インステップキックの正しい蹴り方と練習方法!サッカー上達ガイド
サッカーのインステップキックは試合で強いシュートを打つ、ライナー性のパスを出す、ロングキックで遠くにパスするときの3つに分類されます。それらのすべてに共通するインステップの蹴り方の基本から、シュート、ライナーパス、ロングキックそれぞれの練習方法と上達のコツを紹介しています。
Writer
公式ライター nosedori
インステップキックとは?
足の甲に当てるキック
インステップキックはサッカーにおいてインサイドキックに次いで試合中に使うボールの蹴り方で、足の甲にボールをミートさせて蹴るキックのことを言います。足の甲とは足を正面から見た際に中央部分に位置する、少し出っ張っている部分全体のことを示し、インステップキックはそこでボールをミートさせます。
強いキックをするために使うだけではない
強いキックをする際にインステップキックを用いるのは正しいことですが、それだけではなく、海外の選手は柔らかいパスをする際にもインステップキックを使用します。具体的には、試合中に相手選手をかわした後にスルーパスを出す時や、フォワードの足元につけるパスを出す際によく用います。
このようにインステップキックはその使用する目的や状況に応じて、強いキックをするのか、柔らかいパスにするのかが変わってきます。
インステップキックを試合で使うシーン
強いシュートを打つ
強いシュートを打つシーンに関しては大きく2つに分類され、1つ目はペナルティエリアの外からミドルシュートを打つ場合で、ペナルティエリアからゴールまでは最短距離でも16.5mあり、この距離を緩いシュートでゴールを決められるというのは稀です。そのためペナルティエリア外では、インステップキックでの強いミドルシュートを選択します
。
2つ目はボレーシュートで、ゴールエリアより外でクロスに合わせる際に用いられ、インステップにしっかりとミートさせて強いシュートを打ってゴールを奪います。
ライナー性のパスを出す
具体的には、ディフェンスがボールを保持している状況で、逆サイドにチェンジしたい時、まっすぐなボールで速い長距離のパスを出す時にライナー性のインステップキックパスを使います。また、フォワードに30m程度のまっすぐなパスを入れる時にも用います。
その他にも中盤の選手で、相手をかわした後にライナー性のパスを逆サイドに振ったり、スルーパスを出したりする時にも使用するなど、インステップキックのライナーパスは様々な用途で試合中に用いることができる有効な武器です。
ロングキックでボールを遠くへ飛ばす
具体的には、ディフェンスの選手がフォワードの動きに合わせて縦に浮き玉のロングキックをする時や、逆サイドに相手の頭上を越してパスを入れる時、またクリアする時にも用います。
これらのケースでインステップキックを用いる理由としては、飛距離が40m以上のパスになるため、インフロントキックなどではボールが目的地点まで到達することができないという点と、インステップキックの方がまっすぐ正確にボールを飛ばすことができるという点です。この2つのポイントから、サッカーの試合でロングキックを用いる際にはインステップキックが使われます。
インステップキックの蹴り方①
軸足の位置
軸足の位置の基本は、軸足のくるぶしの延長線上に接地し、ボールと軸足の距離は握り拳2つ分程度が良いとされています。しかし、足の長さや体のつくりは個人差があるため、軸足とボールとの距離や置く位置に関しては基本をベースとしながら自分なりに調整することをおすすめします。
また、注意しなければいけないのは、止まっているボールを蹴る際は横に置くイメージで良いですが、ドリブルやボールをコントロールした後の前へ転がるボールに対しては、蹴る瞬間に軸足がボールの横に来るように調整して置く必要があります。
足の振り方
1点目は足を斜めに振るという点で、少し体を倒し、股関節を使って斜めに旋回させるように足を振ります。これによって足の可動域が広がり、体の構造上無理なく足を振り下ろしてボールヘミートすることができるため、より強いインステップキックを蹴ることができます。
2点目は、膝から下を振るということで、このスピードが速いほど強いボールになり、ゆっくりするほど柔らかいボールを出すことができ、この部分がインステップキックのスピードを調整するためのコツになります。
腕の使い方
具体的には足を引いて蹴る体制に入った時に、蹴る足と逆の腕を大きく開き、弓を絞るような形を体で作ります。そして、足を振り下ろすと同時に開いていた腕も振り下ろすようにします。これによって体全体の反動を利用してボールを蹴ることができるため、よりインステップキックのパワーがボールに伝わり、強いシュートや遠くにボールを飛ばすことができます。
インステップキックの蹴り方②
足首の固定
足首を固定するタイミングのコツとしては、ボールに足がミートする瞬間です。この瞬間に力を入れることで、足が鞭のようにしなった状態でボールにミートさせることができるとともに、無駄な力が直前まで入らないため、よりボールに正確にミートさせることができます。また、足首を固定させるコツは、足の親指をにぎりしめるようにすると自然に力が入り、固定することができます。
ミートポイント
ボールの重心とは、球体の中の中央部分であり、実際には外からは見ることはできませんが、その重心部分を下から捉えるのか、正面からか、上からかと、ミートする角度によって様々な方向に蹴り分けることができます。
フォロースルー
1つ目は大きく足を振り上げるフォロースルーで、強いシュートを打つときに行います。体の重心自体が前へと向かっているため、そのまま前へと大きく降り出し、軸足方向へと流すように行います。
2つ目は足を横に少し流すフォロースルーで、ロングキックやライナーパスを出す際に用います。体の重心を少し後ろに残して蹴るため、振り上げるのではなく、蹴った瞬間に足を止めるようにし、横へ小さく流します。
このようにインステップで蹴る目的によってフォロースルーも変化します。
インステップキックの練習方法①基礎編
インステップリフティング
やり方は簡単で、リフティングをインステップキックのみで行います。上手くなるためのコツとしては、ボールに足がミートする瞬間に力を入れることと、足の甲を伸ばして面を作るようにすることで、この2点はインステップキックの基本フォームでもあります。
レベルに合わせてバウンドありや、ノーバウンドリフティング、蹴る高さを上げていくという3段階に分けて取り組むことをおすすめします。
ワンステップキック
具体的なやり方は、ボールを止めた状態で軸足をセットし、そのまままっすぐボールを蹴るだけと非常に簡単です。上手くなるためのコツとしては、自分のベストな軸足の位置を探すことと、ボールの重心を蹴る感覚をつかむことです。これができるようになると、ボールをまっすぐ飛ばし、なおかつ浮き玉を蹴ることができます。
このトレーニングは簡単そうに見えて正確にミートさせることが非常に難しい練習ですが、ボールさえあれば一人でもできるおすすめの練習方法です。
インステップキックの練習方法②シュート編
コントロールからシュート
おすすめの練習方法は、ボールを真横、後ろ、前方の3箇所からパスを出してもらい、ボールをコントロールしてから3秒以内に打つというやり方で、シュートを打つ位置は図解のように3箇所から行うことをおすすめします。
サッカーの試合では、コントロールからシュートまでを数秒で行わなければボールを奪われてしまいます。そのためコントロールしてからいかに素早く軸足を置き、正しいフォームで蹴れるように意識することがトレーニングの上達のポイントです。
ドリブルからシュート
おすすめの練習方法としては、ペナルティエリア外にコーンを置き、そのコーンをドリブルでかわしてシュートをインステップで打ちます。実際のサッカーの試合では相手をドリブルでかわしてインステップシュートを打つことは多く、上手くなるためのおすすめの練習方法です。
上手くなるためのコツとしては、相手をかわした後にまっすぐボールに突っ込むようにして打つことで、それによってパワーを加えた状態でシュートすることができます。
ボレーシュート
おすすめの練習方法は、ゴール横から手投げで配給されたボールを打つ、その次に距離を離す、最終的には実際にクロスボールをボレーするという段階別に行うやり方です。インステップボレーの蹴り方のコツは、来るボールの方向にまっすぐ立つようにし、そこからボールの高さに合わせて足を振り上げることです。また、基本的な蹴り方は通常のインステップと同じですので、上手くなるためにもしっかりと反復することをおすすめします。
インステップキックの練習方法③パス編
トライアングルでのリミットパス
具体的なやり方は、20m程度の間隔で三角形になるようコーンを置き、各コーンに1人ずつ立ちます。ボールをコーンの外側にコントロールし、三角形にパスを回していきますが、コントロールからパスまでを3秒以内に制限します。サッカーの試合では3秒以上ボールを持つとパスコースが消えてしまいますので、このように制限を設けることでより試合で使える技術を上達させることができます。
実際に行う際は、ボールに対して斜めから入っても、まっすぐ入っても蹴れるようにトレーニングすることをおすすめします。
楔へのパス
おすすめの練習方法は、ディフェンス3人とフォワード2人で行い、ディフェンスが3人でボールを回し、フォワードがマークを外して受ける動きを入れた瞬間に、まっすぐ速いパスをインステップで蹴ります。そのパスを受けてフォワードがシュートまで行うなど、その後の展開まで発展させるとフォワードの練習に繋げることもおすすめします。
上手くなるためのポイントとしては、ボールのスピードを出す際にひざ下を振るスピードを調整することで、無駄に力を入れすぎずに行うようにしましょう。
インステップキックの練習方法④ロングキック編
縦へのロングキック
縦へのロングキックを使えるようになるためのおすすめの練習は、30m、40m地点にゾーンゴールを設置し、パスを受けてからそこをめがけてロングを蹴るやり方です。(オーガナイズの詳細は図解を参照)
上手くなるための発展系のトレーニングとして、フォワードをつけてゾーンゴール地点に走り込んでもらい、そこを狙ってパスをするようにします。ポイントは、ボールをコントロールする前にフォワードの動きをしっかりと見ること、そしてインステップでボールの重心を下から捉えることです。
斜めへのロングキック
逆サイドへ到達させるには筋力が関係するため、誰もができる技術ではないですが、トップ下に入れる斜めのロングは40m程度の距離のため、技術の習得が可能です。
この技術を身につけるためのおすすめの練習は、4対4対4のボールポゼッションです。(オーガナイズの詳細は図解を参照)
3つのゾーンに分かれたコートで、コートの外にコーンを配置します。そのコーンに待機する味方に斜めのパスを入れたら逆サイドに進行できるという条件設定にし、ポゼッションを行います。試合のようなプレッシングの状況下で、斜めのロングパスを正確に蹴るトレーニングができるため、上手くなるために効果のあるおすすめの練習方法です。
インステップキックの正しい蹴り方と練習方法のまとめ
また、インステップキックを試合で使える技術にするには、インステップを使う前の状況をしっかりと把握しておくということ非常に大切です。そのため、インステップキックのフォームだけでなく、同時に状況判断を踏まえた練習をすることをおすすめします。
インステップキックが上手くなるための近道はありません。日々のトレーニングや個人練習の中で、しっかりとフォームや状況判断を意識して取り組んでいきましょう。
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