
オムニコートの特徴とは?芝・ハード・クレーとはどう違うのか?
テニスコートのコートサーフェスにはいくつかの種類がありますが、日本で最も普及しているオムニコート(砂入り人工芝コート)について、その特徴と他のサーフェスとの違いを説明します。特に初心者の方には今後プレーする機会が多いコートですから、特徴を覚えておきましょう。
2021.12.16
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テニス
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オムニコートとは?
日本で最も普及しているコートであるオムニコート、実は「オムニコート」とは商品名で、正式には「砂入り人工芝コート」と呼ばれます。
1983年に住友ゴム工業がカナダのテクシン社から技術を導入して製造・販売を開始、自然なボールバウンドで、足腰への負担が少なく、雨の多い日本の気候に合った水はけのよいコートという評判で、公営コートを中心に爆発的に普及しました。正式名より商品名が広がったことが意味しているのは、比類ない商品だったことと呼びやすい名称だったからでしょう。
1983年に住友ゴム工業がカナダのテクシン社から技術を導入して製造・販売を開始、自然なボールバウンドで、足腰への負担が少なく、雨の多い日本の気候に合った水はけのよいコートという評判で、公営コートを中心に爆発的に普及しました。正式名より商品名が広がったことが意味しているのは、比類ない商品だったことと呼びやすい名称だったからでしょう。
オムニコートの5つの特徴とは?
オムニコートの特徴①雨に強い
テニスコートの種類の中では、最も雨に強いタイプで、雨が降っていても水溜りができてボールがバウンドしなくなるまではプレーできるコートです。また、雨が止めば水はけがよいので非常に早くプレーを再開できます。
その意味するところは構造上の特徴にあり、基礎地盤であるコンクリートに人工芝を植えたロール状のシートを敷いて接着剤で止め、その上に砂を撒いており、雨が降っても砂と人工芝シートから水分が透過し、コンクリートとの隙間を流れ出るので水はけがよいのです。
その意味するところは構造上の特徴にあり、基礎地盤であるコンクリートに人工芝を植えたロール状のシートを敷いて接着剤で止め、その上に砂を撒いており、雨が降っても砂と人工芝シートから水分が透過し、コンクリートとの隙間を流れ出るので水はけがよいのです。
オムニコートの特徴②維持管理が楽
オムニコートは、初期工事には費用と手間がかかりますが、施工後のメンテナンスについては砂撒きと数年おきに表面の人工芝の張替えだけで済み、維持費も多くはかからないことから、維持管理の手間と費用を抑えたい公営コートを中心に広く普及しました。
また、オムニコートは、雨が止めばハードコートよりも早くプレーが再開できます。
また、オムニコートは、雨が止めばハードコートよりも早くプレーが再開できます。
オムニコートの特徴③砂の量でバウンドが変わる
人工芝の上に撒く砂の量はコートによってまちまちで、その量によってバウンドが変わってきます。クレーコートのようなイレギュラーバウンドは少ないコートです。
砂が多い場合は、バウンドが低く、短い球の処理に非常に苦労しますが、スライドのステップが使いやすいので足を痛めることは少ないです。一方、砂が少ない場合は、ハードコートや芝コートに似たスライスが切れるコートになり、シューズが急に止まりやすいためステップに注意が必要です。
砂の量にはプレー後のコートブラシのかけ方にも影響があり、外側から円を描くようにコート中心に向かってブラシをかけると、砂が前後左右に散らないので砂の量も減らずバウンドも安定します。
砂が多い場合は、バウンドが低く、短い球の処理に非常に苦労しますが、スライドのステップが使いやすいので足を痛めることは少ないです。一方、砂が少ない場合は、ハードコートや芝コートに似たスライスが切れるコートになり、シューズが急に止まりやすいためステップに注意が必要です。
砂の量にはプレー後のコートブラシのかけ方にも影響があり、外側から円を描くようにコート中心に向かってブラシをかけると、砂が前後左右に散らないので砂の量も減らずバウンドも安定します。
オムニコートの特徴④ツアーで使われていない
海外のプロツアーで、オムニコートが使われている大会はATP250以上のクラスにはありません。日本のトップクラスの選手やジュニア選手育成の場では、海外のツアーを視野に入れハードコートが見直されてきています。
その意味するところは、ジュニアの時期からプレーする機会の多いオムニコート全盛の日本のテニスコート事情を危惧しているからです。特に将来性のあるジュニア選手の指導者たちは、日本のテニスの発展のためには、選手たちには若いうちから世界で主流のハードコートでスピーディーなテニスに慣れさせるべきだと主張しています。
その意味するところは、ジュニアの時期からプレーする機会の多いオムニコート全盛の日本のテニスコート事情を危惧しているからです。特に将来性のあるジュニア選手の指導者たちは、日本のテニスの発展のためには、選手たちには若いうちから世界で主流のハードコートでスピーディーなテニスに慣れさせるべきだと主張しています。
オムニコートの特徴⑤足腰に負担がかかる
オムニコートは、コートの基礎地盤がセメントやコンクリートだけに、長時間のプレーは足腰への負担がクレーコートよりもかかります。ハードコートに比べれば砂が撒かれ、コート表面とシューズの底に隙間が空き多少滑るために、スライドのステップも使え、足首のねんざ等のケガは少なめではありますが、砂が少ない場合にはシューズに引っ掛かりがあって思わぬケガに注意が必要です。
オムニコートと芝・ハード・クレーとの違い
芝コートとの違い
天然芝は植物が保有する水分があるため、ボールやシューズの滑りが大きく、ボールが速くバウンドが低く不規則で打球時に普段より腰を落とす必要があるのと、フットワークでも滑らないように太ももに力を入れるために、他のコートでプレーする時とは違った足の箇所に負担がかかります。ただ、天然芝の下は土であるため、コンクリートのような硬い衝撃は感じません。天然芝では雨天の場合は上にシートをかぶせることで、コート表面が軟弱になるのを防ぎます。
ハードコートとの違い
ハードコートはコートの中でも一般的にボールのスピードがバウンドしてからも落ちにくく最も高く跳ねて、イレギュラーバウンドは少ないために、攻撃的でテンポの速い試合が多くなります。つまり、プロの試合にハードコートが多くなっていることは、延々と続く我慢比べのような試合よりも、スピーディーで攻撃的な試合が観客には好まれることを意味しています。
クレーコートとの違い
クレーコートは、ボールのスピードやバウンドでは最もオムニコートに近く、テニスシューズも「オムニ・クレー用」として販売されています。足腰への負担がオムニコートよりも小さいことが長所です。一方、短所としてはラインテープ上も含めイレギュラーバウンドが多く、コートのメンテナンスに毎年の掘り起こしとローラー掛けがあり、オムニコートより時間と手間がかかり、雨後の再開には最も時間がかかります。
オムニコートでプレーする時のポイント
フットワークのポイント
まずは砂の量に注意しましょう。その意味は、砂がある場合はスライドのステップが使えますが、砂が少ないとシューズが引っ掛かり止まりやすくなるのでスライドのステップは使えないからです。砂の少ない状態で滑るステップを使うと引っ掛かりかえってねんざなどのケガをすることがあります。砂が少ない場合は、ハードコートで使うようなしっかりと足を運ぶステップを使いましょう。
オムニコートに最適なテニスシューズの選び方
初心者の方にはオールコート用のシューズでもよいのですが、できれば「オムニ・クレーコート用」のシューズをおすすめします。クッション性についてあまり差はありませんが、底の溝の刻み(パターン)が大きく違い、オムニ・クレー用はコート表面の砂の上をストップとダッシュがしやすいように、選手が止まって欲しい時に止まり、滑って欲しい時に滑ってくれるパターンを搭載しています。
試合する時のポイント
オムニコートではバウンドしてから球速が落ちるため、試合のペースは遅く、思ったよりも攻撃のボールが決まりません。結果としてラリーでしっかりボールを打つベースラインプレーヤーが有利になります。つまり、サーブが強い選手でもコートによってスピードが減衰してしまいラリー戦に持ち込まれてしまう、エース級のショットでも拾われてしまう、ドロップショットのようなボールの勢いを殺すショットは有利という試合になります。
オムニコートの特徴と他のコートサーフェスとの違いのまとめ
コートの種類と特徴
コートの種類 | バウンド後の高さ | バウンド後の球速 | スライド | 足腰への負担 | 水はけ | メンテナンス |
オムニコート | 普通(砂の量による) |
普通、砂の量による |
滑る |
中 | 最良 | 容易 |
クレーコート | 普通(砂の量による) |
遅い |
滑る |
小さめ |
悪い | 手間(整地) |
ハードコート | 高い、跳ねる |
表面塗料による |
滑らない、止まる |
大きい | よい | 最も容易 |
カーペットコート | 普通(毛足による) |
毛足による |
滑らない、止まる |
大きめ | (室内) | 容易 |
芝コート | 低い、滑る |
速い |
滑る、スリップする |
大きめ | 悪い | 難しい |
オムニコートは、ボールがバウンドしてから球速が遅くなる初心者の方には扱いやすい種類のコートです。また、日本のような雨の多い気候に適した雨に強いコートです。
テニスシューズは靴底がオムニコート用のパターンのものを履くことでケガを防ぐことにもなります。
これらの情報を参考に、日本に多く普及しているオムニコートで思う存分プレーしてみてください。
テニスシューズは靴底がオムニコート用のパターンのものを履くことでケガを防ぐことにもなります。
これらの情報を参考に、日本に多く普及しているオムニコートで思う存分プレーしてみてください。
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