トップスピンがかからない理由とは?フォームと打ち方を改善しよう【テニスコーチ監修】
現代テニスでは必須ともいえるトップスピンですが、なかなか回転がかからなくて悩んでいる方は多いです。トップスピンがかからない理由を4つパターンに分け、理由と改善方法をお伝えします。テニスで自信をもってトップスピンが打てるように、ご参考ください。
Writer
公式ライター SKコーチ
テニスのトップスピンとは?
トップスピンをかけることで、バウンド後も勢いを保つことができ、ショットの安定とボールの勢いの両方を手に入れることができます。また、不安定になりやすいフォアハンドでも自信をもって打球することができ、現代のパワーテニスでも主流のショットになっています。
トップスピンを打つためにはボールに縦回転を与えるための面の向きやスイング軌道といった打ち方やフォームが必要です。
ストロークにトップスピンがかからない4つの理由
①グリップを握ってしまうこと
②スイング軌道が平行になること
③腕のみのスイングとなること
④小手先でトップスピンをかけようとすること
グリップを変えることも一つの手段となりますが、基本的にはどの握りでもボールに回転を与えることはできます。重要なことは、インパクト時の面の角度やボールの触り方になり、さらにボールに勢いを与えるためのスイングフォームが重要となります。
それぞれの原因について理由と改善方法をフォアハンドにフォーカスし、お伝えしていきます。
トップスピンのグリップ力を改善する方法
不安定なフォアハンドだからこそ、腕に頼らずに体全体を使用した打ち方を身につける必要があり、まずはテニスの打ち方に不可欠なグリップ力を見直すことが重要です。
回転がかからない理由
・ラケットとボールが衝突してしまう
・ラケットダウンができない
・インパクト時にラケットが加速しない
グリップを握るということは腕に力が入っているということに繋がります。その結果、スイング時に自然に行われるラケットダウンができなかったり、体全体を使用したスイングができず、テニスラケットの加速速度があがらないためトップスピンがかからなくなります。トップスピンのかけ方を正しく習得するためには、グリップを握るのではなく支える感覚を作ることがコツとなります。
正誤比較
対してグリップを軽く支える状態でスイングした場合は、腕に力が入っていませんので、自然にラケットダウンができていることがわかります。
回転をかけようとするとどうしても腕やグリップに意識がいきがちですが、逆に力を抜くことで自然なフォームとなり、トップスピンをかけるための動作へとつながっていきます。
改善方法
・指の関節でグリップを握りこむ
・グリップを横ではなく斜めから握りこむ
・手のひらがグリップから浮かした状態を作る
グリップを握ってしまう方の特徴として手のひらがグリップにくっついた状態となってしまいます。上記の方法でグリップを握ることで、グリップの握りすぎが改善され、トップスピンに必要なラケットダウンやスイング加速を可能にします。
トップスピンの平行スイングを改善する方法
平行スイングになってしまう人の特徴として、体が正面を向いたままスイングをしてしまうことです。
本来打球前にターンをし、体の回転に伴いラケットダウンが起こり、下から上のスイング軌道となります。しかし、平行スイングになってしまう方は、テークバック時に腕でラケットを引いてしまう傾向が強くなり、グリップを握っているためラケットが落ちずに平行スイングになってしまいます。
回転がかからない理由
テニスボールに縦回転を与えるためには、ラケット面の中でボールを転がすように薄い当たりが必要となりますが、平行スイングで回転をかけようとするとラケット面が下をむいてしまうため、ボールがネットを超えないといった悪循環となります。
正誤比較
対して正しいトップスピンのかけ方をしたフォームの場合、テークバック時にラケットが立った状態になり、円運動のスイングになっています。
平行スイングで悩んでいる方の大半はテークバック時に右手始動でテークバックを取ってしまいます。グリップを必要以上に握らないためには、右手始動でテークバックを取らずに、左手を始動でターンを作っていきましょう。
改善方法
・テークバック時に、ラケットを立てた状態にする
・加速させる場所のイメージを打球後にもってくる
円運動の打ち方を習得するため、強制的に下から上方向にスイング軌道をさせる練習方法をご紹介します。
素振りでも球出しでも構いませんので、腰の高さから膝の高さの間に障害物を置き、障害物の下をラケットが通過するようにスイングをします。意識する点は、手首を使わないことと、加速場所を上図のようにインパクトから振り上げの場所でビュンというようにスイングすることです。強制的にトップスピンに必要なスイング軌道の感覚をつかむことが可能になります。
トップスピンの手打ちを改善する方法
手打ちのフォームになってしまう方の特徴として、腕や手首の操作でトップスピンをかけようとしてしまう意識が強いことが挙げられます。ボールに回転を与える感覚は備えていますが、体の回転ができずに、小手先だけの打ち方となり、実践で使えるトップスピンを打つことができなくなります。
回転がかからない理由
・体が回らず、勢いのないトップスピンとなり、ネットを超えない
・手首を使用することで面ブレが起こる
手打ちでもボールに回転を与えることはできます。しかし、小手先のフォームではボールに勢いを与えることができないため、バウンド後に勢いよく跳ねる実戦で使えるトップスピンとは程遠いボールとなってしまいます。また、手首を使用しやすくなり面の向きが安定せず、上手く回転をかけることができないということ現状も起こります。ボール自体に勢いを与えるためには体の動きと腕の動きが連動する運動連鎖を習得することが改善方法となります。
正誤比較
対して運動連鎖を使用したフォームを見ると、前方にスペースがあるためテニスラケットがボールの下から斜め上方向へ動いていることが可能です。
体が横向きのままですとテニスラケットが上方向に移動しないため面の向きを変えてボールを飛ばそうとしてしまい余計にボールに回転がかからない状況になります。体を回転させてテニスラケットが打球方向へ移動できるスペースを与えることが重要となります。
改善方法
・下半身を使用するために、後ろ足を蹴り返す
・体と腕を連動されるために、左手を追うようにスイングをする
トップスピンの打ち方を習得する練習方法として素振りがおすすめです。誰かにテークバック時ラケットの先端を後ろで持ってもらい、後ろ足が回った時点で離してもらいます。その時体の回転が発生しているため、ラケットは勝手に加速してくれます。フィニッシュ時は左手でキャッチするよう意識することで、体の回転と腕が連動したフォームを身につけることができ、勢いのあるトップスピンをかけることが可能です。
トップスピンのワイパースイングを改善する方法
ワイパースイングを意識しすぎる方の特徴として、ボールが当たった後に一生懸命ラケットをワイパーのように動かすことです。トップスピンは、ボールに当たるまでの面の向きやスイング軌道で決まりますので、ボールに当たった後にいくらラケットを動かしても、残念ながらボールに回転を与えることはできません。
回転がかからない理由
・回転は打球前の動きでかかるかが決まる
・小手先のスイングとなるため、ラケットが加速しない
ワイパースイングは、打球後の動きとなります。ラケットからボールが離れる速さは数千分の1秒ともいわれ、人間の反応速度では到底間に合わないため、ワイパースイングをしようと思った時にはすでにラケットからボールは離れていることになります。いわば、ボールが飛んだ後に一生懸命ラケットを動かしている状態です。トップスピンのかけ方のコツはインパクトまでのラケット動作となります。
正誤比較
対してワイパースイングは意識せず、ラケットダウンからインパクトに欠けて意識をしている打ち方ですと、インパクト後のワイパースイングの範囲が大きいことがわかります。
ワーパースイングの範囲が広いのはスイングスピードがインパクトに対して加速していることを意味し、打球後は加速の勢いのままフィニッシュを終えているということになります。ワイパースイングを意識しないことで、結果としてワイパースイングができるということになりますので、トップスピンの意識はインパクトまでの動きに注力しましょう。
改善方法
・ラケットダウンからインパクトまでの面の角度・スイング軌道・スイングスピード
・打球後は勝手にフォロースルーが取られる
ワイパースイングを修正する練習方法として、ラケットを放り投げる素振りが効果的です。
準備の段階ではラケットダウンの状態からスタートをし、打球した後はグリップを左手に放り投げてパスをしてあげます。インパクト後の意識が薄れるため、ラケットダウンからインパクトまでの動きを認識しやすく、意識をしなくてもラケットがワイパースイングのような軌道を描くことが体感できます。
ストロークでトップスピンをかけられるようになろう
基本的に回転が上手くかけられないという方は腕に頼ったスイングをしてしまいます。トップスピンのかけ方の本質はラケットダウン~インパクトまでの動作で決まるということを理解することで、どの握り方でも順回転を打つことが可能です。
回転がかからない理由はこの記事で紹介した4つの中でどこに分類されるのかを理解し、改善方法を参考にフォアハンドでも安定したトップスピンが打てるように練習していきましょう。
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