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ターンオーバー制サッカーの意味合いとは?新しい可能性【用語説明】

ターンオーバー制サッカーの意味合いとは?新しい可能性【用語説明】

サッカーにおけるターンオーバー制の仕組みやそのメリットとデメリット、なぜ日本ではあまり採用されていないかを詳しく解説しています。また、ターンオーバー制がサッカーの戦術にどのような変化をもたらすかも紹介していますのでぜひご覧ください。

2022.12.03 サッカー

サッカーのターンオーバー制とは?

ターンオーバーの意味

サッカーのターンオーバーとは、リーグ戦やカップ戦で先発メンバーを大きく入れ替えて試合に臨むことで、レアル・マドリードなどヨーロッパの強豪チームが多く用いています。
先発メンバー全員を入れ替えるターンオーバーもあれば、5人前後を入れ替える場合、ゴールキーパーなど同ポジションの選手を試合毎にターンオーバーするというやり方があります。

ターンオーバーを実施する目的

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なぜターンオーバー制が始まったかというと、それは近年サッカーがよりスケジュール的に過密になってきていることが原因です。例えばバルセロナの場合、毎週末にリーグ戦、ミッドウィークにチャンピオンズリーグ、国王杯といった真剣勝負の戦いをしなければならず、週に2試合を戦うということも多々あります。

一般的にサッカーの試合を行なった後、1週間で疲労回復しコンディションを整えられると言われていますが、週に2試合あると中2日で疲労の残った状態で試合に臨まなければならず、ベストパフォーマンスはおろか怪我のリスクも伴います。そこで先発を入れ替えるターンオーバー制に注目が集まり、取り入れるチームが増えてきています。

サッカーのターンオーバー制を用いるメリット

選手がフレッシュな状態で試合に臨める

サッカーの過密日程に対してターンオーバー制を用いることによって、選手がよりフレッシュでコンディションの整った状態でサッカーの試合に臨むことができるため、ベストパフォーマンスを出しやすくなります。

特別な選手の場合は異なりますが、多くの選手は少しのレベルの差があったとしても、疲労がたまり動けない状態の選手よりも、疲労がなく頭もフレッシュな状態の選手の方が良いパフォーマンスをします。

また、ターンオーバー制を用いることで疲労の溜まっていない状態でプレーでき、怪我をするリスクも抑えられるため、選手にとってもチームにとってもメリットがあります。

戦術的変化を起こすことができる

サッカーニュース:Qoly(コリー)さんはInstagramを利用しています:「マンチェスター・ユナイテッドとエヴァートンがロメル・ルカクの移籍について移籍金7500万£(約85億円)で合意との報道。  #Qoly #コリー #サッカー #⚽ #ルカク #lukaku #manchesterunited #everton #マンチェスターユナイテッド…」 (59382)

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サッカーの戦術とはチームによって異なっていますが、その戦術に大きく関係するのがどのような特徴を持った選手がいるかということで、選手が変われば戦術も必然的に変わってきます。

サッカーのターンオーバー制はメンバーをガラッと変え、その選手達に合わせた戦術を用いることになるため、ターンオーバー制を採用することはチームとして2つの色に違う戦術を持つことを意味し、戦術的変化を起こすことができます。

例えば、攻撃的な選手が多いターンの時はよりアグレッシブに攻める戦術を、逆に守備的選手が多い場合は守ってカウンター戦術を用いるなどといった形です。相手チームにしてみれば、1つのチームが2つのチームを持っているかのようであり、非常に戦い方を決める際に困難になります。

選手のモチベーションを向上させる

舞(mai)さんはInstagramを利用しています:「2016年8月28日(日)松本山雅FC vs 徳山大学⚽試合を見守る控え選手たち…」 (59389)

サッカーのプロチームの場合、スタメンで出るメンバーというのはある程度固定されてくるため、出場機会の減少するメンバーが必ず出てきてしまいます。

例えばレアル・マドリードの場合、ベイルがスタメンで出られず不満を募らせたということが話題に上がりましたが、スタメンで試合に出れないというのは選手にとって最もモチベーションが下がる原因になります。

そのような問題を解決するためにもターンオーバー制は効果的で、スタートで出る機会増えモチベーションが向上するだけでなく、チームへの所属意識も高まっていきます。

サッカーのターンオーバー制を用いるデメリット

戦術の浸透が難しい

サッカーのターンオーバー制は戦術的変化をもたらすことができると同時に、2つの異なる戦術をチームに浸透させるのは非常に時間がかかり、なおかつ難しい作業です。

なぜならば、1ヶ月間のプレシーズンにおいて1つのチーム戦術を浸透させるのも困難であるにもかかわらず2つ目にまで手が回らないというのがほとんどのチームの実情です。ですのでターンオーバー制を用いる際には戦術理解が早く、なおかつ個人戦術の高い選手が多いチームであるほど容易に取り入れることができます。

中心選手の負荷が高い

サッカーのターンオーバー制を用いたとしても、試合での勝利を目指す上でチームに欠かすことのできない選手は必ず存在します。

例えばバルセロナのメッシがその代表で、メッシが戦術であり、観客もメッシを見るためにスタジアムに足を運ぶといっても過言ではなく、どうしてもスタメンで使わなくてはいけなくなります。そうなるとその選手の疲労はたまり続け、パフォーマンスが下がり、さらに怪我をしてしまうという最悪の事態にもなりかねません。

よって、ターンオーバー制とは中心選手にとってはあまり意味のない制度ということもできます。

日本でターンオーバー制があまり使われない理由

鹿嶋一郎さんはInstagramを利用しています:「#2018年 #9月5日(水)の #Jリーグ #ybcルヴァンカップ(#Jリーグカップ) 準々決勝第1戦「#鹿島アントラーズ vs #川崎フロンターレ」(#カシマサッカースタジアム)の #スターティングイレブン(#startingeleven) #鹿島アントラーズ戦…」 (59385)

ベストメンバー規定

日本のJリーグにはベストメンバー規定というものがあり、最近でいうと湘南ベルマーレがその違反をし制裁金を課されています。ベストメンバー規定とはその時点におけるチームのベストメンバーをもって試合に臨まなければならないというもので、海外においても規定はあるものの非常に取り締まりは緩くなっています。

この規定があるために、Jリーグのチームはターンオーバー制を採用するチームは少なく、多くの選手が疲労を蓄積した状態でプレーをするということが起きています。

選手層が薄い

Jリーグのほとんどのチームは選手層が薄いという問題を抱えており、ターンオーバー制を用いる意味がありません。なぜならば、ターンオーバーするということは戦術的変化を意味しますが選手層が薄いため、サッカーの質が落ちるばかりではなく、戦術的にも稚拙なものになってしまいます。

プロである以上勝利を目指すものであり、選手を休ますためだけにターンオーバー制を用いて負けるリスクをおうというのは本末転倒であり、それ故に日本のサッカー界では用いられることがほとんどありません。

サッカーの育成年代でのターンオーバー制

出場機会を与えて成長させる

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日本の育成年代において、リーグ戦やトーナメントで勝利を目指すことと、選手に出場機会を与えて成長させることのバランスを取るというのは日本サッカー界の課題の1つです。特に部活動のチームでは勝利を目指すあまり、リーグ戦に出たことのない選手やほとんど出られなかったという選手が出てしまうことがよくあります。それを解決し、選手を成長させるためにもターンオーバー制を育成年代に用いると効果があります。

海外の育成年代では1試合の間に全ての選手が出場し、スタメンも頻繁に入れ替わり、育成と勝利の両立ができています。日本においてもターンオーバー制をうまく用いて育成するとより多くの選手が成長する機会を得ることができサッカー界のレベル向上につながります。

複数の戦術を理解させることができる

サッカーの育成年代においては1つの戦術だけに固執して指導をすべきではありません。なぜならば、複数の戦術を知っておかなければ将来的に高いレベルでサッカーを行った際に対応することができず監督の求める動きを理解できないからです。

サッカーには様々な戦術があり、その全てを理解するというのは困難なことではありますが、ターンオーバー制で2つの戦術を各年代で学ぶことができれば将来的には複数の戦術を理解した選手が生まれてきます。

育成年代においてはこのように戦術的な頭を鍛えるということもできるターンオーバー制を用いるメリットは大きいと考えられます。

サッカーのターンオーバー制のまとめ

ウブロ - Hublot JapanさんはInstagramを利用しています:「明日はいよいよ、#サッカー日本代表 の初戦! 皆様はもう#ワールドカップ の試合はご覧になりましたか?  試合中、全審判が「ビッグ・バン レフェリー2018 FIFAワールドカップ ロシア™」 を着用しておりますが、#選手交代 や#アディショナルタイム…」 (58135)

サッカーのターンオーバー制はまだまだ用いられているチームは少ないですが、戦術的な変化や、疲労の回復、また育成年代での使用など新たな可能性を多く秘めており、今後より注目されていく制度です。

そのデメリットも大きく、その兼ね合いをどうとっていくのかというのが今後のターンオーバー制における課題とも言えます。

ターンオーバー制を用いて試合で負けた場合、サブの選手を出したからレベルが下がったと言われますが、プロにおいてはスペシャルな選手でない限り1つのチームでそこまでの差はありません。それよりもターンオーバー制でどのような戦術的変化をもたらすことができたかという監督の手腕が問われるべきです。

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