オリンピックのサッカーの年齢制限とは?23歳である理由を解説【東京五輪】
オリンピックのサッカーの年齢制限とは男子サッカー競技における出場年齢を23歳以下に制限するルールです。オーバーエイジ枠3人以外は23歳以下の選手が出場します。FIFAとIOCとの対立の歴史の中でできあがった制度で東京オリンピックでも採用されます。
2022.12.04
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サッカー
オリンピックのサッカーの年齢制限とは?
オリンピックのサッカーの年齢制限とは、男子サッカー競技に作られたオリンピックの規定です。
オリンピックが行われる前年の12月31日時点で23歳未満の選手に出場権が与えられるルールです。
オリンピックが行われる前年の12月31日時点で23歳未満の選手に出場権が与えられるルールです。
年齢制限の経緯
年齢制限ができた経緯は、FIFA(国際サッカー連盟)とIOC(国際オリンピック委員会)との対立が根底にあります。
オリンピックはもともとアマチュアスポーツの大会であり、プロ選手の参加は認められていませんでした。
一方で、FIFAは1930年に第1回ワールドカップを開催してからプロ・アマ問わず世界一を決める大会として人気を集め、オリンピックの価値が低下しました。
そこで、1992年のバルセロナ五輪からFIFAとIOCの妥協案を出して23歳以下限定でのプロ選手の出場が認められました。
オリンピックはもともとアマチュアスポーツの大会であり、プロ選手の参加は認められていませんでした。
一方で、FIFAは1930年に第1回ワールドカップを開催してからプロ・アマ問わず世界一を決める大会として人気を集め、オリンピックの価値が低下しました。
そこで、1992年のバルセロナ五輪からFIFAとIOCの妥協案を出して23歳以下限定でのプロ選手の出場が認められました。
オリンピックの登録選手の人数
オリンピックの登録選手の人数は18人です。
FIFA主催の国際大会の人数のルールは最大で23人でオリンピック予選も23人で行われます。本大会ではオーバーエイジ枠3人も含まれて18人となります。
FIFA主催の国際大会の人数のルールは最大で23人でオリンピック予選も23人で行われます。本大会ではオーバーエイジ枠3人も含まれて18人となります。
23歳以下である理由
オリンピックの年齢制限が23歳以下である理由は、他の国際大会との差別化の結果となり、FIFAが20歳未満のワールドカップ、17歳未満のワールドカップを主催しているためです。
名実ともに世界一を決めるFIFAワールドカップと差別化を図り、オリンピックを育成年代最高峰の大会と位置づけるためには、20歳以上の大会とする必要があり、結果として23歳未満としました。
名実ともに世界一を決めるFIFAワールドカップと差別化を図り、オリンピックを育成年代最高峰の大会と位置づけるためには、20歳以上の大会とする必要があり、結果として23歳未満としました。
サッカーがオリンピックで特別扱いされる理由
男子サッカーだけが、オリンピックで特別扱いされる理由は、FIFAがIOCより強い立場であることがあげられます。
FIFAワールドカップの方がオリンピックよりも大会の経済規模が大きく、オリンピックの収益も半分以上をサッカーが生み出すため、サッカーだけはU23という年齢制限を設ける特別扱いされます。
FIFAワールドカップの方がオリンピックよりも大会の経済規模が大きく、オリンピックの収益も半分以上をサッカーが生み出すため、サッカーだけはU23という年齢制限を設ける特別扱いされます。
国際サッカー連盟によると、2018年FIFAロシアワールドカップのテレビ視聴者数は、約35億人、 FIFA女子フランスワールドカップの視聴者が約11億人。2016年リオデジャネイロオリンピックの視聴者数は約35億人。
オリンピックが男女サッカー競技の視聴者数を合わせた数字であることを考えるとIOCがFIFAの意向に従わざるを得ないことが分かります。
オリンピックが男女サッカー競技の視聴者数を合わせた数字であることを考えるとIOCがFIFAの意向に従わざるを得ないことが分かります。
サッカーの収益性
オリンピックでサッカーは、収益性が高い競技となっています。
入場料収入は、開催都市以外での試合開催が多いことから大きく、放映権料収入は、サッカーは世界的にもっとも人気があるスポーツで高く設定されています。
オリンピックのメインスタジアムとなる陸上競技場で決勝など重要な試合を行うことができるので、コストパフォーマンスが高く、オリンピックでもっとも儲かる競技は男子サッカーとされています。
オリンピックの価値を下げかねないU23の年齢制限がサッカーにだけ認められるのは、このような商業的な理由です。
入場料収入は、開催都市以外での試合開催が多いことから大きく、放映権料収入は、サッカーは世界的にもっとも人気があるスポーツで高く設定されています。
オリンピックのメインスタジアムとなる陸上競技場で決勝など重要な試合を行うことができるので、コストパフォーマンスが高く、オリンピックでもっとも儲かる競技は男子サッカーとされています。
オリンピックの価値を下げかねないU23の年齢制限がサッカーにだけ認められるのは、このような商業的な理由です。
オーバーエイジ枠
オリンピックの男子サッカーには3人の年齢制限がないオーバーエイジ枠と呼ばれる招集枠があります。オーバーエイジ枠が導入された経緯は、IOCの観客動員数の減少への対策です。
23歳以下限定でのプロ選手がはじめて出場を容認された1992年のバルセロナ五輪で男子サッカーの観客動員数が少なく、危機感を感じたIOCがスター選手を招集する必要性を感じて、オーバーエイジ枠3人の招集をFIFAに要求しました。
オーバーエイジ枠を導入した1996年アトランタオリンピックでサッカーの観客動員数が大幅に増加したことで、以降の大会でもオーバーエイジ枠制度が定着しています。
23歳以下限定でのプロ選手がはじめて出場を容認された1992年のバルセロナ五輪で男子サッカーの観客動員数が少なく、危機感を感じたIOCがスター選手を招集する必要性を感じて、オーバーエイジ枠3人の招集をFIFAに要求しました。
オーバーエイジ枠を導入した1996年アトランタオリンピックでサッカーの観客動員数が大幅に増加したことで、以降の大会でもオーバーエイジ枠制度が定着しています。
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オリンピックの出場年齢を制限すると発生する問題とは?
オリンピックの出場年齢を制限すると発生する問題とは、世代のベストメンバーが集まりにくいことです。
U20ワールドカップ、U17ワールドカップでは、世代のベストメンバーが集まるにも関わらず、オリンピックのU23ではベストメンバーを集めることが難しくなります。
U20ワールドカップ、U17ワールドカップでは、世代のベストメンバーが集まるにも関わらず、オリンピックのU23ではベストメンバーを集めることが難しくなります。
A代表への飛び級選出
20歳以下でA代表に選出される選手は、かなり珍しいですが、23歳以下でA代表に飛び級で選出されることは珍しくありません。
そのため、オリンピック世代のトップレベルの選手は飛び級でA代表に招集しますので、オリンピック世代のチームに参加できないこともあります。
そのため、オリンピック世代のトップレベルの選手は飛び級でA代表に招集しますので、オリンピック世代のチームに参加できないこともあります。
招集拒否選手の増加
オリンピックへの出場を拒否するクラブ、選手も近年増えてきています。オリンピックはFIFAの大会ではないため拘束力が存在せず、クラブがオリンピック出場を拒否する権限を持ちます。
ヨーロッパのクラブでレギュラーとして活躍している選手がオリンピックへの出場することは、クラブ、選手ともにメリットが少なく、2016年リオデジャネイロオリンピックでは久保裕也選手が所属クラブの合意を得られずに招集を拒否しました。
ヨーロッパのクラブでレギュラーとして活躍している選手がオリンピックへの出場することは、クラブ、選手ともにメリットが少なく、2016年リオデジャネイロオリンピックでは久保裕也選手が所属クラブの合意を得られずに招集を拒否しました。
年齢制限以前のヨーロッパ勢の成績
23歳以下の年齢制限ができる以前のオリンピックの地域別の成績がこちらです。
15大会中13大会でヨーロッパ勢が優勝、2大会で南米が優勝を果たしています。
ヨーロッパ、南米以外のアジア、アフリカ、オセアニア、北中米カリブ地域の優勝国はありません。
ヨーロッパ勢が圧倒しています。
15大会中13大会でヨーロッパ勢が優勝、2大会で南米が優勝を果たしています。
ヨーロッパ、南米以外のアジア、アフリカ、オセアニア、北中米カリブ地域の優勝国はありません。
ヨーロッパ勢が圧倒しています。
年齢制限後のヨーロッパ勢の成績
23歳以下の年齢制限ができてからのオリンピックの地域別の優勝成績かこちらです。
7大会中、ヨーロッパが1回、アフリカが2回、南米が3回、北中米カリブが1回です。
年齢制限ができた後で、ヨーロッパの成績が落ちているのは、ヨーロッパ所属の選手の招集拒否が多く、ベストメンバーが出場していないことの影響が多いからと推測できます。
FIFAワールドカップでは、過去7大会中5大会でヨーロッパが優勝しているので、ヨーロッパ勢の実力が落ちているわけではありません。
7大会中、ヨーロッパが1回、アフリカが2回、南米が3回、北中米カリブが1回です。
年齢制限ができた後で、ヨーロッパの成績が落ちているのは、ヨーロッパ所属の選手の招集拒否が多く、ベストメンバーが出場していないことの影響が多いからと推測できます。
FIFAワールドカップでは、過去7大会中5大会でヨーロッパが優勝しているので、ヨーロッパ勢の実力が落ちているわけではありません。
東京オリンピックがサッカー日本代表にはチャンス
東京オリンピックがチャンスである理由としては、4つあります。
・出場国枠の少なさ
・組み合わせ抽選方式
・他国はベストメンバーを揃えるのが難しい
・自国開催のホームアドバンテージ
オリンピックの出場国は12カ国でワールドカップの32カ国と比べると小規模で決勝までの試合数が少なくなります。
組み合わせ抽選方式では開催国の日本はポッド1でFIFAランキング上位の国との対戦は無いですし、ヨーロッパ勢はベストメンバーを揃えることは困難です。
自国開催で環境に慣れていて応援も多いので、ホームアドバンテージがありますから東京オリンピックは日本代表にとってチャンスです。
・出場国枠の少なさ
・組み合わせ抽選方式
・他国はベストメンバーを揃えるのが難しい
・自国開催のホームアドバンテージ
オリンピックの出場国は12カ国でワールドカップの32カ国と比べると小規模で決勝までの試合数が少なくなります。
組み合わせ抽選方式では開催国の日本はポッド1でFIFAランキング上位の国との対戦は無いですし、ヨーロッパ勢はベストメンバーを揃えることは困難です。
自国開催で環境に慣れていて応援も多いので、ホームアドバンテージがありますから東京オリンピックは日本代表にとってチャンスです。
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