期限付き移籍と完全移籍の違いとは?サッカーのクラブチームとの契約を解説
サッカーの移籍報道でよく見る期限付き移籍と完全移籍ですが、違いを把握しておくとクラブの戦略や選手が置かれた立場を把握することに役に立ちます。選手のキャリア形成を成功させるためにも完全移籍、期限付き移籍や0円移籍、買い取りオプション、育成型期限付き移籍制度について知っておくことは重要です。
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公式ライター Activel_director
期限付き移籍とは?
別名:レンタル移籍、ローン移籍
期限付き移籍では移籍金が発生しませんが、レンタル料と選手年俸を獲得クラブが支払う形が一般的となります。選手の年俸は保有元のクラブでの年俸と原則として同額です。
期限付き移籍には、3種類あります。
(1)育成型期限付き移籍
(2)買取オプションなしのレンタル移籍
(3)買取オプション付きのレンタル移籍
育成型期限付き移籍
Jリーグは1月から4月、7月から8月までが移籍登録期間となっています。
育成型期限付き移籍は、この期間に縛られることなく期限付き移籍(レンタル移籍)できるうえに、期間外にレンタルを解消してチームに戻すこともできます。
例えば、けが人が発生するなど保有権を持つクラブが必要になったタイミングで選手を保有元のチームに戻すこともできます。
日本サッカー協会(JFA)が若手選手の出場機会の増加を目標にしていた制度です。
買い取りオプション
買い取りオプションを付けおくと、移籍先で大活躍した場合は、確実に選手の保有権を獲得できます。また言い換えると、買い取りオプション付きの期限付き移籍(レンタル移籍)は、保有しているクラブが期限終了後に選手を売る気があるときに行う契約方法です。
【買取オプション付きのメリット】
・チームにフィットするか試してから移籍ができる。
・契約切れのタイミングまで期限を引き延ばして移籍金なしで選手を獲得されるリスクを防げる
期限付き移籍のメリット
レンタル料は必要ですが、移籍金が必要のない期限付き移籍は完全移籍よりも圧倒的に安く選手を獲得することができます。期限付き移籍で放出するクラブとしては、異なる環境で出場機会を得て成長してクラブへ戻ってくることが期待できます。
このようなメリットがあるので、J1→J2などカテゴリーが下のリーグへの期限付き移籍が多く、出場機会がない若手選手の修行として期限付き移籍制度が利用されます。
期限付き移籍のデメリット
そのため、移籍先で選手が活躍しても、移籍先のクラブの判断に関わらず、保有元のクラブの権限で次のシーズンは保有元クラブへ選手が戻されることがあります。
このような将来の不透明さを改善するために買い取りオプション制度が存在します。
とくに海外の選手ほど移籍市場での動きは激しく、期限付き移籍だと将来の不透明さは増しますので、外国人選手を期限付き移籍で獲得する場合は買取オプションを設定することが望まれます。
完全移籍とは?
【移籍金の発生について】
前所属クラブとの契約が残っている場合;移籍金が発生
前所属クラブと契約が切れている場合;移籍金は発生せず
保有権ごと獲得する完全移籍が選手の移籍におけるもっとも基本的な制度となります。
0円移籍とは?
0円移籍で選手を獲得するクラブは移籍金なしで選手を獲得できるので、得をすることになります。そのため、各クラブは契約切れのタイミングで移籍金なしで選手を獲得することを狙います。
それに対する対抗措置として各クラブは0円移籍で選手が流出することを防ぐために重要な選手に対しては、複数年契約を結び、契約が切れる前に契約延長するのが一般的です。
契約延長をしなければシーズン中に選手を試合に出場させないという手段をとるチームもあります。
完全移籍のメリット
レギュラークラスの選手は完全移籍で保有するに越したことはありません。
そのため資金力がある強豪クラブは完全移籍での獲得が多くなります。
完全移籍のデメリット
完全移籍で選手を獲得するには、0円移籍以外の場合は移籍金が必要となります。移籍金の相場は獲得する選手の年俸の5倍から10倍となっていて高額で、クラブからするとリスクの高い投資となります。
また、複数年契約で完全移籍で獲得した選手達が監督交代などで大量に構想外となった場合は、選手年俸がチームの予算を圧迫する要因にもなります。
期限付き移籍と完全移籍の違いのまとめ
項目 | 期限付き移籍 | 完全移籍 |
---|---|---|
費用 | 安い | 高い |
保有権 | ない | あり |
契約期間 | 短期 | 長期 |
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