ターンオーバー制サッカーの意味合いとは?新しい可能性【用語説明】
サッカーにおけるターンオーバー制の仕組みやそのメリットとデメリット、なぜ日本ではあまり採用されていないかを詳しく解説しています。また、ターンオーバー制がサッカーの戦術にどのような変化をもたらすかも紹介していますのでぜひご覧ください。
Writer
公式ライター Activel_director
サッカーのターンオーバー制とは?
ターンオーバーの意味
サッカーのターンオーバーとは、リーグ戦やカップ戦で先発メンバーを大きく入れ替えて試合に臨むことで、レアル・マドリードなどヨーロッパの強豪チームが多く用いています。
先発メンバー全員を入れ替えるターンオーバーもあれば、5人前後を入れ替える場合、ゴールキーパーなど同ポジションの選手を試合毎にターンオーバーするというやり方があります。
ターンオーバーを実施する目的
一般的にサッカーの試合を行なった後、1週間で疲労回復しコンディションを整えられると言われていますが、週に2試合あると中2日で疲労の残った状態で試合に臨まなければならず、ベストパフォーマンスはおろか怪我のリスクも伴います。そこで先発を入れ替えるターンオーバー制に注目が集まり、取り入れるチームが増えてきています。
サッカーのターンオーバー制を用いるメリット
選手がフレッシュな状態で試合に臨める
特別な選手の場合は異なりますが、多くの選手は少しのレベルの差があったとしても、疲労がたまり動けない状態の選手よりも、疲労がなく頭もフレッシュな状態の選手の方が良いパフォーマンスをします。
また、ターンオーバー制を用いることで疲労の溜まっていない状態でプレーでき、怪我をするリスクも抑えられるため、選手にとってもチームにとってもメリットがあります。
戦術的変化を起こすことができる
サッカーのターンオーバー制はメンバーをガラッと変え、その選手達に合わせた戦術を用いることになるため、ターンオーバー制を採用することはチームとして2つの色に違う戦術を持つことを意味し、戦術的変化を起こすことができます。
例えば、攻撃的な選手が多いターンの時はよりアグレッシブに攻める戦術を、逆に守備的選手が多い場合は守ってカウンター戦術を用いるなどといった形です。相手チームにしてみれば、1つのチームが2つのチームを持っているかのようであり、非常に戦い方を決める際に困難になります。
選手のモチベーションを向上させる
例えばレアル・マドリードの場合、ベイルがスタメンで出られず不満を募らせたということが話題に上がりましたが、スタメンで試合に出れないというのは選手にとって最もモチベーションが下がる原因になります。
そのような問題を解決するためにもターンオーバー制は効果的で、スタートで出る機会増えモチベーションが向上するだけでなく、チームへの所属意識も高まっていきます。
サッカーのターンオーバー制を用いるデメリット
戦術の浸透が難しい
なぜならば、1ヶ月間のプレシーズンにおいて1つのチーム戦術を浸透させるのも困難であるにもかかわらず2つ目にまで手が回らないというのがほとんどのチームの実情です。ですのでターンオーバー制を用いる際には戦術理解が早く、なおかつ個人戦術の高い選手が多いチームであるほど容易に取り入れることができます。
中心選手の負荷が高い
例えばバルセロナのメッシがその代表で、メッシが戦術であり、観客もメッシを見るためにスタジアムに足を運ぶといっても過言ではなく、どうしてもスタメンで使わなくてはいけなくなります。そうなるとその選手の疲労はたまり続け、パフォーマンスが下がり、さらに怪我をしてしまうという最悪の事態にもなりかねません。
よって、ターンオーバー制とは中心選手にとってはあまり意味のない制度ということもできます。
日本でターンオーバー制があまり使われない理由
ベストメンバー規定
この規定があるために、Jリーグのチームはターンオーバー制を採用するチームは少なく、多くの選手が疲労を蓄積した状態でプレーをするということが起きています。
選手層が薄い
プロである以上勝利を目指すものであり、選手を休ますためだけにターンオーバー制を用いて負けるリスクをおうというのは本末転倒であり、それ故に日本のサッカー界では用いられることがほとんどありません。
サッカーの育成年代でのターンオーバー制
出場機会を与えて成長させる
海外の育成年代では1試合の間に全ての選手が出場し、スタメンも頻繁に入れ替わり、育成と勝利の両立ができています。日本においてもターンオーバー制をうまく用いて育成するとより多くの選手が成長する機会を得ることができサッカー界のレベル向上につながります。
複数の戦術を理解させることができる
サッカーには様々な戦術があり、その全てを理解するというのは困難なことではありますが、ターンオーバー制で2つの戦術を各年代で学ぶことができれば将来的には複数の戦術を理解した選手が生まれてきます。
育成年代においてはこのように戦術的な頭を鍛えるということもできるターンオーバー制を用いるメリットは大きいと考えられます。
サッカーのターンオーバー制のまとめ
そのデメリットも大きく、その兼ね合いをどうとっていくのかというのが今後のターンオーバー制における課題とも言えます。
ターンオーバー制を用いて試合で負けた場合、サブの選手を出したからレベルが下がったと言われますが、プロにおいてはスペシャルな選手でない限り1つのチームでそこまでの差はありません。それよりもターンオーバー制でどのような戦術的変化をもたらすことができたかという監督の手腕が問われるべきです。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。