アディショナルタイムとロスタイムの違いとは?疑問を解決!
『アディショナルタイム4分です!』の実況をよく耳にしますよね。これは延長時間のロスタイムの意味?と思う方もいるかと思います。このアディッショナルタイムとロスタイムの違いと意味のまつわる疑問を徹底解決します!
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公式ライター Activel_director
アディッショナルタイムとロスタイム
あるタイミングからロスタイムからアディッショナルタイムに言い方が変わりました。その為、昔からサッカーをご覧になっている方の中ではロスタイムの方が馴染み深いなんて言われる方もいらっしゃるかもしれません。
アディッショナルタイムとは?
ロスタイムとは?
ちなみに Loss of time の of を抜かしてロスタイムとすることは英語の分法的には間違いであり和製英語です、ネイティブにはほとんど意味が通じませんので注意が必要です。
アディッショナルタイムとロスタイムの違い
実は日本以外の国は昔から同じ意味のアディショナルタイムを使っていました。
ロスタイムとは日本だけが使っていた言葉なのです。なぜそうなったかは定かではありませんが日本だけが使用して日本だけで意味が通じる呼称です。
ロスタイムからアディッショナルタイムへ変わった2つの理由
2つ目の理由とは、サッカーのようなスポーツでは『なるべくポジティブな意味の言葉を使おう』という風潮があるからです。
過去に延長戦の方式の1つであり1点決まった時点で試合を打ち切り、先取したチームを勝者とする方式をゴールデンゴール方式と呼びます。少し前はこれをサドンデスと呼んでいた時期もありました。同じ意味ですがデスという死を意味する言葉を使い、敗者を決するよりも、勝者を決する方が良い意味合いですよね。
いつからロスタイムからアディッショナルタイムへ変わったのか
2000年代までの日本は呼び慣れたロスタイムと呼んでいました。2000年代に入ると民放などのサッカー実況でだんだんとアディショナルタイムと呼ぶところが増えてきたようです。すぐ変わると何の意味かわからなくなるということもあり一斉に変更とはいきませんでした。
しばらく経って2010年7月16日、日本サッカー協会の審判委員会から傘下のJリーグを含む各リーグへにロスタイムからアディショナルタイムへと変更する通達がありました。
これに準じ2013年にはNHKの実況でアディショナルタイムと表現を統一するようになり、その他のメディアもこれにならってだんだんと日本サッカー界からロスタイムという言葉が使用されなくなってきました。
アディッショナルタイムはどのように決まるのか?
1点を守り抜く側からしたら短いにこしたことないですし、追いかけている側からしたら長くチャンスがある方が良いです。
この重要なアディショナルタイムが試合の中でどのように決まるのか疑問を解決していきます。
アディッショナルタイムとは誰が決めるのか
しかし、サッカーというスポーツの性質上、主審による判断の違いがあります。それは時計を空費時間の長さの判断は主審によって変わるので、アディショナルタイムの長さが違うことを意味します。
アディッショナルタイムとなる行為は?
・選手交代
・負傷した選手の程度の判断や退場
・乱闘
・場外からの予期せぬプレーの妨害
・暑い試合での飲水
アディショナルタイムにカウントされる時間として、ボールが場外に出てからスローインやコーナーキックでボールをコート内に入れるまでの時間は加算されません。 ただあくまで空費時間の判断は上述の通り主審の裁量によるところが大きいので仮に同じ試合を異なる主審が行った時は結果に違いがでることを意味します。 またサッカーでは自然現象である落雷、豪雨、強風はアディショナルタイムと意味合いが違います。主審が試合自体を止め、場外へ選手を退場させます。
アディショナルタイム中の空費時間はどうなるのか
試合終了のタイミングとは?
1つ目は3分と表示されたとしてもそれは3分台を意味しているので3分ちょうどかもしれませんし、3分59秒かもしれません。約1分の違いが生じることを意味します。主審がそれを決めているので主審だけがそれを知っているということになります。
2つ目はサッカーでは得点が決まりそうなタイミングでは試合終了させてはいけないことになっています。例えばアディショナルタイムが3分ちょうどであったとき、3分経過した時点でペナルティエリア内に選手がいる時はプレーが途切れるまで終了しません。
サッカーでは主審の判断がやはり大きな要素であることを意味します。
アディショナルタイムの平均はどのくらい?
アディショナルタイムの最短、最長とは?
それでは、最長のアディショナルタイムはどのくらいでしょうか?理論上にはなりますが仮に試合開始から何らかのトラブルで試合が空費したまま試合終了時間になったとき、これは試合時間である45分の、そのままの45分がアディショナルタイムであることを意味します。
しかし45分のアディショナルタイムであったことは過去にありません。最も長いアディショナルタイムとはイングランドのチェシャー・シニア・カップの中での28分という記録です。後半ゴールキーパーのブラガナンがフリーキックを処理しようとしたとき、他の選手と交錯しました。そのままピッチ上で約30分に渡り処置を受けた後、病院に搬送されました。これにより28分という長いアディショナルタイムが生まれたそうです。なお、ブラガナンはその後大きな損傷等なく改善に向かったとのことです。
アディショナルタイムの表示
実はアディショナルタイムの時間表示は、ある時まで表示・掲示していませんでした。この場合は主審が45分経過後、アディショナルタイムを判断しそのままの流れでアディショナルタイムに入り時間が完了したら終了のホイッスルを鳴らしていたのです。
なぜアディショナルタイムを表示するようになったのか?
それは時間管理が明確でなく、わかりにくいことです。
それもそのはず、アディショナルタイムの時間を表示する前は主審だけがそれをわかっている状態を意味します。そしてアメリカで生まれたバスケットボールはサッカーとは違い、時間管理が非常にシビアです。ゲーム展開の違い、ということもありますが1秒刻みで表示し、誰にも明確に時間を示します。
この違いはアメリカ国民からは意味がわからなかったようで、まさに合理的なアメリカ合衆国らしい出来事です。これがきっかけとなりこの次のフランス大会から表示されるようになったのです。
なぜアディショナルタイムでドラマが生まれるのか?
また引き分けの状態でアディショナルタイムに突入するとお互い総力戦となり、観戦する側からも白熱した数分間となります。そんなアディショナルタイムに生まれたサッカーのドラマを一部紹介します。
1994FIFAワールドカップ・アジア予選(ドーハの悲劇)
しかし、日本、サウジアラビア、韓国、イラン、イラクと勝ち点差1の間に4カ国並ぶ接戦でワールドカップ出場には勝利が条件であることを意味しておりました。
試合内容
1993.10.28 【ドーハの悲劇】〔ノーカット〕
69分、中山が2−1を決める勝ち越しゴールを決め日本は歓喜に包まれながらアディショナルタイムを迎えました。しかし90分20秒イラクにゴールを決められ同点となりそのまま試合終了となりました。
サウジアラビアはイランに勝利し、韓国は北朝鮮に勝利したことで勝ち点でその2チームが予選通過し同時に、日本の敗退が決定しました。これによりあと一歩のところで日本はワールドカップ 初出場を逃し、ドーハの悲劇として語り継がれるようになったのです。
アディショナルタイムのまとめ
・ロスタイムは日本だけで呼ばれていた和製英語です。
・2000年代を皮切りにアディショナルタイムと呼ばれるようになりました。
・アディショナルタイムは主審が決めます。
・アディショナルタイムの表示は1998年フランスワールドカップからするようになりました。
・ポジティブな言葉で最後まで諦めない姿勢がアディショナルタイムにはあります。
アディショナルタイムという呼び方で、『あと3分しかない』と考えるのではなく『あと3分もある』と発想を転換ができ、最後まであきらめないことでつかみ取れる何かがあると考えられます。
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