デフサッカーとは?聴覚障がい者向けの音のないサッカーを知ろう!
デフサッカーとは、聴覚に障害をもった人々が行うサッカーのことを指します。ルールは健常者の行うサッカーとほとんど同じで、唯一審判に関するルールのみが異なっています。デフサッカーの魅力は、お互いの声が聞こえない中でのチームワークにあるといえます。
2021.12.16
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パラスポーツ
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デフサッカーとは?
via jdfa.jp
デフサッカーとは、聴覚に障害をもつ人々がプレーするサッカーのことで、ろう者サッカーとも呼ばれています。
聴覚障がい者は普段補聴器をつけて生活していることが多いですが、デフサッカーのプレー中は補聴器を外すことが義務付けられており、「音のないサッカー」と呼ばれ親しまれています。プレー中は、主にアイコンタクトや手話を使ってコミュニケーションをとっています。
聴覚障がい者は普段補聴器をつけて生活していることが多いですが、デフサッカーのプレー中は補聴器を外すことが義務付けられており、「音のないサッカー」と呼ばれ親しまれています。プレー中は、主にアイコンタクトや手話を使ってコミュニケーションをとっています。
デフの意味
デフとは英語でdeafとつづり、聞こえない人、もしくは聞こえにくい人を意味します。デフサッカーの対象者は、聴覚に障害があり、一定の基準を満たした聴覚障がい者であり、基準は日本ルールと国際ルールで異なっています。
デフサッカーの聴覚レベルの基準
日本ルールでは、最も軽い6級で両耳の聴力レベルが70デシベル以上、なおかつ片方の耳の聴力レベルが90デシベル以上、もう片方の耳の聴力レベルが50デシベル以上とされています。
国際ルールでは、国際ろう者スポーツ委員会の定めるところによって、聞こえが良い方の耳の聴力が55デシベル以上とされています。
国際ルールでは、国際ろう者スポーツ委員会の定めるところによって、聞こえが良い方の耳の聴力が55デシベル以上とされています。
デフサッカーのルール(サッカーとの違いは?)
via pixabay.com
デフサッカーはろう者が行うサッカーなので、聴覚に関係するルール以外は、健常者の行うサッカーと違いがありません。よって、ポジション・人数・ファールなどのルールはサッカーと共通しており、唯一審判に関するルールのみ異なっています。
それゆえ、サッカーのルールを知っているならば十分楽しんで見ることができ、幅広い人が楽しめるスポーツといえます。
それゆえ、サッカーのルールを知っているならば十分楽しんで見ることができ、幅広い人が楽しめるスポーツといえます。
ポジション
via www.photo-ac.com
デフサッカーの主なポジション名と役割は以下の通りです。細かいポジションやフォーメーションはサッカーと同じように考えるといいでしょう。
・フォワード
敵のゴールに一番近いところに位置し得点を求められるポジションで、トップともいわれる。
・ミッドフィールダー
陣形の中心に位置し、攻守のバランス感覚と運動量が求められるポジションで、中盤ともいわれる
・ディフェンダー
ゴールキーパーの手前でゴールを守るポジションで、近年では攻撃の起点となるプレーも求められる
・ゴールキーパー
1人だけ異なるユニフォームを着用し、手を用いてゴールを守ることが許されている唯一のポジション
・フォワード
敵のゴールに一番近いところに位置し得点を求められるポジションで、トップともいわれる。
・ミッドフィールダー
陣形の中心に位置し、攻守のバランス感覚と運動量が求められるポジションで、中盤ともいわれる
・ディフェンダー
ゴールキーパーの手前でゴールを守るポジションで、近年では攻撃の起点となるプレーも求められる
・ゴールキーパー
1人だけ異なるユニフォームを着用し、手を用いてゴールを守ることが許されている唯一のポジション
人数
デフサッカーの人数に関するルールは以下の通りです。
・選手登録人数:約20人
・フィールドプレイヤー:7人〜11人
・コーチ:1人〜2人
・監督:1人
全選手のうち1人はゴールキーパーでなければならず、ベンチに座って控えている選手は人数に含まれません。
また、どちらかのチームが7人未満の場合は試合が行われず、選手の交代は最大3人まで可能です。
・選手登録人数:約20人
・フィールドプレイヤー:7人〜11人
・コーチ:1人〜2人
・監督:1人
全選手のうち1人はゴールキーパーでなければならず、ベンチに座って控えている選手は人数に含まれません。
また、どちらかのチームが7人未満の場合は試合が行われず、選手の交代は最大3人まで可能です。
ファールのルール
デフサッカーでは、ファールと呼ばれる反則技が数多く規定されています。
反則技が行われた場合、二枚で退場となるイエローカード、もしくは一枚で退場となるレッドカードが提示され、反則を犯したチームに罰を与えるため、相手チームによって試合を再開させるフリーキックが行われます。
反則技には、ゴールキーパー以外がボールを手や腕で扱うハンドリングや、足や体を使って相手選手をつまづかせるトリッピングなどがあります。
反則技が行われた場合、二枚で退場となるイエローカード、もしくは一枚で退場となるレッドカードが提示され、反則を犯したチームに罰を与えるため、相手チームによって試合を再開させるフリーキックが行われます。
反則技には、ゴールキーパー以外がボールを手や腕で扱うハンドリングや、足や体を使って相手選手をつまづかせるトリッピングなどがあります。
審判
デフサッカーの審判に関するルールは健常者の行うサッカーとは異なっており、選手は笛の音が聞こえないため、主審は笛とフラッグの両方を使用します。
国際試合ではさらに両方のゴール裏に1人ずつ審判員が配置され、合計5人の審判員がフラッグを持ち、多方向から伝えることでプレーの停止を分かりやすくする工夫がなされています。
国際試合ではさらに両方のゴール裏に1人ずつ審判員が配置され、合計5人の審判員がフラッグを持ち、多方向から伝えることでプレーの停止を分かりやすくする工夫がなされています。
デフサッカーの面白さ・魅力
デフサッカーの面白さは、お互いの声が聞こえない中でのチームワークを楽しむことができる点にあります。聴覚障害をもつ人々が行うスポーツ、デフスポーツ全般に言えることですが、聞こえない中でのチームプレイにはとても見応えがあります。
スポーツを行う中で、声は指示出しやテンションの維持などさまざまな意味を持ちますが、声がない状態で、身振り手振りやアイコンタクトなどを用いてモチベーションを上げていく様子は、見ていてとても面白く大きな魅力といえます。
スポーツを行う中で、声は指示出しやテンションの維持などさまざまな意味を持ちますが、声がない状態で、身振り手振りやアイコンタクトなどを用いてモチベーションを上げていく様子は、見ていてとても面白く大きな魅力といえます。
デフサッカーの大会
via jdfa.jp
デフサッカーの主な国際大会は、以下の通りです。
・デフサッカーワールドカップ
・アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会
・アジア太平洋ろう者競技大会
・夏季デフリンピック
他には、国内大会の全国ろうあ者体育大会、全日本ろう者サッカー選手権大会などがあり、より上位の大会に進出するために、選手たちが日々しのぎを削っています。
・デフサッカーワールドカップ
・アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会
・アジア太平洋ろう者競技大会
・夏季デフリンピック
他には、国内大会の全国ろうあ者体育大会、全日本ろう者サッカー選手権大会などがあり、より上位の大会に進出するために、選手たちが日々しのぎを削っています。
デフサッカーワールドカップ
via www.facebook.com
デフサッカーワールドカップは、国際ろう者スポーツ委員会ICSDおよび開催地のろう者スポーツ連盟等が主催する国際大会で、約1週間開催されます。
試合は国際ルールで行われ、良い方の耳で少なくとも55デシベルの聴力損失と判定されたろう者のみが参加でき、出場する選手は、競技中いかなる補聴器も人工内耳の外部装の使用は認められないとされています。
また、大会後には男女それぞれの優秀選手ランキングやレッドカード・イエローカードを受けた回数などの統計が発表されます。
2020年の9月に韓国で行われる予定です。
試合は国際ルールで行われ、良い方の耳で少なくとも55デシベルの聴力損失と判定されたろう者のみが参加でき、出場する選手は、競技中いかなる補聴器も人工内耳の外部装の使用は認められないとされています。
また、大会後には男女それぞれの優秀選手ランキングやレッドカード・イエローカードを受けた回数などの統計が発表されます。
2020年の9月に韓国で行われる予定です。
アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会
via jdfa.jp
アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会は、国際ろう者スポーツ委員会ICSDが主催する大会で、デフサッカーワールドカップの予選です。世界中にICSDの原則を普及し、ろうコミュニティの国際親善を促進することなどを目的にしており、4年に一度開催されます。
デフサッカーワールドカップと同様に、参加条件や補聴器などに関して厳しいルールが課されています。
第4回大会が2018年の4月から5月に開催され、日本女子は優勝、日本男子は準優勝を果たし、優秀選手賞や最優秀監督賞を受賞するとともに、デフサッカーワールドカップの出場権を獲得しています。
デフサッカーワールドカップと同様に、参加条件や補聴器などに関して厳しいルールが課されています。
第4回大会が2018年の4月から5月に開催され、日本女子は優勝、日本男子は準優勝を果たし、優秀選手賞や最優秀監督賞を受賞するとともに、デフサッカーワールドカップの出場権を獲得しています。
デフサッカーの日本代表とは?
デフサッカーの日本代表選手は、他のスポーツと同様に、以下の段階を経て選出されます。
まずそれぞれの大会に向けた日本代表候補合宿が行われ、合宿で示した実力をもとに各大会の最終メンバーが選出され発表が行われます。
そして、最終メンバーによる代表合宿が行われ、士気を高めたのちに大会へと進出していくことになります。
まずそれぞれの大会に向けた日本代表候補合宿が行われ、合宿で示した実力をもとに各大会の最終メンバーが選出され発表が行われます。
そして、最終メンバーによる代表合宿が行われ、士気を高めたのちに大会へと進出していくことになります。
デフサッカーの日本代表男子
デフサッカーの男子日本代表選手は、各大会ごとに最終メンバーが約20人選出され、監督やコーチを含めると30人ほどの団体になります。2018年に行われた、アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会の選手一覧は以下の通りです。
背番号 | 名前 | 所属 |
---|---|---|
1 | 松元 卓巳 | 福岡県 |
2 | 大西 諒 | 埼玉県 |
3 | 東海林 直広 | 埼玉県 |
4 | 江島 由高 | 神奈川県 |
5 | 松本 弘 | 埼玉県 |
6 | 堀井 聡太 | 京都府 |
7 | 渡邉 亮平 | 大分県 |
8 | 野寺 風吹 | 茨城県 |
9 | 綿貫 俊基 | 神奈川県 |
11 | 古島 啓太 | 大阪府 |
12 | 千葉 駿介 | 東京都 |
13 | 渡邊 諒太郎 | 宮崎県 |
14 | 林 滉大 | 埼玉県 |
15 | 吉野 勇樹 | 神奈川県 |
16 | 仲井 健人 | 東京都 |
17 | 桐生 聖明 | 神奈川県 |
19 | 設楽 武秀 | 埼玉県 |
20 | 良知 壮太郎 | 千葉県 |
21 | 奥元 怜哉 | 大阪府 |
22 | 原口 凌輔 | 東京都 |
監督 | 植松 隼人 | 東京都 |
デフサッカーの日本代表女子
デフサッカーの女子日本代表選手も、同様に20人ほど選出されます。アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会の選手一覧は以下の通りです。
背番号 | 名前 | 所属 |
---|---|---|
1 | 松川 容子 | 大阪府 |
2 | 原田 明奈 | 静岡県 |
3 | 田中 恵 | 北海道 |
4 | 山口 彩芽 | 愛知県 |
5 | 宮城 実来 | 沖縄県 |
6 | 阿部 菜摘 | 東京都 |
8 | 宮田 夏実 | 兵庫県 |
9 | 杉本 七海 | 大阪府 |
10 | 鳥海 玲奈 | 東京都 |
11 | 酒井 藍莉 | 静岡県 |
12 | 仲宗根 祥子 | 東京都 |
13 | 大縄 泉美 | 埼玉県 |
14 | 久住呂 文華 | 東京都 |
15 | 笹木 あさひ | 埼玉県 |
16 | 山崎 優子 | 鳥取県 |
19 | 武石 杏奈 | 神奈川県 |
20 | 岩渕 亜依 | 東京都 |
22 | 大谷 遥佳 | 愛知県 |
監督 | 久住呂 幸一 | 東京都 |
デフサッカーの協会や団体
via www.photo-ac.com
デフサッカーの協会や団体は、一般社団法人日本ろう者サッカー協会、および日本障がい者サッカー連盟が存在します。どちらもデフサッカーを通して障がい者と健常者の共生を目指すとの理念を共通してもち、数々の活動を行っています。
日本ろう者サッカー協会はデフサッカー・デフフットサルに特化した団体であり、日本障がい者サッカー連盟は聴覚障害だけでなく視覚障害・脳性麻痺など7種類の障害に対応した競技団体に支援を行っている団体です。
日本ろう者サッカー協会はデフサッカー・デフフットサルに特化した団体であり、日本障がい者サッカー連盟は聴覚障害だけでなく視覚障害・脳性麻痺など7種類の障害に対応した競技団体に支援を行っている団体です。
一般社団法人日本ろう者サッカー協会
一般社団法人日本ろう者サッカー協会は、略称JDFAとも呼ばれ、デフサッカー・フットサルの普及、発展及び競技力の向上に関する事業を行い、聴覚障がい者のスポーツ文化の振興及び心身の健全な発達に寄与するとともに、国内及び国際社会での交流に貢献する、との理念を掲げています。
デフサッカーやデフフットサルを通して、人々に勇気や感動を与え、デフサッカーやデフフットサルの価値を向上させ、聴覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う世界を実現する、とのビジョンを持ち、キャッチコピーをつなぐとする団体です。
デフサッカーやデフフットサルを通して、人々に勇気や感動を与え、デフサッカーやデフフットサルの価値を向上させ、聴覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う世界を実現する、とのビジョンを持ち、キャッチコピーをつなぐとする団体です。
日本障がい者サッカー連盟
日本障がい者サッカー連盟は、略称JIFFとも呼ばれ、サッカーから障がい者と健常者の共生社会の実現を目指している団体です。
障がいの有無にかかわらずサッカーを楽しめるフェスティバル、インクルーシブフットボールフェスタを開催したり、JIFF普及リーダーと名付けられた指導者登録制度を設け、全国の有資格者の誰もが障がい者を指導できる環境の実現に向けて活動を行ったりしています。
障がいの有無にかかわらずサッカーを楽しめるフェスティバル、インクルーシブフットボールフェスタを開催したり、JIFF普及リーダーと名付けられた指導者登録制度を設け、全国の有資格者の誰もが障がい者を指導できる環境の実現に向けて活動を行ったりしています。
デフサッカーのまとめ
via pixabay.com
デフサッカーとは、聴覚障害をもった人々が行うサッカーで、審判に関するルール以外は健常者の行うサッカーと違いはありません。
お互いの声が聞こえない中で、身振り手振りなどでコミュニケーションをとる様子にデフスポーツならではの魅力があり、デフリンピックやアジア大会などが開催されています。
2020年9月にはワールドカップも開催され、これからますます盛り上がっていくスポーツといえるでしょう。
お互いの声が聞こえない中で、身振り手振りなどでコミュニケーションをとる様子にデフスポーツならではの魅力があり、デフリンピックやアジア大会などが開催されています。
2020年9月にはワールドカップも開催され、これからますます盛り上がっていくスポーツといえるでしょう。
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