三重罰とは?ファールが重なるとどうなる?【サッカーのルール解説】
三重罰とは自陣ペナルティーエリア内での守備者のファウルに対して、退場、ペナルティーキック、次節出場停止の三つの罰が同時に適用されることをいいます。近年、ルール改正によって三重罰は適用されにくくなりましたが、ビデオ判定が導入されたことで判定の難解さが増しています。
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公式ライター Activel_director
三重罰とは?
自陣ペナルティーエリア内でのファールによってレッドカードが提示されるケースが三重罰にあたります。
PK・退場・次節出場停止が前半のうちに起こってしまうとまったくゲームプランが崩れてしまい1つのファールで試合が壊れてしまいます。
三重罰の読み方
読み方 | さんじゅうばつ |
英語 | Triple Punishment |
英語読み | トリプルパニッシュメント |
ディフェンダーは、自陣ペナルティーエリア内では三重罰にならないように細心の注意を払うことが必要になります。
三重罰の意味
三重罰は1つのファールでチームに大きな代償をともなうので、議論が多い規則で、2016年にルールが改定されていて、三重罰のジャッジ基準は緩和されました。
三重罰はあまりにも厳しすぎるというのが近年の判定のトレンドですが、三重罰はなくなったわけではありません。
三重罰が適用されるファールとは?
国際サッカー評議会(IFAB)が2016年3月に競技規則を改正をしました。PK、退場、出場停止の三重罰が適用されるファールについてこれまで退場となっていた判定がケースによって警告でとどまることになりました。
三重罰がなくなったわけではなく条件が緩和されたかたちで、三重罰が適用されるファールのケースを細かく解説します。
ケース1
吉田 豊選手が三重罰を受けたのはなぜ?【Jリーグジャッジリプレイ2019 #30-2】
守備者が自陣ペナルティーエリア内で行ったファールが、ボールを手または腕で扱う、相手競技者を押さえる、押す、引っ張るなどボールをプレーしようとしていない場合、または、ボールをプレーできる可能性がない場合は、三重罰が適用されます。
動画の名古屋グランパスの吉田選手のファールも三重罰が適用されたシーンです。動画にあるシーンのように軽い接触であっても後方からボールにプレーできる可能性がない状態で手を出してしまうと意図的なファウルと判断されて三重罰となります。
ケース2
守備者が自陣ペナルティーエリア内で行ったファウルのあとに、唾を吐く、判定に不服で暴言を吐くなどの著しく反紳士的な行為があった場合は三重罰が適用されます。
注意したいのは、三重罰を回避してイエローカードで済んだあとの執拗な抗議です。
例えば、ビデオ判定を要求するポーズを二回以上おこなうと追加でイエローカードが提示されて2枚目のイエローカードで退場となり三重罰になります。
三重罰と関連のあるサッカールールとは?
DOGSOとは、Denying Obviously Goal Scoring Opportunityの略で、決定的な得点機会を阻止することです。
三重罰になるケースと三重罰にならないケースを理解するにはDOGSOを理解する必要があります。
DOGSO
エリア内の決定機阻止 三重罰が適用されるのはどんな時?【Jリーグジャッジリプレイ2019 #17-2】
・反則とゴールとの距離
・プレーの方向
・守備側競技者の位置と数
・ボールをキープできる、または、コントロールできる可能性
4つの要件を満たし得点機会を阻止した場合は、DOGSOの対象となり退場が宣告されます。しかしながら、ペナルティーエリア内でのDOGSOに対しての扱いには特例があります。
DOGSOで三重罰が適用されないケースと理由
守備者がボールに対してプレーを行った結果として得点機会を阻止した場合は、DOGSOの要件を満たしていても三重罰が適用されません。
PKとイエローカードの判定になります。
三重罰にならない理由は、悪質なファウルではなく、決定的機会の阻止に結果的に繋がってしまった場合に三重罰は厳しすぎるからです。
具体的な事例を動画で確認
宮原選手(名古屋)にレッドカード 三重罰について学ぼう!【Jリーグジャッジリプレイ2019 #24-1】
自陣ペナルティーエリア内での接触が意図的だったかどうかが議論の分かれ目となります。DOGSOによる三重罰判定は微妙な判定が多くて、明確な線引きは難しいです。
三重罰のルールと考え方
このような批判が相次いだため2016年に三重罰を緩和するルールが改定されました。三重罰はとても厳しいファールとなっていますので、ペナルティエリア内の選手の動きには要チェックです。
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