サッカーの7番の背番号が持つ意味とは？期待される役割や素質

サッカーにおいて背番号制が導入された19世紀から20世紀初めにかけては2-3-5というVフォーメーションが主流で、7番は最前列の一番右サイドのポジションが7番のポジションとされていました。しかし、様々なフォーメーションが採用されるようになった現代では意味をなさなくなり、7番はこのポジションという決まりはなくなりました。

しかし、その地域によって現在の7番のポジションは暗黙の了解のように決められている傾向にあります。例えばパリ・サンジェルマンのエムバペ、ユベントスのクリスチャーノ・ロナウドなど、欧州で背番号7番のユニフォームを背負う選手はウインガーのポジションが多く、日本では柴崎岳や遠藤保仁などボランチの選手が多い傾向にあります。

サッカーの7番のポジションは、これといった決められたものはありませんが、7番を背負う意味としては明確にされつつあります。それは10番同様にチームの中心選手ということです。現代の7番はクリスチャーノ・ロナウッドやエムバペ、アザール、グリーズマン、ラキティッチのようなドリブルを武器に優れた攻撃力を誇るスター選手が数多く着用しています。

また、それ以前のサッカー選手を見ても、イングランド代表主将として活躍したデイビッド・ベッカム、クリスチャーノ・ロナウドの前にポルトガル代表の7番を背負っていたルイス・フィーゴなどスター級の選手が顔を並べています。背番号7番を背負うことは、チームの中心選手を意味しています。

・7番のポジションにはウインガーが多い
・チームの中心選手

サッカーの7番の選手が多く任されているウイングのポジションには、ドリブル突破が期待されています。少し前までは4-4-2という攻守のバランスがとれたフォーメーションが主流でしたが、現在では攻撃的な3トップが主流になっています。

ウイングとは、その3トップの両サイドを意味し、サイドをドリブルで突破してクロスボールを上げたり、中央へドリブル突破を試み、そのままシュートをすることが期待されます。つまり7番のウイングの選手には優れたドリブル技術、ボールコントロール技術が必要というわけです。

サッカーの7番の選手が多くつとめるウイングのポジションは、フォワードのポジションのため、得点力が期待されています。攻撃的な3トップが全て得点力を備えることで、相手チームにはかなりのプレッシャーをかけることができます。

ユベントスの3トップは左からクリスチャーノ・ロナウド、イグアイン、コスタで、バルセロナの3トップは左からグリーズマン、スアレス、メッシというように、どのチームもウイングの選手には得点力に優れたプレイヤーを揃えています。7番のユニフォームを着用するウインガーの選手には得点力が期待されていることがわかります。

サッカーで背番号7番を背負っている選手、またはこれまで背負ってきたサッカー選手を見てみると、クリスチャーノ・ロナウドやエムバペ、アザール、デイビッド・ベッカム、ルイス・フィーゴ、中田英寿など、世界的にも優れたスター性を兼ね備えたサッカー選手が多いことがわかります。

そして、これらのスター級のサッカー選手が背番号7番を背負っていることから、世界中の子供達からも憧れの背番号になっています。つまり、サッカーの背番号7番には、スター性が期待されていると言えます。

ポルトガル代表で現在はセリエAの名門、ユベントスで活躍するクリスチャーノ・ロナウドは、リスボンからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍した際、それまでマンチェスター・ユナイテッドで7番を背負っていたデイビッド・ベッカムがレアル・マドリードへ移籍したことから、ベッカムの後を引き継ぐ形で背番号7番を背負いました。それだけクリスチャーノ・ロナウドへの期待があらわれていたということがわかります。

レアル・マドリードへ移籍した年はラウルが7番を背負っていたため、9番を背負いましたが、翌年にラウルが移籍したことから背番号7番を受け継ぎ、現在はユベントスで背番号7番を背負い、クリスチャーノ・ロナウド＝7番が定着しています。

サッカーロシアワールドカップで世界を驚愕させる大活躍を見せ、フランス代表の優勝に大きく貢献したウインガーであるエムバペ。そのエムバペはパリ・サンジェルマンで、弟の誕生日である29日から、背番号29番を着用していましたが、2018-19シーズンから、ルーカスの移籍によって背番号7番のユニフォームを着用することになりました。

エムバペが背番号7番を選んだ理由は、憧れの存在であるクリスチャーノ・ロナウドにありました。一回り以上歳の差があるクリスチャーノ・ロナウドとエムバペ、サッカーにおける背番号7番の価値は年代をまたいでしっかりと受け継がれています。

イングランドの貴公子という異名を持つデイビッド・ベッカムは、日本でも有名なイケメンでスター性あふれるサッカー選手です。ベッカムといえばマンチェスター・ユナイテッド時代の活躍が有名で、1992年から2003年まで在籍し、265試合に出場し、52ゴールをあげています。

マンチェスター・ユナイテッドでは当初10番を背負っていましたが、7番を背負っていたエースのカントナが引退し、ベッカムは10番ではなく7番を背負うことになりました。その理由はファーガソンが、チームのエース番号を7番としていたからです。マンチェスター・ユナイテッドは伝統的に7番を重要な番号としていたことから、ベッカムが受け継いだとされています。

サッカーの背番号制は、当時は2-3-5のVフォーメーションにより、ポジションによって背番号が固定されていました。そして時代の流れと共にサッカーも変化していき、チームの特性に合わせて様々なフォーメーションがあみだされ、背番号も自在につけられるようになり、どの番号がどのポジションという概念が無くなってきました。

しかし、今でも暗黙の了解のように背番号でポジションが推測され、さらに背番号が持つ意味も重要になっています。その中でも7番は世界でもトップクラスのチームの中心選手が着用していることから、プロサッカー選手を夢見るジュニア年代の選手たちから憧れの的となっています。