バレーボールのセッターの役割と動き方とは?【ポジション解説】
バレーボールのセッターは、スパイカーにトスを上げる重要なポジションです。一見地味なポジションですが「コート内の監督」といわれるくらい大きな役割を担っています。今回はバレーボールのセッターの役割と動き方を詳しく解説していきます。
Writer
公式ライター Activel_director
バレーボールのセッターの3つの大きな役割
セッターは守りと攻撃の中継地点で、試合中一番多くボールに触るポジションです。しかし、マシンのようにただ同じトスを上げるだけでは、セッターとして充分ではありません。
セッターの役割①スパイカーにトスを上げる
ゴルフでは止まったボールを、野球では相手ピッチャーから来るボールを打ちますが、バレーボールでは仲間が上げるトスを打ちます。そのためには、いかにスパイカーが打ちやすいトスをあげることが一番重要なポイントとなります。バレーボールのセッターは、自分のチームのスパイカーが気持ちよくスパイクを打てるような「ナイストス」を上げることに意味があります。
基本のオーバーパスが上手なことが、最もセッターに必要とされる技術です。
セッターの役割②チームの状況を把握する
今現在のチームの状況はどうなのかを把握してトス回しをすることが、セッターの役割なのです。劣勢の時はチーム内の雰囲気も暗くなり、選手の動きも鈍くなります。そういう時にセッターは冷静に、より打ちやすいトスをスパイカーに供給して調子を上げてあげます。
このように、常にチームメイトの状態や点数、また相手チームの状況などを把握してチームメイトを動かすのが、セッターの重要な仕事です。
セッターの役割③試合を組み立てる
しかし、ゲームメイクができる一番面白いポジションでもあります。チームが優勢の時にはトリッキーなトス回しで相手を翻弄し、劣勢の時やスパイカーの調子が出ない時は、トスで選手を立ち直させる、まさに司令塔です。セッターのトスの正確さとトス回しが、試合の流れを作るのです。
試合を組み立てるために、セッターはスパイカー個人個人の癖や性格、そして好きなトスを把握する必要があります。試合の流れはセッターが握っているといっても過言ではありません。
バレーボールのセッターの役割を果たすために必要なこと
【セッター】【スローモーション集】giannelli vs bruno
バレーボールでは、各ポジションごとに必要な資質が異なります。特にセッターには、多くの資質が求められます。多くのバレーボールのチームのセッターは、比較的小柄な選手が多く見られます。これはセッターに身長よりも他の資質が要求されることに起因します。
ここではセッターの役割を果たすために必要なことを、詳しく解説します。
正確なトスを上げること
それには基本のオーバーパスを、自在に操ることができることが必須です。まずはオーバーパスの際の手の形や腕の使い方などをマスターして、よりスパイカーが気持ちよく打てる優しいトスを上げることが目標です。
常に冷静であること
優勢の時も劣勢の時も、常に冷静でいられることがセッターに欠かせない資質です。とはいえセッターも人間です、焦る時もあればへこむ時もあります。そういう時にも「冷静を装う」それも必要です。
相手チームに対しても、自チームの選手に対しても冷静でいること、それがセッターの司令塔としての大きな役割です。
チームの状態を把握する観察力
チームが優勢か劣勢かだけではなく、選手一人一人の状態を把握することに大きな意味があります。スパイカーが攻め気なのか、スパイクが決まらず弱気になっているのか、またはレシーバーが疲れていないかなど、常にチームメイトと目を合わせ、顔を見ることが重要です。
そして、一人一人に声掛けをすること、これもセッターの仕事です。疲れが見えるレシーバーがナイスレシーブをした時、駆け寄って声をかけてあげることで、そのレシーバーの疲れも吹き飛びます。
セッターが自分の状態を分かってくれている、それは選手にとって安心できる大きな要素です。
強気・前向きであること
スパイカーが不調な時に言葉だけで励ますよりも、一番好きなトスを丁寧に上げてあげることが、立ち直る一番のきっかけになります。そしてそれが、最終的にチームの勝利につながります。
そして前向きであること、チームが劣勢の時や負けそうな時に、チームの要であるセッターが下を向いたら試合は終わります。最後の1点が入るまで諦めない前向きな姿勢が大切です。
敏捷性と柔軟性
また、レシーブされたボールが低かったり逸れたりした場合は、不自然な姿勢でボールの下に入ることもあります。その際、必要になるのが柔軟性です。体が柔らかくなければ、ボールの下に入ることができても正確なトスを上げることが難しくなってしまうのです。
バレーボールのトスは、手だけで上げるものではありません。全身を使ってコントロールすることが大切なので、それにはボールの下に素早く入る敏捷性と柔軟性が必要なのです。
バレーボールのセッターの動き方
【バレーボール】これぞセッターの真骨頂!!上手すぎて驚愕間違いなし!!【衝撃】The true value of the setter【volleyball】
良いスパイクが決まる時には、必ずそこにナイストスがあるといっても過言ではありません。セッターの知識をより深めていただくために、セッターの基本的な位置や動き方について解説していきます。
セッターの定位置とは?
6人制バレーボールではローテーションがあり、サーブが打たれた後でないと各ポジションに移動できません。なのでセッターは、サーバーの手からボールが離れた瞬間、ネット際の中央に移動します。ここでもセッターには素早く定位置に行く敏捷性が要求されます。せっかく良いレシーブをしてもそこにセッターがいなかったら意味がありません。
そして必ずしもセッターの定位置にレシーブしたボールが返るとは限りません。その場合も、二本目のボールはセッターが触るのが基本なので、移動する時はボールから目を離さないことが必要になります。
素早くボールの下に入る
そのためには、オーバーパスの練習の時から、一本ずつボールの下に入ってパスをする習慣をつけることに大きな意味があります。
素早くボールの下に入るためには、ボールから目を離さないことが重要ですが、同時に周囲の状況を見ることができる視野の広さも必要です。それは、スパイカーが打つ体制になっているかどうかなどを、トスを上げる時点で瞬時に把握しなければならないからです。
オープントスをマスターする
そしてトスのボールはできるだけ回転させないようにします。正しいフォームでトスを上げれば回転しにくく、それが打ちやすい「優しいトス」になります。
パスを大きく飛ばすには、腕の力だけではなく、ボールを体全体で運ぶことが大切です。
オープントスの後に、早く直線的なトス、短いクイックトスの練習をしていくのが正しい順番であり、効率的に習得するコツです。
常にボールに正対する
優秀なセッターは、ボールの下に素早く入るだけではなく、まずはボールが来る方に向かいボールキャッチ、そしてトスを上げたい方向に体全体を向けてトスを上げます。横で受けたり、横に上げることはありません。
セッターに求められる資質として俊敏性と柔軟性を上げましたが、実はセッターは体幹がしっかりしていること、つまり高い運動能力が要求される難しいポジションでもあるのです。
バレーボールのセッターのツーアタックについて
セッターのツーアタックは、相手チームの意表を突く有効なプレーではありますが、むやみに多用しないでください。セッターの仕事は、あくまでスパイカーにトスを上げることです。どんなにレシーブが乱れてもトスを上げる事を第一に考えるのが優秀なセッターです。
セッターがツーアタックを多用したり、見え見えのツーアタックを打って相手チームにレシーブされると、チームの士気が下がります。また、スパイカーは自分が信用されていないと感じ、チームワークにも影響してしまいます。
バレーボールのセッターの役割と動き方まとめ
セッターの動きによって、チームが良い方向にも悪い方向にも向いてしまうのです。
チームの「司令塔」セッターはスキルの高さと人間性まで要求されるというとても難しいポジションですが、逆をいえば一番面白いポジションです。
バレーボール観戦の際は、ぜひセッターの動きにも注目してみてください。バレーボールをもっと楽しめるはずです。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。