ハーフスペースとは?【現代サッカーの戦術解説】
現代サッカーを理解し、サッカーをプレーする際に欠かせない基本用語となっているハーフスペースについて解説していきます。ハーフスペースを活用した戦術の例について攻撃と守備に分けてまとめていきます。覚えておくととにかく便利な基本用語なので、理解できるようにシンプルにハーフスペースを紹介します。
Writer
公式ライター Activel_director
ハーフスペースとは?
現代サッカーのハーフスペースの意味
ハーフスペースの敵陣ゴール前30メートルのエリアをニアゾーンと呼び、相手センターバックとサイドバックの間のエリアをチャンネルと呼びます。この3つの現代サッカー基本用語は似て非なるものなので覚えておくと便利です。
ハーフスペースの重要性とは?
そこで、中央でもサイドでもないハーフスペースを利用した攻撃方法を確立することが効果的なわけですね。
中央にボールがある場合、両チームとも選手がゴール前に位置していて、目線はまっすぐ縦方向を見ることになります。ハーフスペースにボールを動かすと、視野は縦方向ではなく斜め方向となります。ハーフスペースにポジションを取った選手には、中央の場合と同じ数のプレーの選択肢が用意されていてサイドのように選択肢が限定されません。
そして中央にいる時のように後方の視野の外にディフェンダーがいるわけでもなく、相手を見ながらゴール方向も見ることが容易です。つまり、ハーフスペースでボールを受けると中央ほどターンもポストプレーも必要がなく、サイドほど選択肢が限定されないわけです。
ハーフスペースの攻守の戦術的な活用方法とは?
ハーフスペースを上手く使った攻撃の例
相手を錯乱させるために流動的に動きながらも、全体の位置関係を崩さないための原則ですので、どのチームでも導入できる便利な現代サッカー戦術といえます。
ハーフスペースを利用した具体的な例
伊藤純也選手は右サイドのアタッカーでサイドに張っていることが多く、伊藤純也選手が相手ディフェンダーをを広げるためにハーフスペースが空きやすくなります。空いたハーフスペースをトップ下の南野拓実選手と右サイドバックの酒井宏樹選手が使っています。
また、日本代表のサイドバックがサイドに開いた場合は伊藤純也選手がハーフスペースを利用していて、流動的で自由に動いているようにみえますが、位置関係を崩しているわけではなくハーフスペースをチームとして利用するための約束事があるわけです。
伊東純也 正確無比過ぎるクロス連発‼︎ vsモンゴルタッチ集
ハーフスペースを上手く消した守備の例
4バックで守る場合は、1枚足りなくなるのでサイドにスライドして逆サイドのミッドフィルダーが最終ラインまでカバーする形やボランチが最終ラインに降りて4枚プラス1枚で最終ラインを守るチームが増えています。
ただし、最終ラインが5枚で守ると攻撃に移りにくいというデメリットがあるので4枚で対応できるに越したことはありません。
4バックでハーフスペースを消している例としてアトレティコ・マドリードのゾーンディフェンスの動画を紹介します。とにかく中央にボールがあってもサイドにボールがあっても全体をコンパクトに保つことでハーフスペースを封鎖しています。
【サッカー】アトレティコ・ゾーンDF(1-4-4-2)
ハーフスペースで活きる選手の例
どんな選手が必要なのか?
ハーフスペースでは中からも外からもボールが来るために両足でトラップする技術を持っていることが大きな意味を持ちます。ハーフスペースではゴールに対して斜めの角度からパスが来ることが多く、ボールを受けてからゴール方向に向かうためには方向を変えてトラップするコントロールオリエンタードと呼ばれる技術が重要です。
また、カットインドリブルを得意とする選手もハーフスペースでボールを受けることができるとドリブルを活用できるようになります。ハーフスペースでボールを受ける技術、ボールを持ってからのパス、ドリブルとすべてがハイレベルな選手の典型例としてはヴィッセル神戸のイニエスタ選手が挙げられます。
神戸イニエスタ Jで魅せた絶妙プレー集 Andrés Iniesta 2018 Magician’s Skills in Vissel Kobe.
ハーフスペースは現代サッカーでは欠かせない
サイドと中央に関しては分かりやすく名前が付いていましたが、サイドと中央の間にある場所について、その存在を認識していても、共通言語がなければ瞬間的な判断が必要となるサッカーにおいて意思疎通を図ることは難しいです。
ネットで世界中で情報が共有できる時代となって世界でハーフスペースと定義され、普遍的に通用する基本用語となったことで、サッカーの解釈が整理されて、サッカーを見る側もプレーする側も戦術的な理解を高めることができるという意味でハーフスペースを覚えておくことは欠かせません。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。