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カウンターサッカーとは?サッカーの攻撃戦術を徹底解説!

カウンターサッカーとは?サッカーの攻撃戦術を徹底解説!

現代サッカーはポゼッションサッカーが主流という方も多いかもしれませんが、実はそのようなことはなく、カウンターサッカーもそれなりに採用されており、好成績を残しているチームも存在します。今回は、カウンターサッカーとは?と題してサッカーの攻撃戦術を徹底解説します。

2022.11.23 サッカー

カウンターサッカーとは?

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サッカーにおけるカウンターを定義するならば、相手の守備陣形が整う前に攻撃を完遂させるという意味になります。カウンターサッカーの対義戦術をあげるならば、それはポゼッションサッカーになります。つまり、カウンターサッカーは素早く攻撃することを意味し、ポゼッションサッカーはゆっくり攻撃することを意味します。

これらはサッカーの試合を行う上での戦術の一つとされ、相手チームとの力関係、自チームの選手の特性、監督の採る戦術によって採用されることになります。それでは以下でカウンターサッカーの特徴を見ていきましょう。

カウンターサッカーの特徴

ロングカウンター

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ロングカウンターとは、守備ラインを下げて守備ブロックを敷き、相手を自陣深くに引き込んだときに自陣のスペースを消してうまく守り、相手が痺れを切らして不用意な縦パスをいれた時、それをインターセプトして相手守備陣形が整う前に一気に攻撃を仕掛けるという点が特徴です。

 自陣へ引き込むというのは、裏を返せば、相手陣地にスペースが生じるということでもあり、要するに、相手陣地にスペースが広大に生まれることを意味します。対戦相手のほうが戦力的に優れているという試合で多く使われる戦術の一つです。

ショートカウンター

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ショートカウンターは、前線の選手によるハイプレスからボールを奪い、短いパスや個人技で攻撃ををしかけるカウンターです。ロングカウンターとの違いは、相手チームを自陣内に誘い込むのではなく、あえて自陣内に侵入してくる前にできる限り早くボールを奪い、早く攻めるカウンター攻撃です。

ショートカウンターのポイントは、どの位置でボールを奪うかということを事前にチーム内で確認しておくことにあります。一番多いパターンが縦のパスコースを切って、アウトサイドからインサイドへの横パスをインターセプトする戦術です。また、基本的に縦パスを入れさせないのは守備ラインを下げたくないという狙いもあります。

カウンターサッカーにおける必要なこととは?

プレイヤーの戦術的理解

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カウンターサッカーを採用するには、チーム内での戦術的理解が必要です。例えば、ショートカウンターを戦術として採用するのであれば、相手チームにボールを奪われた際のネガティブトランジションの場面では、ボール保持者の近くの選手(上の図では⑨)がフォアチェックに行き、前線の他の選手(上の図では⑧⑩)がインターセプトを狙います。

そして戦術として常にカウンターを狙うことはあまり適当ではないので、どのような場面でカウンターを狙うのか、どのような場面でポゼッションするのかといった戦術的理解をチーム内で深めておくことが必要です。

最後はシュートで終わらせる

最後はシュートで終わらせることはカウンターサッカーを行う場面で非常に重要です。特にロングカウンターの場面で求められることですが、その理由は途中でボールをインターセプトされたくないからです。低い守備ラインからボールを奪い、カウンター攻撃を一気に仕掛けるということは、攻撃側も一気に守備ラインを上げて攻め込むことになります。

その途中で相手チームにボールを奪われた場合、自陣内には大きなスペースが生まれており、逆カウンターをされる可能性があります。そのため、外れることを覚悟でシュートを打つことでゴールになれば良いわけですが、仮にゴールラインを割ってしまってもゴールキックから再開され、守備陣形を整える時間が生まれます。
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決定力

カウンターサッカーには決定力が求められます。カウンター戦術は、必然的に相手チームのボール支配率が上がり、自チームは守備の時間が長くなるに伴って、カウンターを仕掛ける機会も少ないため、アタッカーのゴール決定力が求められることになります。

そのため、アタッカーにはスピードがあり、個人能力が備わったゴールゲッターを配置することが必要です。フランス代表のカウンターサッカーが抜群の威力を発揮するのは、優れた能力を有するエムバペがゴールゲッターとして待ち構えているからに他なりません。

カウンターサッカーのメリットとは?

失点を抑えることができる

カウンターサッカーにおけるメリットは、失点を抑えることにあります。ロングカウンターを戦術として取り入れている場合、守備ラインを下げて守備ブロックを形成するため、そう簡単に失点することはありません。リーグ戦で得失点差を争っているような場面で、失点を抑えたい場合にも用いられる戦術です。

とにかく辛抱強く守ることが第一の考えのため、カウンターサッカーの最大のメリットとされています。カウンターサッカー戦術を採用しているリヴァプールは、今季プレミアリーグで3月7日現在で2位につける好調で、失点数は29試合でわずかに15とプレミアリーグ最少失点を誇ります。

ジャイアントキリングの可能性がある

過去にカウンターを武器にジャイアントキリングを起こしてきたチームは意外にもたくさん存在します。その中でも比較的記憶に新しいのが、2014年のブラジルワールドカップで大躍進を遂げたコスタリカです。コスタリカはこの大会で守備ラインを上げたハイプレスからのショートカウンター戦術を採用し、強豪国のイタリア、ウルグアイ、ギリシャを次々に撃破しました。

また、ジャイアントキリングとはいかなかったものの、2010年南アフリカワールドカップのニュージーランドです。28年ぶり2度目の出場で、大半がアマチュア選手ながら、体を張った守備からのロングカウンターでイタリアを苦しませました。

カウンターサッカーのデメリットとは?

守備時間が長くなる

カウンターサッカー戦術を採用することのデメリットは、守備時間が長くなる点です。ロングカウンターを狙う場合には自陣内に相手選手を誘いこむわけですから、守備時間は必然的に長くなります。上手くいけば守備は安定しますが、守っている選手側からすれば精神的にも疲労の色は濃くなります。

守備の時間帯というのは失点のリスクが考えられる時間帯なので一瞬たりとも気が抜けず集中力を切らすことができないからです。相手に主導権を握られた状態からそれを跳ね返すだけの精神的な強さが求められます

体力の消耗が激しい

先ほど挙げたように、守備時間が長くなればそれだけ集中力が求められ、それは体力の消耗に繋がります。さらに、ショートカウンターを戦術として採用していれば、ハイプレスを求められ、ボールを奪えばすぐに攻撃に転じる必要があるので休む暇がありません。

前線のハイプレスを続けることでさらに体力の消耗が激しくなります。指揮官としては、カウンターサッカーを採用するには、選手の体力の消耗というリスクを常に頭の中に入れておき、正しい采配を振るうことが求められます

カウンターサッカーに求められる選手とは?

フォワードはポストプレーと決定力

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カウンターサッカーでフォワードに求められるのはポストプレーと決定力です。相手チームに押し込まれている場面で、フォワードのポジショニングは、相手チームのディフェンスラインの位置によって変わってきます。相手選手がゴールキーパーを残して全員自陣内に入っていればフォワードはハーフウエイラインあたりに、ディフェンスの最終ラインが自陣内に入っていなければそのディエンスラインにポジションをとるのがセオリーです。

そこで味方ばボールを奪取してフォワードにボールが入った状態で、相手ディフェンスを背にしている状態では落ち着いたポストプレーが、また、ディフェンスラインの裏に抜けた時には決定力が求められます。

ウイングはスピードと体力

カウンターサッカーでウイングにはスピードと体力が求められます。特にショートカウンターを戦術として採用しているのであれば、ウイングは前線からハイプレスを仕掛ける必要があります。そして相手チームに押し込まれた場合にはロングカウンターでスピードを活かした素早い攻撃が求められます。

このようにウイングはアップダウンの回数が多く、体力とスピードが求められるわけです。リヴァプールのウイングであるモハメド・サラーは抜群のスピードと持ち前の体力を武器にリヴァプールのカウンターサッカーに無くてはならない存在となっています。

ディフェンダーは精神力

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カウンターサッカーでディフェンダーに求められる選手は、精神力に長けた選手です。カウンター戦術を採用するということは守備機会が長くなることを意味し、それだけ精神的体力的にきつくなります。しかし相手チームも守備ブロックを敷かれているので、なかなか得点することができずに、イライラする場面もあるでしょう。

つまりお互いに精神力的にきつくなり、我慢比べのような状況になってきます。ディフェンダーには相手チームとの我慢比べに負けないような精神力がある選手が求められます

カウンターサッカーを好む指揮官

ユルゲン・クロップ

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ユルゲン・クロップはカウンターサッカー戦術を得意とする監督として有名で、その根底にあるのがゲーゲンプレッシングです。ゲーゲンプレッシングとはボールを失うと、すぐさまチームでボールを奪い返そうとプレスをかける戦術で、クロップが指揮するリヴァプールは現在プレミアリーグ2位につけています。

クロップの主な戦術は、上の図でわかるように⑨と⑩と⑪でトライアングルの基本形を形成し、⑨が積極的にボールホルダーにフォアチェックをこころみ、⑩と⑪がパスコースに入ります。パスコースがなくなった相手の③は、キーパーへバックパスするか、ロングボールを蹴るか、逆サイドバックが下がります。リヴァプールはとにかくボールを蹴らせて奪い、カウンターを仕掛けます。

フース・ヒディング

日韓ワールドカップで韓国をベスト4へ導いた手腕が評価されたことでも知られるフース・ヒディンクもまたカウンターサッカーを武器にする監督です。ヒディンクは主に3バックを採用し、そのディフェンダーの一人にフィード能力に長けたプレイヤーを置いています。

そして最終ラインから攻撃を組み立て、電光石火のようなカウンターを武器にするのがヒディンクの特徴です。ポイントとなるのがサイドの選手にハードワークで、とにかくダイナモな選手を起用して、相手の攻撃力を逆手にとってカウンター攻撃を仕掛けるのが特徴です。

ラファエル・ベニテス

ラファエル・ベニテスはニューカッスルを指揮しているスペイン出身監督で、過去にはレアル・マドリードを指揮したこともある名将の1人です。主に4-2-3-1のフォーメーションを採用し、スペイン人監督としては珍しくカウンターサッカーを好みます。守備メカニズムをしっかりと構築し、ボールを奪えば早く前線へ繋ぎ、ショートカウンターを狙うというのがベニテスの基本的な戦術です。

ベニテスもヒディング同様にダイナモな選手を好んで起用しており、カウンターによるプレイヤーの体力の消耗というデメリットをダイナモの選手で解消しているといえます。
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カウンターサッカー攻撃で成功したチーム

リヴァプール

クロップ監督のゲーゲンプレスがリバプールで最も機能した時

リヴァプールは先ほど紹介したゲーゲンプレッシングでお馴染みのユルゲン・クロップが指揮するプレミアリーグのチームです。今季のリヴァプールは基本的に4-3-3のシステムを採用し、前線のマネ、フィルミノ、サラーの3人でハイプレスを仕掛け、縦へのパスコースを全て塞いで、相手ディフェンダーにロングキックを蹴らせるか、キーパーへのバックパスを誘いキーパーからのロングキックを誘う戦術を基本的にとっています。

リヴァプールの選手は長身が多いので浮き球の処理には自信があることをうかがわせます。そしてポジティブトランジションと同時に一気にカウンターを仕掛けます。リヴァプールはカウンター戦術で今季最も成功しているチームといえます。

レアル・マドリード

強すぎたBBC全盛期 レアル・マドリー vs ペップ・バイエルン 13-14準決勝

レアル・マドリードもカウンターサッカーを採用する有名なチームです。特に見ごたえがあるのがポゼッションサッカーが主体のバルセロナとの対決です。クリスチャーノ・ロナウドが在籍していた当時は、ベンゼマ、ベイル、クリスチャーノ・ロナウドのBBCだけでカウンターを成立させていました。

セルヒオラモスやマルセロといったディフェンス陣、モドリッチ、イスコ、カゼミロの万石な中盤、そしてBBCがカウンターで襲い掛かるというレアルマドリードはカウンターサッカーのお手本のようなチームと言えます。

カウンターサッカーとは?まとめ

Goal Japan on Instagram: “. \エヴァートンの堅守を突破できず…/ #マージーサイドダービー はスコアレスドローで決着‼︎ リヴァプールはついに首位から陥落⬇︎ (Photo:Shaun Botterill/Getty Images) . 🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿#プレミアリーグ 第29節 🆚#エヴァートン…” (73257)

現代サッカーの攻撃戦術は細かくパスを繋いでゆっくりと相手守備網を崩していくポゼッションサッカーが主流とされていますが、守備に比重を置きながらボールを奪ったら相手守備陣形が整う前の攻撃を仕掛けるカウンターサッカーも高い評価を得ています。

ショートパスを繋ぐようなポゼッションサッカーはチーム戦術として浸透させるのに時間が必要なため、あまりワールドカップなどでは採用されないのが実情です。そんなワールドカップで最も採用されているのがカウンターサッカーで、そんな意味ではカウンターサッカーとは攻撃戦術の中で最もポピュラーな戦術と呼べます。

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