日本代表のオフサイドトラップの凄さとは?世界が魅了するテクニックを解説!
日本代表がワールドカップのセネガル戦で行なったオフサイドトラップはその美しさと技術レベルの高さから史上最高であると言われています。日本代表のオフサイドトラップの凄さは、ラインの整え方、上げるタイミング、2列目の選手への対応まで細かく設定されているところにあります。
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公式ライター nosedori
日本のオフサイドトラップの凄さとは?
ワールドカップセネガル戦でのFK
オフサイドトラップとは、ディフェンスラインをコントロールすることで、相手をオフサイドポジションに置き反則を誘うという戦術で、それを日本代表がワールドカップの舞台で採用したことで話題を集めました。
海外メディアが反応
このように海外メディアが日本のサッカーシーンに対して取り上げることは珍しく、offside trap japanと言う検索ワードを入力するだけで動画やニュースをすぐに見つけることができるほどです。offside trap japanは一つの日本代表の代名詞と言っていいほど海外の反応は大きく、評価も上がっています。
なぜ日本代表はオフサイドトラップを使用したのか?
海外の相手との身長差
その理由の1つとなったのが、日本代表とセネガル代表の身長差です。日本代表の平均身長は178.1センチと出場国の中でも下から2番目であり、一方セネガル代表は183.7センチで両国の間には5センチもの開きがあります。またセネガル代表は身体能力が高く、日本代表選手よりもはるかに高い打点でヘディングを合わせることができます。
FKでは身長や身体能力の差は現れやすく、普通に競り合った場合日本の選手が競り負けて失点するリスクが非常に高くなります。そこで用いた戦術がオフサイドトラップで、これを仕掛けることによって競り合うことなく守備をするという狙いが見て取れます。
組織的なプレーが得意
海外では組織よりもまずは個人に焦点を当てるため、そもそもオフサイドトラップを仕掛けるという発想自体があまりありません。
サッカーの現場においても、日本では組織で守備をするということに関しては非常に重要視されており、それを小学生年代から意識づけされているため、オフサイドトラップを仕掛けるなどのプレーを素直に受け入れて実行することができます。これは日本サッカーにおいては、非常に強力な武器であるとも言えます。
オフサイドトラップを普段使う
オフサイドトラップが文化的により浸透していったのはFIFAワールドカップ2002日韓大会の時で、当時日本代表監督であったトルシエ監督がフラットスリーでのオフサイドトラップを仕掛けていたことから、それを育成年代でも真似して実行するチームが増えました。それによってオフサイドトラップを仕掛けるということが日本のサッカー界ではメジャーであり、今ではそれが日本のサッカー文化的には当たり前ともなっています。
日本のオフサイドトラップの技術面での凄さ
ラインを整えることの難しさ
デコボコにラインがなってしまうと、オフサイドトラップを仕掛けた際に誰かが残ってしまいオフサイドが不成立になり、逆に失点のリスクを高めてしまうことになります。
そのため、サッカーのオフサイドトラップにおいてはラインを整える技術を持つことが前提条件であり、それを簡単にこなしている日本代表の技術的な凄さが際立ちます。
ラインを上げるタイミング
サッカーのオフサイドトラップを仕掛ける上で、ラインを上げるタイミングというのは非常に大切であり、このタイミングを間違えると相手をフリーにしてしまい、即失点につながります。日本代表がセネガル戦で仕掛けた際にラインを上げたタイミングはキッカーが助走に入り、ボールに目を落とした瞬間です。
このタイミングでラインを上げることによってキッカーがオフサイドトラップに対応してキックのタイミングを修正することはできず、オフサイドにかかる確率を高めることができます。この絶妙なタイミングの実行技術を示したことが、海外の反応が高い理由の一つにもなっています。
2列目からの飛び出しに対する予防線
具体的には、2名の選手がラインより高い位置で準備しておき、ラインを上げた瞬間にその二人は逆に下がるようにし、ボールがちょうどけられる瞬間に2名とラインがクロスするというやり方を取っていました。これによってセネガルの選手が2列目から待機していて飛び出した際や、また万一オフサイドトラップがかからなかったときにリスクを軽減することができます。
これは非常に画期的な方法であり、世界を見渡してもこのようなやり方を行なっているチームなく、史上最高と言われる所以でもあります。
日本のオフサイドトラップの戦術面での凄さ
共通認識を持つために時間がかかる
それらの決まりごとを共通認識として持つだけでなく、正確に合わせられるようになるには日本代表選手といえ時間を要すると考えられます。時間をかけて戦術として浸透させることができたからこそ、あの高いレベルでのオフサイドトラップを成功させることができたといえます。
失敗時のリスクの高さと成功時のメリット
日本代表はセネガル戦で、そのリスクを恐れずに仕掛けて見事にメリットに変えたということができます。さらに、オフサイドトラップを日本が仕掛けてくるということを相手チームが知ることによって、次回以降のFKの際に相手は飛び出すタイミングを考えなければならず、相手に混乱を招くことができるという副次的なメリットもあります。それも含めて日本代表にとっては、オフサイドトラップを仕掛ける戦術的メリットが十分に存在したといえます。
リーダーになる選手の存在が必要
このリーダーの存在がなければ、ラインを上げるタイミングや、オフサイドトラップを仕掛ける仕掛けないの判断ができず、失敗をするリスクが高くなってしまいます。またチームとしても、そのタクトを振るえる選手を持つということは非常に大切です。
なぜ日本のオフサイドトラップが世界中で反響を呼んだ理由とは?
海外にはオフサイドトラップを仕掛ける文化がない
しかし、現代サッカーにおいてはラインを上げてオフサイドを取るメリットよりもリスクの方が大きいと考えられ、その後オフサイドトラップを積極的に仕掛けるというようなチームは減少しました。
そのためセネガル戦で仕掛けた日本のオフサイドトラップがより際立って見えたといえます。
組織的なプレーの美しさに触れた
日本が見せたこのプレーはラインを整える美しさから始まり、同じタイミングでラインを上げて見事にオフサイドポジションに相手を置いたという、組織で成せる完璧な技を繰り出したというところに海外の人々の心に響いたものがあり、史上最高と言われている所以でもあります。
戦術的な可能性を引き出した
多くの得点がセットプレーから生まれる現代サッカーにおいては、攻撃面において工夫がこなされている一方で守備面においてはゾーンかマンツーマンかという選択が多く、今後はこれにプラスしてオフサイドトラップを加えたいというチームが増えています。それにより守備戦術のバリエーションが増え、相手の得点をより妨げる守備をすることができるようになります。
オフサイドトラップを今後も活かすために必要なこと
2列目の飛び出しに注意
この2列目の飛び出しを防ぐための方法は、日本代表が用いた守備側も2列目を作り、その選手はゴールに向かって下がるというやり方や、2列目の選手にラインを合わせるというやり方、2列目の選手にマンツーマンで付くというような方法があげられます。
これらの方法を駆使してオフサイドトラップの穴である2列目への対応を行うことができます。
仕掛ける時と仕掛けない時の使い分けが大切
それを防ぐため、より効果的にオフサイドトラップを用いるためにも使い分けが大切で、一度オフサイドトラップを見せておいて、次は行わないことで相手にラインを抜ける以外の雑音を与えることができるため、より抜け出すタイミングが相手は掴みづらくなります。相手が2列目の飛び出しを準備しているときは使用しないなどという基準を設けて行う方法もおすすめです。
日本ブランドとして成長させられる
今までは様々なサッカーの戦術や技術を海外から見習うということが続いていましたが、このオフサイドトラップに関しては世界よりも日本が優れているということをワールドカップで代表が証明してくれました。この戦術を日本の一つの強みとして、海外が真似をしていくということも現実味を帯びており、より戦術としての磨きかけて日本がリーディングカントリーとして飛躍していく可能性を十分に秘めています。
日本のオフサイドトラップの技術の凄さまとめ
オフサイドトラップを仕掛けるにはタイミングの図り方など、技術的にも時間をかけて詰めていかなければいけない要素もありますが、どのカテゴリーにおいても用いることのできる戦術であり、今後の世界のサッカー界においてメジャーになっていくことが予想されます。
日本代表においても今後の試合でどのようにオフサイドトラップを戦術として用いていくか、その点にも是非注目してください。
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