サッカーの8番の背番号が持つ意味とは？期待される役割や素質

背番号に関してサッカーではどの番号のサッカー選手がどのポジションをやらなくてはいけないといった縛りはほとんどありません。傾向として”ある背番号”をつけることが多いポジションや役割は存在します。8番はゲームメーカーや司令塔が身につけることが多い背番号となります。​

今までのサッカー史の中で8番を身につけた代表的なサッカー選手を見てもそのような傾向をみることができます。

ボランチのなどが行う中盤の組み立て参加しつつボールを引き出し、前線へボールを供給するという重要な役割を担います。

この役割をこなせる選手がいなければ攻撃がロングボール一辺倒の単調なサッカーになってしまったり、FWが前線で孤立してしまい攻撃の選択肢が限られてしまいます。

特に中盤と前線をつなげるという意味ではバイタルエリアと言われる相手のMFとDFの間のスペースで受けることで、効果的な攻撃が可能となります。リンクマンとして世界屈指の実力を持つほとんどサッカー選手たちは、このバイタルエリアでボール受ける能力が抜群に高く、チームの攻撃にアクセントを加えます。

ボールを引き出して前線に運ぶリンクマンとして機能するだけでは、8番の役割としては不十分です。自らもフィニッシャーとしてゴールに関われるプレーも同時に求められます。

8番の役割をこなす選手がボールを受けてさばくだけでは相手守備陣を崩すことはできません。ゴール前に有効なスペースがあればフリーランニングで積極的に飛び出していかなくてはいけませんし、時にはドリブルで相手守備ブロックに果敢に侵入し自らシュートすることなども必要です。

特に２列目の選手が最終ラインのギャップに向かってフリーランを行うことで、自分自身がゴール前でフリーになれる可能性がありますし、フリーにならなくともディフェンスのマークのズレを生じさせ、相手守備陣に混乱をきたすことができます。

8番を身につけた世界最高のサッカー選手と言っても過言ではないのがイニエスタ選手です。ヴィッセル神戸に移籍した当初、すでに8番のユニフォームを着用していた選手がその番号をイニエスタ選手に譲るということがありました。それほどイニエスタ選手といえば8番、8番と言えばイニエスタ選手という印象が定着しているのです。

サッカーの全て理解しているようなポジショニングやボールタッチで数多くのチャンスを演出します。
彼が中盤にいるだけでボールの流れが全く異なり、全て彼の意のままにゲームが動いているのではないかと思えてしまうほどです。

また、ただゲームを組み立てるのみに止まらず、自ら積極的にゴール前に飛び出して行き自らゴールを決めることもできます。ワールドカップの決勝戦やその他にも大事な場面で彼がゴールを決めているという事実からも彼のサッカー選手としての完成度の高さをみることができます。まさに8番の教科書とも言える選手です。

フランク・ランパード選手はダイナミックな展開が売りのイングランドサッカーを象徴するようなサッカー選手です。イングランドのサッカーといえば、アップダウンの連続で展開が早く、屈強なフィジカルコンタクトが求められるという特徴があります。このようなサッカーにおいてリンクマンとして機能し、かつフィニッシュに関わっていく8番の役割を果たすことは簡単ではありません。

しかし、ランパード選手は無尽蔵のスタミナでその役割を同時につ勤め上げ、自陣ペナルティーエリアら相手ペナルティーエリア全てをカバーできるBOX TO BOXなサッカー選手として称賛を浴びてきました。日々のトレーニングでも手を抜かない姿はサッカー選手として、そして人としても多くの尊敬を集めました。

リバプールFCの本拠地であり、サッカーの聖地とも言われるアンフィールドで背番号8番のユニフォームを身にまとい、長きにわたりチームを牽引し続けたレジェンドです。

豊富な運動量であらゆる場所に顔を出し、ダイナミックなランニングと正確無比なロングボールで中盤から前線へを見事につなぎ、多くのチャンスを演出しました。そして何と言っても彼の最大の魅力は世界最高クラスのシュート力です。圧倒的なパワーを誇るミドルシュートにより数多くのゴールを生み出し、そのフィニッシュワークのレベベルの高さはフォワード顔負けでした。

ランパード選手と同時期に活躍した選手であり、どちらが最高のミドッフィルダーかという比較もよくされた名選手です。

サッカーの8番は攻撃に時に非常な重要な役割を担います。現代サッカーでは守備戦術の進化が急速に進んでおり、単調なロングボール一本のサッカーでは簡単に得点を奪うことができないのが現実です。必要になってくるのは、中盤を支配し攻撃に変化を加えて、フィニッシュにからめる8番のような選手です。

今日のサッカーではアスリート化も進み、あらゆるポジションにおいてアスリートとしての能力が高い選手が重宝されてきています。しかし、彼らだけでは試合に勝つことはできません。中盤をコントロールして違いを作り出すことのできる8番、彼らこそがフィールドの支配者であり今後も重宝されていくことは間違いないでしょう。