センバツの行進曲とは？選抜高校野球の歴代入場行進曲を紹介！

センバツ行進曲は第1回大会から現在に至るまで選抜高校野球の開会式・閉会式に演奏されています。歴代のセンバツ行進曲の選曲には、最初は行進曲や軍歌が多かったですが、戦後になるとNHKの番組テーマ曲や歌謡曲が選ばれるようになりました。平成の行進曲は、J-POPの曲が多くなり、選曲に時代の背景を感じることができます。

#スポーツxソング

2022.12.31 ｜野球

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Index

センバツの行進曲とは？
春の選抜高校野球の歴代の行進曲
センバツの歴代の行進曲一覧
春の甲子園の開会式を彩るセンバツ行進曲

センバツの行進曲とは？

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センバツの行進曲とは、1924年から開催されている選抜高校野球の開会式と閉会式で、警察音楽隊に演奏される選手の入場行進曲のことです。行進曲には時代の背景にあったさまざまなジャンルの曲が選ばれ、平成では人気アーティストの曲が選ばれるようになりました。

・本来の行進曲
・軍歌や国民歌
・外国映画のテーマ
・NHKの番組のテーマ
・歌謡曲
・J-POP

センバツ行進曲は毎年、大阪府音楽団の演奏で録音されたものがカセットやCD化されて出場選手に贈られます。

入場行進曲の選び方

入場行進曲は、日本高校野球連盟と大会を主催する毎日新聞社の事業部が、選抜大会の前年にヒットした曲から高校野球の入場行進にふさわしい曲を選んでいます。昭和後期から平成にかけては、レコードやCDの売り上げや当時の高校生を中心に人気でた曲が優先的に選ばれる傾向が増えました。

選考曲は、行進しやすいアップテンポな曲が多いですが、ときには第54回の寺尾聰のルビーの指輪といったスローテンポな曲を行進しやすくアレンジする場合もあります。

入場行進曲の演奏

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入場行進曲の演奏は、選抜大会の開会式・閉会式に近畿地方各府県の警察音楽隊が担当し、高校球児の入場行進を先導しています。

1995年の第67回大会は、警察官が阪神淡路大震災の復旧業務を優先するために演奏ができなくなり、代わりに甲子園球場の地元・兵庫県西宮市高等学校吹奏楽連盟が演奏に参加しました。翌年の第68回からは、警察音楽隊とともに高校生が引き続き開会式・閉会式の演奏をしています。

平成を代表するセンバツ行進曲といえば？

平成を代表するセンバツ行進曲は、1993年に発表された3代目大会歌の今ありてです。今ありては、2代目大会歌が第11回に発表されて以来、59年ぶりにリニューアルされた曲です。

春の選抜高校野球の歴代の行進曲

2019年：世界に一つだけの花,どんなときも。

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大会回数	第91回
開催期間	2019年3月23日〜4月3日
優勝校	東邦(愛知)
優勝回数	5回
決勝戦スコア	東邦6-0習志野
行進曲	世界に一つだけの花/SMAP
行進曲	どんなときも。/槇原敬之

2019年春の選抜高校野球の入場曲は、歌手の槇原敬之が作詞・作曲をした世界に一つだけの花とどんなときも。です。世界に一つだけの花は2003年にSMAPが歌い大ヒットし、翌年の2004年にセンバツ行進曲に選ばれて以来2度目の行進曲となりました。

平成最後のセンバツ大会の決勝戦は、平成最初の優勝校だった東邦(愛知)がエース石川の活躍で6-0で習志野(千葉)を完封して優勝しました。

2018年：今ありて/3代目大会歌

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大会回数	第90回
開催期間	2018年3月23日〜4月4日
優勝校	大阪桐蔭(大阪)
優勝回数	3回
決勝戦スコア	大阪桐蔭5-2智弁和歌山
行進曲	今ありて/谷村新司

2018年春の選抜高校野球の入場曲は、歌手の谷村新司が作曲した3代目センバツ大会歌の今ありてです。今ありては発表された1993年の第65回大会も行進曲になり、第90回を記念し2度目の行進曲に選ばれました。

第85回と同じ36校の出場校が参加した第90回記念大会は、大阪桐蔭高校が2年連続で全国の頂点に達しました。智弁和歌山高校と近畿勢の強豪同士の対決が注目を集めた決勝戦は、当時大きな話題となりました。

2017年：恋/星野源

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大会回数	第89回
開催期間	2017年3月19日〜4月1日
優勝校	大阪桐蔭(大阪)
優勝回数	2回
決勝戦スコア	大阪桐蔭8-3履正社
行進曲	恋/星野源

2017年春の選抜高校野球の入場曲は、2016年に恋ダンスで人気を博した星野源の恋が選ばれました。恋は、軽快なアップテンポのメロディーが、プレーする選手たちにふさわしい曲です。

第89回の決勝戦は大阪桐蔭高校と履正社高校の大阪勢同士の対決が注目され、特に大阪桐蔭の根尾投手が活躍しました。試合は同点で迎えた9回表、大阪桐蔭が一挙に5点の猛攻で突き放し、9回裏は無得点で逃げ切り優勝の栄冠に輝きました。

2016年：もしも運命の人がいるのなら/西野カナ

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大会回数	第88回
開催期間	2016年3月20日〜3月31日
優勝校	智弁学園(奈良)
優勝回数	1回
決勝戦スコア	智弁学園2-1高松商業
行進曲	もしも運命の人がいるのなら/西野カナ

2016年春の選抜高校野球の入場曲は、当時の若者を中心に人気の西野カナが歌うもしも運命の人がいるのならです。自身が通っていた三重高校が甲子園に出場し、スタンドからの応援経験を持つ西野カナは、自身の曲が行進曲に選曲されたことを機に、さらに球児に対する強いエールの想いを実感しました。

第88回の決勝戦では、奈良県の智弁学園高校と香川県の高松商業高校が対戦し、智弁学園が延長11回2対1の接戦をサヨナラ勝ちで制して初優勝を果たしました。

2015年：Let It Go〜ありのままで〜/イディナ・メンゼル、松たか子

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大会回数	第87回
開催期間	2015年3月21日〜4月1日
優勝校	敦賀気比(福井)
優勝回数	1回
決勝戦スコア	敦賀気比3-1東海第四
行進曲	Let It Go〜ありのままで〜/イディナ・メンゼル、松たか子

2015年春の選抜高校野球の入場曲は、大ヒットしたディズニー映画・アナと雪の女王の主題歌、Let It Go〜ありのままで〜です。Let It Goは、英語版の映画で王女エルサの声優をしていたイディナ・メンゼル、日本語の吹き替え版は女優の松たか子が歌っています。

第87回の決勝戦は福井県の敦賀気比高校と北海道の東海大四高校が対戦し、敦賀気比が4番打者の平沼投手を擁して北陸勢初の優勝となりました。

2013年：花は咲く/花は咲くプロジェクト

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大会回数	第85回
開催期間	2013年3月22日〜4月3日
優勝校	浦和学院(埼玉)
優勝回数	1回
決勝戦スコア	浦和学院17-1済美
行進曲	花は咲く/花は咲くプロジェクト

2013年春の選抜高校野球の入場曲は、東日本大震災復興支援チャリティーソング・花は咲くです。花は咲くのプロジェクトには、東北出身の由規選手も歌で参加しています。

第85回記念大会は東日本大震災から2年が経過したことで初めて東北絆枠が設けられ、山形県の山形中央高校が選ばれました。決勝戦は、埼玉県の浦和学院高校と愛媛県の済美高校が対戦し、大量17点を奪って圧勝した浦和学院が埼玉県勢初の優勝に輝いています。

2011年：ありがとう/いきものがかり

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大会回数	第83回
開催期間	2011年3月23日〜4月3日
優勝校	東海大相模(神奈川)
優勝回数	2回
決勝戦スコア	東海大相模6-1九州国際大付属
行進曲	ありがとう/いきものがかり

2011年春の選抜高校野球の入場曲は、いきものがかりが歌うNHK朝の連続テレビ小説の主題歌、ありがとうです。第83回大会の入場行進は東日本大震災直後のためがんばろう!!日本のスローガンを掲げ、警察音楽隊の演奏はなく、選手が左袖に喪章をつけて外野から直進する行進をしました。

決勝戦は神奈川県の東海大相模高校と福岡県の九州国際大学付属高校が対戦し、東海大相模高校が優勝を果たしています。

2008年：蕾/コブクロ

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大会回数	第80回
開催期間	2008年3月22日〜4月4日
優勝校	沖縄尚学(沖縄)
優勝回数	2回
決勝戦スコア	沖縄尚学9-0聖望学園
行進曲	蕾/コブクロ

2008年春の選抜高校野球の入場曲は、男性フォークデュオのコブクロが歌ってヒットした蕾です。蕾はメロディーが行進曲にふさわしく、当時の高校生に親しみを持たれていたことが選考理由となりました。

第80回記念大会は21世紀枠が3校、希望枠の1校を含めた全36校が出場しています。決勝戦は沖縄尚学高校と初出場の埼玉県の聖望学園高校が対戦し、沖縄尚学が9対0と快勝して9年ぶり2回目の優勝を果たしています。

1998年：硝子の少年/KinKi Kids

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大会回数	第70回
開催期間	1998年3月25日〜4月8日
優勝校	横浜(神奈川)
優勝回数	1回
決勝戦スコア	横浜3-0関大一
行進曲	硝子の少年/KinKi Kids

1998年春の選抜高校野球の入場曲は、ジャニーズ事務所のアイドルKinKi Kidsのデビュー曲、硝子の少年です。硝子の少年は、高校球児と同じ18歳だったKinKi Kidsが当時の高校生から絶大な人気を集めていたことから選考されました。

決勝戦は神奈川県の横浜高校と大阪府の関西大学第一高校が対戦し、元メジャーリーガーの松坂投手の活躍で横浜が優勝しました。第70回に松坂と同世代でプレーし話題となった選手は、のちに松坂世代と呼ばれています。

1989年：パラダイス銀河/光GENJI

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大会回数	第61回
開催期間	1989年3月26日〜4月5日
優勝校	東邦(愛知)
優勝回数	3回
決勝戦スコア	東邦3-2上宮
行進曲	パラダイス銀河/光GENJI

1989年春の選抜高校野球の入場曲は、ジャニーズ事務所からデビューし大ブレイクした光GENJIのパラダイス銀河です。当時、入場曲を歌う歌手は開会式に毎日放送の放送席にゲストで出演予定でしたが、光GENJIは女性ファンが殺到して混乱を招くことが予想されたため欠席でした。

平成最初の決勝戦は愛知県の東邦高校と大阪府の上宮高校が対決し、東邦高校が延長10回をサヨナラ勝ちで制し優勝を果たしています。

センバツの歴代の行進曲一覧

平成のセンバツ行進曲

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回	年号	行進曲	歌手
86	2014	恋するフォーチュンクッキー	AKB48
84	2012	Everyday、カチューシャ	AKB48
82	2010	My Best Of My Life	Superfly
81	2009	キセキ	GReeeeN
79	2007	宙船(そらふね)	TOKIO
78	2006	青春アミーゴ	修二と彰
77	2005	君こそスターだ	サザンオールスターズ
76	2004	世界に一つだけの花	SMAP
75	2003	大きな古時計	平井堅
74	2002	明日があるさ	ウルフルズ、Re:Japan
73	2001	TSUNAMI、イエスタデイほか2曲	サザンオールスターズ、ビートルズ
72	2000	First Love	宇多田ヒカル
71	1999	長い間	Kiroro
69	1997	これが私の生きる道	PUFFY
68	1996	TOMORROW	岡本真夜
67	1995	がんばりましょう	SMAP
66	1994	負けないで	ZARD
65	1993	今ありて	3代目大会歌
64	1992	どんなときも。	槇原敬之
63	1991	おどるポンポコリン	B.B.クィーンズ
62	1990	約束	相川恵里

平成のセンバツ行進曲は、1990年代から若者を中心に人気を集めていたJ-POPを中心に選出されています。行進曲は、流行したバンドやアイドルの曲から選出されていた1980年代とは違い、槇原敬之・岡本真夜といったアーティストが自ら作詞・作曲をする歌手の曲が選ばれるように変化しています。

2015年以降の行進曲は、選抜大会開催中のみ、甲子園球場の最寄駅の阪神電車の甲子園駅で列車が接近するときのメロディーに使われました。

昭和のセンバツ行進曲【後期】

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大会数	年号	行進曲	歌手
60	1988	夢冒険	酒井法子
59	1987	CHA-CHA-CHA	石井明美
58	1986	青春	岩崎良美
57	1985	星屑のステージ	チェッカーズ
56	1984	CAT'S EYE	杏里
55	1983	聖母たちのララバイ	岩崎宏美
54	1982	ルビーの指輪	寺尾聰
53	1981	青い珊瑚礁	松田聖子
52	1980	YOUNG MAN(Y.M.C.A.)	西城秀樹
51	1979	季節の中で	松山千春
50	1978	愛のメモリー	松崎しげる
49	1977	ビューティフル・サンデー	田中星児、ダニエル・ブーン
48	1976	センチメンタル	岩崎宏美
47	1975	おかあさん	森昌子
46	1974	草原の輝き	アグネス・チャン
45	1973	虹をわたって	天地真理
44	1972	また逢う日まで	尾崎紀世彦
43	1971	希望	岸洋子
42	1970	世界の国からこんにちは	三波春夫、坂本九、吉永小百合
41	1969	三百六十五歩のマーチ	水前寺清子
40	1968	世界は二人のために	佐良直美
39	1967	世界の国からこんにちは	三波春夫、坂本九、吉永小百合
38	1966	ともだち	坂本九
37	1965	幸せなら手をたたこう	坂本九
36	1964	こんにちは赤ちゃん	梓みちよ
35	1963	いつでも夢を	橋幸夫&吉永小百合
34	1962	上を向いて歩こう	坂本九

昭和後期のセンバツ行進曲は、第34回大会の坂本九が歌う上を向いて歩こう以降、大会の前年に流行した日本の歌謡曲が選ばれるようになりはじめました。昭和中期にヒット曲から行進曲が選ばれるようになったきっかけは、日本の経済が回復し、高度経済成長の時代を迎えたことです。

昭和後期の行進曲には、1970年代はフォーク歌手の松山千春、1980年代は岩崎良美・酒井法子といったアイドル歌手の曲が選ばれ、激動的に移り変わった時代背景が映し出されています。

昭和のセンバツ行進曲【前期】

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大会数	年号	行進曲	歌手・演奏
33	1961	バッファロー大隊マーチ	アート・ムーニー楽団、山下敬二郎
32	1960	誕生日	不明
31	1959	皇太子のタンゴ	リカルド・サントス楽団
30	1958	クワイ河マーチ	ミッチ・ミラー合唱団
29	1957	緑のこだま	不明
28	1956	雷神	不明
27	1955	セントルイス・ブルース・マーチ	不明
26	1954	錨を上げて	不明
25	1953	黄色いリボン	ミッチ・ミラー合唱団
24	1952	君が代行進曲	軍歌
23	1951	スポーツショー行進曲	不明
22	1950	ハイスクール	不明
21	1949	異国の丘	中村耕造&竹山逸郎
20	1948	鐘の鳴る丘	川田正子
19	1947	剣と槍	不明
18	1941	国民進軍歌	徳山璉、四家文子、柴田睦陸他
17	1940	奉祝歌紀元二千六百年	国民歌
16	1939	大陸行進曲	徳山璉、久富吉晴、波岡惣一郎
15	1938	愛国行進曲	不明
11〜14	1934〜37	陽は舞いおどる甲子園	2代目大会歌
10	1933	青年	不明
9	1932	爆弾三勇士の歌	陸軍戸山学校軍楽隊
8	1931	旧大会歌	不明
7	1930	われら戦友	不明
6	1929	観兵式行進曲	不明
5	1928	モン・パリ、バレンシア	不明
4	1927	(入場行進中止)
3	1926	親しき戦友	不明
2	1925	カレドニアン・マーチ	不明
1	1924	星条旗よ永遠なれ	不明
1	1924	双頭の鷲の旗の下に	不明

昭和前半のセンバツ行進曲は、選抜大会が始まった頃から戦争に入るまでの間と戦後にわけて大きく変動しています。最初は第1回大会の星条旗よ永遠なれといった行進曲、第15回から戦争で中断するまでの4年間は、軍歌や国民歌が選ばれていました。

戦後は、NHKのラジオドラマのテーマ鐘の鳴る丘やスポーツ番組のテーマに使われているスポーツショー行進曲が行進曲に選ばれています。

春の甲子園の開会式を彩るセンバツ行進曲

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センバツ行進曲は毎年春を告げる選抜高校野球大会に彩りを添え、時代を象徴する曲が多いことが特徴です。入場行進曲は、高校球児が甲子園に出場して晴れの舞台に一歩足を踏み入れ元気よく行進することにふさわしい曲が選ばれています。

甲子園はいつの時代も全国の高校球児が憧れる場所です。入場行進曲は、試合でのプレーや感動とともに春の甲子園に出場した球児たちの一生の思い出となります。