ギア比の違いによるリールの性能や特徴を紹介します。巻き取りの長さとギア比は大きく関係しますので、理解することでリール選びが簡単になります。ハイギア、ローギアの基準やメリットを確認して、対象の魚や釣りのスタイルに合うルールのギア比を選びましょう。
リールのギア比とは?
リールのギア比とは、ハンドルを1回転させるとローターやスプールが何回転するかを表す数字です。ハンドルからの動力をギアを使って、スピニングリールのローター・ベイトリールのスプールに伝えます。リールの性能を左右する要素の1つであり、スペックに記載されます。
リールのギア比①ハイギア
ハイギアはギア比の数字が大きく、スピニングリールのギア比が5.5以上、ベイトリールのギア比が7.1以上がハイギアになります。特にギア比が高いエクストラハイギア仕様があります。
リールのギア比②ローギア
ローギアはギア比の数字が小さく、スピニングリールのギア比が4.9以下、ベイトリールのギア比が6.0以下がローギアになります。ローギアはパワーギアと呼ばれることがあります。
リールのギア比を調べる方法
リールのギア比を調べる方法は、カタログやメーカーのホームページで確認することです。複数のギア比があるモデルは品番で調べる方法があります。大きさを表す数字の後にアルファベットの記号があります。
ダイワはHやXH、シマノはHGやXGがハイギア仕様を表します。ダイワのP、シマノのPGはローギアのパワーギア仕様です。
巻き取り量とギア比の関係
シマノ ストラディック(STRADIC) |
モデル |
C3000 |
C3000HG |
C3000XG |
ギア比 |
5.3 |
6.0 |
6.4 |
最大巻き取り量(cm) |
78 |
89 |
94 |
スプール径(mm) |
47 |
47 |
47 |
巻き取り量はハンドルを1回転させたとき、ラインを巻き取る長さを表します。ギア比の回転数は実際の釣りで、どのような違いがあるか?わかりにくいですが、巻き取り量は長さですのでイメージしやすいです。ギア比が高くなれば巻き取り量も長くなります。
巻き取り量の差(ストラディック)
ノーマルギアとハイギア:11cm
ハイギアとエクストラハイギア:5cm
ノーマルギアとエクストラギア:16cm
巻き取り量とギア比を確認する方法
巻き取り量やギア比は基本性能を表す項目ですので、外箱やカタログに記載されています。インターネットの通販では商品説明にあります。複数のギア比があるモデルはメーカーのホームページで、確認しましょう。
巻き取り量に影響あるスプール径
巻き取り量はギア比とスプール径によって決まります。スプール径の約3倍に比例しますので、大きなリールほどギア比によって巻き取り量に大きな違いがあります。ナイロンラインなどの太いラインを巻くスプールは溝が深いですので、遠投してラインを長く出すと有効なスプール径が小さくなり、巻き取り量に影響します。
巻き取り量(ハンドル1回転)
ギア比×スプール径×円周率(3.14)
6.0×47mm×円周率(3.14)=885.48mm 約89cm
ハンドルを巻くときの抵抗
ギア比が高いハイギアは巻き取り量が大きくなるメリットがあります。デメリットはハンドルを巻く抵抗が増えますので、巻き心地が悪くなることです。軽快で滑らかな巻き心地を重視する場合はノーマルギアやローギアをおすすめします。高級なハイギア専用モデルはハンドルの長さを最適化して巻き心地の悪化を防止しています。
ハイギアのメリット
ハイギアのメリットは巻き取り量が大きく、仕掛けの回収がスピードアップできることです。ハンドル1回転に付き10cmぐらいですが、10%以上も巻き取り量が大きくなりますので回収する時間が短縮できます。
ハイギアのメリット①ルアー釣り
ルアー釣りで高速巻きや早巻きをする場合、巻き取り量の大きいハイギアが有効です。ハイスピードジャークなどのアクションで魚を誘いヒット率を高めます。ルアー釣りはキャストしてルアーアクションを何回も繰り返しますので、手の負担が軽くなるメリットがあります。
ノーマルギアで高速巻き
ハンドルを早く回すことでノーマルギアでも高速巻きが可能です。早くハンドルを回すことで、ロッドを持つ手が小刻みに動き安定しません。手元では小さな動きですが、穂先は大きく動きルアーアクションに影響があります。
ハイギアのメリット②ウキ釣り
ウキ釣りやフカセ釣りは、狙ったポイントから外れると仕掛けを回収します。素早い回収で手返しよく釣ることで釣果アップできます。遠投するほど回収する時間が長くなりロスが大きくなるため、巻き取り量が大きいことがメリットになります。
ハイギアのメリット③船釣り
船釣りは水深が深いほど、巻き取り量の大きいハイギアが有利です。船釣りはポイントを移動することがよくあり、船長さんが回収の指示をアナウンスされたら、仕掛けを早く回収しなければなりません。他の釣り人と条件が同じ船釣りは、手返しよく釣ることで釣果に差がつきます。
ローギアの3つのメリット
ギア比の小さいローギアは小さな力でハンドルを回すことができ、巻き取る力が大きいことがメリットです。魚を取り込むときにバラシを少なくする方法はロッドをポンピングしないことです。ロッドを一定の角度に保ち、ラインを巻き取ります。ローギアの大きなパワーでバラシが防止できます。
①ルアー釣り
ルアーが大きく、巻くときに抵抗がある場合は、ローギアが最適です。軽くハンドルを回すことができますので、長時間の釣りで負担が小さくなるメリットがあります。ジギングやエギングなどのシャクリでラインを巻き過ぎることなく、自然なアクションで釣果アップが期待できます。
②ウキ釣り
ウキ釣りやフカセ釣りで、メジナ(クロ)や根魚など根に逃げる魚を強引に浮かすことができるパワーがあることがローギアのメリットです。巻き取り量の小さいローギアは、狙ったポイントに仕掛けがうまく入るように、ラインを微調整するときに巻き過ぎを防ぎます。
③船釣り
青物や大型根魚など引きが強い対象魚に、パワーファイトの釣りが可能なローギアが活躍します。魚と体力勝負の釣りで、負荷が小さくゴリ巻きできます。取り込みの最後の数十センチ、魚を寄せることができるとバラシがなく、確実な釣果につながります。
ハイギアのおすすめリール3選
①ハイギアのおすすめスピニングリール
19ストラディック C3000HG
シマノの
19ストラディックはマイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブ、HAGANEギア、防水機構のXプロテクトを搭載することでフラッグシップモデルに迫る性能があります。
C3000HGはギア比6.0、最大巻き取り量89cmあり、エクストラギア仕様のC3000XGはギア比6.4、最大巻き取り量94cmとハイギアのメリットが大きく、おすすめできます。
②ハイギアのおすすめベイトリールリール
タトゥーラTW 100XHL 2019モデル
ダイワの
タトゥーラTWは、新型スーパーメタルフレーム、TWS、高強度アルミ製マグフォースZスプール、ゼロアジャスターを搭載しています。
ギア比が6.3、7.1、8.1の3タイプあり、100XHLはギア比8.1、最大巻き取り量86cmとおすすめの高性能なベイトリールです。
③ハイギアのおすすめ入門用リール
17サハラ C3000HG
シマノの
17サハラは大きさが500から5000番まであり、2000番、2500番、3000番、4000番の4種類にノーマルギアとハイギアがラインアップされています。
C3000HGはギア比6.2、最大巻き取り量91cm。2500番と同じ大きさのコンパクトモデルで汎用性が高く、入門用に最適です。
ローギアのおすすめリール3選
①ローギアのおすすめスピニングリール
17セオリー 2506
ダイワの
17セオリーはマグシールド、ZAION製超軽量エアローター、ATDなど最先端のダイワテクノロジーが搭載されています。
2506はギア比4.8、最大巻き取り量72cmのローギアモデルで滑らかな巻き心地とパワーがあり、安定感のある釣りを楽しむことができます。
②ローギアのおすすめベイトリール
ジリオンSV TW 1016SV
ダイワのジリオンSV. TWは、G1ジュラルミンSVスプールを搭載して快適でバーサタイル性能が高い特徴があります。フィネスゲームからパワーゲームまで幅広く活躍できるルアー用ベイトリールです。1016SVはギア比5.5、最大巻き取り量58cmとローギアモデルで、口径タフデジギヤにより力強い巻取りが可能になります。
③ローギアのおすすめ入門用リール
15 レブロス 2500
ダイワの15レブロスは基本性能が高く、機能が充実しています。淡水ではバスやトラウト、海では堤防や磯でのエサ釣りからルアーフィッシングまで、いろいろな釣りのスタイルに使え、入門用におすすめです。2500はギア比4.8、最大巻き取り量72cmありますので、巻き心地がよく、パワーがあります。
リールのギア比まとめ
リールのギア比とは、ハンドル1回転でラインを巻き取りの長さが決まる性能を表す重要な数値です。狙う魚種や釣りのスタイルによってハイギア、ローギアを選びましょう。ギア比によって巻き心地に差がありますので、フィーリングに合うギア比を確認して釣りを楽しみましょう。