オリンピックのオーバーエイジとは?【サッカーの特殊ルールを解説】
オリンピックのオーバーエイジとは、23歳以下の出場年齢制限があるオリンピックのサッカーで3人まで登録が許される年齢制限がない選手を指します。このオーバーエイジ枠の使用は色々な考えがあり、オリンピック側はスター選手を参加させて大会を盛り上げるために使用し、育成を重視するチームは、オーバーエイジを使用しないことが多いです。
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公式ライター Activel_director
オリンピックのオーバーエイジとは?
オリンピックサッカーの年齢制限は23歳で、オーバーエイジは3人までとなっています。オーバーエイジはOAと略して呼ばれることがあります。
オーバーエイジ枠がある理由
サッカーのオリンピックはオリンピック憲章のアマチュア条項によってプロ選手の出場が許されていなかったため、プロ選手が出場するワールドカップよりも圧倒的に低い立ち位置でした。
FIFAとIOCは1992年のバルセロナオリンピックでU23のプロ選手の出場を認め、年齢制限のある育成年代の最高峰の大会と位置付けました。
そのバルセロナオリンピックはサッカー競技の観客動員が悪く、スター選手の参加機会を確保するためにオーバーエイジ枠が1996年のアトランタオリンピックから設けられました。
オーバーエイジが果たす役割
A代表でプレーする中心選手がU23代表に参加することは、若い選手がA代表に招集されたときにチームに溶け込みやすくなります。
同時にA代表のスター選手がU23世代に参加することで、大会の注目度を高めることにつながります。
オーバーエイジが加える影響
またオーバーエイジの選手が、マスコミ対応をこなし、チーム内でリーダーシップを発揮することで、若い選手はプレーに集中することができます。
一方で、予選には出場しなかったオーバーエイジの選手が入るとチームワークが崩れたり、23歳以下の選手の出場機会を奪ってしまう悪影響も懸念されます。
オリンピックのオーバーエイジの使用方法
【中央のポジションの具体程】
ゴールキーパー
センターバック
ボランチ
フォワード
2016年のリオデジャネイロオリンピックではネイマール選手をオーバーエイジで招集したブラジル代表が優勝を果していて、自国開催の国はオーバーエイジを積極的に利用する傾向があります。
日本代表のオーバーエイジ枠の使い方
1996年アトランタ五輪からオーバーエイジ枠の使用が認められて、日本代表はオリンピックでのオーバーエイジの使い方で6大会の経験があり、それぞれの大会で成功も失敗も経験しています。
オーバーエイジの成功例
シドニーオリンピックは楢崎正剛、森岡隆三、三浦淳宏と守備的なポジションでオーバーエイジを使用。中村俊輔、中田英寿ら攻撃陣に恵まれた世代はベスト8に進出。シドニー五輪メンバーは18人中12人がワールドカップに出場しています。
4位に進出したロンドン五輪では、吉田麻也、徳永悠平とディフェンダーを2人選出しました。吉田麻也はロンドン世代の1歳年上で世代間ギャップがなかったことが成功の要因となりました。
オーバーエイジの失敗例
アテネ五輪では、小野伸二、高原直泰のA代表のコンビとキーパーの曽ヶ端準を招集する予定が直前で高原が怪我で招集不能となり、グループステージ敗退となりました。
リオ五輪では藤春廣輝、塩谷司、興梠慎三とA代表の主力ではない選手を招集しましたが、藤春廣輝は致命的なオウンゴールを献上するなど期待に応えられず、グループステージ敗退しています。
A代表の控えをオーバーエイジで招集したことは23歳以下の選手の出場機会を奪っただけという批判を浴びました。
オーバーエイジ枠を使用せず
アトランタオリンピックは初戦こそブラジル代表に歴史的勝利を収めましたが、2試合目から中田英寿ら攻撃陣と守備陣で意見が対立してチームは空中分解してグループステージ敗退しています。
北京オリンピックは海外組5人を招集しましたが、3戦全敗でした。
本田圭佑
長友佑都
内田篤人
岡崎慎司
吉田麻也
香川真司
どちらの世代も結果は出ませんでしたが、日本代表の中核となる選手の育成に繋げています。
東京オリンピックのオーバーエイジ枠
結果が出なくても若手選手に出場機会を与えるため、オーバーエイジは使用しない方が良いという考え方もありますが、自国開催のオリンピックでは結果を取りに行くため、オーバーエイジ枠のフル活用を森保監督は示唆しています。
森保監督はA代表との兼任監督であり、東京オリンピック世代をA代表に積極的に招集してオーバーエイジの選手がU23チームに加わっても世代を超えてスムーズにチームが完成する計画です。
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