英雄のポーズはヨガの代表的なポーズのひとつで、両足を踏ん張り両腕を上にあげたポーズです。英雄のポーズの効果は、血行促進・新陳代謝の向上・呼吸機能の改善などがあります。ポーズの難易度は低く、呼吸や骨盤の使い方、重心の取り方などヨガの基本をひと通り網羅しているポーズで初心者におすすめのポーズとなります。
英雄のポーズとは?
ポーズ名 |
英雄のポーズ |
英語名 |
Warrior(ウォーリア) |
サンスクリット名 |
Virabhadrasana |
ヴィーラバッドゥラ・アーサナ |
基本姿勢 |
立位 |
難しさ |
初級 |
ヨガの代表的なポーズのひとつで、両足を地面にどっしりとつき、両手を上にかかげる勇壮なポーズです。全身を大きく使うダイナミックなポーズで、効果・効能は全身におよびます。難易度も低く、かつ呼吸や骨盤の使い方などヨガの基本となる要素を多く含むので、初心者におすすめのポーズです。
別名:ウォーリア・戦士のポーズ
英名はウォーリアー、サンスクリット語ではウィーラバッドゥラ・アーサナです。ウィーラバッドゥラはシヴァ神の髪の毛から生まれた戦士という意味です。ほかにも戦士のポーズ、勇者のポーズ、武将のポーズなどと呼ばれます。
ヨガ教室などでは英雄のポーズ、戦士のポーズの1番、ウォーリア・ワンなどと呼称されます。インストラクターによって呼び名が変わることがありますが、同じものです。覚えておきましょう。
英雄のポーズの効果・効能
英雄のポーズは両足を踏ん張り、全身を大きく使っておこなうヨガポーズです。背中や足回りなど大きな筋肉をたくさん使うポーズのため、効果や効能も全身におよびます。
効果
英雄のポーズには大きく分けて6点の効果があります。全身をほぐし、整えることで体のみならず体質やメンタルによい効果を及ぼします。
【主な効果】
・全身のこりとむくみをほぐす
・体幹を鍛える
・下半身を鍛える
・骨盤のずれを整える
・呼吸が深まる
・ストレス解消になる
効能
英雄のポーズには大きく分けて6つの効能があります。全身を活性化するポーズのため、効能も多岐にわたります。
【おもな効能】
・血行促進
・代謝の向上
・呼吸機能の向上
・内臓機能の活性化
・筋力の向上
・精神安定効果
効く部位・筋肉
足腰で体を支えて両腕を上にかかげるダイナミックなポーズで、全身に効かせることができます。
【おもに効く部位・筋肉】
・肩
・背中
・体幹
・下半身
英雄のポーズのやり方
英雄のポーズのやり方とは?別名:ウィーラバッドゥラ・アーサナ【ヨガ】
英雄のポーズは難易度が低い初心者におすすめのポーズですが、足回りの使い方や呼吸などヨガの基本を抑えたポーズでもあります。やり方をひとつひとつ確認していきましょう。
ポーズの手順
英雄のポーズでは、
つま先・膝・骨盤の向きに気をつけてポーズをとることが重要です。
【英雄のポーズの手順】
①マットを縦に置き、前の方に立つ。
②右足を大きく後ろに引く。左足のつま先は真っ直ぐ前へ向け、後ろのつま先は少し斜めに向ける。骨盤は正面に向ける。
③息を吐きながら、左膝がくるぶしの真上に来るまでゆっくりと曲げる。
④両手を上に引き上げる。
⑤手をおろし、最初の姿勢に戻る。
⑥反対の足で同様に繰り返す。
足の幅と置き方
②のとき、右足は
肩幅の2.5倍程度を目安に大きく引きます。足にかかる負荷が強すぎる場合は1.5〜2倍程度に狭めるとよいでしょう。足の置き方は前の足のかかとと後ろの足の土踏まずの位置を一直線上に置くのが基本ですが、初心者は腰幅程度に横へずらすと安定します。
前の足のつま先は真っ直ぐ前へ向け、後ろの足はつま先を45°くらいに開きます。③では必ずつま先と同じ方向へ膝を曲げるようにします。
骨盤の向き
骨盤は正面に向けるようにします。マットの前の線を基準に、左右の腰角の位置を確認するとよいでしょう。
呼吸
呼吸は常に深くゆっくりとおこないます。④のとき息苦しさを感じることがありますが、決して息を止めずに、手を上にあげたまま4〜5回ほど吸う・吐く動作を繰り返します。胸郭が大きく広がり、肺に酸素がいきわたるのを感じてください。
英雄のポーズのコツ
呼吸や骨盤の向きなど気をつけるところはたくさんありますが、最初はつま先と膝の方向と重心に意識を向けることが体を痛めずに上達するコツです。
つま先と膝の方向
特に女性は膝が内側に入りがちです。つま先と膝の方向がずれると膝を痛める原因になるので、そろえるよう意識します。慣れてきたら膝とつま先の方向をそろえたまま、骨盤を少しずつ正面に向けていきましょう。
重心
両足に均等に重心をかけるよう意識します。足裏はつま先側・かかと側ともに浮かさず、均等に体重がかかるようにします。前の足に重心がかかりやすいので、注意しましょう。
体は地面と垂直になるようにし、骨盤の真上に頭がくることを意識します。よくある失敗例として体が前の足側に傾き、前の足に体重が乗ることがあるで気をつけましょう。
英雄のポーズのバリエーション
英雄のポーズにはここまでで紹介した1のほかに、2〜4のバリエーションがあります。4は「戦闘をやめた英雄のポーズ」とも呼ばれ、英雄のポーズのバリエーションとは分けられることも多いです。
英雄のポーズ2
英雄のポーズ1とともにヨガの代表的なポーズのひとつとされ、ヨガ教室などでも頻繁におこなわれます。
英雄のポーズ1では両手を上にあげますが、2では左右に開きます。下半身に負荷がかかり、安定感を感じられるポーズです。足回りの筋力向上と精神安定の効果があるとされています。
英雄のポーズ3
片足をあげるバランスポーズで、英雄のポーズのなかでは難易度が最も高いです。体幹や足の筋肉の強化、集中力向上の効果があるとされています。
英雄のポーズ4(戦闘をやめた英雄のポーズ)
ヨガの代表的なポーズのひとつですが、非常に異名が多いです。戦闘をやめた英雄のポーズ、天を仰ぐ英雄のポーズ、穏やかな戦士のポーズ、リバースウォーリアー、サンウォーリアー、ピースフルウォーリアーなどと呼ばれます。
戦士のポーズ2の姿勢からおこなうポーズで、片腕を高くあげて体側を伸ばします。呼吸機能の向上や血流促進の効果があるとされます。
英雄のポーズができないときの対処法
比較的難易度の低いポーズですが、上手く重心をとらえられなかったり、骨盤の柔軟性がまだ向上していない段階では、上手くできないと感じることが多いポーズでもあります。
グラグラする
右足と左足のかかとを一直線上にそろえるとグラグラしてできないときは、足を肩幅程度にずらすとよいでしょう。膝が内側に傾くとぐらつきやすくなるので、つま先と同じ方向に曲げるよう意識しましょう。
骨盤が前を向かない
股関節の柔軟性が乏しく骨盤が真正面を向けることができない場合は、無理に向けようとすると後ろ足の膝に負荷をかけ、痛める原因となります。まず前の足・後ろの足ともにつま先と膝が同じ方向を向くことを意識します。股関節の柔軟性の向上とともに骨盤を徐々に正面に向けていきましょう。
体がぐらつくときと同様、足幅を肩幅程度に開くと骨盤が安定し、前に向けやすくなります。
足の負荷が強すぎる
足の負荷が強すぎて辛い場合は、足を前後に開く幅を少し狭くします。前の足のくるぶしの上に膝を持ってくることを優先し、筋力の向上とともに足幅を少しずつ広げていきましょう。
英雄のポーズの禁忌と注意点
比較的負荷の低いポーズですが、肩や背中、下半身に痛みがある場合は無理をせずに負荷を下げておこないましょう。
首が痛いとき
首に痛みがあるときは、両手を上にあげるとき上を向かず、正面を向いておこないましょう。
腰・股関節・膝が痛い時
無理をせず足の幅を狭めたり、膝をゆるめておこないましょう。
初心者への注意
英雄のポーズは背中や足まわりに負担をかけるポーズです。初心者は無理をせず、辛さを感じない程度から始め、徐々に完成形に近づけていきましょう。
全身を活性化する英雄のポーズ
英雄のポーズはヨガの代表的なポーズとされ、多くのヨガ教室で取り入れられています。背中や足回りなど全身の大きな筋肉をたくさん使うため全身に良い影響を与え、骨盤の使い方や呼吸などヨガの基本的で重要な動きをひと通り網羅したポーズでもあります。難易度が低く初心者でも挑戦しやすいポーズで、ひとつひとつの動きに奥深さがあるポーズです。