バレーボールのリベロとは?リベロの役割と意味を解説!今後ルールの廃止もある?
バレーボールのリベロというポジションをご存知ですか?コートの中で1人だけ違う色のユニフォームを着て、ひたすらレシーブしている選手、それがリベロです。ここではバレーボールのリベロの基礎知識、そして役割と意味、について詳しくご紹介します。
Writer
公式ライター まる蔵
選手・コーチ・認定審判員と、バレーボールと共に人生を謳歌しています。スポーツやバレーの楽しさをお伝えしたい、そう思いながらweb記事を書いています。
バレーボールのリベロとは?
レシーブ専門のポジション
どちらも大切な仕事ですが、レセプションとは相手のサーブをセッターに上げ、それを攻撃につなげる起点となるプレーです。ここでは、セッターに確実に返球する守備の技術の高さが必要になります。
ディグでは、相手の強いアタックをコートに落とさないことで、チームの失点率を減らしチームに貢献するレシーブのスペシャリストなのです。
リベロの攻撃参加
リベロのルールの項で詳しく説明しますが、リベロは戦術や状況によって攻撃に絡むことはあっても、基本的には守備専門のポジションと決められています。とはいえ、試合中はどこにどんな形でボールが来るのか予想がつきません。どんな場合でもリベロは、この制限を守らなければ味方の失点になってしまいます。
ここがバレーボールのリベロというポジションの一番難しいところともいえます。
リベロの交代回数
そして、後衛のどの選手とも交代することいった、特別なルールが設けられています。ちなみに他の選手のメンバー交代は、1セットに6回です。交代してベンチに戻った選手は、一度だけ元のポジションに復帰できます。
バレーボールのリベロの役割①
レシーブでチームを支える
どれだけオフェンス力が高いチームでも、ディフェンスができていなければ勝つことはできません。チャンスボールを正確にセッターに返す技術、落ちそうなボールを拾う技術、強いアタックを臆することなくレシーブする技術、どれをとってもバレーボールのリベロには欠かせない役割なのです。
そして、優秀なリベロがいることで、チーム力が飛躍的にアップします。リベロとは、他の選手から守備に関して全幅の信頼を寄せてもらうことに意味があるのです。
バレーボールのリベロの役割②
セッターに次ぐ第二の司令塔
リベロは基本的にアタックラインの後ろのバックゾーンに位置するため、コート全体を見渡すことができ、コート内の選手に指示を出すことができるのです。これが第二の司令塔といわれる理由です。
ラリー中にチーム内のポジショニングが乱れた時も、率先して指令を出すのもリベロの仕事だと言えます。
ディフェンス陣の組み立て役
自分を中心として、レシーブ体制を周りに指示を出すのもリベロの大切な役割です。特に味方がブロックに立った時に、アタックがどのコースを通過するのかを一番見ることができるのがリベロです。リベロが的確な指示を出すことで、ブロックやブロックフォロー成功率を上げることができます。
バレーボールのリベロの役割③
監督・コーチからのメッセンジャー
そこでリベロは何度でも交代ができるという特性を生かして、ベンチにいる監督やコーチの指示をコート内に伝えたり、コート内の選手の状態をベンチに伝えるという役割を担います。
バレーボールのリベロの役割④
他の選手の負担を減らす
つまりレシーブを100%リベロに任せることで、アタッカーやセッターの負担が大幅に減る事になります。
リベロが率先してレセプションやディグを行うことで、他の選手の精神的不安もなくなるということです。そのためバレーボールのリベロには、広範囲をカバーできる守備力と、ボールを読む判断力が必要になります。
バレーボールにおけるリベロのルール
リベロだけの特殊ルールとは
ただし、アタックライン外のバックゾーンからリベロがオーバーハンドパスで上げたトスは、ネットの高さに関係なく返球することができます。リベロの手にボールが触った瞬間にバックゾーンにいればいいので、ジャンプトスの着地はフロントゾーンでも大丈夫です。
おかしな動作でトスを上げているな、と感じる方もいるかと思われますが、あれは実はテクニックが必要なセットアップなのです。
その他、リベロは何回でも交代できるということ、他の選手と違う色のユニフォームを着なければいけないということ、コート内にはリベロは一人だけ配置することができる、ということもバレーボールのリベロだけのルールです。
リベロの反則とは
つまり、明らかにボールに触らないと思える場所でのフェイクでも、ブロックに参加してはいけないということです。
相手がアタックを打つときには、リベロはレシーブに専念することになり、それがリベロの専門職となるのです。
リベロはチームキャプテンやゲームキャプテンになれない
リベロはコートへの出入りが頻繁に行われますが、そのたびにゲームキャプテンが入れ替わると、命令系統などがややこしくなってしまうためです。これはリベロ制を導入した時に、リベロをキャプテンやゲームキャプテンにしないというルールを作ったものと考えられます。
しかし、チームのキャプテンつまりチームの主将はリベロでも務める事が可能です。
バレーボールのリベロに必要な資質とは
ここではバレーボールのリベロに必要な資質について解説します。
ボールを落さない粘り強さ
そして、そういったプレーがチームの士気を高め、積極的な攻撃につながるのです。どんなに攻撃しても拾われるというのは、相手チームにとって一番の脅威です。
バレーボールの試合を見ていても、ものすごいアタックが決まった瞬間と同じくらい、落ちそうなボールをリベロが拾った時は大歓声になります。
冷静な判断力・分析力
リベロ自身が試合の流れを冷静に読んで分析して、監督と同じようにコート内の選手に指示することも重要です。相手コートのどこが穴か、どこを狙えば良いかなど、リベロ目線で作戦を立てることもできます。また、味方の選手がミスをして動揺してしまった場合も、率先して声をかけてあげることにも大きな意味があります。そういった精神的な支えにもなれる選手が優秀なリベロといえるのです。
アグレッシブな性格
アグレッシブな資質とは、粘り強さと同様にどんなボールにでも食らいついていく、といった気持ちです。得点を入れる行為はできないけれど、得点は絶対に入れさせない、その心意気がリベロには欠かせないのです。
また、チームの士気が落ちている時や雰囲気が悪くなった時に、大丈夫、まだまだいけると本気でチームメイトに声をかけることができる前向きな姿勢に意味があります。
バレーボールのリベロ制は今後廃止の方向なのか?
リベロの現状
ただし、弊害も数々あるとされています。その弊害の一つとは、ミドルブロッカーはレシーブの技術は必要ないという方向で育てられているということです。レシーブはリベロに任せて、ミドルブロッカーはアタックとブロックだけ強化するといった偏った育成方法も問題視されています。
リベロの必要性
センス抜群でレシーブからアタックまでオールマイティにこなせるにも関わらず、身長が足りないというだけで試合に出られなかった選手がここで脚光を浴びたのです。コートの中での役割分担というものがはっきりしてきたとも言えます。
リベロ不要論も根強く残ってはいますが、リベロ制が廃止になったらまず身長が足りない選手のスタメンへのハードルは高くなります。そして今までレシーブの練習をあまりやってこなかったミドルアタッカーや、ウイングスパイカーは、生き残るためにアタックとともにレシーブの猛練習をしなければならなくなります。
大きくて上手い選手というのは、世界中を見渡してもそう多くはいないのが現実です。
リベロ制は日本にとって有利?不利?
諸外国のチームをよく見てみると、レシーブは全てリベロに任せるというチームが多いことに気づきます。つまり諸外国の強豪チームであっても、身長があって攻撃力の高い選手にレシーブをさせないという風潮があるのです。なのでリベロ制が廃止されると、ディフェンスに弱点ができてくるということになります。
このように、リベロ制を廃止すると、実は器用な選手の多い日本は有利になるのではないか?という理論も成り立ちます。
全日本の選手にも何人かいましたが、リベロ制が廃止になったら主に守備を固めたい時に、アタックも打つこともでき、なおかつレシーブの面で頼れる選手に脚光が当たる時代が来ることも考えられます。
廃止の方向か?
いずれにせよ、リベロ制を廃止するという大きなルール改正は、どこの国やどんなチームに影響が大きいと考えられます。
どこが有利になるから、不利だからというスタンスではなく、バレーボールというスポーツの健全な発展のため、熟考・協議の末のルール改正が望まれます。
バレーボールのリベロの役割と意味のまとめ
また、そのリベロもただただボールを拾うだけではなく、様々な役割を担っているのです。究極のチームプレーであるバレーボールの中の、リベロという大切な存在はとても大きなものなのです。
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