ドルフィンキックのコツと練習方法とは?【水泳上達トレーニングガイド】
水泳においてドルフィンキックは少し特殊な動きをするキックです。そこで本記事では水泳上達トレーニングガイドとして、ドルフィンキックのコツを解説します。そしてそのコツを習得し、ドルフィンキックを上達させるための練習方法も紹介します。
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公式ライター Activel_director
- 水泳ドルフィンキックのコツとは?
- 水泳ドルフィンキックのコツ①大きく動きすぎない
- 水泳ドルフィンキックのコツ②強く蹴ろうと思わない
- 水泳ドルフィンキックのコツ③うねりのコツその1
- 水泳ドルフィンキックのコツ④うねりのコツその2
- 水泳ドルフィンキックの練習方法
- 水泳ドルフィンキックの練習方法⓪イメージトレーニング
- 水泳ドルフィンキックの練習方法①ストリームラインでの練習
- 水泳ドルフィンキックの練習方法②ビート板での練習
- 水泳ドルフィンキックの練習方法③壁キック
- 水泳ドルフィンキックの練習方法④ビート板を立ててキック練習
- 水泳ドルフィンキックの練習方法⑤気を付けキック
- 水泳ドルフィンキックの練習方法⑥サイドキック
- 水泳ドルフィンキックの練習方法⑦顔上げキック
- 水泳ドルフィンキックの練習方法⑧変則バタフライ
- 水泳ドルフィンキックの練習方法⑨フィンを使った練習
- 水泳ドルフィンキックの練習方法⑩陸上トレーニング
- まとめ
水泳ドルフィンキックのコツとは?
ドルフィンキックを上達する方法とは、しっかりとコツを覚え、ひとつひとつの練習を繰り返すことが重要です。それでは覚えるべきドルフィンキックのコツは以下の3つです。
①大きく動きすぎない
②強く蹴ろうと思わない
③うねりのコツ
水泳ドルフィンキックのコツ①大きく動きすぎない
ドルフィンキックにおいては「うねり」という特殊な動きが入るため、うねろうとして身体が大きく動きすぎてしまう場合があります。 しかし、身体を大きく動かすということは水の抵抗を大きく受けるということなので、水泳において最も重要な推進力が損なわれ、進みにくいキックとなってしまいます。
ドルフィンキックやバタフライのうねりは、わざとうねろうとして生まれるものではなく、手や身体の使い方によって自然と生まれるものです。 動きを小さくするという意識を持つ必要もありませんが、たくさん練習をして、自然とうねるという感覚を覚えることで、必要以上に身体が大きく動くということがなくなります。
水泳ドルフィンキックのコツ②強く蹴ろうと思わない
水泳初心者に多い誤りですが、ドルフィンキックにおいては足を思い切り曲げる必要はありません。
必要なのはキックをしなやかに打って身体を自然に反らせ、その反動で自然と足が浮き上がる(元の位置に戻る)という動作のみで、自ら曲げようとすると身体を大きく動かしたとき同様に抵抗を大きく受け、水泳において重要な推進力を減らしてしまいます。
水泳ドルフィンキックのコツ③うねりのコツその1
水泳においては、ストリームライン(けのび)の状態であれば、組んだ手の指先の向きを変えるだけで身体の進行方向を変えることができます。
試しにストリームラインの状態から手の指先を斜め上に向けてみると、身体は水面に向かって浮かんでいくはずです。逆に、斜め下に向けると自然と少しずつ脚が上がり、沈んでいくはずです。
この水泳独特の感覚をうねりに利用します。
水泳ドルフィンキックのコツ④うねりのコツその2
水中でその波の形に沿って身体が動いていくイメージをするとわかりやすいのですが、下がる時には指先を下げてキックを打ち、キックを打ったら指先を少し上に向けて身体を自然と反らせ、また指先を下げてキックを打ちます。
ストリームラインで行うため、実際には手の指先だけでなく頭や腕も動きますが、これによって自然と波の形のように身体が上下する感覚を覚えます。
これが水泳のドルフィンキックに必要である、自然な「うねり」です。
この動きをリズムよく行うことで、抵抗が少なく安定した推進力を生み出すことができます。
水泳ドルフィンキックの練習方法
ここで紹介するドルフィンキックの練習方法は、
①ストリームラインでの練習
②ビート板での練習
③壁キック
④ビート板を立ててキック練習
⑤気を付けキック
⑥サイドキック
⑦顔上げキック
⑧変則バタフライ
⑨フィンを使った練習
⑩陸上トレーニング
の10通りです。
またその準備段階としてのイメージトレーニングのやり方も紹介しています。
水泳ドルフィンキックの練習方法⓪イメージトレーニング
水泳において何かを上達させたい時は、コツを意識しながら練習するだけでなく、その動作についてイメージトレーニングで動きを予めイメージしておくことも重要です。
鉛筆やペンなどの端を親指と人差し指で挟んで軽く持ちます。
力を入れずに持った部分を素早く上下に動かすと、自然ともう片方の端も上下して、滑らかな動きをしているように見えます。
ここで、掴んだ端の部分を手の指先だと想定して、もう一度振ってみます。
当然、ペンが自らもう片方の端を動かそうとしているわけではありません。
ドルフィンキックやバタフライでは、ペンよりは身体を柔らかく使う必要もありますが、これと同じような動きであると考えて良いのです。
水泳ドルフィンキックの練習方法①ストリームラインでの練習
ストリームラインで練習を行うことで、バタフライで泳ぐのに近い姿勢でうねりの練習ができます。
まずはこれまでに説明したコツを意識しながら、上手く全身を使ってドルフィンキックを練習しましょう。
ドルフィンキックのような独特な動作は、自らコツや感覚を掴むことが重要です。
そして、コツや感覚を掴むためには、やはり実際に泳いでたくさん練習をするのが最も効果的です。
少し深い位置でストリームラインでキックを打ち、呼吸が苦しくなったら浮き上がって、バタフライのストロークや平泳ぎのストロークなどを使って呼吸をします。
水泳ドルフィンキックの練習方法②ビート板での練習
ストリームラインでの練習でコツや感覚を身につけてきたら、ビート板を使って水面近くでキックを打つ練習をします。
一般的なビート板を使ったキック練習ではビート板の前方を掴んで肘辺りまで腕を乗せますが、ここではうねりを邪魔する浮力を抑えるため、ビート板に軽く手を乗せる程度にします。
頭や腰の動きでうねり、推進力を生み出して進む練習をしましょう。
水泳ドルフィンキックの練習方法③壁キック
やり方は、プールの壁に手をつけるか、へりを掴んで顔を沈め、ドルフィンキックを打ちます。
その際、肘は少しだけ曲げておきます。
上手く足や身体を使い、推進力を生み出すことができれば頭が壁に近づき、肘がより曲がります。
しかし、身体を上手に使えていなかったり、膝を曲げすぎたりなど上下動が大きいと、肘があまり曲がらず、バシャバシャと波音が立ってしまいます。
上手くドルフィンキックができて肘が曲がった場合、手で壁を押して元の位置に戻ってから次のキックを打ちます。
壁キックは手が動かせない分、どちらかというと上下動が大きい方がその場でキックが打てるので壁キックはやりやすく、推進力が生まれた良いキックの方がやりにくいのですが、そのやりにくさが上手にドルフィンキックを打てている証拠です。
壁キック応用編
それを解決するためには、普段のスイムメニュー等に壁キックを取り入れるという方法が有効です。
やり方は簡単で、壁を蹴ってスタートをする前に壁キックとターンを取り入れるだけです。
壁キックの時間は5秒~10秒が適切です。
壁キック→ターン→潜水→スイム(またはドリルメニュー)という流れで行うことで、壁キックという練習をより実践的に、また効率的に取り入れることができます。
水泳ドルフィンキックの練習方法④ビート板を立ててキック練習
ビート板を横に持ち、水面に対して垂直に、壁になるように立ててキックを打ちます。
ビート板の浮力で身体の動きが制限されるうえ、ビート板の面が抵抗となり、推進力が妨げられるため、ドルフィンキックによって推進力を生み出さないとなかなか前に進みません。
壁キック同様、上下動の大きいキックになっていないかどうかを確認する手段としても有効です。
水泳ドルフィンキックの練習方法⑤気を付けキック
その名の通り、気を付けの姿勢でキックを行います。
気を付けキックは手を身体につけている分うねるのが難しいですが、バタフライの姿勢と似ているため、実践的なドルフィンキックの練習方法といえます。
呼吸は顔だけを上げる方法で行います。
身体がうまく沈まないほか、足も水面上に出やすいため水泳上級者向けの練習方法ではありますが、手だけではなく頭の動きを利用してうねる感覚を掴むことができます。
また、ストリームラインに比べて姿勢を保つのが困難なので、水泳において重要であり、ドルフィンキックの上達に必要な体幹の筋肉も鍛えることができます。
水泳ドルフィンキックの練習方法⑥サイドキック
ストリームライン、または片手のみを上に伸ばす形で、横を向いてキックを打ちます。
気を付けキックよりも更に姿勢を保ったりうねったりするのが難しいですが、姿勢を保たないと前に進みません。
また、うつ伏せのドルフィンキックよりも、上手にうねらないと推進力が生まれにくく、うねりの練習・確認にも適しています。
サイドキックは水泳において重要な体幹の筋肉が鍛えられるほか、身体を上手く使う練習としても有効です。
呼吸は片手でストロークをしながら行います。
呼吸(ストローク)ごとに左右の向きを変えても良いですし、ターンごとまたは1本ごとに変えても良いでしょう。
水泳ドルフィンキックの練習方法⑦顔上げキック
ストリームラインの状態から顔だけを水面上に出してキックをするという練習方法ですが、姿勢をフラットに保つのが非常に困難で、効率的に推進力を生み出さないと沈んでしまいます。
そのため、水泳・ドルフィンキックを上達させるために必要な体幹の筋肉が鍛えられていないと、この練習を行うのは難しいといえます。
バタ足よりは浮力が生まれやすいドルフィンキックですが、簡単そうに見えて非常にきつく、技術の必要な練習方法です。
しかし、気を付けキック等に比べると、頭は動かせませんが手の向きを変えられる分、うねりも生み出しやすいといえます。
水泳ドルフィンキックの練習方法⑧変則バタフライ
片手バタフライはその名の通り片手のみでストロークをする以外は普通のバタフライと同様です。
ストロークを減らすバタフライとは、キックに対するストロークの回数を減らす、例えば通常キック2回に1ストロークのところ、キック3回~4回につき1ストロークにします。
これらの練習では、よりバタフライの形に近い状態でドルフィンキックの練習ができるため、実践的であるといえます。
水泳ドルフィンキックの練習方法⑨フィンを使った練習
フィンとは足に装着する水泳の道具で、キックによる推進力を格段に上げることができます。
フィンを装着してドルフィンキックを打つことで、どのように蹴った時に最も進むのかということが確認できるほか、いつもよりも速いスピードを体感し、ドルフィンキックが上達した際のイメージを持つことができます。
基本的には、フィンを付けない練習と同じようにストリームラインで練習を行います。
しかし、あまりやりすぎると素足の感覚に違和感をおぼえるようになり、フォームが乱れるなどその後の練習に響くような逆効果も考えられますので、フィン練習はほどほどに行うようにしてください。
フィンを使ったキックのドリルメニュー
サイドキックや気を付けキック、顔上げキック、変則的なバタフライなど、上で紹介したドルフィンキックの練習方法を、フィンを付けて実践します。
顔上げキックなどは、水泳上級者向けのメニューとして紹介しましたが、フィンを付ければ水泳初心者でも推進力と浮力を得やすいためおすすめです。
また、速く泳げるフィンでは、ノーブレス(無呼吸)練習を行うのもおすすめです。
水泳初心者は25m、水泳上級者は50mを呼吸なしでストリームラインのキックだけで泳ぎ切ります。
これには素早い動きと上手なうねりが要求されますが、呼吸動作に邪魔されることなくキックの練習をすることができます。
立ちキック
少し深めのプールで、水面に垂直になるようにストリームラインの姿勢をとり、キックを打ちます。
呼吸ができるように顔が水面上に出たままをキープできるのが理想です。
素足では非常に難しいですが、フィンをつけて行えばある程度浮いていることができます。
どうしてもキープが難しい場合は、手を水面につけて行います。
効率的に推進力を生み出さないと重力に負けてキープが難しく、水泳上級者向けのメニューということができます。
また、この練習では、水泳に必要な筋肉を鍛えるとともに、体力アップも目指すことができます。
フィンを使った立ちキックである程度キープできたら、今度は素足でも挑戦してみてください。
水泳ドルフィンキックの練習方法⑩陸上トレーニング
水泳に必要な筋肉は泳いで鍛えるのが最も効率的であるとはいえ、水泳の更なる上達には筋トレも欠かせません。
また、膝や足首の柔らかさは水泳においてキックのしなやかさに繋がるため、日頃からストレッチを行っておくことも重要です。
ここでは、これら水泳のドルフィンキック上達に有効な筋トレ、ストレッチの方法を紹介します。
腹筋・背筋の筋トレ
そのため、水泳の練習前やオフの日に腹筋・背筋を鍛える筋トレのメニューを取り入れると、姿勢をフラットに保てるようになり、抵抗を受けにくく、推進力を生み出しやすくすることができます。
腹筋・背筋を鍛える方法として、一般的な腹筋・背筋も良いですが、おすすめはスタビライゼーションです。
スタビライゼーション(stabilization)とはその名の通りスタビリティ(stability, 安定性)を高めていく筋トレの総称です。
うつ伏せで肘を立てて姿勢をキープするプランクもこのスタビライゼーションの仲間です。
四つん這い、うつ伏せ、横向きなど様々な姿勢で体勢をキープし、ドルフィンキックの上達に必要な体幹の筋肉を鍛えます。
股関節・脚の裏側のストレッチ
ここでは水泳の中でもドルフィンキックにおける上達・怪我予防に効果的なストレッチとして股関節・脚のストレッチを紹介します。
股関節のストレッチは、開脚して前に身体を倒すものが一般的です。
このストレッチを行う際には、膝を曲げないこと、できるだけつま先を上に向けることを意識して行いましょう。
これに加え、前後の開脚も取り入れるとより効果的です。立った状態から脚を前後に開いていき、手を左右についてキープします。
脚の裏側のストレッチとしては開脚したまま横に身体を倒すストレッチや、長座体前屈が考えられます。
太腿・膝のストレッチ
水泳のドルフィンキックにおいては膝の柔らかさが必要です。
また、太腿の筋肉を使うため、練習の前後にはしっかりと太腿の筋肉を伸ばしておくことが重要です。
太腿や膝を伸ばすには、立った状態から脚を曲げて身体の後ろで足首を持つというストレッチが一般的です。
安定しない場合は片手を壁について行ってください。
また、浅めの体育座りのような体勢から片足の足首~ふくらはぎのあたりをもう片方の太腿の上に乗せ、乗せた側の手で上の脚の膝を外側(下側)に押す、というストレッチも有効です。
更に、2人で行うストレッチとして、うつ伏せで脚をかえるのように曲げ、足首を下に押してもらうという方法もあります。
足首のストレッチ
足首が柔らかいと、フィンを使っている時のように脚がしなるとともに、足首が自然に回転して船のスクリュープロペラのような動きをするようになり、推進力が向上します。
そのため、水泳の練習を行う前にストレッチを行っておくことは大切です。
伸ばした左脚の上に右脚を曲げて乗せ、左手の指と右足の指を絡ませて、円を描くようにまわします。逆も同様に行います。
また、正座の状態から後ろに手をついて徐々に膝を上げていくという方法もあります。
まとめ
ドルフィンキックは、水泳の中でも特殊な「うねり」が入る動作です。
上手くうねるためには身体を大きく動かし過ぎないことや強く蹴ろうと思わないこと、手や頭を上手に使って自然と身体を波のようにうねらせること等のコツがあります。
そして、そのコツや感覚を習得するためには、実際に水泳の練習の中でドルフィンキックを打ってたくさん練習することが一番の近道です。
水泳のドルフィンキックは一朝一夕で習得できるものではありません。
怪我に気を付けながら、たくさん練習をしてドルフィンキックを上達させましょう。
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