サッカーの試合をする場であるピッチ。そのサイズをご存知の方はどれほどいるでしょうか?そしてペナルティーエリアやゴールエリアの広さとは!?今回はサッカーピッチサイズに着目し、コートの大きさ・広さ・寸法・面積まで徹底解説していきます!
なぜサッカーで「ピッチ」と呼ぶのか?
サッカーの試合などをテレビで見ていて、実況が「ただいま選手がピッチに入っていきます」というように「ピッチ」という呼び方が使われていますが、少年サッカーなどでは「グラウンド(グランド)」や「コート」などという呼び方もします。しかし試合の実況やテレビの報道では「コート」や「グラウンド(グランド)」という呼び方はされません。他には「フィールド」と呼ぶ場合もあります。いったいどのような呼び方が正しいのでしょうか。以下ではピッチ・コート・グラウンド(グランド)・フィールドの呼び方について簡単に説明していきます。
サッカーのピッチとは?
日本サッカー協会では、「ピッチとフィールドは同義語である」としています。元々ピッチとはイギリス発祥のスポーツであるクリケットの用語で、ゲームを行うプレイフィールドの中央にウィケットと呼ばれる杭を指して区切った縦長の部分の事を意味します。そしてイギリスでサッカーが行われ始めた当初、ルールも何もなかったため、フィールドの四隅に4本の杭を打ち込み、その杭で区切られたフィールドをピッチと呼ぶようになりました。
そこからテレビの実況では「ピッチ」と呼ぶようになったといわれています。
サッカーのコートとは?
コートとはテニスコート、バスケットボールコート、バレーボールコート、ハンドボールコート、バドミントンコートなどと呼ばれるように、比較的狭いプレイエリアを指すとされています。したがって、コートとは、サッカーの試合よりも人数も少なく狭いスペースで行われる場合に用いられるわけです。フットサルの試合も「フットサルコート」と呼ばれています。
しかし実際には、サイズの大きさなどを表現する際に「サッカーコートの大きさ」や「サッカーコートの広さ」「サッカーコートの作り方」などと一般的にサッカーコートと呼ばれることもあります。
8人制を採用する少年サッカーの場合は、ピッチよりもコートという表現を多く使います。
グラウンド(グランド)とは?
グラウンド(グランド)とは、野球や陸上など様々なスポーツを多目的に行うことができるスペースを意味し、校庭などはグラウンド(グランド)という呼ばれ方くをしています。
グラウンド(グランド)とは競技場全体として使われることが多い呼び方です。グラウンドはground、グランドはgrandとなります。グランド(grand)は、「大きな、立派な」という意味なので、正確にはグランドではなく、「競技場・運動場」という意味のグラウンド(ground)が正しいと言えます。
しかし発音の違いだけでいえば、グランドもグラウンドも同じ意味に捉えられ、「グランンドの広さ」「グラウンドの広さ」も同じ意味に捉えられています。
サッカーのフィールドとは?
フィールドはピッチと同義語とされていて、プレイエリアを意味します。サッカー用語としてキーパー意外をフィールドプレーヤーと呼ぶことからも、細かくいえばキーパー意外のプレイエリアをフィールドと呼ぶこともあります。
ピッチ同様、フィールドの大きさ、フィールドの広さ、フィールドの面積、フィールドの寸法という呼び方も間違っているわけではありません。
サッカーのピッチサイズとは?
サッカーのピッチサイズ、大きさ、寸法、幅、面積、規格についてですが、日本サッカー協会において
「ピッチの長さ:90m~120m、ピッチの幅:45m~90m」という規定が設けられています。
国際ルールでは最大で長さ110m×幅75m、最小で長さ100m×幅64mというサイズ規定があり、ワールドカップやオリンピックのピッチサイズは長さ105m×幅68mというサイズ規定になっています。少年サッカーなどではローカルルールによってこれより狭い寸法・幅のコートサイズで試合が行われています。
サッカーのピッチサイズには様々な大きさ、広さがあります。
各スタジアムのサッカーピッチの大きさ・広さ・面積・寸法
日本サッカー協会規定や国際ルール規格で定められているサッカーの試合でのピッチサイズですが、日本にあるサッカースタジアムのピッチサイズも、日本サッカー協会規定の範囲内において、タッチラインの長さ・ゴールラインの長さに違いがあり、その大きさや広さや面積、寸法は様々です。
それでは、そのサッカーピッチサイズの大きさ、広さ、面積、寸法の違いを見ていきましょう。
カシマサッカースタジアムのピッチサイズ規格
ピッチサイズ規格
ゴールラインの長さ:78m
タッチラインの長さ:115m
面積:8,970平方メートル
※一番面積・寸法が大きい広いスタジアムです。
日産スタジアムのピッチサイズ規格
ピッチサイズ規格
ゴールラインの長さ:72m
タッチラインの長さ:107m
面積:7,704平方メートル
味の素スタジアムのピッチサイズ規格
ピッチサイズ規格
ゴールラインの長さ:68m
タッチラインの長さ:105m
面積:7,140平方メートル
フクダ電子アリーナのピッチサイズ規格
ピッチサイズ規格
ゴールラインの長さ:71m
タッチラインの長さ:107m
面積:7,597平方メートル
埼玉スタジアム2002のピッチサイズ規格
ピッチサイズ規格
ゴールラインの長さ:68m
タッチラインの長さ:105m
面積:7,140平方メートル
※国際規格に沿ったピッチサイズです。
サッカーピッチサイズの広さと戦術
このように各サッカーピッチサイズの大きさ、広さ、長さ、寸法、面積、幅には違いがあり、広いピッチサイズではワイドに使う戦術を採用したり、狭いピッチサイズではパスを細かくつないだりというような戦術の変更、選手起用などを考慮する必要があるわけです。
プロ野球スタジアムを見ても、、各スタジアムの大きさや広さや面積には違いがあり、狭いスタジアムではホームランバッターを多く配置したり、広いスタジアムでは守備力を強化する戦術を用います。サッカーにおいてもピッチサイズの大きさや広さや面積の違いに合わせて戦術にも違いが出てきます。
サッカーピッチの各名称とサイズ
サッカーの試合におけるピッチにはタッチラインやハーフウェーライン、ゴールライン、ペナルティーエリアやゴールエリアなど様々なラインやエリアがあります。以下では具体的にサッカーピッチの各名称とサイズや広さ、寸法、幅などそれぞれの規格を解説していきます。
センターマーク
センターマークとは、サッカーの試合開始時やゴール後のキックオフでボールをセットする、ハーフウェーラインの中央の場所を指します。
センターサークル
センターサークルとはピッチの中央にあるサークルを指します。そしてセンターサークルの大きさはセンターマークを中心に半径9.15メートルです。キックオフ時にはこのセンターサークル内に相手プレーヤーは侵入することができません。
ハーフウェーライン
ハーフウェーラインとは、ピッチの中央にひかれたラインを指します。キックオフ時にはお互いのプレーヤーはこのハーフウェーラインを超えてはいけないというルールがあります。さらに場合によってはこのハーフウェーラインがオフサイドラインになる場合があります。
ペナルティーマーク
ペナルティーマークとは、ペナルティーキックの際にキッカーがボールをセットする位置を指します。このペナルティーマークはゴールラインの中心から11メートルの距離をおきます。
ペナルティーエリア
ペナルティーエリアとは、ゴールキーパーが手を使えるスペースを指します。このペナルティーエリア外はフィールドプレーヤーと同じルールが適用されるため、手を使うと直接フリーキックが相手チームに与えられます。このペナルティーエリアの大きさは、左右それぞれのゴールポストの内側からコーナーに向かって16.5メートル、そして直角に16.5メートル、両サイドを直線で結んだ長方形の広さになります。
ゴールエリア
ゴールエリアとは、ペナルティーエリアの内側に位置する小さな寸法のエリアを指します。ゴールキックの際にボールをセットしたり、このエリア付近で関節フリーキックが行われる際にセットされる場所です。ゴールエリアの大きさは、左右ゴールポストの内側からコーナーに向かって5.5メートル、直角に5.5メートル、両サイドを直線で結んだ長方形の広さになります。
タッチライン
タッチラインとは、長方形のピッチの両サイドにひかれたラインを指します。タッチラインをボールが完全に外に出た場合はアウトオブプレーとなり、スローインから再開されることになります。このタッチラインの長さの規格は90メートルから120メートルとされています。
ゴールライン
ゴールラインとは、両タッチラインから結ぶように直角にひかれたラインを指します。ボールがゴールの真下にひかれたゴールラインを超えると得点になり、攻撃側のプレーヤーが最後に触れてゴールラインを割るとゴールキック、守備側の選手が最後に触れてゴールラインを割るとコーナーキックで再開されます。このゴールラインの規格は45メートルから90メートルとされています。
コーナーアーク
コーナーアークとは、サッカーピッチの四隅に置かれるエリアを指します。コーナーキックの際にボールをセットする場所になります。このコーナーアークは、コーナーから半径1メートルの四分の一の円弧で示します。
ペナルティーアーク
ペナルティーアークとは、ペナルティーエリアにつかながるように描かれた半円を指します。ペナルティーアークの意味は、ペナルティーキックの際に、キッカー以外のプレーヤーはボールから9.15メートル離れなければならないというルールから置かれたエリアで、キッカー以外のプレーヤーはこのペナルティーアークに侵入することは許されません。
このペナルティーアークの大きさは、ボールをセットするペナルティーマークから9.15メートルの距離の半円のサイズです。
8人制少年サッカー
日本サッカー協会では、U-12(12歳以下)の多くの子供達がレベルに関係なく、サッカーの試合を通してボールに触れる機会を増やし、練習で身に付けた技術や戦術を試す場として成長してほしいとのコンセプトから8人制サッカーを推奨しています。
それでは8人制サッカーのコートサイズはどれくらいの大きさなのでしょうか。
8人制サッカーのコートサイズ
日本サッカー協会が推奨している8人制サッカーのコートサイズを紹介します。
コートサイズ:68メートル×50メートル
ペナルティーエリアの縦:12メートル
ペナルティーマーク:8メートル
ペナルティーアークの半径:7メートル
ゴールエリアの縦:4メートル
センターサークルの半径:7メートル
ゴール:5メートル×2.15メートル
尚、これはあくまでも日本サッカー協会が推奨しているコートサイズであって、ローカルルールで変更している自治体は多くあります。 例えば低学年のコートとして50メートル×30メートルであったり、3,4年生のコートになると60メートル×40メートルに広げたりと様々です。
サッカーピッチの作り方
それでは8人制少年サッカー用コートの作り方を説明していきます。必要なものは100メートルのメジャー2つとラインカーです。コート作りで最初に行う作業は直角を作ります。
直角の作り方
①初めに基準となるタッチライン68mをとります。
②タッチラインの30mに目印をつけます。
③ゴールライン50mをとります。
④ゴールラインの40mに目印をとります。
⑤タッチラインの30mの目印と、ゴールラインの40mの目印をメジャーで図って50mになれば正確な直角であることになります。
これを「3対4対5の法則」と呼びます。
寸法は特に30m、40m、50mでなければいけないわけではありませんが、あまりに短い寸法だと誤差が生じることがあります。
各ポイントに目印をつける
次に各ポイントに目印をつけていきます。ゴールラインの寸法をメジャーで測ったら、そのままメジャーを置き、各エリアに目印をつけていきましょう。
コーナーアーク:直角から1m
ペナルティーエリア:10.5m
ゴールエリア:18.5m
ゴール中央:25m
ゴールエリア:31.5m
ペナルティーエリア:39.5m
コーナーアーク:49m
逆側の直角を作る
次に逆サイドのタッチラインとゴールラインで直角を作ります。実際に引いた68m、50mにそれぞれメジャーの0mを合わせ、逆サイドで同じく68m、50mの寸法でつなぎます。
同じくタッチラインでは両端で1メートルずつ目印をつけ、各エリアに目印をつけましょう。
コーナーアーク:1m
ペナルティーエリア:10.5m
ゴールエリア:18.5m
ゴール中央:25m
ゴールエリア:31.5m
ペナルティーエリア:39.5m
コーナーアーク:49m
ペナルティーエリアの作り方
ペナルティーエリアの作り方ですが、両ゴールラインでつけた10.5mと39.5m同士にメジャーを置き、0m地点から12m、68m地点から56m地点までそれぞれラインを引きます。そして12m地点同士、56m地点同士をそれぞれ結ぶとペナルティーエリアの完成です。
ゴールエリアの作り方
次にゴールエリアの作り方ですが、両ゴールラインでつけた18.5mと31.5mにメジャーを置き、0mから4m地点まで、68m地点から64m地点までラインを引きます。そして4m地点と64m地点を結ぶとゴールエリアの完成です。
ハーフウェーラインの作り方
ハーフウェーラインの作り方は、両タッチラインの34m同士を結びます。そしてその寸法が50mで正確なハーフウェイラインの完成です。
センターサークルの作り方
センターサークルの作り方ですが、ハーフウェーラインの中央25m地点から半径7mがセンターサークルの寸法です。中央のセンターマークに0mを置き、そのままメジャーで7mをラインカーに結び、ぐるっと回ればセンターサークルは完成です。
コーナーアークの作り方
コーナーアークは、各四隅の1mの目印を円弧で結び完成です。
ペナルティーマーク・ペナルティーアークの作り方
ペナルティーマークはコート上の両ゴールライン0mから8m地点、68mから60m地点にそれぞれ作ります。そしてペナルティーアークはペナルティーマークから半径7mをペナルティーエリアのゴールラインと並行のラインに半円で描きます。
サッカーピッチサイズのまとめ
サッカー場の呼び方にも様々なものがありますが、通常のサッカー場はピッチやフィールドと呼び、フットサルのような狭い場所はコート、学校の校庭のような多目的競技場の場合はグラウンドと呼ぶことが理解しやすいということがわかりました。
そしてサッカーのピッチサイズは日本サッカー協会で範囲が規定されており、その広さは各スタジアムによって違うことも理解しましょう。