守備妨害のルールを詳しく知ろう!守備妨害が適応される条件とは?
守備妨害とは、野手が打球や送球を処理するところを邪魔することでペナルティが課せられることです。大きく分類すると7つのケースになりますが、バッターの守備妨害が最も起こりやすいケースです。公認野球規則に定められた守備側の権利優先を理解すると、走塁妨害との違いもわかりやすくなります。
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公式ライター poporof
球技好きで、特にプレミアリーグを中心に海外サッカー好きです。国内ではプロ野球好きで、両方とも30年以上の観戦歴があります。知っていると観戦がより楽しめる情報をお伝えしていきます。
守備妨害とは?
守備妨害とは、野手が守備や送球するところを邪魔することで、英語で妨害の意味を持つインターフェアとも呼ばれます。
野手が、打球や送球を処理するときに攻撃側チームに邪魔された場合、ルール違反になり審判員が試合を止め、ペナルティで原則バッターはアウト・ランナーはアウトか元にいた塁に戻され試合再開します。審判員や観客、ボールボーイ他球場内にいる人全員が守備妨害の対象です。
守備妨害のルール
守備妨害のルールは、野手が打球や送球を処理したり送球したりするところを邪魔された場合に違反となり、妨害した人に対してペナルティが課せられます。審判員がタイムをかけプレーを止めることをボールデッドと言いますが、守備妨害が発生したら原則ボールデッドです。
攻撃側チームが守備妨害した場合は、原則打者はアウト・走者はアウトか元にいた塁に戻されますが、攻撃側チーム以外の場合は、妨害がなかった場合を想定し審判員が判断して処置します。
守備妨害の宣告の方法
守備妨害の宣告方法は、攻撃側の守備妨害の場合は基本的に審判員はタイムをかけ妨害した打者や走者を指差して「インターフェア!」と宣告します。
観衆の守備妨害の場合は、タイムをかけ両腕を上げて右手で左手を握り声は発しません。
守備妨害のスコアブックの付け方・記号
守備妨害のスコアブックの付け方は、英語で反則プレーの意味を持つイリーガルプレーを使用しIllegal Playの略であるIPを記入します。IPのとなりには、守備妨害された野手のポジションを記入し、真ん中の欄にはIを記入します。
スコアブックの図では、走者が1、2塁間で打球に直接触れセカンドの守備を妨害して走者アウト、打球がヒット性だったため打者の記録はセンターに抜けたヒットです。
守備妨害になる7つのケース
守備妨害は、妨害した人の種類で分けると7つのケースに分類されます。
・バッター
・バッターランナー
・ランナー
・その他の攻撃側のプレイヤー
・審判員
・観客
・その他の球場内にいる人
球場内にいる人全員が守備妨害の対象ですが、人ではない鳥や猫他の動物が妨害しても守備妨害にはなりません。
①バッターによる守備妨害
バッターによる守備妨害のケースは、主に4つあります。
・本塁で野手の守備を妨害した場合
・バットを投げてフェアゾーンの守備を妨害した場合
・キャッチャーの送球を妨害した場合
・キャッチャーの守備を妨害した場合
本塁で野手の守備を妨害した場合
ランナーが3塁にいて本塁に向かうとき、バッターが本塁の守備を妨害した場合はノーアウトか1アウトならランナーアウト、2アウトならバッターアウトでどちらにしても得点は認められません。バッターが、スクイズを無理にするときに起こりやすいケースです。
- ノーアウトか1アウトはランナーアウト
- 2アウトはバッターアウト
バットを投げてフェアゾーンの守備を妨害した場合
バッターが、手をすべらせバット全体を飛ばしてしまいフェアゾーンでの守備を妨害した場合は、故意でも故意ではなくてもバッターアウトです。バットが折れ、バットの一部が飛んで守備の邪魔になった場合は、守備妨害ではなくプレー続行です。
- バット全体はバッターアウト
- バットの折れた一部はペナルティなし
キャッチャーの送球を妨害した場合
キャッチャーが、盗塁を試みたランナーをアウトにしようとしたり、ランナーをけん制したり、ピッチャーに返球したりする送球をバッターが妨害した場合は、バッターアウトでランナーは元の塁に戻されます。バッターが故意ではなくキャッチャーの前にいて邪魔になるケースが多いです。
キャッチャーの送球妨害は、例外があるため注意が必要です。
- バッターはアウト
- ランナーは元の塁に戻る
キャッチャーの送球を妨害した実際の例
日付 | 2013年7月22日 |
場所 | 東京ドーム(都市対抗野球) |
対戦カード | 東芝(川崎)vsJX-ENEOS(横浜) |
対象者 | 服部正樹(東芝) |
第84回都市対抗野球の準決勝、1回裏東芝の攻撃1アウト1塁の場面でバッターのカウントは3ボール1ストライク。ランナーは、盗塁を試みてスタートしバッターは空振りした勢いでバッターボックスを出てしまい、キャッチャーの送球の邪魔になりバッターはアウト、ランナーは1塁に戻されました。
キャッチャーの守備を妨害した場合
キャッチャーが、打球を追ったり捕球しようとしたりするのをバッターが妨害した場合は、バッターはアウト、ランナーは元の塁に戻されます。バッターが、バントやスクイズをするケースで起こりやすくなります。
- バッターはアウト
- ランナーは元の塁に戻る
キャッチャーの守備を妨害した実際の例
日付 | 2015年9月5日 |
場所 | QVCマリンフィールド |
対戦カード | 千葉ロッテvs埼玉西武 |
対象者 | 炭谷銀仁朗(埼玉西武) |
4回表埼玉西武の攻撃ノーアウト1塁の場面で、バッターの炭谷選手がバントしましたが打ち上げてしまい、1塁へ走り出すときにキャッチャーと重なりキャッチャーが捕球できませんでした。炭谷選手は、守備を妨害したと判断されアウト、ランナーは1塁に戻されました。
②バッターランナーによる守備妨害
バッターランナーによる守備妨害は、主に3つのケースがあります。バッターランナーとは、特にバッターがフェアボールを打つか四球他で1塁に向かうランナーのことです。
・ファウルゾーンの打球を故意に動かした場合
・併殺を阻止するために妨害した場合
・スリーフットレーンを外れて走行し守備を妨害した場合
ファウルゾーンの打球を故意に動かした場合
ファウルと確定されていない打球をどのような方法でも故意に動かした場合は、守備妨害になりバッターランナーアウトでランナーの進塁は認められません。避けたけども触れてしまった場合他、故意でなければファウルです。
- バッターランナーはアウト
- ランナーは元の塁に戻る
併殺を阻止するために妨害した場合
バッターランナーが、併殺を阻止しようと故意に打球に触れたり、野手が打球の処理をすることを妨害したりした場合は悪質な守備妨害と判断され、バッターランナーはアウト、本塁に一番近いランナーもアウト、他のランナーは元に戻されます。
- バッターランナーはアウト
- 本塁に一番近いランナーはアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
スリーフットレーンを外れて走行し守備を妨害した場合
バッターランナーは、スリーフットレーンを外れて走行し1塁への送球を妨害した場合は、アウトになり他のランナーは元の塁に戻されます。ただし、野手が打球の処理をするところを避けるためにスリーフットレーンを外れて走行した場合は、妨害が認められません。
スリーフットレーンとは、ファウルラインとスリーフットラインの間のことで3足分=3フィート=約91.4㎝ の守備妨害しないために作られた正しい走路のことです。
- バッターランナーはアウト
- ランナーは元の塁に戻る
スリーフットレーンを外れて走行し守備を妨害した実際の例
日付 | 2014年10月30日 |
場所 | 福岡ヤフオクドーム |
対戦 | 福岡ソフトバンクvs阪神 |
対象者 | 西岡剛(阪神) |
2014年10月30日の日本シリーズ第5戦で起きた、バッターランナーがスリーフットレーンを外れて走行した守備妨害でサヨナラゲームになり日本一が決定した劇的な試合です。
9回表阪神の攻撃1アウト満塁から、西岡選手の打球はファーストゴロでファーストからキャッチャーに送球しホームはアウト。キャッチャーはファーストに送球したが西岡選手に当たりました。西岡選手は、スリーフットレーンを外れて走り送球に当たったため球審が守備妨害を宣告し、アウトで試合終了しました。
③ランナーによる守備妨害
ランナーによる守備妨害のケースは主に6つあります。
・ファウルゾーンの打球を故意に動かした場合
・併殺を阻止するために妨害した場合
・打球を処理している野手を妨害した場合
・野手の送球を故意に妨害した場合
・フェアゾーンでフェアボールに当たった場合
・正しいスライディングをせずに野手の守備を妨害した場合
ファウルゾーンの打球を故意に動かした場合
バッタランナーと同じでランナーも、ファウルと確定されていない打球をどのような方法でも故意に動かした場合は、守備妨害になりランナーアウトでランナーの進塁は認められません。避けたけども触れてしまった場合他、故意でなければファウルです。
- 妨害したランナーはアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
併殺を阻止するために妨害した場合
バッターランナーと同じくランナーも、併殺を阻止しようと故意に打球に触れたり、野手が打球の処理をすることを妨害したりした場合は悪質な守備妨害と判断され、妨害したランナーはアウト、バッターランナーもアウト、他のランナーは元に戻されます。
- 妨害したランナーはアウト
- バッターランナーもアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
打球を処理している野手を妨害した場合
ランナーが、打球を処理している野手を避けずに触れた場合は守備妨害でアウトになり、他のランナーも元の塁に戻されます。野球は、守備をしている野手が優先されます。
- 妨害したランナーはアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
野手の送球を故意に妨害した場合
ランナーが、故意に野手が送球するところを手や腕で邪魔したり、送球したボールを手や体に当ててコースを変えたりした場合は守備妨害でアウトになり、他のランナーは元の塁に戻されます。
- 妨害したランナーはアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
フェアゾーンでフェアボールに当たった場合
ランナーが、フェアゾーンで内野手に一度も触れていないフェアボールに当たった場合は守備妨害でアウトになり、他のランナーはフェアボールが当たった時点の塁に戻されます。フェアボールとは、バッターがフェアゾーンに打った打球のことです。
フェアゾーンでフェアボールに当たった場合の規定は、例外があり注意が必要です。
- 妨害したランナーはアウト
- 他のランナーは妨害した時点での塁に戻される
フェアゾーンでフェアボールに当たった実際の例
日付 | 2015年6月11日 |
場所 | 西武プリンスドーム |
対戦 | 埼玉西武vs広島 |
対象者 | 田代将太郎(埼玉西武) |
2015年6月11日の西武vs広島で起きたランナーがフェアゾーンでフェアボールに当たった守備妨害の例です。9回裏1アウト1塁・2塁サヨナラの場面で、バッターは内野ゴロを打ちショートが捕球の構えをする前でランナーの田代選手にフェアボールが当たり、 ショートが捕球するのを妨害して アウトになりました。
バッターは1塁に進塁し、結果的にダブルプレーを防いだため広島側が抗議しましたが、ランナーが故意に打球に当たってないとの判断で抗議は認められませんでした。
正しいスライディングをせずに併殺を阻止した場合
ランナーが、正しいスライディングをせずに野手に触れたり触れようとしたりして併殺を阻止した場合は、悪質な守備妨害になりランナーもバッターランナーもアウト、他のランナーは元の塁に戻されます。
プロ野球でも、規則ができるまでは併殺を阻止するため野手に目がけてスライディングしていましたが、ケガするリスクが高く危険なスライディングは、2017年から禁止になりました。正しいスライディングは、英語でボナファイドとも呼ばれます。
- ベースに着く前に先に地面に触れ
- スライディングを始め
- 手や足でベースに着こうとし
- スライディング終了後は
- 本塁をのぞいてベースにとどまろうとし
- 野手に触れようとして走路を変更せず
- ベースに着くようにすべり込む
- 妨害したランナーはアウト
- バッターランナーもアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
正しいスライディングをせずに併殺を阻止した実際の例
日付 | 2020年7月12日 |
場所 | ほっともっと神戸 |
対戦カード | 読売vs東京ヤクルト |
対象者 | パーラ(読売) |
6回裏読売の攻撃1アウトでランナー1塁3塁の場面、バッター炭谷選手の打球はゆるいショートゴロでショートはセカンドの山田哲人選手に送球したが、ランナーのパーラー選手がすべり込んで接触し倒れ込み、3塁ランナーはホームインしました。
リプレー検証の結果、パーラ選手のスライディングはベース近くから勢いをつけベースを越えて野手に接触したため、正しいスライディングのスライディング終了後にベースにとどまるに違反し守備妨害になり、妨害したランナーのパーラはアウト、バッターランナーの炭谷もアウトで得点も認められませんでした。
④その他の攻撃側プレイヤーの守備妨害
その他の攻撃側プレイヤーとは、ネクストバッターズサークルにいる次のバッター、練習しているピッチャー、ベースコーチ、ベンチ内にいる選手他のことで主に6つのケースがあります。
・アウトになるか得点したプレイヤーが妨害した場合
・野手を惑わして守備を困難にした場合
・ベースコーチがランナーに触れて助けた場合
・ベースコーチが野手の送球を誘った場合
・ベースコーチが故意に送球を妨害した場合
・野手の守備を場所を譲らずに妨害した場合
アウトになるか得点したプレイヤーが妨害した場合
アウトになったバッターやランナー、ホームインして得点したランナーが、他のランナーを助けるために野手の守備や送球を妨害した場合は、妨害して助けたランナーはアウト、複数のランナーがいる場合は、本塁に一番近いランナーがアウトです。
- 妨害して助けたランナーはアウト
- 複数の場合本塁に一番近いランナーがアウト
野手を惑わして守備を困難にした場合
その他の攻撃側プレイヤーが、ベースの近くに立ったり集まったりして野手を惑わしランナーを助けた場合は、助けたランナーはアウト、他のランナーは元の塁に戻されます。
- 助けたランナーはアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
ベースコーチがランナーに触れて助けた場合
ベースコーチが、ランナーの体に触れて走行を助けた場合は助けたランナーはアウトです。起こりやすい場面は、ベースコーチがストップを指示しているがランナーが勢いで3塁からホームに向かっていきそうなときに、ベースコーチがあわててランナーの体に触れて止めてしまうときです。
- 助けたランナーはアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
ベースコーチが野手の送球を誘った場合
ランナーが3塁にいるときに、ベースコーチがコーチボックスを出てランナーみたいに急に走りだしたり、他の動作をしたりして野手の送球を誘った場合は、3塁ランナーはアウトです。
- 3塁ランナーはアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
ベースコーチが故意に送球を妨害した場合
ベースコーチが、ランナーをセーフにするために故意に送球を妨害した場合はランナーアウトです。ただし、偶然に送球がベースコーチに当たった場合は守備妨害にならずにプレー続行です。
- 守備の対象になったランナーはアウト
- 他のランナーは元の塁に戻る
野手の守備を場所を譲らずに妨害した場合
すべての攻撃側プレイヤーは、野手が打球や送球を処理をするための場所を譲らなくてはいけません。場所を譲らなければ守備妨害になり、守備の対象になったバッターやランナーはアウトです。ファウルフライを野手が追う場面で起こりやすい守備妨害です。
- 守備の対象になったバッターはアウト
- ランナーは投球時にいた塁に戻る
- 守備の対象になったランナーはアウト
- 他のランナーは妨害時にいた塁に戻る
野手の守備を場所を譲らずに妨害した実際の例
日付 | 2015年5月8日 |
場所 | QVCマリンフィールド |
対戦 | 千葉ロッテvs埼玉西武 |
対象者 | 奈良原浩コーチ(埼玉西武) |
2015年5月8日の千葉ロッテvs埼玉西武戦で起きたベースコーチの守備妨害の例です。6回表埼玉西武の攻撃で一死からバッター栗山選手の打球は3塁側方向のファウルフライ、追いかけた千葉ロッテの今江選手が奈良原ベースコーチにぶつかりグローブを落してしまいます。
奈良原ベースコーチが、野手が打球を処理するのに攻撃側が場所を譲らないことで守備妨害になり、バッターアウトになりました。
⑤審判員の守備妨害
審判員の守備妨害は2つのケースがあります。
・フェアゾーンでフェアボールに当たった場合
・キャッチャーの送球を妨害した場合
フェアゾーンでフェアボールに当たった場合
審判員も、ランナーと同じく内野手に一度も触れていないフェアゾーンでフェアボールに当たった場合は守備妨害になります。バッターは、1塁に進塁し1塁ランナーがいた場合は各ランナー進塁します。審判員は、2塁塁審だけフェアゾーンに立っているため2塁塁審のみフェアボールに当たります。
ランナーと同じく審判員も、フェアゾーンでフェアボールに当たった場合の規定は例外があり注意が必要です。
- バッターは1塁に進塁
- 1塁にランナーがいた場合は各々進塁
キャッチャーの送球を妨害した場合
キャッチャーが送球するときに、球審のプロテクター他に触れた場合は守備妨害になり、すべてのランナーは元の塁に戻されます。バッターと同じくキャッチャーの送球妨害には、例外があり注意が必要です。
- すべてのランナーは元の塁に戻る
キャッチャーの送球を妨害した実際の例
日付 | 2013年6月12日 |
場所 | 阪神甲子園球場 |
対戦 | 阪神vs広島東洋(ウェスタンリーグ) |
対象者 | 球審 |
2013年6月12日のウェスタンリーグ阪神vs広島東洋で起きた、捕手の送球を邪魔した審判員の守備妨害の例です。3回裏阪神の攻撃、2アウト1塁からランナーが盗塁し、広島のキャッチャー白濱選手が送球しようとするが、球審のマスクに手が触れ悪送球になりました。
球審は、自分がキャッチャーの送球を妨害したことで、すぐにタイムをかけ守備妨害を宣告し盗塁に成功したランナーを元にいた1塁に戻しました。
⑥観客の守備妨害
観客が、スタンドから手をのばして打球を捕ろうとし野手の守備を妨害してしまうことがあります。球場次第では、グラウンドに近い目線で臨場感を楽しむめにフィールドシートを設置し、選手のプレーを目の前で見れますが、妨害する可能性も高くなりました。
観客が野手の守備を妨害した場合
観客が、打球や送球を処理しようとしている野手を妨害した場合は、審判員が妨害していなかったらどうなったのか判断して処置します。選手が、スタンドに入るボールをスタンドに手や体を入れて捕球するのを妨害した場合は、守備妨害になりません。
- 審判員が妨害がなかった場合を考え処置
観客が野手の守備を妨害した実際の例
日付 | 2021年5月1日 |
場所 | 楽天生命パーク宮城 |
対戦 | 東北楽天vs千葉ロッテ |
対象者 | 観客 |
守備妨害のケース | 観客の守備妨害 |
2021年5月1日東北楽天vs千葉ロッテで起きた、観客の守備妨害の例です。4回裏東北楽天の攻撃、バッターの小深田選手がファウルフライを打ち、千葉ロッテの角中選手が追うも捕球できず、観客がボールに触れていないため最初はファウルの判定でした。
しかし、千葉ロッテ側からのリクエストで観客が野手の捕球を邪魔したことが認められ守備妨害になり、観客の妨害がなければ野手が捕球できたと審判員が判断し、打者がアウトになりました。
⑦その他の球場内にいる人の守備妨害
その他の球場内にいる人とは、ボールボーイ・警備員・メディア関係者他球場内に入ることを認められた人のことで、守備を妨害してしまう可能性があり規則が定められています。
その他の球場内にいる人が守備を妨害した場合
その他の球場内にいる人が、故意にフェアボールに触れた場合は守備妨害になり審判員が触れなかったらどうなったのか考え処置します。 意識しなくて、ボールを拾い上げたり、蹴ったり、押し戻したりした場合は故意と判断されます。
フェアボールを避けたが、避けきれずに当たった場合は故意とは認められず守備妨害になりません。
- 審判員が妨害がなかった場合を考え処置
その他の球場内にいる人が守備を妨害した実際の例
日付 | 2007年4月17日 |
場所 | スカイマークスタジアム |
対戦カード | 読売vs広島東洋 |
対象者 | ボールボーイ |
2007年4月17日の読売vs広島東洋戦の6回表、ツーアウトランナー1塁で広島東洋の前田選手の打球は線上でギリギリでしたが、フェアボールをボールボーイがキャッチしてしまいました。審判員は協議して、ボールボーイがフェアボールに触れていなければ1塁ランナーは3塁まで進塁できたと判断しました。
広島東洋のブラウン監督は、1塁ランナーは本塁まで進塁できたと考え審判員の処置に抗議しました。
守備妨害にならない2つの例外のケース
守備妨害には、原則とは違う例外のケースが主に2つあり注意が必要です。ランナーや審判員が、フェアゾーンでフェアボールに当たったケースでは、当たっても守備妨害にならないケースがあります。
バッターや球審がキャッチャーの送球を妨害したケースでは、妨害してもバッターがアウトにならないケースやランナーがアウトになるケースがあります。
フェアゾーンでフェアボールに当たった例外のケース
ランナーや審判員が、野手が一度も触らずにフェアゾーンでフェアボールに当たったケースには例外があります。内野手が、トンネルした打球や一歩も動かずに捕球できるすぐ側を通った打球で他の内野手に守備機会がない打球に当たった場合は、守備妨害にならずにプレー続行です。
内野手がミスしたボールまで気にする必要がありません。ただし、内野手がミスしたボールでも故意に当たったら守備妨害です。
- 野手が一度は触った
- 内野手がトンネルして他に守備機会がない
- 内野手のすぐ側を通り他に守備機会がない
- ファウルゾーンで当たった
キャッチャーの送球を妨害した例外のケース①
盗塁時に、キャッチャーが送球を妨害されても投げることができ、ランナーをアウトにした場合は守備妨害になりません。ランナーが1塁・2塁で同時に盗塁し、送球を妨害されながらも一人のランナーをアウトにした場合は、もう一人のセーフになったランナーは守備妨害ではないため元の塁に戻されません。
- バッターはアウトにならない
- アウトになったランナーはそのままアウト
- 他のランナーは元の塁に戻されない
キャッチャーの送球を妨害した例外のケース②
バッターが、空振りした勢いでバットがキャッチャーやキャッチャーの送球したボールに当たり妨害しても、故意でなければ守備妨害ではありません。バッターは三振した以外はアウトになりませんが、ランナーは元の塁に戻されます。
- バッターは三振以外アウトにならない
- ランナーは元の塁に戻る
キャッチャーの送球を妨害した例外のケース③
ランナーが盗塁時に、バッターが三振してキャッチャーの送球を妨害した場合はランナーアウトです。バッターはすでに三振でアウトのため重ねてアウトにできず、ランナーがアウトになり結果的に併殺になります。
- バッターは三振でアウト
- ランナーはアウト
- 複数の場合本塁に近いランナーがアウト
キャッチャーの送球を妨害した例外のケース③の実際の例
日付 | 2015年5月20日 |
場所 | 福岡ヤフオクドーム |
対戦 | 福岡ソフトバンクvsオリックス |
対象者 | 松田宣浩(福岡ソフトバンク) |
2015年5月20日ソフトバンクvsオリックスの6回裏1アウト1塁フルカウントの場面。1塁ランナーは盗塁を試みてスタートしましたがバッターの松田選手は三振。キャッチャーが送球しようとしたときに、松田選手がベースの方に足を踏み込んだことでキャッチャーの送球を邪魔したと判断されました。
ランナーが盗塁成功したのを確認してから、球審が守備妨害を宣告しバッター三振後のケースでランナーもアウトです。
守備妨害に関係するルール
守備妨害に関係するルールには走塁妨害があります。走塁妨害とは、守備側が攻撃側のランナーの走塁を邪魔することです。
野手が送球や打球を処理している場合は野手優先になり、走者が避けなければ守備妨害です。
野手が送球や打球を処理していなければ走者優先になり、野手が避けなければ進路妨害による走塁妨害になります。
走塁妨害との違い
守備妨害と走塁妨害の違いは、守備側の権利優先で判断されます。
走者が、1塁から2塁に向かう途中でセカンドに接触した場合、守備妨害か進路妨害による走塁妨害になるかの判断は優先順位で決められ、野手が打球や送球を処理している場合は守備優先で守備妨害になりランナーアウトです。
野手が、打球や送球を処理していない場合は進路妨害をしたと判断され走塁妨害になり、ランナーは安全に2塁に進めます。
- 打球や送球を処理している野手
- ランナー
- 打球や送球を処理していない野手
守備妨害を覚えて野球を深く理解しよう
守備妨害は、起きるケースも多く公認野球規則で多数の項目が定められ複雑そうですが、基本的には送球や打球を野手が処理する場合は守備側に優先権があることを覚えておけばわかりやすくなり、キャッチャーへの妨害や進路妨害による走塁妨害も理解しやすくなります。
守備妨害を覚えれば、さらに野球が深く楽しめますのでぜひ覚えましょう。
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