インディアカとは？競技人口・ルールから世界大会・日本代表が丸わかり！

インディアカとは赤い羽根の付いたボールを、手で打ちあうスポーツです。2チームに分かれてネットを挟んでプレーをし、バレーボールとルールが似ています。初心者でも気軽に始めることができ、性別や年齢などに関わらず楽しめる競技です。

インディアカは旧西ドイツ発祥のスポーツです。スポーツ教師のカールハンス・クローン氏が、ブラジルの伝統的なスポーツの「ペテカ」をドイツに持ち帰り、改良を加えてインディアカを考案しました。1930年代にスポーツ学校でプレーされたことが始まりだと言われています。

インディアカの名前の由来は、「インディアン」と「ペテカ」を組み合わせた合成語です。

インディアカの競技人口は、日本だけでも100万人以上です。日本は世界中で最もインディアカが広まっている国と言われています。世界大会に出るような選手から、地域交流のために手軽に参加している方まで、さまざまなレベルの競技者がいることも特徴です。

また、世界では発祥国のドイツを始め、ヨーロッパ諸国で多くの人に競技されています。

インディアカは残念ながら、オリンピック競技ではありません。2021年開催予定の東京オリンピックでも、インディアカは競技に選ばれませんでした。

限られた地域には人気がある競技ですが、世界で見ると認知度はまだ浅いことが理由だと考えられます。

インディアカの基本的なルールは次の4点です。

①21点を1セットとする3セットマッチ。2セット先取したチームの勝ち。

②相手側のネットに打ち返すまでに、3回しかボールに触れてはならない。
(ブロックやネットプレーの場合は除く)

③ボールは肘から先の片手で打たなければならない。
(ネットを超えてきた1打目と、ブロック時は両手でもよい)

④ネットを超えて相手側のコート内にボールが落ちたら1点

インディアカのコートサイズはバトミントンのダブルスのコートと同じサイズです。6.1ｍ×13.4ｍの長方形のコート内でプレーをします。インディアカのコートの中央はネットで仕切られてる点もバトミントンと同じです。

プレーできる人数は1チーム4名です。しかし、男女混合チームの場合は、4名の中に2～3名は女性が入るルールがあります。男性のほうがコート内に多くなってしまうと、男女の身体能力の差によって結果が左右されてしまうからです。

その他に、ベンチに4名の競技者を待機させることができ、メンバーを交代させることができます。

インディアカのポジションは、前列3名と後列1名の2種類です。それぞれのポジションで、プレーに制限があります。

前列
・どの位置からでもアタックができる。
・ブロックに参加できる。

後列
・アタックラインの後方からアタックができる。
・フロントゾーンでのアタックはできない。
・ブロックに参加してはいけない。

バレーボールと同じく右回りにローテーションしながらプレーをします。後列の人がサーブを打ちます。

サーブを打つときのルールは3点です。

・審判の笛が鳴ったら、サーブを打つことができる
・自分のコートの外であれば、助走やジャンプもOK
・サーブがネットに当たったら、ローテーションはせずにやり直す

レシーブトとスをするときのルールは2点です。

・相手のコートに返すか、味方にパスを繋げる
・後列の人にアタックさせたい場合はアタックラインよりも後ろにトスを上げる

アタックを打つときのルールは4点です。

・前列の人はどこからアタックしてもいい
・後列の人はアタックラインの後ろからしか打つことができない
・ボールが相手のコート内の床についたら1点
・アタックを打ったときにネットに触れてはいけない

ブロックをするときのルールは4点です。

・両手を使っていい
・ネットを触ってはいけない
・後列の人はブロックをしてはいけない
・ブロックをして相手のコートの床にボールがついたら1点

インディアカをプレーするときには、さまざまな道具や用具が必要です。必要な用具はバレーボールとほとんど同じで、個人で揃える用具はそれほど多くありません。

しかし、ネットを張らなければいけませんので、練習や試合前には少し準備に時間がかかります。

インディアカの4本の羽根の付いたボールを使います。ボールの特徴は4つです。

・ボールの先についた羽根の色は赤
・ボールの高さは25ｃｍ
・重さは約50ｇ
・現在日本の公式ボールは中国製

羽根がついているのでボールのスピードが緩和され、誰でも気軽にプレーすることができます。ボールは2,000円～3,000円台で購入可能です。

インディアカには、日本インディアカ協会公認の専用ポールがあります。高さは185ｃｍ～225ｃｍに対応するポールです。また、バトミントンのポールに接続して高さを調整する補助ポールもあるので、どちらかを使用してプレーをします。

インディアカのネットは、次の2つのどちらかを使用します。

①日本インディアカ協会公認の専用ネット
②バトミントン用のネット

バトミントンのコートを使用するので、バトミントンのネットも使うことも可能です。使用可能なサイズは長さ6.1ｍ、丈70～90ｃｍのネットです。インディアカのネットの高さは、年齢や性別によって違います。

日本インディアカ協会でユニフォームの規定はありません。しかし、各チームある程度の共通点があります。

トップス
・半袖のTシャツまたはYシャツ
・正面にチーム名と、個人の番号が印字
・背面に背番号が印字

ズボン
・ハーフパンツ
・女性はショートパンツの場合もあり

その他
・ハイソックスかショート丈のソックス
・膝や肘にサポーター

各チームの個性が出るように、さまざまな色や柄がユニフォームにあしらわれています。

シューズも特に決まりはありません。インディアカ用のシューズもなく、競技者はバレーボール用のシューズを着用していることが多いです。

地域の集まりなどでインディアカをプレーしている人は、屋内用のスポーツシューズを着用している場合もあります。専用のシューズを買う必要がないので、始めるときに費用がほとんどかかりません。

インディアカのプレーは大きく分けて次の5つに分類されます。

・サーブ
・レシーブ
・トス
・アタック
・ブロック

基本の動作はバレーボールと全く一緒です。ただし、ボールが違うので、やり方に少し違いがあります。

①利き手と反対の手で羽根を持つ（持ち手）
②持ち手を打ちたい方向の軌道上に持っていく
③ボールを打つ手（打ち手）をまっすぐ後ろに伸ばす
④打ち手を下から上へ振って、指の付け根あたりでボールを打つ
⑤打ち手はボールを打った後のフォロースルーまで意識する

持ち手から羽根を早く離しすぎると空振りしやすいので注意してください。

①ボールが来る位置を想定して移動する　
②トスを上げる味方の位置を確認する
③腰を低くしてボールの下に手を入れる
④体のバネを使って腕を振り上げてボールを打つ
⑤フォロースルーをしっかり意識する
⑥ブロックされることを想定して、ネットのすぐ近くに位置取る

レシーブを受けるときは後ろめに位置取ることがポイントです。ボールに合わせて後ろから前へ移動した方が、レシーブを拾いやすくなります。

トスの上げ方は３つのポイントあります。

・ネットに向かって右側がトスする人の基本的な立ち位置
・レシーブからのボールを膝を使いながら受ける
・アタックしやすい高さのボールを打ち上げる

アタックが打ちやすいトスを上げるためには、次の4つを意識することが大切です。

・スピード
・高さ
・角度
・位置

常に同じ質のボールをアタッカーに上げられるよう意識して練習してください。

①トスされたボールの位置へ走り込む
②ジャンプをしながら胸を前に出し、エビ反りのような態勢になる
③ジャンプと同時に打ち手を振り上げ、肘を肩より上に上げる
③アタックしたい場所を見る
③腕を上から振り下ろし、落ちてくるボールに合わせて打つ

アタックが打てるようになってきたら、アタックを打ちたい場所を見ずにコート全体を見るように意識してください。相手がブロックやレシーブをしにくくなります。

①前列の1～2人がネット前に位置取りをする
2人のときはジャンプのタイミングを合わせる、1人のときは両手を大きく広げてコースを減らすことを意識します。

②相手のアタックに合わせて、両手をまっすぐに伸ばしてジャンプする

③ボールを落とす場所を手首の角度で調節する
コートの手前にブロックしたいときは手首を手前に曲げ、コートの奥にブロックしたいときは手首を曲げないことがポイントです。

インディアカは世界各国で大会が行われています。インディアカの世界大会は2つです。

・Word Cup（ワールドカップ）
・Word Championships（世界選手権大会）

世界大会には、国際インディアカ協会の加盟国が参加できます。参加国は、2020年現在で下記の6ヵ国と非常に少ない現状です。

・日本
・ドイツ
・エストニア
・韓国
・ルクセンブルク
・スイス

・世界インディアカ協会の国際ルールでは、4対4ではなく5対5でプレーをする
・世界大会の公式ボールは、羽根の下のボール部分が黄色

ワールドカップは2002年から開催されています。2015年の第4回大会では、埼玉県さいたま市で開催されました。1ヵ国1チームではなく、1部門内でも同じ国のチームが複数出場可能です。ワールドカップで同じ国のチーム同士が対戦することもあります。

世界選手権大会は2001年から開催されています。
2004年の第2回大会は茨城県つくば市で開催され、大変盛り上がりました。世界インディアカ協会に加盟する国が各地に集結し、レベルの高いプレーを見せています。

インディアカの世界ランキングは公表されていません。しかし、過去のワールドカップと世界選手権大会の結果を見ると、インディアカ発祥の地のドイツが強豪国です。2006年のワールドカップでは、6つの全部門においてドイツが優勝しています。また、エストニアも頻繁に上位にランクインしている強豪国です。

インディアカ世界大会の6つの部門
・男子の部
・女子の部
・男女混合の部
・シニア男子の部
・シニア女子の部
・シニア男女混合の部

インディアカの日本代表チームは、国内の公式大会の結果によって選出されます。各チームの優秀な選手が選ばれるのではなく、チームごとの選出です。優秀選手でも毎回世界大会に出ることができるわけではないので、毎回注目選手が変わります。日本代表になるためには、日本インディアカ協会が開催する日本国内の大会で結果を残すことが必要です。

第5回世界選手権大会では、日本代表は4つのメダルを獲得しました。

インディアカの男子選手は、6部門のなかで以下の4部門に出場することができます。

・男子の部
・男女混合の部
・シニア男子の部
・シニア男女混合の部

シニア男子の部では銀メダルという快挙を達成しましたが、男子の部では表彰台はまだまだ遠いです。

2つのチームに所属していれば、下記の2部門に出場できます。

・男子の部と男女混合の部
・シニア男子の部とシニア男女混合の部

それ以外の組み合わせは、違う部門でも1つしか出場できません。女子も同じです。

インディアカの女子選手も男子と同じく4部門に出場することができます。

・女子の部
・シニア女子の部
・男女混合の部
・シニア男女混合の部

シニア女子の部では銅メダルを獲得しています。若い女性は男女混合チームに所属してる場合も多く、女子の部ではまだ表彰台に上がったことはありません。

日本でのインディアカの協会や団体は大きく分けて2つです。

・日本インディアカ協会
各都道府県の協会をまとめ、世界インディアカ協会に加盟しています。

・各都道府県のインディアカ協会
日本インディアカ協会に加盟し、各都道府県のインディアカチームをまとめています。

日本インディアカ協会は1980年3月に設立されました。1995年には文部省より財団法人の認可を受け、現在では一般社団法人として活動しています。
日本インディアカ協会の提案で1995年には世界インディアカ協会が設立され、インディアカの国際化を図るきっかけも作っています。今も変わらず、国内外のインディアカの振興のために尽力している協会です。

各地道府県のインディアカ協会が日本インディアカ協会に加盟しています。2020年現在では、39の都道府県にインディアカ協会があり、各地で活動が盛んです。

各都道府県のインディアカの協会では、県内の大会の主催などを行っています。

インディアカの実際の動画は、YouTubeでたくさんアップされています。英語でindiacaと検索すると国際大会のレベルの高い試合を見ることが可能です。インディアカの試合は男女でプレーの特徴が違います。

男子の試合は世界大会の動画を選びました。男子の試合の特徴は3つです。

・スピード感がある
・ジャンプ力がある
・スパイクが力強い

男子のインディアカはテンポがとても速く、男子バレーとスタイルが似ています。高い位置から力強いスパイクが打ち込まれますのでレシーブすることが難しく、女子と比べてラリーが続きにくいです。

女子の試合は、国内大会の決勝戦の動画を選びました。女子は男子よりも迫力は劣りますが、男子にはないプレーのしなやかさがあります。女子のプレーの特徴は2つです。

・パスの高さや位置の精度が高い
・レシーブを拾う意識が強い

女子は男子と比べてアタックのスピードがゆっくりなので、その分ボールが見えやすいです。女子のインディアカではアタックに素早く反応して、レシーブする場面を見ることができます。

他の球技ではなかなか見ることができない、男女混合の試合です。国内大会の決勝戦の試合を選びました。

女子を2～3人入れることがルールですが、ほとんどの場合が男子2人・女子2人で出場します。男女お互いのメリットを活かしたプレーが特徴です。

・男子はアタックやブロック中心
・トスをするのは女子

ローテーションに関わらず、プレーの分担が上手にできています。

ドイツで発祥したインディアカは、日本でもたくさんの人にプレーされています。インディアカはコートサイズやルールが他のスポーツと近いので、初めてプレーする人でも馴染みやすい球技です。世界大会に出場している日本代表は、近年結果も残しているので今後の活躍に期待しています。