育成型期限付き移籍とは?サッカーの期限付き移籍との違いも解説
Jリーグの育成型期限付き移籍は2013年に若手の出場機会の増加を目標にして作られた移籍制度となり、期限付き移籍であるレンタル移籍とは内容が異なっています。育成型期限付き移籍にはレンタル移籍には無いメリットがあり、近年は増加傾向で若手育成にも役に立っています。
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公式ライター Activel_director
育成型期限付き移籍とは?
育成型期限付き移籍は、日本サッカー協会のJFAがJリーグの若手選手の出場機会が少ないことを育成の観点で問題視しており、Jリーグの若手育成プロジェクトの一環で実現した経緯があります。
期限付き移籍との違い
(1)同一リーグに移籍できる。
(2)年齢制限がない。
(3)移籍期間内にチーム事情によって移籍を解消することができない。
これが育成型期限付き移籍と比較したときの期限付き移籍の特徴です。
育成型期限付き移籍に必要な3つの条件
(1)23歳以下の日本国籍を有する選手の期限付き移籍であること
(2)期限付き移籍契約の途中解約に関して、移籍元チーム、移籍先チーム、当該選手の三者が予め合意していること
(3)移籍元チームのリーグより下位のリーグのチームへの期限付き移籍であること
3つめの下位リーグでなければいけない理由は、同一リーグ同士の移籍だと順位争いをしているチームの対戦相手に育成型期限付き移籍で有望選手を貸すことができてしまうので、リーグの公平性を担保するために下位リーグへの移籍しか認められません。
育成型期限付き移籍のメリット
けが人が発生したときには戻ってきてもらうことができるので、チームとしては若手選手を修行に出しやすくなります。
給与は基本的に移籍先クラブが出すので、育成型期限付き移籍は所属クラブの費用の節約にもなり、育成にもなる便利な制度です。
下位リーグのチームにとってもJ1の期待の若手選手を格安で獲得できるのは育成型期限付き移籍のメリットといえます。
登録ウインドーの期間以外に移籍ができること
Jリーグの場合は、1月8日〜4月1日、7月1日〜7月29日が登録ウインドーとなります。定められた期間外に新戦力を登録することはできません。
しかしながら、育成型期限付き移籍は若手選手の育成のために行うものなので、登録ウインドー期間に関わらず移籍ができますし、所属チームに戻すことも出来ます。
育成型期限付き移籍の上手な使い方
第4キーパーはリーグ戦で出番が回ってくることはほとんどありません。しかし、ゴールキーパーは経験が必要なポジションで試合出場経験が成長に直結します。
そこで、育成型期限付き移籍で若手ゴールキーパーを放出して怪我人が出たときには戻してもらうという方法を使うと若手ゴールキーパーの育成につながります。
また、戦術面で似ているチームに移籍することで、育成型期限付き移籍から帰ってきた選手はチームにフィットしやすくなります。
育成型期限付き移籍の成功例
杉本健勇
事実上の育成型期限付き移籍で出場機会を得て調子を上げた杉本健勇選手は見事ロンドンオリンピック出場を果たしています。杉本健勇選手のレンタル移籍の事例は、翌年の育成型期限付き移籍採用のモデルケースとなったといわれています。
その後、杉本健勇選手はA代表にも招集されたので、移籍は成功例といえるでしょう。
小川航基
小川航基選手は育成型期限付き移籍でJ2水戸ホーリーホックに移籍して得点を量産し、得点感覚を取り戻した小川航基選手は水戸ホーリーホックでの活躍が評価されてA代表に選出されました。
小川航基選手のジュビロ磐田から水戸ホーリーホックへの育成型期限付き移籍も成功例といえます。
育成型期限付き移籍の背景にあるJリーグの特殊事情
そのためプロクラブ同士での柔軟な移籍を促していく必要があるのです。
Jクラブの保有人数の多さによる弊害
けが人が出ないと紅白戦にも参加できない環境は、若手選手の成長を阻害してしまうという弊害があるのです。
けが人が出た時にチームに戻すことができるという条件の育成型期限付き移籍は、保有人数の多さによる若手選手の成長阻害を緩和させる狙いがあります。
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