スポーツマネジメントとは、スポーツの活動に関わるすべてのマネジメントのことです。プロスポーツ団体の運営や選手のサポートなどさまざまな形態があり、大学や大学院で専門的に学んで職業につくことができます。スポーツ系の仕事をしたい人におすすめの職業です。
スポーツマネジメントとは?
スポーツマネジメントとは、スポーツに関連する活動をマネジメントする職業です。スポーツに関わる知識に加えてビジネス戦略を学び、総合的にまとめる能力が必要とされます。
どんな仕事?
スポーツマネジメントとは、
スポーツに関する活動を全てマネジメントする業務のことです。プロ競技球団の経営などお金が発生する運営だけに関わらず、身体運動に焦点を当てた選手自体の体調やトレーニングを管理すること全般が当てはまります。
グッズの用品販売やメディア媒体、施設管理などあらゆるスポーツに携わる仕事にマネジメント業務が存在します。これから成長していき需要が高まる仕事でスポーツの活性化に貢献する仕事です。
スポーツマネジメントになる方法
スポーツマネジメントになる方法は、ビジネスや携わりたい専門分野の勉強を学校でして知識をつけることが重要です。大学や専門学校で経営学や運動学を学習して就職する形が多く、実績や経験が重視される傾向にあります。経営面のマネジメントでは、企画運営の経験を積むことで仕事につなげやすいでしょう。
求められる能力
求められる能力は、
人とのコミュニケーション、企画力や団体を率先してまとめるなどの行動力です。経営に関わる学習が必要で、どのジャンルのマネジメントをしていきたいのかで必要な専門的知識は変わります。一般的なビジネスのほかに、競技の知識を持っていると専門用語を理解しやすいです。
企業を経営するためのマーケティングからスポーツに関する健康学、心理学、運動法など幅広い分野をまとめて考える能力が求められます。
年収/給料
スポーツマネジメントの給料は、およそ18万円からといわれています。就職する企業によって採用の形はさまざまで、どの業務をするかで給料は上下します。経験や知識が豊富な場合は、実力によって給料の変動があるでしょう。
スポーツ経営学とは?
スポーツ経営学とは、運動の観点からスポーツをどのように運営するかを視点においた経営学です。近年では、スポーツ経営にビジネス戦略が加えられて形が変化しています。
スポーツ経営とは?
スポーツ経営とは、日本のスポーツに関する経営論で、
運動に対してどのような運営をするかに重点においた経営管理です。どのように競技をするか、どんな運動内容をするかといったことに視点が置かれるため、ビジネス面で考えにくい点があります。
最近はスポーツ施設が行政ではなく、個人企業が運営するなど、スポーツ経営がビジネスからの視点で見られる形に変化しています。
スポーツマネジメントとの違いは?
スポーツマネジメントとの違いは、
ビジネスと運動のどちらに観点をおいているかです。スポーツ経営はマーケティングやファイナンスに関する内容を学ぶことが少なく、スポーツマネジメントは一般的な企業経営に必要な戦略をスポーツに対応させて学びます。
現在ではスポーツ経営がスポーツマネジメントのビジネスを視点に置いた見られ方に移行してきているため、違いはほぼないでしょう。
スポーツマネジメントの具体例
スポーツマネジメントはどのような分野が当てはまるのか、サッカーと野球を具体例にして確認しましょう。
サッカー
スポーツマネジメントをサッカーで例えると、プロスポーツの
Jリーグサッカーチームが具体例に挙げられます。サッカーチームの運営や企画、どのように売り出していくかなどが業務です。経営面では、スター選手を作り上げることでチームの認知度を上げたり、スポンサーの獲得から利益を生み出し、ビジネス面でサポートします。
選手育成やコーチング業などプレーを支える仕事も含まれる幅広い分野で必要な職業です。
野球
スポーツマネジメントを野球で例えると、
セ・パリーグのプロスポーツ野球チームが具体例に挙げられます。野球球団をどのように運営していくか、ファンの集客、グッズ販売など球団経営をするにあたる業務です。ファンと選手の交流会やイベント企画による集客をして知名度を上げたり、収入を高めたりする方針の企画運営が重要です。
経営戦略を取り入れて地域に付属したチームを作るなど、勝ち負けにこだわらない応援観客を作る方法を考察する必要があります。
スポーツマネジメントを学べる大学
スポーツマネジメントを学べる大学は、4つあります。
・順天堂大学
・日本体育大学
・東海大学
・産業能率大学
順天堂大学
順天堂大学では、
スポーツ健康科学部スポーツマネジメント学科で学ぶことができます。スポーツをビジネス面から理解する学習をもとに、グローバルに活躍できることを目標にしたカリキュラムです。英語の授業があり、海外の事例を読み解く力をつけ、国際的な情報を加えて学習します。
順天堂大学では、実際の現場で働く方々の話を聞くことができたり、スポーツイベントに参加して現場体験できたりする授業内容が特徴です。
日本体育大学
日本体育大学では、
スポーツマネジメント学部スポーツマネジメント学科で学ぶことができます。社会で活躍できる人材育成のために、スポーツと関連付けたマーケティング論、ビジネス論、産業論などを基礎に学習します。
マネジメント戦略で学んだ材料をもとに、実践学習でプロスポーツ団体やクラブを具体例に扱い、進めていく授業が特徴です。
東海大学
東海大学では、
体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科で学ぶことができます。スポーツとレジャーをおもに、芸術などマネジメントする対象分野を幅広く学習できる学科です。東海大学は、生徒自らスポーツイベントの企画運営をする、実践学習があります。
将来に生かせるトレーニングや運動指導者の資格取得が可能です。
産業能率大学
産業能率大学では、
情報マネジメント学部現代マネジメント学科のスポーツマネジメントコースで学ぶことができます。企業が発展するための経営に欠かせないマネジメント学を全般的に学び、専門的に学習を深めたいコース分野が選択できる大学です。
スポーツマネジメントコースでは、日本のスポーツビジネスを研究し、実在している例の分析などを通して学習します。
スポーツメネジメントを学べる大学院
スポーツメネジメントを学べる大学院は、3つあります。
・法政大学大学院
・慶応義塾大学大学院
・立命館大学大学院
法政大学大学院
法政大学大学院では、
スポーツ健康学研究科スポーツ健康学専攻で学ぶことができます。スポーツ健康学に特化した学習のみならず、スポーツに関するあらゆる分野を幅広く研究していく内容が特徴です。健康学からビジネス分野を学習し、実践力を身につける人材育成を目指します。
これまでの概念にとらわれず、現代の新しいニーズに合わせたスポーツ健康学の研究を社会に出していくことを学ぶ大学院です。
慶応義塾大学大学院
慶応義塾大学大学院では、
健康マネジメント研究科スポーツマネジメント学専攻からコース選択で学ぶことができます。スポーツ経営戦略の学習が中心の専門家コースを選ぶことで、スポーツ産業界で社会的にマネジメントできる人材育成を目指します。コースは、今後需要が普及するスポーツビジネスの業界を分析して発展させるマネジメント論を学習できる内容です。
スポーツとビジネスを関連付け、社会貢献できる力を身につけることができる大学院です。
立命館大学大学院
立命館大学大学院では、スポーツ健康科学研究科で学ぶことができます。スポーツは健康科学の身体運動で、スポーツマネジメントをスポーツ健康学の視点から分析して学習します。立命館大学大学院は、深い研究実践のための高度な設備が整っているのが特徴です。
スポーツマネジメントを学べる専門学校
スポーツマネジメントを学べる専門学校は、3つあります。
・東京スポーツレクリエーション専門学校
・日本工学院専門学校 東京・八王子校
・東京工学院専門学校
東京スポーツレクリエーション専門学校
東京スポーツレクリエーション専門学校では、スポーツに関わる専門職を扱う学校で、
スポーツビジネスフィールド学科から専門とする専攻を選択できるシステムです。専攻は、プロチームを経営面から管理するスポーツチームスタッフやスポーツイベントの企画管理をするスタッフの専攻などがあります。
コースによって2年制と4年制があり、スポーツをビジネス面から支える職業に特化した学習ができる学校です。
日本工学院専門学校 東京・八王子校
日本工学院専門学校では、
スポーツ健康学科で学ぶことができます。ビジネスコースやインストラクターコースなどさまざまな職業にむけて学習が可能なコース設定がされています。2年制と3年制があり、2年制は専攻した内容を集中的に学習し、3年制ではインターンシップや資格取得を目指すことができる制度です。
スポーツ産業を幅広い分野でサポートできる力を身につける専門学校です。
東京工学院専門学校
東京工学院専門学校では、スポーツビジネス科でコースを選択して学ぶことができます。ビジネス面からスポーツに関わる職業コースが充実しており、スポーツマネジメントコースは経営管理に特化した内容です。東京工学院専門学校は大学コースがあり、スポーツビジネス専門職の学習と大学卒業資格を同時に取ることが可能です。
スポーツマネジメントを海外で学ぶ
スポーツマネジメントを海外で学ぶことは、
海外のスポーツビジネス構造の知識を取り入れることができます。海外はスポーツ産業の本場で、日本と比べて市場規模が大きいことが特徴です。留学をすることで語学力をつけて豊富な経験を積むことができ、短期から長期までさまざまな留学コースがあります。
スポーツマネジメントに関する学習を本格的にしたい方におすすめの選択肢でしょう。
スポーツマネジメントのおすすめ本①
よくわかるスポーツマネジメント
著者 |
柳沢和雄/清水紀宏/中西純司 |
出版社 |
ミネルヴァ書房 |
発売日 |
2017/3/31 |
よくわかるスポーツマネジメントを読むことで、丁寧な解説でスポーツマネジメントの重要性や一通りの概要が理解できます。スポーツに対してマネジメントは何を対象にするのか、定義が分かりやすく説明されています。職業全体像を掴むことができる分かりやすい内容で、今から学び始める方や学生におすすめの本です。
MLSから学ぶスポーツマネジメント
著者 |
中村 武彦 |
出版社 |
東洋館出版社 |
発売日 |
2018/12/17 |
MLSから学ぶスポーツマネジメントを読むことで、プロスポーツチームで実際にスポーツマネジメントの経験を積んだ著者が語る、海外のプロスポーツビジネスの実態を知ることができます。MLSとは、アメリカのプロサッカーリーグのことです。海外のスポーツビジネス市場は大規模であり、スポーツマネジメントの本場です。
アメリカのプロサッカーリーグの構造を知ることだけでなく、海外の事例を参考にすることでスポーツマネジメントをする上において役立つ情報が得られるでしょう。
実践 スポーツビジネスマネジメント
著者 |
小寺 昇二 |
出版社 |
日本経済新聞出版 |
発売日 |
2009/3/5 |
実践スポーツビジネスマネジメントを読むことで、ビジネス経営論で従来のスポーツ界を変えていくための方法を知ることができます。著者は千葉ロッテマリーンズの球団を改革した本人で、球団再建に至るまでの過程がまとめられています。プロ野球の詳細を知らない人や経営者などのビジネスパーソンまで、幅広い人に読みやすい内容です。
スポーツマネジメントの仕事内容を知るきっかけにおすすめの著者の熱い思いが伝わる本です。
基本 スポーツマネジメント
著者 |
畑攻/小野里真弓 |
出版社 |
大修館書店 |
発売日 |
2017/10/11 |
基本・スポーツマネジメントは、スポーツとマネジメントの言葉の意味やどのような職種であるかなど、タイトルのとおりマネジメント業の基本が学べる内容です。スポーツマネジメントの初心者に向いた、基礎が学べることがポイントです。
経営学の視点で書かれている内容が多いため、ある程度一般的な経営学の基礎が理解できるとスムーズに理解できるでしょう。
スポーツマネジメントを学んでスポーツ界を盛り上げよう
スポーツマネジメントは、スポーツ振興のための全てのマネジメントを指し、プロチームの経営運営やイベント企画、選手サポートの業務など多岐にわたります。これから大きくなる経済分野で、豊富な知識を持った人材が必要な職業です。
経営戦略や専門知識など、スポーツに関わるさまざまな幅広い知識を得て、日本のスポーツ界を盛り上げていきましょう。