フットサルの戦術考察!基本戦術9つと動き方とは?
フットサルは知っての通り基本的なプレーはサッカーと同様ですが、戦術においてはサッカーよりもよりスペースメイクの意識とチームメイト間の連携を重要視するものとなっています。フットサルの基本的な戦術からその応用による動き方9個を解説していきたいと思います。
Writer
公式ライター CAS
フットサルとサッカーの戦術の違いとは?
このような差異はテクニック面だけでなく、フットサルで求められるチーム戦術と個人戦術にも表れてきます。まずは個人戦術における基本的なプレイのやり方、考え方、動き方等を解説して、それを踏まえた基本戦術9つを順に説明していきたいと思います。
フットサルの個人戦術の基本とは?
テクニックが十分にあったとしても、フットサルのための個人戦術が身についていないと試合での活躍は難しいものとなってしまいます。
フットサルのドリブルの性質
ボールが小さいため細かなタッチによるコントロールが難しいということも影響しています。仮に相手一人を突破できてもすぐ近くに次の相手が控えているので、数的優位を作ることにはなりにくいことも一因として考えられます。
そこでフットサルではドリブルという個人戦術に、突破よりも確実なキープ、そして味方の動く時間を稼ぐ「間」としての戦術的意味をドリブルに持たせるやり方をしています。つまり局面打開の武器としての役目より、リスクマネージメントとオフェンスのサポートという2つの役目の方が強くなっているのです。
より質の高いフォロー&カバーが必要
つまりオフェンス時でも守備時でも動かなくて良いときなどはなく、サッカーのように明確なポジション毎の分担が存在しないため、常に周囲の動きを察知し的確にフォローなりカバーなりを行い続けなければなりません。
スペースメイクのための細かなフリーラン
サッカーにおいてもオフザボールの動きでスペースメイクをすることはゴール前で重要な戦術的動きですが、フットサルではほぼオールコートでこの動きをする必要があります。前述したフォロー&カバーと併せて考えると、フットサルではどのようなときも走り続けなければならないことがわかりますので、練習においてのスタミナアップは必須だと言えます。
ポジションがあってないような流動性
オールコートで流動しながら連携することでシュートまでの形を作りますし、そのためのスペースを生み出すのも流動性です。
逆にポジションに固執するような動き方をする選手がいるとバランスを失いやすく、チームとして強くなることが難しくなるでしょう。
また守備においても流動しながらカバーリングをお互いに行いスペースを空けないように守りますから、ポジションではなく人につく守備ということを練習においても強く意識しておきましょう。
メンバー全員が攻守におけるテクニックを練習でしっかり身につけておかなければならないということです。
フットサルの基本的な戦術フォーメーション
しかし大まかなポジションであっても、各選手が意識するエリアを作っておくことで、後述する戦術的な動きを理解しやすくなるので、練習においても自分たちのチームがフットサルの試合で勝つためにはどのようなフォーメーションが良いのか話し合っておくことが大事だと思います。
1-2-1ダイヤモンド
フィクソからのパスコースがバランスよくコートにあることでボール回しがしやすく、またこのフィクソを起点に戦術を考えていくことで戦術的な動き方がイメージしやすいというメリットがあります。
2-2ボックス
狭いフットサルコート内をバランスよくポジションを配して守備することができる反面、オフェンス時のポジションチェンジを効果的かつ積極的に行わないとボールが回りにくいという欠点があります。
ただ前線2人の連携力が高ければ動き方によっては少ない人数で攻撃を完結できるため、リスクマネージメントに優れていると言えると思います。
フットサルの応用フォーメーション
こちらのフォーメーションは試合開始から導入するより試合展開に合わせて変化させて、常に自分たちが優位に試合を進めていけるように使っていくべきものだと思いますが、バランスを維持しながら活用するためにはしっかりと戦術練習をしておく必要があるでしょう。
ですから初心者がいるようなチームでは基礎フォーメンションが理解できていないため、実戦では使いにくいものだと言えます。
3-1
ピヴォに入る選手に相当なテクニックと戦術的なインテリジェンスが求められますが、仮にうまく納まらなくても後ろのポジションが3人のため守備は問題ないと言えます。
点差をつけて勝っている試合展開であれば、このフォーメーションに移行することでスタミナを温存でき、はっきりと受け身になることで相手のバランスを欠いたオフェンスを誘うことができます。
4-0
相手のプレスをいなしてポゼッションできることが強みですが、このフォーメーションのやり方をしっかり理解した上で効果的な動き方を行わないと、逆にフラットなラインが仇となって即シュートまで持っていかれやすい形でもありますから、チームとしての戦術力が求められるフォーメーションではないかと思います。
フットサルの基本戦術のスペースメイク
これらはオフザボールの動き方のセオリーと言えるものですから、まず最初にパターンを理解しておかなければならないでしょう。
フットサルの基本戦術①縦への動き方パラレラ
フットサルの基本戦術②斜めの動き方ジャゴナウ
このとき相手ゴールに相対しながらバックステップやサイドステップで走ることで、リターンからフィニッシュを素早く行えるような姿勢を保つことが大切です。
フットサルの基本戦術③折れる動き方ケブラ
パラレラやジャゴナウと組み合わせた動き方をすることであらゆる状況におけるスペースメイクを可能としますが、味方との意思疎通がうまくいかないとパスミスになりやすいので注意しましょう。日頃の練習においてチームメイト間で確認しておくと良いと思います。
フットサルの基本戦術④相手の間に入り込む動き方エントレリネアス
相手選手の中間という半端な位置でボールを受けることで相手の守備連携にギャップを作る狙いで行います。
相手がどのようにリアクションするかで次の一手の主導権を握ることができ、フィニッシュに繋げやすい戦術です。
フットサルの基本戦術の連携
2人が関わるということで咄嗟の判断により動き方を変化させなければなりませんが、より効果的なオフェンスのためには必須と言える戦術なので練習による反復が大事だと思います。
フットサルの基本戦術⑤フェイントを駆使したオフザボール
また必ずしもボールを受ける前提で行う戦術でもなく、自身のフェイクで釣られた相手の後ろのスペースを味方に使わせるという応用もあります。
フットサルの基本戦術⑥スイッチ
瞬間的にですが2人の選手が交わることで足などによるブラインド効果があり、ゴール前であれば相手ゴレイロも惑わすことが可能となります。
ただし受け渡しは必ずしもホルダーからもう一人へとは限らず、受け渡すと見せて受け渡さないというフェイクも入れていかないとカットインの効果が半減してしまいます。この使い分けを瞬時に判断するためには練習時から連携を高めておかないと難しいと思います。
フットサルの基本戦術⑦スクリーン
ただしこの戦術は相手の進路妨害というファールと紙一重になりやすいものですから、実際に行う際は明らかに妨害の意図を持って行わないように注意が必要です。
つまりスクリーン役が能動的に動くというよりも、ボールホルダーがスクリーン役を上手く使って相手の邪魔になるように誘導するような意識で行うのが効果的な戦術だということです。
フットサルの基本戦術のパス回し
パスワークの練習と併せて動き方の練習も行い、スムーズに行えるようにしておかなければ試合で活用するのは難しいでしょう。
フットサルの基本戦術⑧8の字を描く戦術エイト
8の字と言われると複雑に感じますが、よくよく見てみるとわかるように両サイドへ交互にパラレラをしている動き方となっています。
中央のフィクソから始まり、両方のアラとともに8の字を描きつつ前線のピヴォへのクサビのパスを狙っていくためのパス回しで、ポジションチェンジが激しいことが特徴です。
しっかりと機能することで相手のプレスをいなしながら行えるようになるので、チームとしてのポゼッションが向上する戦術となっています。
フットサルの基本戦術⑨円を描いてローテーションする動き方ヘドント
この戦術は旋回しながら相手守備に穴をあけるわけですから、チャンスの際にどの選手が前線のポジションになるかはわかりません。そのためチーム全員のテクニックが一定水準に至っていなければ使いこなすのが難しい戦術だと思います。
フットサルの基本的な守備戦術
サッカーより個対個をクローズアップしたフットサルの特徴が、ここにもよく出ているのです。
守備的なポジションだから、攻撃のポジションだからといった分担ではないことをよくよく理解しておきましょう。
フットサルの守備の基本はマンツーマン
必ず相手一人に味方一人が対応し、マークの受け渡しよりもそのまま最後までついていく方がリスクが少ない守備となるでしょう。
マークの受け渡しを行うような時間的余裕が持ちにくいからなのですが、フットサルでは狭いコートのため完全フリーにすることがまずないのでこのような守備戦術となっています。
フットサルの守備は優先順位をより厳格に
ここにもフットサルならではの要素が原因となっていて、フットサルではコートが狭いため、コート上のどこからでもシュートを狙えるのです。
サッカーの熟練者ならすぐに気づきますが、自陣のゴールから相手ゴールへの距離はサッカーで言えばミドルシュートレンジくらいで、ゴールが小さいとはいえ狙えない距離ではないのです。
ですから守備戦術として、相手にシュートを撃たせるのは非常に危険ですしボールが小さいため思った以上に狭いコースでもゴールまで届きうるのです。
コートの狭さを有効に活用
基本的にサイドを捨てて中央を固めるように動けばいいということです。
何故なら捨てたサイドもそこまで遠いわけではなく、そこを活用して攻められてもスライド守備が容易に行えるほどコートの横幅が狭いからです。
逆に中央はゴールへの最短距離をとれる場所ですし、前述したようにシュートを即座に狙える位置でもあるので、守備は中央を優先させるのが大事になるわけです。
フットサルの試合で活かせるイマジネーション
似て非なるという言葉がぴったりなフットサルとサッカーですから、試合でのイマジネーションもサッカーとは少し違ったものが必要だと思います。
浮き球を使う
平面的なイメージに固執せずに3次元のイメージを取り入れるということですが、使い方によっては非常に効果的にフィニッシュに繋げることができるでしょう。ただし浮き球の扱いや処理はテクニックが求められるものですから、使いどころでミスしないために日々の練習でも意識的に浮き球を使っておきましょう。
シュートを狙うのが第一優先
パスはシュートの形まで持っていくための手段で、パスしなくてもシュートを狙えるのならばその方が遥かに効果的なオフェンスだと言えるからです。コートが狭いことを考えると、フットサルではどこからでもシュートできるはずなので、マッチアップした相手だけでなく、相手ゴレイロの位置なども視野に入れておき、チャンスには果敢にシュートを狙っていきましょう。
ポジションによる役割分担が無いフットサルならではの考え方だと言えます。
緩急をうまく使う
逆に守備に回った場合は、相手の緩急の変化に即応できるように常に備えておきましょう。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。