クロールのきれいな泳ぎ方とは?フォームをしっかり意識しよう
クロールの綺麗な泳ぎ方で大事なポイントを初心者向けに解説します。水泳で学ぶ4泳法の中でトップクラスのスピードを誇り、全ての泳ぎ方の基本となるのがクロールです。きれいなフォームを習得するためのちょっとしたコツを、一つ一つ確認していきましょう。
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公式ライター Activel_director
クロールをきれいに泳ぐには?
クロールとは、英語で這い回るという意味を持ち、その名の通り水の中を這うような動き方をする泳ぎ方です。
泳ぎ方の特徴は、手と脚が左右対称の動きを行い、常にどちらかの手で推進力を得ることができる点です。
そのため速いスピードを維持することができ、4泳法の中で最も早く泳ぐことができる泳ぎ方とも言われます。
クロールは比較的難易度が低く初心者でも泳ぎやすい泳法です。初心者でも身体の正しい姿勢(フォーム)や動かし方を知れば、きれいなクロールを身に着けることができます。
クロールの泳ぎ方
多くの人が知っています。それでは、クロールは具体的にどんな動きをする泳ぎ方かという問いに関しては答えられるでしょうか。
クロールの泳ぎ方は大きく以下の3つに分けることが出来ます。
・キック…足で水を蹴る動き
・ストローク…手で水をかく動き
・息継ぎ…泳ぎながら顔を水面に出し、呼吸を行う動作
各要素の具体的な泳ぎ方については、下記にまとめていきます。
クロールの泳ぎ方➀キック
クロールのキック
初心者は名前の通りバタバタと水を蹴るキックを行いがちです。しかし、きれいなクロールを行うのであれば、それは正しいキックではありません。
キックには蹴り下ろしのダウンキックと蹴り上げのアップキックの2種類があります。
ダウンキックとアップキックは左右の足で常に同時に行われています。そのため、バランスを保つために左右均等の力でキックを行いましょう。ダウンキックの時に「グッ」「グッ」と力を入れるイメージでキックするのがポイントです。
クロールの泳ぎ方②ストローク
クロールのプルの一連動作
手で水をかくという一連の動きは、大きく以下の6つの動きに分解でき、6つの動きを繋げることで、スピードの出るしっかりとした泳ぎ方となります。
6つの動き | |
---|---|
エントリー | ストロークの一番最初の局面。空中から水の中に手を入れます。 |
キャッチ | エントリーの次の動き。水をしっかり手でつかむイメージをもち、水をかく準備をします。 |
プル | 手のひらを後方に向け、水をかきます。 |
プッシュ | 手がおへそから太ももにかけて移動するとき、水を後ろに押し出すように動かします。 |
フィニッシュ | プル→プッシュで押し出した手が太もも辺りを通過し、水中から手を抜きます。 |
リカバリー | 水中から出た腕をエントリー位置まで持っていく動き。呼吸もこの時に行います。 |
クロールの泳ぎ方③息継ぎ
クロールの息継ぎ
腕が水中から空中に出た時に顔を横に向けながら水面上に出し、呼吸を行います。その後、エントリーする腕と同じタイミングで顔を水面に戻します。
進行方向とは違う方向に顔を出すため、初心者はバランスが取りづらく、水泳の動作の中でも苦手とする人が多い動きです。
しかし、そんな初心者には難しいと言われる動作も、基本は身体の軸を維持することにあります。身体の軸を維持する最も簡単な方法こそ、フォームを意識することになります。
クロールをきれいに泳ぐ基本姿勢
基本フォームのストリームライン
ストリームライン
ストリームラインは水の抵抗を減らして、より効率よく速く泳ぐためのフォームです。クロールではストリームラインをベースに、手足が対角線上に一直線になり、水面近くで水平に保つことを意識するようにしましょう。
ストリームラインのコツ
■注意点
姿勢がまっすぐ一直線になっていても、腕が前に傾いていたり背中が反っていて上半身・下半身のどちらかが沈んで身体が斜めになっている泳ぎ方では、余計な抵抗を生み、きれいなクロールを泳げませんのでNGです。
では、きれいなクロールを泳ぐための正しいストリームラインとはどのようなものでしょうか。それは、身体がプールの水面に対して水平に保たれているストリームラインです。
水泳では水面に対して水平でいることが水の抵抗を減らし、スムーズに進むことができると考えられています。水の抵抗が少なくなると、少ない力や動きで長い距離を泳ぐことが出来ます。きれいなクロールは無駄に力をかけない楽な泳ぎ方でもあるため、きれいなクロールを泳ぐためにも抵抗の少ないストリームラインを身に着ける必要があります。
水平な状態を保つためのコツとしては以下の3つがあります。
①背中のカベにできるだけ広く背中をつけるイメージでフォームをつくる
・・・背中を丸めることができず、身体をまっすぐに保つことが出来ます。
②みぞおちを持ち上げるようなイメージでお腹をへこませる(腹圧を入れる)
・・・下腹部に力が入ることで体幹が固定され安定し、下半身が沈むのを防ぎます。
③膝の裏に力を入れる
・・・足が沈むのを防ぎます。
この3つを頭に入れて、きれいなクロールを泳ぐためのストリームラインを身につけましょう。
ストリームラインの練習方法
ストリームライン 伏し浮き 蹴伸び(けのび) 水泳 クロール(自由形)の泳ぎ方の基本/swimming streamline and floating/
伏し浮きとは、水面にうつ伏せ状態となりしっかり浮く練習です。
ストリームラインを作って、出来るだけ長い時間浮くようにします。
この時、長く浮くことが出来なければ、水の抵抗を生んでいる=ストリームラインの姿勢として正しくないという事になります。そのため、長く浮けなければ自分のフォームを一つ一つ確認し、悪い所を改善していきます。
特に意識すべきは、膝や腰がしっかり伸びているかという点です。
これらが曲がっている泳ぎ方では身体が沈みやすくなってしまうからです。
長く浮けないという人は、今一度膝や腰がきちんと伸びているか確認しましょう。
けのびは、壁をけってスタートしたら即座にストリームラインを作り、完全に止まるまでそのままの姿勢を維持する練習です。
きちんとフォームができていないと、すぐに止まってしまいます。反対に、しっかり水平状態を保ったストリームラインが出来ていれば、10m以上進むことも可能です。
伏し浮きでストリームラインをしっかり作れるようになったら、けのびで実際に水中を進み、スムーズに水の中を進めるか確認しましょう。
クロールをきれいに泳ぐキックの打ち方
■ポイント
・膝が曲がっている
・膝から下が沈んでいる
・途中で動きが止まっている
この3点のキック姿勢は初心者に多く見られる動きです。これらは動きが美しくないばかりか、
水の抵抗を受けてしまい上手に進むことが出来ません。
頑張ってキックを行っても思うように進まず、すぐに疲れて泳げないという状態にもなりかねません。
この3点に動きの自覚がある場合は、速やかに修正する必要があります。
キックのコツ
クロールのキック
1.お尻から脚を動かす
…お尻から動かすことを意識することで、脚全体で効率的に水を蹴ることができます。
2.つま先を軽く伸ばす
…足の甲全体でしっかりと水を蹴ることができます。
3.膝を曲げすぎない
…膝が曲がりすぎているとただ水面を叩いているだけで上手に泳げないキックになります。
4.脚は水面でキープする
…脚が沈むのを防ぎ、水の抵抗を受けづらくなります。
この4つを意識して行うことで、推進力のあるキックを行い、きれいで楽な泳ぎ方になります。
キックの練習方法
①壁キック
両手で壁を持ち、頭を下げて体が一直線になるように水面でバタ足をします。この時、白い泡が出るように、速いバタ足を心がけます。息が苦しくなったら、顔を上げて息継ぎをし、終わったらまた水中につけます。
②ビート板キック
腕を伸ばして両手でビート板を持ってバタ足で前進します。頭は上げても下げても構いません。上げたまま泳ぐ時は、水の抵抗を受けるため、バタ足を強くする必要があります。
③ストリームラインキック
ストリームラインのフォームをつくり、バタ足で進みます。ビート板の浮力が無い分、脚が沈みやすくなります。そのためしっかり腹圧をいれ、体幹を安定させる必要があります。水平状態を維持しながら、つま先から脚の付け根を柔らかく使ってキックを行います。
クロールをきれいに泳ぐストロークの方法
ストロークのコツ
そんな重要なストロークですが、実はちょっとしたコツが2点あります。
①肩甲骨を使って大きく腕を動かす
肩甲骨を意識して、大きく腕を動かすことで効率のよいストロークができます。体幹部の大きな筋肉を使い、疲れにくい泳ぎ方です。
②常にハイエルボーポジションをとる
ストロークでは常に前へ体重移動を行い、推進力を得ようとします。うまく体重を前に移動させるには、肘が常に上の位置にあるハイエルボーポジションを取ることが大切です。さらにハイエルボーポジションでのクロールはそれだけできれいなフォームに見えます。
この2点のコツをおさえて、下記の具体的なストロークの動き方を確認しましょう。
クロールのストローク
エントリー時の泳ぎ方
大きなしぶきが立ってしまうと、水中で泡が立ち、キャッチの時に水ではなく泡をつかんでしまい効率の悪い泳ぎ方になります。大きな水しぶきでは、水をしっかりつかむことが難しくなり、推進力が上がらないので注意しましょう。
キャッチ時の泳ぎ方
上手に体重移動させるためには、できるだけ身体の下をまっすぐにかくようにしましょう。
フィニッシュ時の泳ぎ方
だからといって思い切り力を込めて水をかく必要はありません。ガチガチに力んだ泳ぎ方では、せっかくのクロールのフォームが崩れてしまいます。力んだからといって速く泳ぐことには繋がりません。
水をかいた後は、スッと力を抜くようなイメージで泳ぎましょう。
リカバリー時の泳ぎ方
・身体が沈みやすくなる
・力みやすくなる
などフォームが崩れる原因になるので、ここでもしっかりハイエルボーポジションを意識した泳ぎ方を身につけましょう。
ストロークの練習方法
【水泳】スイムドリル/片手クロール <琉球アスティーダトライアスロンチーム>
・肘を高い位置でキープしながら泳ぐ
・水面に手の甲を擦りながら泳ぐ
→ハイエルボーポジションの習得
・手をグーにして泳ぐ
→水をキャッチする感覚を掴む練習
・手と手が重なり合ったらストロークを始める
・手を前に出して片手クロール
→ストロークの動きの確認練習
・顔あげクロール
→速いスピードでのストローク練習
ドリル練習は様々なものがあり、上記はその一例です。自分が苦手とする動きを確認し、その動きをきちんと行えるようになるまで反復練習を行うことが、ストロークをきれいに行うのに効果的です。
焦らずしっかり練習して、きれいで無駄のない泳ぎ方を身につけましょう。
クロールをきれいに泳ぐ息継ぎの方法
スムーズな息継ぎには、ローリングという動きが必要です。ローリングはストロークの動きと連動して身体を左右にひねる動きを指します。息継ぎの際に沈んでしまう人の多くは息をしようと一生懸命になるあまり、顔を上げ過ぎてしまっています。
そのため、まずは息継ぎの際はリラックスして身体をひねり、真横をむくだけということをを覚えましょう。
息継ぎのコツ
【クロール】水の抵抗を減らす【目線で泳ぎの効率を上げるコツ】(呼吸・息継ぎのポイントも!)
具体的なタイミングは、リカバリー時に腕が回り始めたときです。
息継ぎをする側の腕が水面から出てきて息継ぎ側の体が浮いてきたら一緒に顔を水面からそちら側にだします。息を吸って体がもとに戻っていく流れに合わせて下を向けば、息継ぎの完了です。
それでも難しいという方におすすめの方法は、やや斜め後ろの水面から上がってきた自分の手を見ながら息継ぎを行うことです。
リカバリーで上がってくる自分の手を見ようとすると、息継ぎのタイミングと顔の向きもばっちり合い、息継ぎがスムーズに行うことができます。
息継ぎの練習方法
いきつぎクロール⑥
利き手をビート板から放し水をかき、2回に1回のペースで横を向いたクロールの息継ぎをしてみましょう。
片手クロールで息継ぎの時に沈まず、スムーズにできるようになったら両手クロールでの息継ぎにチャレンジしましょう。
クロールのきれいな泳ぎ方まとめ
一つ一つ改善していくことで、推進力のある無駄のない泳ぎ方を覚え、フォームも着実に
変化していきます。
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