野球のボークとは?ボークの定義や種類を解説
野球のボークは、ピッチャーが投球時に動作を停止したりボールを落とす反則動作があったときや、牽制の動作の違反でとられます。ランナーの位置や投手板の踏み方でボークとなる条件は変わるため、ピッチャーは野球のルールとランナーを意識しながら投球を行う必要があります。
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公式ライター Activel_director
野球のボークとは?
ボークによって盗塁やヒットエンドランなどのプレーを妨げることがないようにし、公平に試合を進行するためにも重要な意味をもちます。
ボークの意味
ボークは英語で?
Balkの由来は、馬術の用語です。馬が急に立ち止まることをBalkといい、馬術用語が転じて投手が投球や牽制をためらうことや急に立ち止まることを指して、Balkという言葉が使われるようになりました。
ボークのルール・規則一覧
ボークのパターン一覧
・一、三塁への偽投
・踏み出さずに牽制球を投げる
・走者のいない塁へ牽制する
・投手が反則投球をする
・打者に正対しないうちに投球する
・投球板に触れずに投球する
・投手が不必要に試合を遅延させる
・ボールを持たずに投球板に立つ
・投球や牽制前にボールから手を離す
・ボールを落とす
・投手がキャッチャーズボックスの外にいる捕手に投球
・静止せずに投球
ボークの宣告法
①審判がボークを行った投手を指差しでボーク、もしくはザッツアボークと宣告する
②審判はボークを宣告したあとタイムの宣告をし、ボールデッドとなりプレイは中断される
③プレイが中断したあとに塁上のランナーに進塁の指示をする
通常審判はボークをジェスチャーとともに宣告し伝えますが、すでに投手がモーションに入っているときは、投手を指さすことなく発声のみを行います。
ピッチャーのボーク
・間違ったピッチャープレートの踏み方をしたとき
・誤った投球動作を行ったとき
・投手が不必要に試合の進行を遅らせたとき
遅延行為は、一度目に発生した場合審判による注意となります。しかし、注意したあとも遅延行為が続くとき、審判が投手に退場を宣言しボークが宣告されます。
アマチュアレベルでは、退場の代わりにボールが宣告されボールカウントが増えるだけです。
ピッチャープレート(投手板)のボークの踏み方
・ボールを持つことなくピッチャープレートに立つ
・プレートに触れずに投球動作に入る
ボールを持たないでプレートをまたいだ場合や、投手板から離れた状態で投げるふりをするのも反則となります。隠し球が行われることを防ぐのも目的のひとつです。
肩を慣らす目的で投げる真似をするだけでも反則となってしまうため、十分に注意しましょう。
ワインドアップのボーク
・ピッチャーが投球する動作を中断したとき
・ワインドアップのモーションから両肩を動かしたあとに牽制をする
打者のタイミングを外す目的などでわざと動作を中止せずとも、モーションのなかで転倒してしまったときやバランスを崩してしまった場合や、投球前にボールを落としてしまったときにもボークとなります。
セットポジションのボーク
・打者の隙をつくための動作をしない
・ボールを両手で身体の前に持ちひと呼吸置く
投球モーションに入る前に完全に静止したかどうかは審判の判断によるところがあります。プロ野球はリーグ内の基準が存在するため、基準が変更されるとボークの割合も変化するのです。
クイックモーションのボーク
クイックモーションと間違えやすい用語がクイックピッチです。クイックピッチは、バッターが十分に構えをとっていない段階で投球をするボークをさします。バッターが打撃姿勢をとっていないうちに投球するのはたいへん危険なため、クイックピッチは禁止です。
ホームスチールのボーク
ホームスチールのボークは以下のルールが適用されます。
・打撃妨害で打者が一塁に進塁する
・全走者がひとつ進塁する
牽制球のボーク
・一、三塁への偽投
・踏み出さずに牽制球を投げる
・走者のいない塁へ牽制する
踏み出さずに牽制球を投げるボークには注意しましょう。足の向きを変えたり少し上げただけでは足を踏み出したとは認められません。ボークにならないためにもしっかりと足を踏み出すことが重要です。
偽投とは?
本塁への偽投はプレートに触れている、いないに関わらず禁止となります。本塁に対して可能なのは以下のふたつの行為です。
・打者に向かって投球する
・プレートから足を外し捕手に向けて送球する
三塁への偽投禁止
三塁への牽制偽投でボーク判定、増井1点を献上
ボークとならないために、三塁への牽制は以下の点に注意して行いましょう。
・ピッチャープレートに足を置いた状態でランナーを牽制をするときは、三塁に向かって送球する
・三塁にボールを投げずにランナーを牽制するときは、足をピッチャープレートから離して行う
一塁牽制のボーク
ランナーを警戒して一塁に向けて牽制するときは、以下の点に気をつけましょう。
・投手板に足を置いているときは塁に向かって送球する
・送球しないなら投手板に触らない
ピッチャーが自由な足をプレートよりうしろに振ってから一塁へ牽制した場合は、ボークとなります。
二塁牽制のボーク
ただし、以下の流れのときは通常のプレーです。
①一塁ランナーが盗塁を行うため二塁に向かって進塁する
②盗塁を阻止するため、初めから自由な足を二塁方向へと踏み出して二塁に送球する
捕手のボーク
・ボールがピッチャーの手を離れたことを確認してから両足を外す
・故意四球を企図し打者の届かない位置に投球するときも、初めからキャッチャーズボックスから足を離さない
捕手のボーク判定は曖昧?
2018年からは申告敬遠が導入されたため、捕手のボークがとられるケースは以前より減少傾向にあります。
実際のボークの例
高校野球では徳島県大会での捕手のボークでサヨナラ負けになった試合や、甲子園大会での投手のボークでサヨナラ負けの判定になった試合が有名です。
プロ野球のボーク
7回に一塁に出た小坂は投手の牽制悪送球があったものの進塁せず、盗塁の機会をうかがいます。すると西武の投手がボークをし、小坂は二塁に進塁となります。盗塁を阻止するためのボークです。
対して松井は43盗目を決め、盗塁王のタイトルは二人で分ける結果となったのです。
高校野球のボーク
豊田大谷vs宇部商 サヨナラボーク
夏の甲子園大会の猛暑と200球を超える投球で疲労が蓄積しており、サイン盗み対策として出したダミーのサインに混乱してしまったことが原因となりました。
ボークにまつわるエピソード
しかし、審判は待ってくれの声は聞こえなかったと言いウィルソン投手に対してボークを宣告しました。判定に気落ちしてしまい、ウィルソン投手はホームランを打たれ、試合も0-4で敗戦となりました。
ボークの気になる疑問
ランナーなしのボークは?
以下の場合は、反則投球が行われてもプレーが優先となります。
・ピッチャーの投げたボールをバッターが打ち、ヒットやエラーになる
・フォアボールになって一塁に進塁する
フォースボークとは?
①一塁ランナーが大きくリードをとり牽制球を誘う
②牽制球を投げようとするピッチャーの動きに合わせて三塁ランナーがスタートを切る
③焦ったピッチャーが投球板に足を置いたまま本塁に送球し、一塁への偽投のボークになる
プレーの特性上、三塁に背を向けて投球する左投手のときに多く用いられます。
野球のボークのまとめ
ボークは自動的にランナーを進めてしまうため、一度でも宣告されると自分自身を苦しめてしまいます。投球や牽制の動作は練習の時から確認するのが大切です。
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