普通あまりエビを竿で釣るということはないと思います。でも今、このテナガエビ釣りが人気を博しています。エサをつついたり、ひったくったり、そんなあたりは魚と同じ。釣って楽しい、食べてもおいしい!そんなテナガエビ釣りの道具や仕掛け、さらにはポイントまでしっかりとお伝えします。
テナガエビ釣り入門に必要な基礎知識は?
どんな釣りでもそうですが、狙い(ターゲット)が決まったら、そのターゲットについて知ることが大切です。どんな生き物で、どんな特性があるのか、ターゲットの基本情報を持っていれば、より身近に感じられ、この釣りを楽しむことができます。テナガエビ釣り入門の前に抑えておきたい基礎知識を5つに絞り、まとめてみました。
①テナガエビの生態を知る
テナガエビは夜行性です。昼間は捨て石などの岩陰にじっとしていることが多く、夕方以降になるとその岩陰から出て活発に動き出します。ですから、当然釣りもチャンスは夕方以降になります。では夕方から夜じゃないと全く釣れないの?と疑問に思う方がいるかもしれませんが、それはありませんので、安心してください。昼間は、岩陰や物陰沿いを丁寧に狙い、目の前にエサを落とせば、しっかりと反応してくれます。夜はそこまで丁寧に狙わなくても大丈夫です。
②テナガエビの住処を知る
テナガエビが生息するのは、湖や沼、そして河川の中流から河口域です。河川であれば流れの緩い砂泥の岩陰はテナガエビの大好きな住処。岩がゴロゴロと積み重なっている場所や護岸の浸食防止に設置されたテトラ帯は、テナガエビの絶好の住処となっています。岩陰に限らず、身を隠せるどうか、ということが大切なポイントです。崩れ落ちた桟橋、流れ着いた流木の影、そういったところに住処として身を隠していることも多いエビです。
③テナガエビの繁殖行動を知る
テナガエビの繁殖期は梅雨前の5月から始まり盛夏に産卵シーズンのピークを迎え、9月頃までと長く、複数回の産卵を行う個体もいます。特徴的な長い手(生物学的には脚)はオスのみが持つ特徴で、メスは比較的小さく小柄な個体が多いです。なぜ、このアンバランスな手が必要なのかというと繁殖行動がポイントです。それは、交尾を行う際に、オスはこの長い手はメスを抱え込んだり、他のオスを払いのけたりする時に有効に機能します。
④テナガエビの食性を知る
テナガエビは肉食(雑食)性です。川底付近に生息する川虫や、死んで流れ着いた魚などの生物の死骸を捕食したりします。これと言って偏った食性を持つエビではありません。流れ着いたものの匂いに寄せられて集まったり、目の前に落ちた食べられるものを口にする習性があります。その食べられるものがテナガエビ同士であっても同じことですから、躊躇なく共食いをします。
⑤テナガエビの仲間を知る
日本に生息するテナガエビは、大きく分けて3種類います。テナガエビとミナミテナガエビとヒラテテナガエビです。厳密には、沖縄以南の地域に更に数種類生息していますが、数と地域が限定されますのでここでは割愛します。
その他の種類では、特に小型の個体で混同しやすいエビ、スジエビがいます。成体となり大きく成れば、その違いは体の模様や特徴的な手に大きく現れるため混同することはありませんが、幼体で小型の個体は見分けがなかなかつきません。
テナガエビ釣り入門に必要な釣り方や仕掛けは?
小さい頃よく経験がある釣りと言えば、ザリガニ釣り。釣り方は手釣りや割りばしで仕掛けを作ります。そんなザリガニ釣りをイメージするとテナガエビも馴染みやすいターゲットに変わるかもしれません。
ただ、手釣りや割りばしでは釣りをする楽しさも、釣果も望めません。入門するにあたり特別な釣り方は必要ありません。竿や道具がセットのものもありますし、他の釣り物にも代用できる簡単でお手軽な釣り具をこの機会に揃えることをおすすめします。
①テナガエビの釣り入門に必要な竿はコチラ!
OGK(オージーケー) ロッド 小魚名人 小魚万能竿
テナガエビ釣りに必要な竿で一般的で入門に適したものがのべ竿です。淡水の釣りでよく使われているリールのついていない竿で、ニジマスの釣り堀などに行くと貸し出してくれる竿です。その竿の先端に直接糸をつけた釣り方で様々なターゲットを狙います。
もう一つの釣り方は、チョイ投げ釣りと言われる軽く取り回しの良い竿に小型のスピニングリールをつける釣り。のべ竿では届かない場所に仕掛けとエサを送り込むために使用します。行きたい釣り場はどこか、狙いたいポイントはどんな位置にあるかでこの二つの竿を使い分けると良いでしょう。長さは、いずれの場合も2~2.5mくらいが扱いやすくベストです。
enkeeo 釣り竿 スピニングロッド カーポン製 軽量 コンパクト
②テナガエビの釣り入門に必要なリールとは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 16 ジョイナス 1500 糸付 2号-100m
チョイ投げ釣りのスタイルでテナガエビ釣りをする際に使用するリール。何十メートルも投げる(キャストする)わけではありませんから、当然ながら小型のものがストレスなく釣りをすることができます。釣具店の店頭に売られている竿のコンパクトセットになっているもので十分です。
その他に考えることは汎用性の問題です。テナガエビ釣り以外にも使えるリールが選ぶとすればベター。番数でいうと、ダイワであれば1500番、シマノであれば2000番程度を目安の大きさとすれば、いろんな釣りに代用できるのでおすすめです。
③テナガエビの釣り入門に必要な仕掛けはコチラ!
OWNER(オーナー) R-3346 手長エビ玉ウキ仕掛 3-0.4
最もベーシックで入門に適した釣り方はウキ釣り仕掛けです。テナガエビ釣り仕掛けとして、ウキ、ハリス、鈎をセット販売しているものもありますので、購入される釣具店で確認してください。もっとマニアックに攻めたいという方には別々で買うことをおすすめします。ウキの動きを意識したハリス選定、釣れるテナガエビのサイズを考慮した鈎選定など攻め方や考え方は千差万別。そんな入門編から一歩進んだ仕掛けについても本記事中の図解で詳しく説明します。
④テナガエビ釣りに必要なエサとは?
最もお手軽で間違いないエサはミミズです。釣具店でも入手できますし、河原や土手沿い、あるいは家に植えこみや花壇があるお宅であれば、そこを少し掘れば天然のミミズが採集できます。天然のミミズは釣具店の冷蔵庫にいるものと違い動きもよく抜群にテナガエビを寄せ付けます。その他のエサとしてミミズと同じく釣具店で購入できる赤さしやイソメなどもおすすめです。特にイソメは、夏から秋にベストシーズンを迎えるハゼもターゲットとして狙いたい方にはおすすめです。
テナガエビ釣りに必要な便利グッズは?
盛夏に釣りのベストシーズンを迎えるテナガエビ。子供が夏休みの週末は、家族でこのテナガエビ釣りを楽しみたいという方にはベストタイミングです。そんな釣行には釣り具がないと話になりませんが、釣り具や仕掛け以外では何を持っていけばいい?と疑問に思う方に3つの厳選グッズをご紹介します。これを持っていくと便利!というアイテムやテナガエビ釣りをさらに楽しく、快適にするためのグッズですのでお出かけの際の参考にしてください。
テナガエビ釣りを楽しくするおすすめ便利グッズ①
クハラ お魚ふぉとケース20
せっかくの夏ですから、子供と一緒にテナガエビ釣りを楽しみたい!という方にお勧めしたいのが観賞用小型ケースです。もちろんプラスチック製の虫かごでも代用できますが、迫力やクリアーの度合いは格段に異なります。特徴的なテナガエビの長い手。その手の先に生えた細かい毛から全身の模様や目まで。そんな容姿を360度、間近でじっくり見ると、子供に限らず大人も結構楽しめますから、絶対おすすめです。
テナガエビ釣りを楽しくするおすすめ便利グッズ②
DEIJYUN アウトドア チェア
暑い夏の釣り。ただでなくても疲れますし、じっと立っているのは辛すぎるという方がいるのも事実です。そんなときに重宝するのがコンパクトチェア。キャンプなどで使用する本格的なキャンピングチェアとは異なり、大きさも、重さも、当然持ち運び易さもけた違いに違います。家の近所の河川に自転車で行く、という方にも前かごに収まるサイズですから邪魔にならず、かつ楽に釣りができますからおすすめします。
テナガエビ釣りを楽しくするおすすめ便利グッズ③
アース製薬 虫よけスプレー サラテクト 無香料 200mL
テナガエビ釣りを楽しむために絶対忘れて欲しくないのが、夕方から夜であればライトもそうですが、虫よけ対策品です。夏の河川敷ですから、やぶ蚊はたくさんいます。耳もとでプーンと音をされると釣りに集中できなくなります。
そんな時には蚊取り線香と体に吹き付けるスプレータイプの虫よけをダブルで持って行くと安心です。蚊取り線香で広範囲に蚊を寄せ付けなくし、さらにはスプレーを体に吹き付けておくことで、至近距離で線香の煙をかわす蚊にも効果が期待できます。
テナガエビのおすすめ釣り場BSET3&ポイントガイド
都内を流れる2つの大きな河川といえば多摩川と荒川です。近年、水質が改善し、アユをはじめたくさんの水生生物たちがその生息数を増やしています。当然、テナガエビの生息数も豊富。中流から下流域にかけては、護岸も整備されていますし、テトラ帯などのテナガエビが身を隠すには好都合のポイントが両河川共に数多くあります。そんな2つの河川別におすすめの釣り場を3つ、ポイントガイドや釣り方も併せてご紹介します。
テナガエビ釣りおすすめの釣り場①
神奈川県との県境を流れる河川である多摩川。丸子橋の上流に堰が設けられており、そこまでは海水の影響を受ける流域です。そんな多摩川の代表的な釣り場は丸子橋から約2㎞下流にある東海道新幹線架橋下(東京都側)のテトラ帯です。ここはほどよい流れがテトラにさしこむ好ポイント。
比較的長い距離にわたりテトラが設置されていますので、テナガエビのストック量も上々です。昼間はその間を狙ってウキ仕掛けを落とします。夕方から夜にかけてはそのテトラ周辺が全てポイントになります。橋の照明がほとんどないので、ケミホタルをウキ付近に付けた釣り方がベターです。
テナガエビ釣りおすすめの釣り場②
①同様に多摩川の神奈川県寄りの釣り場もご紹介します。六郷橋の上下流にあるテトラ帯&護岸です。こちらは河口から約10㎞と海水の影響を強く受けるポイントです。この付近だけ流れがギュッと絞られるため複雑な流れをしており、水深も中心部分で5~7mと深く変化に富んでいます。
そんなポイントだからこそテナガエビのエサも豊富で、かつテトラや捨て石もあり、身を隠せる穴だらけという好ポイントになっています。狙い方は①の釣り場と同じで、昼間テトラ帯を狙うのであれば、水深をはかりシモリウキを使った釣り方、夕方から夜は護岸からの釣りでケミホタルをウキちかくに付けた釣り方がおすすめです。
テナガエビ釣りおすすめの釣り場③
隅田川と並び東京湾奥に流入する大きな河川の一つである荒川。釣り場となるのはそんな隅田川との流れを分ける岩渕水門周辺です。大河川の水門付近とあって水の動きが適度にあり、さらに護岸の多くがテナガエビの住処に最適な石積となっています。昼間は、そんな石積の穴にウキ仕掛けを落とします。穴の見えにくい夕方から夜にかけては、新荒川大橋下のテトラの入った護岸付近がおすすめポイントです。
こちらも夜間はウキ近くにケミホタルを付けた釣り方がベター。潮位の変化によってはポイントが少なくなってしまう時もあるのでなるべく高潮位の時間を狙って出かけましょう。
自分だけのテナガエビ釣り場の探し方
①テナガエビ人気釣り場の共通点を見つけること
テナガエビ人気釣り場はアクセスの良さに起因することが多くあります。先述ご紹介した3つの釣り場もアクセスが良く足場も良いため入門のおすすめ釣り場として紹介しました。
しかし、アクセスの良さだけでは人気は高まりません。当然、釣果が伴うのです。釣り人が多くても、釣りきられない数のテナガエビが生息できる場所。安定した流れ、水深と変化、そしてテトラや石積、この3つの共通点がテナガエビ釣りにはとても大切です。
②水位の上下動と地形の変化を把握すること
水位が大きく上下する汽水域では、この上下動による水中の状況や地形を把握しておくことが重要です。もちろん、湖や沼なども水門の開閉により水位が上下動しますが、こちらは人為的な都合による要素でなかなか読むことはできません。
一方、汽水域では、潮見表におおむね沿った時間で上下動しますのでわかりやすいです。春以降にシーズンを迎えるテナガエビ釣り。春は、日中に大きく潮が下がり、普段見えない川底が姿を現します。当然、そこに、石や岩、大きなゴミや工作物が埋もれていれば、そこはベストシーズンにはテナガエビの住処になりますので要チェックです。
③水の流れと障害物を観察すること
まずは水の流れ。なぜ大切かというとポイントは2つあります。まず一つ目は遊泳力。エビは遊泳力のある魚と違い、強い流れに逆らって泳ぐ生き物ではありません。ですから、河川であれば、流れの真ん中ではなく、その流れがぶつかり淀んだ場所や流れが反転し緩やかになった場所をまずは探しましょう。次に砂泥の堆積。当然ながれが緩やかであれば、粒子の荒い砂利や小石ではなく、砂泥が堆積します。その柔らかい砂泥であれば、当然物陰に巣穴をほり身を隠しやすいのです。
テナガエビの好釣果を目指そう!釣り方ポイント徹底解説
①テナガエビ釣りはベストシーズンを狙うこと
どんなターゲットもそうですが、ベストシーズンとされるのはやはり産卵前です。卵をたくさん産もうと体力を蓄えるために大胆な捕食行動に出るためです。テナガエビもこれと同じことが言えます。産卵期とされる5月から9月の間がベストシーズンになります。特に明るい時間が長い真夏は、夕涼みがてら川辺でテナガエビを釣ってリフレッシュ!ができるのでおすすめの季節です。
②テナガエビ釣りにおすすめな仕掛けを選ぶこと
こちらは市販されている一般的な玉ウキ仕掛けのセットです。玉ウキのメリットはとにかく扱いやすいということ。アタリも明白で分かりやすいこと、さらには水深の調整もウキ止めの位置調整のみで簡単なんです。
シモリウキ仕掛け図解
ウキ下や重りであるガン玉の調整が必要ですが、それさえマスターしてしまえば、ナチュラルにエサを水底に漂わせることができます。その分、テナガエビの反応は良好。小さなアタリもとらえることができゲーム性がグッと高くなり楽しさが増すのは言うまでもありません。
テナガエビは魚ではありません。大きな口を開け勢いよく吸い込んだり食いついたりなどはできない生き物です。そんなエビの口に鈎をかけるわけですからそれなりの技術が必要になるのは言うまでもありません。その技術を最大限まで高めてくれるのが専用の釣り鈎です。釣れるテナガエビもサイズにもよりますが、極力小さい釣り鈎をおすすめします。テナガエビ専用のハリス付きのものが販売されていますのでこちらを購入すれば間違いありません。
③テナガエビ釣りのアタリの取り方
食い込みが悪いエサをつけている場合や鈎が大きすぎる場合など意外とバラすことが多いのがこのテナガエビ釣り。食い込みが悪い場合などは、小さいエサと鈎で対処することはもちろんですが、ぴくぴくというアタリが来ても早アワセはしないようにしましょう。
物陰などにエサと鈎を引っ張りそこで口にエサを運びます。そのタイミングで鈎が口もしくはその付近にかかるのがベスト。その捕食するイメージをぴくぴくと動く玉ウキやシモリウキでできればあなたもテナガエビマスターです。
④テナガエビをバラさない取り込み方
足元から釣り上げるのであればいいですが、少し先にある捨て石やテトラ回りで掛けたポイントから手前に釣り上げる際にはバラシの危険性は高まります。せっかく口に鈎がかりしても、あの力強い跳ねでバレてしまう事も多いのです。
そんな時は、玉網ではなく、虫網。手元に置いておいて、寄せてくるときにあわせてすくいましょう。玉網ですと網目が荒いため間からスルリと抜けてしまうことがあります。ホームセンターでも手に入る白い虫網。安い、軽い、何より子供と一緒に出掛けた場合の子どもの遊び道具としても大変重宝します。
⑤テナガエビ釣りの外道を釣ってトータル釣果倍増
テナガエビ釣りと同じく盛夏にベストシーズンを迎える釣りがハゼ釣りです。鈎や若干の釣り方こそ異なりますが、基本的な竿やリールウキを使っての釣り方は同じです。入門釣りとなるとなかなか要領がつかめず1匹までに時間がかかってしまうことが多いのも事実。そんなときには、このハゼ釣りがおすすめです。
竿を1本余分に出して、根がかりのしない砂泥に落としておくだけで食いついてくれます。一緒に行った子供も飽きずに楽しめるのでハゼ釣り用のセット仕掛けの準備をしておくこともおすすめします。
テナガエビ釣りが人気なのには理由があった!まとめ
テナガエビは今やハゼ釣りに負けず劣らずの夏のターゲットになりつつあります。今回ご紹介した汎用性の高い道具を揃えてしまえば、ハゼ釣りからのテナガエビ釣りで一日楽もう!などという釣り尽くしの満喫プランだって立てることができます。釣り上げたものはハゼの天ぷらやテナガエビの素揚げにすれば、食卓がすごく賑やかになります。