クライフターンとは?上手にクライフターンを決める方法とコツを解説!
サッカーのドリブルスキルの1つ、クライフターン。往年の名プレーヤー、ヨハン・クライフが編み出したとされる技です。ドリブルの方法としては難易度は低いものの、クライフターンをサッカーの試合中に使う場合はコツが必要です。クライフターンを決める方法をコツとともに解説します。
Writer
公式ライター トヨアキ
サッカーのクライフターンとは?
今回は、クライフターンのやり方や方法、メリットやデメリットはもちろん、初心者でもクライフターンをマスターできるコツをご紹介します。
ドリブルスキルの1つです。クライフターンとは、体の向きとは逆の方向にボールを置いて、ディフェンダーにボールを奪われないように、ディフェンダーを交わすテクニックとなります。
1970年代に、サッカーオランダ代表、そしてバルセロナでサッカー選手として活躍したヨハン・クライフが編み出したテクニックから、クライフターンと呼ばれています。ヨハン・クライフの繊細なボールタッチで相手を翻弄するドリブルは「フライング・ダッチマン(空飛ぶオランダ人)」と称されていました。
クライフターンのやり方とは?
クライフターンを編み出したヨハン・クライフが実施したオリジナルのクライフターンは、キックフェイントと組み合わせるやり方がメインの方法でした。この辺りがマルセイユルーレットとは違うところです。
ヨハン・クライフがクライフターンの有名なシーンと言えば、サッカーW杯で見せたシーンです。クライフが左サイドでボールを保持し、ディフェンダーに背を向けた状態で右足でセンターリングを上げるキックフェイントとからクライフターンで反転し突破するシーンです。これほど見事に決まったクライフターンは無いでしょう。以下の動画を参考にして、このシーンを、分解して解説していきます。
覚えたら一生使えるフェイント
①ボールの横に軸足を置く
クライフターンは軸足の裏にサッカーボールを通すフェイントなので、サッカーボールに近すぎると軸足にサッカーボールが当たってしまいます。
かと言って、サッカーボールから離れすぎてしまうとフェイントがかかりません。
ボールを蹴るときと同じくらいの要領で、ボールの横に軸足を置くようにしましょう。
②利き足でキックフェイント
実際にボールは蹴らずに、キックフェイントにします。ボールに対しどの位置に足を当てるのかがとても重要なポイントになります。
右利きの人ならボールの右側をインサイドに当てるイメージを持ちましょう。
③軸足の裏にボールを蹴ってドリブルする
②利き足でキックフェイントをする
③フェイント後に軸足の後ろにボールを置く
クライフターンのメリットとは?
しかし現代では、中央の密集した地帯や、複数のディフェンダーに囲まれた状態で、切り返しの感覚でクライフターンを活用する選手が増えてきています。
メッシやネイマールなど、密集地域でのドリブルを得意とするドリブラーを見ていると、利き足で軸足の後ろを通して進行方向を変更する方法を選択する選手は多いです。
それでは、クライフターンをドリブルで利用する場合、メリットとはどのようなものが考えられるでしょうか?ここでは2つのメリットについて考えてみます。
①ファウルをもらいやすい
クライフターンは、軸足の後ろを通して進行方向を変えるので、ドリブルする際は軸足でボールを守りながら切り返せるというメリットがあります。
クライフターンは、フェイントからの切り返しで相手の逆を取るドリブルの技になるので、ディフェンダーは基本的に足を出して対応することが多くなります。
そのため、クライフターンが完全に決まると、相手の出した足に軸足が引っかかる形となるので、ファイルの判定がもらいやすくなります。
バイタルエリアでクライフターンを行うことで、チャンスを広げられるというメリットです。
②パスコースを作り出せる
クライフターンは、突破する技だけではなく、キックフェイントと組み合わせることでパスコースを生み出すことが可能です。
基本的には、ボールを蹴り出すことを前提として考えますが、ディフェンダーが足を出してきた場合には、クライフターンで突破することで、コースを生み出します。
1度キレイに決まると、相手はクライフターンを警戒して来るので、簡単にパスが出せたり、クライフターンとは逆方向にドリブルしたりと、サッカーにおいて最も重要な駆け引きの上で相手ディフェンスを手玉に取ることが可能です。
密集地帯でのクライフターンでも、進行方向から180度近い方向転換を行うので、視野が開けてパスコースの開拓になります。
クライフターンのデメリットとは?
しかし、クライフターンにもデメリットはあります。それは、クライフターンができるということと、クライフターンを実際の試合で活用する方法は、全く別物だということです。
クライフターンを活用する場合は以下の高等技術が必要であり、それが最大のデメリットだと言えるでしょう。
①広い視野の確保が必要
サッカーで広い視野を確保するというのは、かなりの技術を持った選手でも難しいことです。特に、密集した地域でクライフターンを成功させるのは、とても難しいことで、クライフターンをマスターするよりも難易度が高いことがデメリットだと言えます。
クライフターンは通常のドリブルと違い、相手と自分の間に軸足を入れるので、相対する敵からボールを守ることができる一方で、周辺のディフェンダーがボールを取りに来た時には、一歩分足を出すタイミングがどうしても遅れてしまいます。
そのため、周囲の状況をしっかりと把握し、この場所に置けばボールは取られないという適切な状況判断と、狙ったところにボールを置ける技術が必要です。
この視野の確保をトップスピードの中で正確に行わなければならないというのは、クライフターンを成功させるのに必須の条件であり、クライフターンを実践することが難しいとされるデメリットです。
②スペースが必要
クライフターンが発明された時代は、ピッチを広く使う傾向にあり、常にスペースがあるサッカーでしたが、現代のサッカーではスペースが無い状態でのプレーが普通となっています。
メリットでも挙げたように、クライフターンは一気に局面を打開できる必殺技的な要素が強い一方で、なかなか繰り出すタイミングが難しいというデメリットもあります。
マルセイユルーレットとは違い、スペースが必要なため、敵・味方が密集した地帯でクライフターンは繰り出すのは難しいことはデメリットです。
1対1などでは絶大な効果を発揮する一方で、敵が多い局面ではそもそもクライフターンを実行する方法が見当たらず、使える局面が限られているというデメリットです。
クライフターンを決めるためのポイント
クライフターンという技の難易度はそこまで高くありませんが、実際のサッカーの試合で誰でもできる技ではないので、クライフターンのやり方を知っていてもなかなか試合でやる方法がわからないという人も多いのではないでしょうか。
クライフターンを実際の試合で成功させる3つのポイントをご紹介します。
①クライフターンをかけるタイミング
同じドリブルの技でも、マルセイユルーレットはドリブラーにタイミングの優位性がありますが、クライフターンは相手次第です。逆にマルセイユルーレットと違い、一度技の動作に入っても、クライフターンはプレーのチョイスができるというメリットもあります。
かけるタイミングをしっかりと見極めるようにしましょう。
②相手ディフェンスとの位置関係
クライフターンは、1対1でディフェンダーと正対したシチュエーションではなかなか効果が発揮できません。ディフェンダーの左右にボールを出して、必ずディフェンスと自分の横にボールがあるようにするとしかけやすくなります。少し前めにボールを出すことで、ディフェンスが足を出してきたらマルセイユルーレットで逆方向に進むことも可能です。
クライフターンは、様々な技への応用が効くというメリットがあります。
③相手ディフェンスの重心
マルセイユルーレットとは違い、相手の相手の重心とは逆をついて反転することがクライフターン成功の最も重要なポイントです。クライフターンを掛けようと思ったけれど相手が揺さぶられていないのであれば、クライフターンをかけるのはやめましょう。
ボールと相手の位置を見極めつつ、重心を把握することが、クライフターンをサッカーの試合中に成功させるための、一番大切な要素だと言えるでしょう。
クライフターンのコツ
クライフターンの練習方法は、コーンをディフェンダーに見立てて、まずはターンする際に自分もボールもコーンに当たらないように意識する練習のやり方をおすすめします。
少しでも早くクライフターンを身につけるための、2つのコツをご紹介します。
サッカーボールに対して軸足の踏み込む位置を意識する
基本的には、ボールの横に置くべきであり、キックするやり方と同じやり方であればあるほど効果を発揮します。
初心者のウチから、ボールを蹴るという動作になるべく近い形の練習のやり方を意識すると良いでしょう。
ボールの近くに軸足を置くメリットは、よりキックのモーションがリアルに感じられることです。
足元だけではなく、目線でもフェイントをかけるように、練習から意識するとクライフターンの成功のコツが掴みやすいでしょう。
ただし、軸足を近くに置きすぎると、ターンする際に軸足にボールが当たってしまうというデメリットもあります。
クライフターンの練習では、軸足の位置がどのくらいまで踏み込めるのかを意識しながら練習すると、早くコツをつかむことができるでしょう。
クライフターン後の進行方向に体を倒す
スピードを上げるコツは、ターンした方向に倒れこむような意識で体を持っていくことです。このやり方だと、最初は転びそうになるかもしれませんが、サッカーボールを蹴った足の着地と同時に軸足でスタートするためには、倒れこむくらいの意識でやると素早く反転できます。
ターンからの一歩目と二歩目はとても大切なので、意識して練習すると上達するでしょう。
よくあるクライフターンの失敗例
それは、以下のような失敗例があるからです。
クライフターンした方向に敵がいる
デメリットでも紹介したように、クライフターンを成功させるには自分のポジションの周りにスペースがあることが前提となります。
サイドでクライフターンをして突破したけれど、カバーリングにきたディフェンスに取られてしまったというケースはもちろん、中央突破でクライフターンを用いて切り返しをしたけれど相手がいて取られてしまったということも多いでしょう。
初心者やクライフターンのやり方のコツがつかめていない人は、密集地帯ではマルセイユルーレットなどで方向転換した方がサッカーボールを奪われる可能性が低いでしょう。
サッカーボールが軸足に当たってしまう
特に、トップスピードでドリブルをしている時にクライフターンをすると、このミスが起こりやすくなります。
世界の一流プレーヤーでも、トップスピードでクライフターンを実践できるサッカー選手はなかなかいません。
マルセイユルーレットとは違い、クライフターンは、切り返しの技というより、一周のスピードで相手を翻弄するやり方が一番ハマるので、初心者はまず基本のクライフターンからマスターするようにしましょう。
正対した相手にクライフターンを仕掛けて取られる
相手ディフェンダーとのポジショニングがしっかりと理解できていないと、初心者は特にクライフターンを無謀な位置関係から仕掛けてしまいがちです。マルセイユルーレットの方が正対した相手には効果的な技だと言えます。
相手ディフェンダーとの位置関係をしっかりと把握した上でクライフターンを実践するようにしましょう。
サッカーのクライフターンはコツを掴めば誰でもできる
サッカーの初心者でも、方法ややり方さえわかれば誰でもできる技です。しかし、これを実践するのが本当に難しい。サッカーの技の難易度でいえば、マルセイユルーレットの方が上ですが、サッカーの試合中に実践する技としては、マルセイユルーレットよりもクライフターンの方が難易度は高いです。
一瞬のひらめきで技を出せるように、日頃から練習しておくとよいでしょう。
クライフターンを成功させる方法とコツ
仕掛けるタイミングと自分とディフェンスとの位置関係を把握し、相手の重心が崩れているとクライフターンは成功しやすいです。この時、視野を広く確保し、スペースが十分にあること、相手ディフェンダーのカバーが来れない位置であることを確認しておきましょう。
マルセイユルーレットなどと比べ、派手さはありませんが一瞬で局面を打開できる可能性のある技です。
サッカー初心者でもマスターすることは可能なので、ドリブルスキルを磨きたいという人は、ぜひ参考にしてください。
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