少年野球の練習メニュー7選と具体的な練習方法とは?【守備編】
少年野球の練習メニューについて、ここでは守備に特化した7つの具体的な練習方法をご紹介しています。 少年野球児がどのような練習を行えば上達できるのか?練習メニューも含めて紹介しているので、子供達の指導時に取り入れてみてください。
Writer
公式ライター Activel_director
野球における守備とは
個人およびチーム全体の守備力の向上は、勝利に向けた方法の一つになりますし、練習を通じて守備力を上げることで相手チームに脅威を与えることも可能です。
また守備力の高さは、自チームのピッチャーに心の余裕をもたらします。0得点では勝てませんが、少ない得点でも、それを守り切ることができるという意識は、攻撃時にも良い効果をもたらします。
精神的に成熟していない少年野球においては特に顕著ですし、各少年野球チームの安定感に繋がります。
少年野球向け守備練習メニュー①
キャッチボール
キャッチボールは、野球をするうえで欠かすことのできない、基礎中の基礎の練習メニューで、あらゆる野球選手が行っているメニューですから、野球少年も決しておろそかにすることなく取り組んでください!
キャッチボールの基礎
グラブの使い方
(1)正しいグラブの使い方で捕球する
(2)相手がとりやすいところに投球(送球)する
正しいグラブの使い方は、少年野球の時からトレーニングしておかねばなりません。誤ったグラブの差し出し方は、捕球ミスの確率を上げてしまいます。捕球のことがわかってくると、必然的に投球する上で、相手が捕球しやすいボールがわかりますので、ボールの投げる位置が理解できてきます。
守備が上達するキャッチボールの具体的な方法
握り変えの練習
守備が上達するキャッチボールのコツは2つのことを意識することです。
(1)捕球のすることの認識
(2)捕球してからボールを握る
捕球から送球までの時間の短縮は、一連の守備の動作に余裕をうみますので、キャッチボールで磨きましょう。
少年野球向け守備練習メニュー②
高学年の少年軟式では、それぞれの塁間は以下の通りです。
それぞれの塁間:23m
本塁と二塁の間:32m
一塁と三塁の間・32m
ピッチャープレートから本塁:16m
少年世代では、筋力が成長しきっていないため、筋力的に遠くに投げることが苦手な子もいるかもしれませんが、野球をするうえでは、少なくともこの距離までは確実に投げることができなくてはなりません。
ベース間キャッチボール(塁間キャッチボール)
ベース間キャッチボール(塁間キャッチボール)
【塁間でのキャッチボール】
・反時計回り(本塁→一塁→二塁→三塁→本塁に戻る)
・時計回り(本塁→三塁→二塁→一塁→本塁に戻る)
その後に、対角線(本塁⇔二塁や一塁⇔三塁)の送球も交えて、各ベースにいる野球少年はボールを留めることなくキャッチボールを繰り返していきます。
ベース間キャッチボールの基礎
(1)送球先が真正面ではない
(2)フットワークを使って捕ってから素早く送球する
ベース間キャッチボールでは、多くの場合で90度あるいは45度のターンをして送球します。捕球後は、少ないステップで送球に移り、送球は強いボールを投げるトレーニングをしましょう。投げたボールが、各塁にいるプレイヤーの頭の高さを超えないようにするのがコツです。
対角線への送球がノーバウンドで届かない小さな野球少年は、山なりのボールで届かせようとせず、ワンバウンドでもよいので速く相手に届く送球を練習しましょう。
守備が上達するベース間キャッチボールの具体的な方法
野球少年でフットワークをトレーニングする方法は、2つあります。
(1)次に投げる方向を考えて捕球することと
(2)捕球してから送球するまで肩の高さが上下しないようにすること
素早いフットワークから強いボールを投げれるように練習することが上達に繋がるコツとなります。
少年野球向け守備練習メニュー③
壁はコンクリートや石など、ボールをきちんと反発してくれるものが望ましいですが、平らでなくても構いませんし、近所にある壁を有効に活用できる方法を見つけてトレーニングしましょう。
個人練習での壁当て
壁当てイメージ
さらに壁当ては、個人で行う練習で集中力が散漫になりがちな小学生の野球少年にとっては、集中し、自分のペースでトレーニングできるメニューと言えるかもしれません。
何よりも、反復練習を通じて体で覚えさせることができる点が、壁当て練習の良いポイントです。
壁当て練習のメリット
(1)狙ったところに投げる
(2)ゴロをしっかりキャッチする
少年世代では、狙ったところに投げることを練習してください。壁にもよりますが、壁までの距離も調整しながら、狙ったところに投げれるように練習しましょう。
壁当てでは、壁から跳ね返ってくるボールはゴロとなります。短い距離で壁に強いボールを投げれば速いゴロになりますし、壁に凹凸があれば、自分の左右どちらに来るかわからない、実戦に近い状況でゴロに対処する練習にもなります。
守備が上達する個人練習での壁当ての具体的な方法
いろいろな壁当て
目標の例は、20回連続(ファンブルなどなしで)でできるまでやる、1分間で何回できるか数えるなどの目標を持たせてあげましょう。
少年野球では、自らが苦手とするものを克服する練習方法を見つけ、繰り返しトレーニングすることをインプットしてあげましょう。
少年野球向け守備練習メニュー④
ノックは、ノッカーが自らトスしたボールを打った打球を捕球し、送球するトレーニングするメニューで、これまでのキャッチボールや壁当てと異なり、野球少年にとっては、より実戦に近い練習メニューとなります。
その練習の質はノッカーに依存部分も大きく、その種類もいくつかありますが、ここでは打球ごとに説明しています。
ノック(ゴロ)
ノック(ゴロ)
野球少年は、バウンドしながら飛んでくるゴロを見極め、どのタイミングで捕球するのが最も確実性が高く、最も素早く次の動作に移れるかを打球に向かいながら判断せねばなりません。
この練習メニューを通じて、さまざまなバウンドやスピードで跳んでくるゴロを何度も何度も捌き、守備率の高い野球少年になれるようトレーニングにしていきましょう。
ノック(ゴロ)の基礎
後ろに下がって処理すると、打球がグラブに収まるまでの時間が長くなり、捕球後にも、後ろから前に体重移動せねばならず、送球までの時間も長くなります。
また、ファンブルを防いだり、より素早く握り替えて送球するためにも、出来るだけ打球の正面に入り、両手で捕球しに行くことが求められます。
野球少年は、回り込めない打球を除いては、このことを頭においてトレーニングしてください。
守備が上達するノック(ゴロ)の具体的な方法
守備上級者が意識していること
■肘を柔らかくする
■バウンドするボールを下から覗き見る意識で打球に向かう
肘を柔らかくとは、イメージとして肘を軽く曲げた状態を指していますが、これは、より体の近くで打球を処理できるコツです。
また、バウンドしながら飛んでくるボールの下っ面を見ることを意識すると、重心が低くなりますし、確実に捕球するまでボールから目を離さないことにも繋がります。
少年野球向け守備練習メニュー⑤
打者が高く打ち上げた打球であるフライは、基本的には投げたボールを捕球することと差がないので、目測さえ誤らなければ捕球できます。
ここで注意したいのが、風・太陽の光・打球に掛かっているスピンの3つです。
少年野球では、打者の力も弱く、そこまで高く打ちあがることもないので、最も注意を払うべきは太陽の光かもしれません。練習の中で太陽の光を遮る方法をきちんとトレーニングしておいてください。
ノック(フライ)
打球が同じ高さまで上がったとすると、内野手はより真上の角度で、外野手にはより正面に近い角度でプレイヤーまで飛んでくるわけです。
野球では、打球がバウンドする前に捕球すると、打者(バッター)はアウトになりますので、送球がない分、フライはゴロよりエラー(ミス)する可能性は低いと言えます。
野球少年も、守備範囲のフライは確実にアウトにできるよう、このメニューを通じて練習しましょう。
ノック(フライ)の基礎
■落下点が守備位置より前(真横まで)
■落下点が守備位置より後ろ
前方のフライはボールを見ながら追うことができますが、後方へのフライはボールを見ながらだと移動が遅くなってしまうため、一旦ボールから視線を切ったほうがよい場合などもあり難易度が高まります。
野球少年は、打球の落下点に素早く入るトレーニングを入念に積んでください。
守備が上達するノック(フライ)の具体的な方法
空間把握とフライの落下地点への入り方
野球少年がフライを対処する上で、守備範囲を拡げるためにトレーニングしていきたい能力が空間認知能力です。
この能力を鍛えると、次の2つができるようになります。
■より速く一歩目のスタートをきること
■落下地点まで最短距離でいくこと
空間認知能力を鍛える方法としては、お手玉なども有効です。守備範囲の広い野球少年を目指しましょう。
少年野球向け守備練習メニュー⑥
守備 フォーメーション
しかし実戦では、9人のプレイヤーは異なる守備位置につき、アウトカウント・相手チームの打者・走者の数・得点差・イニングなど、様々なシチュエーションに応じた対応をせねばなりません。
そこで紹介する守備練習メニュー⑥が、実戦形式のノックです。
シートバッティングと異なり、ノッカーが意図を持たせた打球を放ちますので、その意図にマッチした方法で処理をしましょう。
ノック(実戦形式)
東京ヤクルトスワローズの実戦形式ノック(ケースノック)
守備をしている9人の野球少年は、そのシチュエーションを想定して、ノッカーが放つ打球を処理します。
全てのシチュエーションを網羅できるわけではありませんが、練習したシチュエーションから別のシチュエーションへの対応に応用できる方法もたくさんあります。
ノック(実戦形式)の基礎
■自分自身の守備位置で、打席から飛んでくる打球を処理する
■カバーリングを含めた、守備におけるフォーメーションを身に付ける
野球のワンプレイに対し、まったく動かない守備プレイヤーはいません。打球が飛んでこなくても、カバーリングなど、そのシチュエーションにあった動きが必ずあります。
少年野球からしっかりと守備フォーメーションを、その意味も含めて理解しましょう。
そうすれば、ミスが出たときも、そのダメージを最小限に、場合によっては帳消しにすることができるはずです。
守備が上達するノック(実戦形式)の具体的な方法
例えば、内野手の場合、強いゴロの場合・緩いボテボテのゴロの場合・フライ(飛球)の場合などです。
そしてこの練習メニューを通じて、さらなる守備上達を図りたい野球少年に伝えたいコツは、自分以外に打球が飛んだ場合も想定することです。
キャッチャーの役割のようですが、これを常に行うことで全ての打球により早く対処することが可能となります。
少年野球向け守備練習メニュー⑦
見て学ぶ方法として、テレビでの野球中継のみならず、今ではYouTubeなどの動画サービスもあり、さまざまな形で見て学ぶ方法があります。
また、プロ野球の試合でも少年野球の試合でも、ファンとしてではなく、野球人として見ることによって、新しい気づきなどが必ず見つかるはずです。
野球観戦
例えば、「この打者だと守備位置をこう変える」、「この場なら、守備位置をこうする」、「自分に打球が来たらこう処理する」などを想定しておき、その想定と実際のプレイとを比較してみるのです。
もちろん少年野球とプロ野球では同一シチュエーションでも、プレイ内容は異なるので、そのことも含めて想定するようにしてください。
野球観戦の基礎
野球観戦をする中で、必ず目につく守備の上手なプレイヤーがいるはずです。
巧いプレイヤーの真似をすることは、野球のみならず上達のコツの一つと言えますが、その巧さに気づくには真剣に見なくてはいけません。巧いプレイヤーを見つけたら、その振る舞いすべてを真似るなどして、そのテクニックを自分のものにしましょう。
守備が上達する野球観戦の具体的な方法
具体的には、シチュエーションを把握した上で、「ピッチャーがどのようなボールを投球」し、「打者がそれに対してどう対処するか」から、「どのような打球がどこに飛び、どう処理されるか」を常に考えていくことです。
ピッチャーの投球を1球ごとに考えるのは大変かもしれませんが、少年の時から野球観戦を通じて想定する力をトレーニングすることは、野球のみならず生きていく上でも有効に活用できる力になります。
少年野球向け守備練習メニューに関するまとめ
日本のプロ野球においても、類稀なる守備力を評価されてレギュラーを獲得している選手もたくさんいます。そこに至る方法は、どちらかと言えば地味なトレーニングをコツコツとやらなければなりませんが、継続した練習は決して裏切りはしないはずです。
エラーは誰でもやってしまうもの
エラーは、ゴロのバウンドを合わせそこなってファンブルしたり、腰高になって後ろにそらしたり、フライをキャッチミスしたり、送球が悪かったりと様々ですが、プロ野球選手でも、シーズンを通じてエラーが0の選手はいません。守備の名手でもエラーはやってしまうものなのです。よって、エラーを恐れない事が大事です。
ただし、しっかりとしたトレーニングの裏付けがなくては、ただ無謀に打球に食らいついているだけです。
守備は楽しい!
守備は、ピッチャーの投げたボールが打者のバットに当たる前から始まっています。それを突き詰めていくところに守備の楽しさと奥深さがあります。
様々な練習メニューを通じて鉄壁を目指しましょう。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。