スロトレ/スロートレーニング!効果と筋肥大との関係性は?
スロトレ(スロートレーニング)のルーツに始まり、様々な効果やメリット・デメリットについて詳しく解説します。筋肥大をするために必要なポイントや効果的にスロトレ(スロートレーニング)を行うコツについてもわかりやすく紹介します。
Writer
公式ライター kaki44
スロトレ(スロートレーニング)とは?
スロトレ(スロートレーニング)の発祥はアメリカンフットボール選手のリハビリであるといわれています。アメリカンフットボール選手の筋力はすさまじく、通常の筋肥大のトレーニングでは靭帯や関節の負担が大きすぎるので、スロトレ(スロートレーニング)を行うことで筋肥大トレーニングを行いつつ、靭帯や関節を守ったといわれています。
スロトレ(スロートレーニング)の仕組み
スロトレ(スロートレーニング)でカギとなるワードが2つあります。それは、『TUT』と『成長ホルモン』です。その2つを軸にして解説していきます。この2つの軸をものにすることで、効果的に筋肥大を行うことができます。
TUT(タイムアンダーテンション)
トレーニング動作をゆっくりにすることで、筋肉の緊張している時間が長くなります。特に、筋肥大が目的の方はその時間が1セット当たり40~60秒ほどが効果的であるといわれています。
実際に行うとわかりやすいのですが、トレーニングを行う際にトレーニング動作をゆっくりにすることを意識しないと、40秒よりも早くにセットが終わるのがわかると思います。スロトレ(スロートレーニング)を40~60秒ほどかけて行うことで、筋肥大向けの効果的なトレーニングにすることができます。
ちなみに、筋肉が緊張している時間のことをTUT(タイムアンダーテンション)といいます。TUTについて考えることで、トレーニングの効果(筋肥大)がより良いものになります。
成長ホルモン
成長ホルモンは細胞の成長と再生を促す効果があります。よって、筋肥大を目的としている人にとって、成長ホルモンは不可欠なものといえます。
スロトレ(スロートレーニング)を行うことで乳酸が溜まり、乳酸が成長ホルモンの分泌を促します。結果として、筋肥大の効果が得られるといわれています。ちなみに、この仕組みは加圧トレーニングと一緒です。加圧トレーニングも同様に筋肥大向けのトレーニングです。
成長ホルモンを効果的に分泌させるためには、TUTを長くすることが必要です。スロトレ(スロートレーニング)で効果的に筋肥大をするためにも、『TUT』と『成長ホルモン』について常に考えておきましょう。
スロトレ(スロートレーニング)の効果は?
上でも述べた通り、スロトレ(スロートレーニング)は主に筋肥大に効果があるトレーニング方法であるといえます。通常のトレーニングよりも動作を遅くすることで、筋肉に新しい刺激を与えることがスロトレ(スロートレーニング)の考え方です。
この考え方は筋肥大を目的とした方向けの考え方です。それでは、筋肥大を目的としていない方に関しては、スロトレ(スロートレーニング)はどのような効果があるのでしょうか。
筋肥大以外のスロトレ(スロートレーニング)の効果
その性質を利用して、自体重を使ったトレーニング(自重トレーニング)の負荷を上げるためにスロトレ(スロートレーニング)を使うことがあります。特別な道具を使わずに強度が高いトレーニングを行うことができるので、設備が少ない環境でも問題なく効果的なトレーニングができるようになります。
特に、リハビリやロコモティブシンドローム(運動器症候群)予防を目的としている方にとって、スロトレ(スロートレーニング)で筋肥大だけではなく、筋力の維持・向上効果が期待できるといわれています。そこから、さらに健康寿命を延ばすことにつながります。
ロコモ予防としてのスロトレ(スロートレーニング)の効果
ロコモティブシンドロームとは筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板といった運動器に障害が起こり、立つ・歩くといった機能が低下している状態のことをいいます。日常生活を送るのに、動きの面で支障がある状態といってもいいでしょう。
まずは運動器の機能の低下が起こり、痛みやバランス能力の低下や可動域の制限がかかるようになります。そこからさらに、移動能力が低下し、寝たきり状態につながると考えられています。
ロコモティブシンドロームにならないために、運動器を長持ちさせることが必要になります。そこで、スロトレ(スロートレーニング)を行うことで骨・関節・軟骨・椎間板の傷害のリスクを減らしながら効果的に筋肉を鍛えることができるようになります。(筋肥大という目的以外にも筋力の維持・向上の役割も果たしている)
また、筋肉を鍛えることで他の運動器の消耗を防ぐという効果も得ることができます。そこから、痛みや可動域の制限が無くなり、移動能力の向上・維持効果につながります。もちろん、寝たきりの予防効果もあることはいうまでもありません。
スロトレ(スロートレーニング)のメリット
筋肥大トレーニングにおける傷害のリスクを軽減できる
40代以上の筋肥大目的のトレーニーにとって、運動器の消耗は大きな問題のひとつです。腰痛や膝痛といった痛みと闘いながら筋肥大のトレーニングをしている方は多数いらっしゃいます。
スロトレ(スロートレーニング)で扱う重量での筋肥大トレーニングなら運動器が痛まないことがあるので、そういった方にとってはスロトレ(スロートレーニング)での筋肥大トレーニングは良い選択肢といえるでしょう。
また、スロトレ(スロートレーニング)はスポーツ競技者の方にも適している効果的なトレーニング方法だといえます。補強のトレーニングでの傷害のリスクは少ない方がいいからです。特に筋肥大目的のトレーニングは追い込むことが多いので、リスクはおさえるに越したことはありません。
特別なテクニックがいらない
通常の筋肥大のトレーニングは使用重量に応じたテクニックの習得が必要なのですが、スロトレ(スロートレーニング)はトレーニング動作をスローにするだけなので、特別なテクニックは必要としません。
このことは、スポーツ競技者にとっては大きなメリットになると私は考えます。
スポーツ競技者にとって優先すべきなのはそのスポーツのテクニックの獲得です。そのうえ、補強のトレーニングのテクニック(ここではスロトレのこと)についても獲得しないといけないとなると、スポーツ競技者の負担が大きくなってしまいます。
その点で、スロトレ(スロートレーニング)はスポーツ競技者の負担を減らすことができるというメリットもあると私は考えます。
設備に左右されにくい
そのような悩みも、スロトレ(スロートレーニング)を行うことで解消することができます。市民体育館のようなところで満足のいくトレーニング設備が整っている施設はあまり多くないのが現状です。(例外はありますが)
スロトレ(スロートレーニング)を行うことで強度の調節ができるようになれば、設備に左右されない効果的な筋肥大のトレーニングができるようになります。
また、リハビリやロコモ予防としてスロトレ(スロートレーニング)を行うときも設備を気にせず効果的にトレーニングを行うことができます。
スティッキングポイントがわかる
スティッキングポイントとは、トレーニング動作における苦手なポイントのことをいいます。スロトレ(スロートレーニング)はトレーニング動作をゆっくり行うので、通常のトレーニングよりも苦手なポイントはわかりやすくなります。
このスティッキングポイントがわかることで、筋肥大のトレーニングのときだけではない、通常のトレーニングのときも意識すべきポイントがわかりやすくなり、効果的なトレーニングにつながります。これに関しては、トレーニング好きの方向けのメリットかなと思います。
スロトレのデメリット
これからはそのデメリットについて書いていきます。
集中しなければならない時間が長い
集中する時間が長くなることで、集中力の維持が難しくなります。集中力に自信がない方はもしかしたらスロトレ(スロートレーニング)は向かないかもしれません。その点がデメリットといえます。
そのような方は、BCAAのようなサプリメントを摂りながらトレーニングを行ってみるといいと思います。BCAAを摂ることで、集中力が持続したままトレーニングを行うことができるのでおすすめです。
有酸素運動系の競技者には向かない
有酸素運動もその例外ではなく、スロトレ(スロートレーニング)と有酸素運動の相性は良くありません。なぜなら、有酸素運動系の競技で1回1回の強度が上がっていては好成績を残すことはできないからです。スロトレ(スロートレーニング)はマラソンや自転車競技のような有酸素運動系の競技者には向いていない方法だといえます。その点もデメリットといえます。
そもそも、有酸素運動系の競技をしている方で筋肥大を目的にしている方はまれだと思います。競技の転向を考えている方は頭の片隅に入れておくといいと思います。
ただ、筋肉の疲労を抜くための有酸素運動は積極的にした方がいいでしょう。疲労を抜くことで、トレーニングのサイクルを早くする効果が期待できます。その結果として、期間内での筋肥大が早まることが起こりえます。
現時点での筋力がわからなくなる
スロトレを継続的に行うことで、瞬発的な動きに対応しにくくなるという現象が起こります。このデメリットがもっともトレーニーが嫌がるものだと思います。
このデメリットは1回分のセッションで解消される程度のものなので、実際には気にするほどではないのですが、気にする方は多いようです。
特にパワーリフティングの選手はこのデメリットをとても嫌います。瞬発的に挙げることが求められるパワーリフターにとって、スロトレはあまり効果的なトレーニング方法ではないからです。
筋肥大の期間と筋力向上の期間を分けて考えることで、この問題は解消されるでしょう。
最後に
スロトレ(スロートレーニング)のメリットもデメリットも理解したうえで、スロトレ(スロートレーニング)を効果的に活用していただけたら幸いです。
みなさんの筋肥大トレーニングが上手くいくことをお祈りします。
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