超回復と筋肉痛の関係性とは?筋肉の成長にかかわる疑問を解決しよう!
みなさんは『超回復』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?上手に運動プログラムを組んで、適切な栄養補給をすると、翌日以降この超回復によって以前よりもパワーアップすることが可能になります。今回は、この超回復について解説しつつ、トレーニング翌日に付き物の筋肉痛と超回復との関係性についても取り上げます。
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公式ライター old_user_id: 176
超回復とは?トレーニング効果を高める効果!
トレーニングをすることで体が強くなる、筋肥大することは誰でも理解できますが、実際はどのような原理で強くなっていくのでしょうか?
その答えが翌日以降に筋肉に起こる「超回復」という特性です。この記事では「超回復」のメカニズムについて解説します。
そもそもトレーニング効果とは?
この筋肥大には、超回復は重要な役割を果たします。
では、どのような仕組みで超回復が起こり、超回復によってどのようなことが得られるのでしょうか?
超回復とは?
超回復とは、運動した日〜翌日の24~48時間程度の休息を取ると、運動当日よりもより強い状態として回復していくことです、この超回復の期間が筋肥大に繋がります。
例えば、手に繰り返し”豆”が出来ると、筋肥大のようにだんだん手の皮が厚くなってきますよね?同じ現象が超回復した筋肉にも起こります。筋肉に繰り返し負荷をかけることで、超回復によってどんどん筋肥大が起き、筋肉が強くなっていきます。
超回復の過程とは?
【筋肉の破壊とは?】
筋肉とは骨格筋のことを指しています。骨格筋は、身体全体に約400種類以上あると言われ、人間の体重の約42%を占めています。骨格筋は、「筋繊維」という1本1本が細い「タンパク質」の線維が集まり、束になることで作られています。
激しい運動をして筋肉に負荷がかかると、運動当日から筋線維の一部がバラバラになって、血液に流れ出てしまいます。これが筋肉の破壊です。筋肉痛もこの過程で発生します。
この破壊された筋肉は、翌日から回復に転じ、筋肥大や筋力アップに繋がります。このタイミングが超回復の始まりです。
破壊から超回復へ
筋疲労や筋肉痛もその1つということができます。トレーニングによって筋肉を使ったり、瞬発的に激しい運動をしたりすると、筋肉は疲労し、組織は壊れます。人間には壊れてしまった組織を治そう、より強くしようとする力、超回復の能力が備わっています。
運動当日から次の日、24~48時間程の休息を取ることで、筋肉はより激しい運動にも耐えられるように、自力で修復し、筋肥大にも繋がります。
ちなみに超回復に必要とされる休息が当日で終わらず次の日までかかるのは、アミノ酸が筋肉に取り入れられるまでに翌日から翌々日まで、時間で言うと24~48時間程かかるためです。
超回復を促す栄養摂取
トレーニング後の筋肉は、筋肉の破壊と疲労により、筋肉の素となるタンパク質が分解されやすい状態になります。タンパク質は、人の体を構成する重要な栄養素で、トレーニングによりタンパク質の分解が進行してしまうことで、筋疲労を感じ、筋力も低下していきます。
トレーニングをしてから翌日までは特にタンパク質の摂取を意識し、分解を防ぐことが必要になります。
なお、タンパク質の必要量としては、体重×1.2~2倍程度と言われています。
肉、魚などに多く含まれるタンパク質を意識的に摂取し、併せて、タンパク質の摂取を助けてくれる、糖質やビタミンB群も同時に摂取しましょう。
超回復時にサプリメントを取るなら
トレーニング当日から翌日にかけて摂取するならば「ホエイプロテイン」がおすすめです。また、牛乳などから作られる「カゼイプロテイン」と言うものもあります。
ホエイプロテインとカゼイプロテインの最も異なる点は、体内への吸収速度。カゼイが、体内に吸収されるまでにかかる時間は約7時間程に対して、ホエイは、わずか1~2時間程で体内へ吸収されます。
摂取する場合は、運動直後に摂取しましょう。当日から適切に栄養を摂取し、少しでも早く筋肉を修復してあげることで、次の日からの超回復を促して筋肥大に繋がるだけでなく、必然的に筋肉痛や疲労の回復にもつながっていきます。
超回復へ向けた休養
超回復のためには、少なくても運動当日から次の日まではしっかりと休んで、疲労を取り除きながら超回復を促しましょう。
筋肉は、超回復した次の日からトレーニングを続けないと少しずつ筋力は低下していきます。1番理想的なのは超回復がピークに達したら、次の日からトレーニングを行うと言うサイクルです。
トレーニング・休息・バランスのとれた食事を摂取するこの3つのサイクルを意識していきましょう。
筋肉痛と超回復の関係性
筋肉痛と超回復の関係は・・・
『筋肉痛と超回復は直接的な関係は無いが、筋肉痛は超回復後の疲労回復とトレーニング再開時期の目安として利用できます』
トレーニング後に超回復しきらずに疲労がたまったままでトレーニングを再開すると、筋肥大ではなくオーバートレーニング症候群という、疲労が抜けない慢性疲労状態に陥ってしまいます。こうなると長期間休養しないといけなくなります。
このオーバートレーニングを防ぎつつ、超回復が完了し疲労も抜けてトレーニングを再開しないといけませんが、このタイミングに関して筋肉痛が有効に活用できます。
筋肉痛とは?
ところが、この筋肉痛の中身は超回復以上に知られてないのが現状です。
筋肉痛とは何なのか?筋肉痛はどのようなメカニズムで発生するのかを解説します。
筋肉痛・・・正式には『遅発性筋肉痛(DOMS)』
これは、翌日・次の日に来る筋肉痛を遅発性筋肉痛を言うのではなく、運動して次の日に来る筋肉痛が遅発性筋肉痛となります。
つまりトレーニングの当日に、筋肉が痛むのであれば、筋肉痛ではなく、肉離れや筋挫傷といったケガも疑われます。
遅発性筋肉痛の概要
適度な休息を取ることで痛みと疲労は次の日から徐々に回復しますが、長いと場合8日から10日程度かかることもあります。
筋肉痛は、翌日に来るかどうかにかかわらず、日常的に運動をしていない人や運動をしていたとしても普段行わない不慣れなトレーニングを実施した場合に発症するとされています。
または普段慣れている運動であっても、負荷を変え高強度で実施した場合も筋肉痛が発生する可能性があります。ただし、筋肉痛の発生メカニズムは、実はいまだ解明しきれていませんので、有力とされてきた筋肉痛のメカニズムを3つ紹介します。
筋肉痛の原因①乳酸説
乳酸筋肉痛説は、高負荷運動による疲労で疲労物質である乳酸が筋中に溜まり、筋肉痛を引き起こすという考え方です。
この説は研究が進むにつれて、確かに当日の運動直後は乳酸が溜まるものの、その後1時間程度で乳酸の大半が除去されることがわかりました。そのため、次の日からくる遅発性筋肉痛の原因には当てはまらないので、この説は否定されています。
この考えが、筋肉痛はマッサージで治す俗説が広まったと考えることができます。
理由は、筋肉痛時にストレッチ、マッサージをすることで血行を促進して溜まった疲労物質を除去するため、乳酸筋肉痛説の解決として広まったといえます。
筋肉痛の原因②筋線維の炎症説
伸張性筋活動は筋肉が伸ばされる方向に負荷がかかる活動のことです。このトレーニングの伸張性筋活動によって筋線維に微細な損傷が発生し、この損傷の回復過程で炎症が起き刺激物質が生産されて、筋肉を包んでいる筋膜を刺激する筋肉痛を発生させます。
伸張性筋活動によって筋肉痛が発生するケースというのは実際に多く報告されており、経験則としても学術的にも有力な説です。
しかしながら、動物実験等では筋線維の損傷がなくても筋肉痛が発生しているというケースも確認されていることから、筋肉痛の原因として決定的なものにはなっていません。
筋肉痛の原因③最新の説
筋肉痛を示した動物の筋を調べると、筋線維の損傷も炎症反応も起こっていませんでした。その代わりにブラジキニン(BK)、神経成長因子(NGF)などの成分の増加が見られ、神経成長因子(NGF)の抗体を与えてそのはたらきをブロックすると、筋肉痛の発生が抑えられることがわかりました。
これらの結果に基づいて、以下のことが研究でわかりました。
1)伸張性収縮によって筋線維からATPやアデノシンなどが漏出し、これらが血管内皮細胞からBKを分泌させる
2)BKは筋線維にはたらき、筋線維からNGFを分泌させる
3)NGFは筋内の機械刺激受容器(圧受容器)にはたらき、その感度を上昇させる
4)その結果、通常では圧受容器を刺激しないような軽度の圧迫や筋収縮にも圧受容器が過敏に反応し、痛みが生じる。
この仮説が正しければ、筋肉痛と筋の損傷・炎症には直接的な関係はないということになります。
筋肉痛からの回復
できることなら早めに解消したい筋肉痛ではありますが、発生のメカニズムが解明されていないため、対策にも限界があります。その中で出来ることとしては、3つあります。
・入浴等で血行を良くする
・しっかりと栄養を摂る
・ゆっくり休養する
特に運動後は筋肉を修復するホルモンが分泌されますので、筋肉の素となるたんぱく質を中心に栄養をバランスよく摂取しましょう。タンパク質だけではなく、糖質やビタミンB群を摂取することで回復が早まると言われています。また、野菜等で各種ビタミンを摂取することで、筋肉の炎症も和らげてくれます。
筋肉痛と超回復の繋がり
【筋肉痛】
筋肉の損傷から栄養と休養で回復へ繋げるという筋肉痛への対処
【超回復】
超回復を促すため24~48時間程度という期間
つまり、トレーニングをして次の日に筋肉痛になり、回復させるために翌日から翌々日までしっかり栄養と休養をとると、超回復の回復過程と重なり、次のトレーニングに取り組む目安となるわけです。
超回復の失敗時におきるオーバートレーニング症候群とは?
オーバートレーニング症候群とは?
特にスポーツトレーニングは日常の身体活動のレベルより大きな負荷の運動をすることによってトレーニング効果が得られるという原則があります。
これを過負荷の原則(オーバーロード)といいますが、大きな過負荷を続けると同時に、疲労回復に必要な栄養と休養が不十分であった場合には、疲労が蓄積して筋肥大や超回復ではなく、競技の成績やトレーニングの効果が低下してしまいます。このような状態をオーバートレーニング症候群といいます。
オーバートレーニング症候群の症状
・疲労が抜けない
・全身の倦怠感
・睡眠障害
・食欲不振
・体重の減少
・集中力の欠如
・安静時の心拍数や血圧の上昇
・運動後に安静時の血圧に戻る時間が遅くなる
原因は肉体的・精神的疲労の積み重ねにより、視床下部や脳下垂体から分泌されるホルモンのバランスが崩れるためと考えられています。重症になるほどトレーニングの減量・中止期間が延び、復帰が不可能になることもありますので早期に発見し対応することが必要です。
超回復と筋肉痛の関係性とは?
そして筋肉痛の発生と回復期間をうまく利用することで、超回復の完了を推測することができます。
上手に超回復を活用したトレーニングを続けることが、筋肥大や筋力アップにもつながりますので、翌日以降の疲労回復を意識していきましょう。
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