく、膝関節の動作角が小さいことが特徴で、特に体の裏側にある股関節を伸展させる筋肉群に効かせることができます。
部位 | 関係する関節や主な動作 | ハイバースクワットとの刺激の比較 |
大腿四頭筋 | 膝関節伸展 | 弱い |
---|---|---|
ハムストリングス | 股関節伸展 | 強い |
大殿筋 | 股関節伸展 | 強い |
脊柱起立筋 | 股関節伸展・姿勢維持 | 強い |
腹直筋 | 姿勢維持・呼吸 | 同 |
ローバースクワットのフォーム
ローバーフルスクワット
via www.youtube.com
ローバースクワットでは股関節の屈曲と伸展が動作のメインになります。次のポイントに意識をしながら動作をしましょう。
【しゃがむ動作】
・お尻を後ろに引きながらゆっくりと下げる
・脛は床に対して常に垂直になっているイメージを持つ
・ハムストリングスと大殿筋にストレッチを感じる
【立ち上がる動作】
・ハムストリングスと大殿筋が最大限に伸びた状態からバウンドするように立ち上がる
・膝関節を伸ばす動作より、屈曲させた股関節を伸ばす動作に意識を集中させる
【しゃがむ動作】
・お尻を後ろに引きながらゆっくりと下げる
・脛は床に対して常に垂直になっているイメージを持つ
・ハムストリングスと大殿筋にストレッチを感じる
【立ち上がる動作】
・ハムストリングスと大殿筋が最大限に伸びた状態からバウンドするように立ち上がる
・膝関節を伸ばす動作より、屈曲させた股関節を伸ばす動作に意識を集中させる
バーの担ぎ方
ローバースクワットでバーを乗せる位置は、肩甲骨の一部である肩甲勅と三角筋後部です。肩甲骨を背中の中央側へ寄せた状態をつくると、肩甲勅と三角筋後部が一直線になりバーを乗せるスペースができます。
初めてローバースクワットをする場合は、バーを乗せる感覚をつかむまでにある程度の練習が必要です。肩甲骨の寄せ方や手幅を変えるなどし、痛みやぐらつきがなくバーを保持できる位置を探しましょう。
初めてローバースクワットをする場合は、バーを乗せる感覚をつかむまでにある程度の練習が必要です。肩甲骨の寄せ方や手幅を変えるなどし、痛みやぐらつきがなくバーを保持できる位置を探しましょう。
バーの握り方
ローバースクワットではバーが不安定になりがちなので、次の順序で正しくバーを担ぎましょう。
(1)肩甲骨が寄った状態がつくれるように手幅はできるだけ狭くする
(2)親指でバーを握り込まず、他の4本の指と同様にバーの上に置く
(3)手首を前方にひねりバーを背中に押し付ける
(4)手首の角度を変えずに肘を前方へ絞りさらにバーを押し付ける
意識するポイントとしては、肩甲骨を寄せて背中を固めることと、バーを手と背中に挟んで固定することの2点です。
(1)肩甲骨が寄った状態がつくれるように手幅はできるだけ狭くする
(2)親指でバーを握り込まず、他の4本の指と同様にバーの上に置く
(3)手首を前方にひねりバーを背中に押し付ける
(4)手首の角度を変えずに肘を前方へ絞りさらにバーを押し付ける
意識するポイントとしては、肩甲骨を寄せて背中を固めることと、バーを手と背中に挟んで固定することの2点です。
上半身の前傾
ローバースクワットではバーベルを担ぐと体の重心が後方に移動するためやや前傾姿勢をとります。背骨はまっすぐにしたまま、お尻を少し後ろに引き骨盤を前傾させて姿勢をつくるイメージを持ちましょう。
つま先と膝の向き
つま先は外側に30°程度開き、膝はつま先と同じ方向を保ったまま動作をします。ローバースクワットのメインターゲットであるハムストリングスと大殿筋を効果的に鍛えるには、より深くしゃがむことが必要だからです。
楽に立ち上がるために無意識に膝が内側に入りがちですが、膝や股関節を痛める原因になるため注意しましょう。
楽に立ち上がるために無意識に膝が内側に入りがちですが、膝や股関節を痛める原因になるため注意しましょう。
スクワットの深さ
ローバースクワットのしゃがむ深さは太ももと床が平行になる位置より深くなるようにします。ローバースクワットでは、しゃがむ動作でしっかりとハムストリングスと大殿筋をストレッチし、その反動を使って立ち上がるヒップドライブによって最大の効果が得られるからです。
ローバースクワットでのしゃがむ深さは関節の可動域よりもハムストリングスや大殿筋の柔軟性で決まります。毎日ストレッチをするなどし、より深いスクワットができるようにしましょう。
ローバースクワットでのしゃがむ深さは関節の可動域よりもハムストリングスや大殿筋の柔軟性で決まります。毎日ストレッチをするなどし、より深いスクワットができるようにしましょう。
バーの軌道
ローバースクワットでのバーの軌道は、バーとミッドフットを結んだラインが常に床面と垂直になるようにします。バーの軌道が後方へ流れるとバランスを崩すため気づきやすいですが、前方への流れには気づきにくく、腰を痛める原因にもなるため注意しましょう。
バーの軌道が可視化できる無料のスマートフォンアプリを使ってフォームの確認をするのもおすすめです。
バーの軌道が可視化できる無料のスマートフォンアプリを使ってフォームの確認をするのもおすすめです。
呼吸
ウエイトトレーニングでの呼吸法は、筋肉が伸びる局面で吸い、筋肉が縮む局面で吐くことが基本ですが、ローバースクワットでは最も負荷がかかる局面では息を止めることをおすすめします。
(1)しゃがむ動作では大きく息を吸う
(2)ボトムポジションから立ち上がるまでは息を止める
(3)立ち上がりの動作が完了したら息を吐く
呼吸と動作が合わないと力を十分に発揮できないため、スムーズにリンクするように意識しましょう。
(1)しゃがむ動作では大きく息を吸う
(2)ボトムポジションから立ち上がるまでは息を止める
(3)立ち上がりの動作が完了したら息を吐く
呼吸と動作が合わないと力を十分に発揮できないため、スムーズにリンクするように意識しましょう。
ローバースクワットのやり方
ローバースクワットは高重量を使って下半身を鍛えることができる種目ですが、安全に効率よくトレーニングを続けるために次の4つのポイントを押えておきましょう。
・重量設定
・回数とセット数
・インターバル
・頻度
・重量設定
・回数とセット数
・インターバル
・頻度
重量設定
ローバースクワットはハイバースクワットに比べて高重量を扱うことができます。ハイバースクワッでトはバーベルの負荷のほとんどが大腿四頭筋にかかる一方で、ローバースクワットでは負荷が大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋、内転筋に分散されるからです。
初めてローバースクワットをする場合は、正しいバーの担ぎ方とフォームを身につける練習から始め、徐々に重量を上げるようにしましょう。
初めてローバースクワットをする場合は、正しいバーの担ぎ方とフォームを身につける練習から始め、徐々に重量を上げるようにしましょう。
回数とセット数
ローバースクワットの回数は10回を上限としましょう。スクワットは心肺機能にも負担がかかるため、高回数を求めると筋力の限界より先に息が上がってしまいトレーニング効果が落ちてしまうためです。
セット数は週あたりの頻度にもよりますが、基本となる回数とセット数は次のようになります。
・筋力アップ目的の場合
5〜7回 × 4〜5セット
・筋肥大目的の場合
8〜10回 × 3〜4セット
セット数は週あたりの頻度にもよりますが、基本となる回数とセット数は次のようになります。
・筋力アップ目的の場合
5〜7回 × 4〜5セット
・筋肥大目的の場合
8〜10回 × 3〜4セット
インターバル
ローバースクワットではセット間のインターバルは3分以上を目安にしましょう。インターバルが短いと筋肉や神経系の疲労が十分に回復せず、次のセットの回数が著しく低下してしまうからです。回数がこなせないとそれだけ筋肉への刺激が不足することになります。
ただし、ジム環境や他の利用者の状況によっては、インターバル時間にこだわらず息が整ったら次のセットに入るなど周囲への配慮も必要です。
ただし、ジム環境や他の利用者の状況によっては、インターバル時間にこだわらず息が整ったら次のセットに入るなど周囲への配慮も必要です。
頻度
ローバースクワットをする頻度は週に2回から3回がおすすめです。最近の研究では、筋力アップや筋肥大のためには同じ部位を週に10セットから15セット鍛えるのが最適とされているためです。
レッグカールやレッグエクステンション、デッドリフトなど他の下半身の種目もする場合は、部位ごとのセット数を合計して20セットを超えないように注意しましょう。
レッグカールやレッグエクステンション、デッドリフトなど他の下半身の種目もする場合は、部位ごとのセット数を合計して20セットを超えないように注意しましょう。
ローバースクワットの疑問
ローバースクワットはバーの担ぎ方などある程度のテクニックが必要になる種目です。初めてローバースクワットに挑戦するときに共通する問題点や疑問点をいくつか挙げてみましょう。
ローバースクワットができない人は?
ローバースクワットでつまづく問題の多くはバーがうまく担げないことです。肩甲勅にバーを乗せると痛みがあったりバーが安定しないときは次の3つのことを調整してみましょう。
・バーを置く位置を上下にずらす
・手幅を狭め肩甲骨を寄せる
・肘をより前方へ絞る
ローバースクワットで正しくバーを担ぐにはある程度の練習も必要です。比較的やりやすいハイバースクワットをメインにしながら、軽い重量でローバースクワットに慣れていくのもよいでしょう。
・バーを置く位置を上下にずらす
・手幅を狭め肩甲骨を寄せる
・肘をより前方へ絞る
ローバースクワットで正しくバーを担ぐにはある程度の練習も必要です。比較的やりやすいハイバースクワットをメインにしながら、軽い重量でローバースクワットに慣れていくのもよいでしょう。
手首が痛いときは?
手首を痛める原因は手首が甲側に折れてバーを下から支える形になっているためです。手首は常に前方へひねり、バーを斜め上方向から背中に押し付ける意識を持ちましょう。
リストラップを使うと手首が甲側に折れにくくなり痛みの発生を抑えてくれるためおすすめです。
リストラップを使うと手首が甲側に折れにくくなり痛みの発生を抑えてくれるためおすすめです。
膝が前に出てもいいの?
スクワットでは膝がつま先よりも前に出てはいけないとよく言われますが、根拠となっているのは1970年代のアメリカの研究論で、現在では誤ったデータ解釈によるものとして否定されています。膝が全く前に出ないスクワットは腰を痛める確率を大幅に高めるとされています。
スクワットで最も大切なことは、バーとミッドフットを結んだラインが常に床面と垂直になっていることです。正しい動作の結果として膝が前に出ることは全く問題ありません。
スクワットで最も大切なことは、バーとミッドフットを結んだラインが常に床面と垂直になっていることです。正しい動作の結果として膝が前に出ることは全く問題ありません。
おすすめシューズは?
スクワットに適したシューズはソールが平坦で硬めのものです。クラシックなデザインのスニーカーやバスケットボールシューズでもかまいません。ソールが反っているランニングシューズなどは前方向へのバランスを保つことが難しくなるため避けましょう。
ウエイトリフティングシューズはスクワットの動作をやりやすいようにかかとが高く設定されており、競技者以外でも膝や腰に心配のある方におすすめです。
ウエイトリフティングシューズはスクワットの動作をやりやすいようにかかとが高く設定されており、競技者以外でも膝や腰に心配のある方におすすめです。
毎日やってもいいの?
ローバースクワットは高重量を扱うことに特化した種目のため毎日することはおすすめしません。強い負荷をかけて疲労した筋肉や神経系の疲労が完全に回復するまでには48時間から72時間かかると言われています。
ローバースクワットに初めて取り組み、軽い重量でフォームを覚えるためであれば毎日やってもよいでしょう。
ローバースクワットに初めて取り組み、軽い重量でフォームを覚えるためであれば毎日やってもよいでしょう。
女性がするときの注意点
美脚効果、ヒップアップ効果のためにはローバースクワットが効果的ですが、女性がするときは次の3点に注意しましょう。
・膝の向き
膝は常につま先と同じ方向に向け、立ち上がりの動作のときに両膝が内側に入らないようにしましょう。
・反り腰
反り腰の状態でスクワットをすると腰を痛める原因になります。目線は常に水平方向より下に固定し、背骨の自然なアーチを保つように意識しましょう。
・重量設定
初心者のうちはバーのみの20kgの負荷から始め、慣れてきたら徐々に負荷を上げていきましょう。
・膝の向き
膝は常につま先と同じ方向に向け、立ち上がりの動作のときに両膝が内側に入らないようにしましょう。
・反り腰
反り腰の状態でスクワットをすると腰を痛める原因になります。目線は常に水平方向より下に固定し、背骨の自然なアーチを保つように意識しましょう。
・重量設定
初心者のうちはバーのみの20kgの負荷から始め、慣れてきたら徐々に負荷を上げていきましょう。
ローバースクワットで強い下半身を手に入れよう
ローバースクワットはハイバースクワットに比べて高重量に挑戦でき、大腿四頭筋だけでなくハムストリングスや大殿筋、内転筋をバランスよく鍛えることができます。バーの担ぎ方にテクニックがいりますが、膝に負担をかけにくいという最大のメリットがあります。正しいフォームで下半身を鍛え、スポーツや筋力アップ、ボディーメイクに役立てましょう。
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