ヨガの呼吸法!8つの種類とそのやり方や効果とは?
ヨガの基本の呼吸法は腹式呼吸と言われています。しかし、ヨガの呼吸法にはさまざまな種類が存在し、目的やポーズによって使い分けています。今回は8つの呼吸法について、それぞれのやり方やメリットをご紹介します!呼吸は鼻で?それとも口で?息の仕方も細かくお伝えします!
Writer
公式ライター 真秀美
- ヨガで一番大切な「呼吸」
- ヨガの呼吸法とは?
- ヨガの呼吸法による9つの効果とは?
- ヨガの呼吸法の効果①リラックス効果
- ヨガの呼吸法の効果②自律神経バランス正常化
- ヨガの呼吸法の効果③血行促進
- ヨガの呼吸法の効果④血圧上昇の抑制
- ヨガの呼吸法の効果⑤便秘改善
- ヨガの呼吸法の効果⑥免疫力アップ
- ヨガの呼吸法の効果⑥脂肪燃焼
- ヨガにおける呼吸法
- ヨガでも必要な基本の呼吸法2つ
- ダイエットにおすすめの呼吸法4選
- ダイエットにおすすめのヨガの呼吸法①
- ダイエットにおすすめのヨガの呼吸法②
- ダイエットにおすすめのヨガの呼吸法③
- ダイエットにおすすめのヨガの呼吸法④
- 身体の調子を整える呼吸法2選
- 身体の調子を整えるヨガの呼吸法①
- 身体の調子を整えるヨガの呼吸法②
- ヨガの呼吸法を日常に取り入れよう
- ヨガの呼吸法をマスターして元気に過ごそう
ヨガで一番大切な「呼吸」
呼吸は、口や鼻から空気を吸い込んで酸素を肺に取り込み、二酸化炭素を吐き出しています。この「吸う」「吐く」の動作は、肺単体で行っているわけではなく、肺周辺の筋肉(呼吸筋:横隔膜や腹筋群)がコントロールしています。呼吸の仕方によって、刺激される筋群やその負荷も変わり、身体へのメリットにも違いが生じます。ヨガには、さまざまな種類の呼吸法があり、目的やポーズ・流派などによって使い分けています。
今回は、そんなヨガの呼吸法に注目し、それぞれの効果とやり方をご紹介します!
ヨガの呼吸法とは?
呼吸法とは、「呼吸の仕方を意識的にコントロールし、心身の状態を良好に保つことを目的とした訓練方法」です。ヨガを通して呼吸法を習得し、心身のコンディションを整えましょう。
ヨガの呼吸法による9つの効果とは?
前者のように、心身の状態が呼吸に影響することもあります。しかし、後者のように、呼吸によって心身をコントロールすることも可能なのです。呼吸法のメリットを把握し、それぞれのやり方をマスターすれば、理想の自分に近づくことができるかもしれません。
それでは、ヨガの呼吸法による心身への9つの効果による身体へのメリットを見ていきましょう。
ヨガの呼吸法の効果①リラックス効果
横隔膜は、肺や心臓を収める「胸腔」と、消化器系内臓を収める「腹腔」の境目に位置する筋肉です。みぞおちから腰のあたりにドーム状に広がり、これが収縮する(下がる)ことで息を吸い込み、弛緩する(上がる)ことで息を吐き出します。
呼吸法により、横隔膜の上下運動が大きくなると、その下に位置する内臓が刺激を受けます。
内臓周辺には、副交感神経系の神経細胞が多く存在するため、ヨガの呼吸法により内臓がマッサージされると副交感神経の働きが活発になり、心身にリラックス状態をもたらしてくれるのです。
ヨガの呼吸法の効果②自律神経バランス正常化
以下の画像は、自律神経の働きを簡単にまとめたものです。
ヨガの呼吸法により内臓がマッサージされ、副交感神経の働きが優位になれば、消化促進・良質な睡眠・ストレス緩和などの効果が期待できます。ヨガの呼吸法で、身体を休める・回復する機能を高め、毎日を元気に過ごしましょう。
ヨガの呼吸法の効果③血行促進
心身が緊張した状態は、血管を収縮させ、運搬路の道幅は狭くなります。そんな状態が長時間続けば、渋滞(血行不良)を招き、肩コリや頭痛など、身体の不調が現れます。
また、全身の細胞へ酸素と栄養が十分に供給されないため、疲れやすさを感じたり、脳へ栄養が行き届かないために集中力が散漫になったりと、日常生活に支障が出ます。
ヨガの呼吸法で副交感神経が優位となれば、身体がリラックス状態となり、血管が拡張します。血管が拡張すれば、運搬路の道幅が広がるため、渋滞なくスムーズに酸素と栄養を届けることができるのです。
ヨガの呼吸法の効果④血圧上昇の抑制
血圧は、心臓から送り出される血液量【心拍出量】と、末梢血管での流れにくさ【末梢血管抵抗】によって決まります。
ヨガの呼吸法により副交感神経が優位になると、血管の平滑筋が緩み、血管の弾性も高まります。しなやかで健康な血管をキープするためにも、日常にヨガの呼吸法を取り入れることをおすすめします。
ヨガの呼吸法の効果⑤便秘改善
便秘にはいくつか種類がありますが、「自律神経の乱れ」「ストレス」「蠕動運動の低下」に起因するものは、ヨガの呼吸法によって改善が見込めます。
便秘が改善され腸内環境が整えば、美肌効果・栄養吸収率アップなど、様々なメリットにつながります。
ヨガの呼吸法の効果⑥免疫力アップ
私たちの生活環境には、たくさんの病原菌やウイルスが存在し、共存しています。それらは鼻や口から私たちの体内に侵入していますが、病気の発症に至らないのは、体内で「免疫システム」がしっかりと働いているからです。
免疫力を発揮する細胞を総称して「免疫細胞」と言い、体内の免疫細胞の約6割が腸に存在します。腸内環境が悪化すると、免疫細胞の働きも悪くなり、風邪などの感染症にかかりやすくなったりします。
ヨガの呼吸法は腸内環境を整え、身体のバリア力を高めます。呼吸法で、気候変動や環境の変化に負けない、強い身体をつくりましょう。
ヨガの呼吸法の効果⑥脂肪燃焼
食事から摂取した三大栄養素【たんぱく質・脂質・炭水化物】は、酸素によってエネルギーに変換されます。エネルギー源となる三大栄養素と酸素がなければ、人間は生命活動を維持できません。
ヨガの呼吸法では副交感神経が刺激されるため、心身がリラックスした状態で、効率よく身体に酸素を取り込むことができます。呼吸法を意識しながら、いくつかヨガのポーズをとれば、効果的な有酸素運動となるでしょう。
ヨガの呼吸法の効果⑦インナーマッスルの強化
俳優の美木良介さんが考案したダイエット方法で、「吸う」「吐く」をゆっくり長く繰り返すことで、深層筋(インナーマッスル)が鍛えられ、筋力がアップします。身体の筋肉量が増えると、基礎代謝量が向上するため、痩せやすくなるというものです。
ヨガの呼吸法の効果⑧姿勢の改善
人間は2本の脚で身体全体を支えていますが、地面に対して上半身を垂直に保つために、腹筋・背筋の両面を使って支えています。そして、腹筋・背筋は骨盤につながり、骨盤の傾きも姿勢に影響します。腹筋と背筋の力のバランスが悪かったり、骨盤が傾いたりすると、「猫背」や「反り腰」などに姿勢が崩れてしまいます。
ヨガの呼吸法では、身体の軸となる深層筋【脊柱起立筋】が鍛えられます。軸が整えば、腹筋・背筋のどちらかに偏っていた力のバランスも整い、姿勢の改善が期待できます。
ヨガにおける呼吸法
<語源>
【プラーナ】生命・息・生気
【アーヤーマ】休止・制止・コントロール
「生命(エネルギー)をコントロールする」という意味で、ヨガの呼吸法によって全身細胞に気(エネルギー)を巡らせ、心身のバランスを整えることを目的としています。
ヨガの語源である「ユジュ」には、「繋ぐ・結びつける」という意味があります。ヨガでは、心と体の繋がりと感じ、ありのままの身体の状態を受け入れます。呼吸法とポーズで身体面・精神面のコントロールを行い、良好な状態へと整えるのが、本来のヨガのあり方です。
ヨガでも必要な基本の呼吸法2つ
色々なヨガのポーズを楽しむためにも、まずは基本の「腹式呼吸」と「胸式呼吸」のやり方をマスターしましょう。
ヨガの呼吸法①腹式呼吸
息を吸うときに横隔膜を下げ、胸腔が広がり肺が膨らみます。横隔膜の下に位置する内臓が前に押し出され、お腹が膨らむのです。息を吐くときは、腹筋群を収縮させて内臓をもとの位置に戻し、横隔膜が上がって肺がしぼみます。
内臓がほどよくマッサージされ、心身のリラックス・便秘解消などの効果が期待できる呼吸法です。
鼻から吸って鼻から吐く
【やり方】
①あぐらの形で座る
②両手をお腹に当てる
③鼻から吸ってお腹を膨らませる
④鼻から吐いてお腹を凹ませる
【心身へのメリット】
・リラックス効果
・便秘解消
・血行改善 など
【練習方法】
・両手をお腹に当て、お腹の膨らみ・凹みを感じましょう。
呼吸と逆の動きにならないよう注意して行いましょう。
・上手くできない方は、仰向けに寝た状態でお腹の動きを感じましょう。
慣れたらあぐらの姿勢に戻り、お腹の動きコントロールしましょう。
ヨガの呼吸法②胸式呼吸
たくさんの筋肉を使う運動では、交感神経が優位になります。脳を活性化させるメリットがあるため、仕事や勉強でリフレッシュしたい時や、スポーツ前の準備運動などに向いています。
Wave Yoga 「胸式呼吸法」
鼻から吸って鼻(口)から吐く
【やり方】
①楽な姿勢(あぐらの形)で座り、
下腹部を軽く凹ませる
②両手を肋骨に添える
③鼻から吸って肋骨の広がりを感じる
④鼻(口)から吐いて肋骨をしぼる
【心身へのメリット】
・脳の活性化
・リフレッシュ効果
・集中力アップ など
【練習方法】
・息を吸う時は、胸を天井に向かって引き上げるイメージで行いましょう。
・肋骨に手を当て、首を伸ばしたまま肩甲骨を引き下ろすようにすると、
自然に腹筋に力が入り、姿勢が整います。
ダイエットにおすすめの呼吸法4選
基本の呼吸法である腹式呼吸や胸式呼吸は、ヨガのポーズと連動させて行えますが、これからご紹介する呼吸法の種類の中には、呼吸法単独でしかできないものもあります。
全ての呼吸を毎日行うのは大変なので、やり方やメリットなどから、自分に合うヨガの呼吸法をチョイスして、生活に取り入れてみましょう。
ダイエットにおすすめのヨガの呼吸法①
丹田呼吸
丹田呼吸法では、ゆっくりと繰り返し腹式呼吸を行いますが、一定のリズムで筋肉を動かす行為は、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌を促進させます。セロトニンには、体内時計を整え自律神経の働きを正常に保ったり、ネガティブな気分を解消させたりする作用があるため、精神面へのメリットもあるのです。
子宮を温める呼吸法をしてみよう!【丹田呼吸法】↓説明下
鼻から吸って鼻から吐く
【やり方】
①楽な姿勢(あぐらの形)で座る
②鼻から吸って胸を大きく膨らませる
③息を止め、お腹を大きく膨らませる
④鼻から息を吐ききって
お腹をしっかり凹ませる
【心身へのメリット】
・インナーマッスルの強化
・ネガティブ気分の解消
・自律神経バランス正常化 など
【練習方法】
・丹田をしっかり意識することが、丹田呼吸法の質を高めます。
仰向けに寝た状態から、上体を起こそうとすると、
おへその下の腹部が硬くなりますが、その一番硬くなるあたりが丹田です。
ダイエットにおすすめのヨガの呼吸法②
ウジャイ呼吸
ヨガ呼吸法|ウジャイプラーナヤーマ#095
鼻から吸って鼻から吐く
【やり方】
①楽な姿勢(あぐらの形)で座る
②喉元に圧力をかけながら
鼻から息を吸い、胸を膨らませる
(肋骨の広がりを感じる)
③喉元に圧力をかけたまま、
鼻から息を吐ききる(肋骨をしぼめる)
【心身へのメリット】
・血行促進
・自律神経バランス正常化
・集中力アップ など
【練習方法】
・まずは摩擦音を出す練習をしましょう。
手を温めるように口から息を吐き、そのまま音を出すように息を吸います。
慣れたら口を閉じ、摩擦音を意識しながらゆっくり呼吸を続けます。
ダイエットにおすすめのヨガの呼吸法③
カパラバティ呼吸
ヨガ動画 (2-1) :カパーラバーティ呼吸法
鼻から吸って鼻から吐く
【やり方】
①楽な姿勢(あぐらの形)で座る
②お腹を凹ませ、力強く鼻から息を吐く
③力を抜いた時に、鼻から自然に息を吸う
④②と③を1~2秒に1回のペースで繰り返す
【心身へのメリット】
・デトックス効果
・代謝・免疫力向上
・リフレッシュ効果 など
【練習方法】
・軽く目をつぶり、肩の力を抜きましょう。
腹筋群を総動員して、吐くときのお腹の動きに集中しましょう。
・身体への負担が大きいため、自分のペースで無理の無い回数から始めましょう。
ダイエットにおすすめのヨガの呼吸法④
火の呼吸
呼吸の仕方はカパラバティ呼吸と変わりませんが、呼吸のペースを上げることで腹筋群をたくさん使うため、お腹の引き締めやメタボ予防に効果的です。
また、腹式呼吸で内臓を刺激するため、免疫力が高まるメリットもあります。アレルギー物質やウイルスへの抵抗力も強くなり、花粉や風邪の予防にも効果的です。
免疫力UP!鼻炎・風邪予防 3分呼吸法(火の呼吸)
鼻から吸って鼻から吐く
【やり方】
カパラバティ呼吸と同じ
①1秒に1回のペースで20回行う
②1秒に2回のペースで20回行う
③最も早いペースで20回行う
【心身へのメリット】
・お腹の引き締め
・血行促進
・鼻炎予防 など
【練習方法】
・お腹に両手をあて、吐くときにお腹がしっかり凹むのを感じましょう。
・ペースが速すぎると感じる方は、無理に速める必要はありません。
呼吸とお腹の連動を重視し、無理なく行いましょう。
身体の調子を整える呼吸法2選
それでは、心のコントロールに効果的なヨガの呼吸法を2つご紹介します。
身体の調子を整えるヨガの呼吸法①
片鼻呼吸
ヨガでは左右の鼻でエネルギーの通り道が分かれていると考えられ、左鼻が「陰のエネルギー」、右鼻が「陽のエネルギー」とされています。
【陰】と【陽】は、真逆の性質ではあるが、互いの存在により調和を保てるもの同士を表す表現で、陰は「女・闇・月」、陽は「男・光・太陽」などが当てはまります。
心身のバランスを調節する自律神経も、陰陽の関係に当てはまり、陰はリラックス状態を司る副交感神経、陽は活動・緊張状態を司る交感神経となります。つまり、左鼻の呼吸で副交感神経を、右鼻の呼吸で交感神経を刺激し、自律神経バランスを整える効果が期待できるのです。
ヨガで心が落ち着く呼吸法とは。
鼻から吸って鼻から吐く
【やり方】
①右手の人差し指と中指を中に折り曲げる
②親指で右鼻を押さえ、左鼻から息を吸う
③残りの指で左鼻を押さえ、右鼻を開いて吐く
④反対側も同じように繰り返す
【心身へのメリット】
・自律神経バランス正常化
・脳のリフレッシュ
・良質な睡眠 など
【練習方法】
・最初は4カウントずつ行い、なれてきたらカウント数を増やしましょう。
「ゆっくり・細く・長く」繰り返すことがポイントです。
身体の調子を整えるヨガの呼吸法②
シータリー呼吸
身体を冷やすことを目的とした呼吸法で、体温を下げたいときや、精神を落ち着かせるときにおすすめです。クーラーの苦手な方や、イライラや不安を感じやすい方に、是非試して頂きたい呼吸法です!
脳をおちつかせるシータリー 呼吸法 【ヨーガセラピー】
口から吸って鼻から吐く
【やり方】
①楽な姿勢(あぐらの形)で座る
②舌をストローのように丸める
③口から息を吸う
(空気の冷たさを感じる)
④鼻からゆっくり吐く
【心身へのメリット】
・体温を下げる
・精神安定
・気分転換 など
【練習方法】
・舌を丸められない方は、口から舌を出すだけでもOKです。
・口から吸い込む時に空気の冷たさを感じ、鼻から吐く息の暖かさを感じましょう。
ヨガの呼吸法を日常に取り入れよう
少し気分を変えたい時や体の強張りを感じた時など、ちょっとした時間でリフレッシュ・リラックスできるのが、ヨガの呼吸法の良い点でもあります。
仕事・勉強・育児・介護など、人生には「頑張りどころ」があると思いますが、頑張りすぎて身体を壊してしまっては元も子もありません。健康のために運動を始めようとしても、心身が疲弊している状態で運動習慣をつけるのは難しく、続けられない方もいるでしょう。まずはヨガの呼吸法で心身を緩め、自律神経バランスを整えましょう。休めるときにしっかり回復できる身体へと整え、毎日を元気に過ごしましょう。
余計な力は入れない
ヨガは呼吸とポーズで心を緩め、心身のバランスを良好に保つものです。呼吸法を意識しすぎたために、身体に力が入ってしまっては、ヨガの多くのメリット感じることができません。まずはヨガの基本となる「腹式呼吸」「胸式呼吸」を練習し、首・肩周りに余計な力が入らないようにしましょう。
まずは10回
ヨガの呼吸法をマスターして元気に過ごそう
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