ダンベルで広背筋を鍛える筋トレには背中やウエストの引き締め効果があり、逆三角形の背中やメリハリのあるボディをつくれます。ダンベルトレーニングは省スペースでできるため、自宅で広背筋を鍛えたい人におすすめの筋トレです。広背筋に効かせるやり方やダンベルの適切な重量を知り、理想の背中を目指しましょう。
広背筋とは?
広背筋は腰部から脇の下へと三角形に広がる平らな筋肉で、腕を後方へ引く動作や呼吸の補助、姿勢の保持などいろいろな動作に関与します。広背筋は上半身で最も面積の広い筋肉であり、トレーニングで広背筋を鍛えることで背中の見た目を大きく変えることができます。
広背筋の場所
起始 |
第5胸椎から第5腰椎の棘突起 |
正中仙骨稜 |
腸骨稜 |
肩甲骨下角 |
停止 |
上腕骨小結節稜 |
広背筋は背中の下部と腰部から始まり、脇の下を通って上腕骨の前側へとつながる筋肉です。広背筋は背中の皮膚のすぐ下を覆う表層筋であることからトレーニング効果が見た目に反映されやすく、シャープで美しい背中をつくるためにはトレーニングが欠かせない場所といえます。
広背筋の役割
広背筋は肩関節の内転や内旋、体幹の回旋など多くの役割をもつ筋肉です。
肩関節 |
内転:横に上げた腕を閉じる |
内旋:肘を曲げて内側へ捻る |
伸展:腕を後ろへ挙げる |
体幹 |
回旋:上半身を捻る |
伸展:背筋を伸ばす |
肩甲骨 |
下制:肩甲骨を引き下げる |
骨盤 |
挙上:骨盤を引き上げる |
広背筋は前や上に伸ばした腕を体へ引き寄せる動きや肩甲骨を寄せたり下げたりする動きで多用され、日常生活では物を引っ張る動作や背筋を伸ばす動作などで使われます。
広背筋の筋トレで得られる効果
広背筋を鍛える筋トレには、大きく4つの効果が期待できます。
・基礎代謝を上げる効果
・背中を引き締める効果
・姿勢を改善する効果
・上半身の逆三角形のつくる効果
基礎代謝を上げる効果
熱を産生し体を支える筋肉は最も基礎代謝量の高い器官であり、広い面積をもつ広背筋を鍛えて筋肉量を増やすことは基礎代謝のアップに非常に効果的です。基礎代謝は体温維持・呼吸などの人が生きていくために必要な最低限のエネルギーのことをいい、1日の消費エネルギーの約70%を占めます。基礎代謝が上がると睡眠中や安静時の消費エネルギーが増え、いわゆる痩せ体質になり効率のよいダイエットができます。
背中を引き締める効果
広背筋を鍛える筋トレには背中を引き締める効果があり、肩甲骨の浮き上がる美しい背中をつくることができます。広背筋は背中の表面に近い場所にあり、さらに脇の下から腰までの背中の輪郭をつくる筋肉でもあります。筋トレで広背筋を鍛えると背中の表面や輪郭のたるみが消え、引き締まった背中をつくることが可能です。
姿勢を改善する効果
筋トレで広背筋を鍛えることには
姿勢改善の効果があり、背筋の伸びた体に負担の少ない姿勢をつくることが可能です。広背筋が弱いと背中の筋肉で上半身を支えることができず、猫背や骨盤のゆがみを引き起こすことがあります。
猫背や骨盤のゆがみは腰痛・肩こりなどの体調不良の原因になることもあり、広背筋を鍛えて姿勢を改善することは体調不良の緩和が期待できます。
逆三角形の上半身をつくる効果
筋トレで広背筋を鍛えて背中の下部や腰周辺が引き締まると、肩や背中上部の盛り上がりが強調され逆三角形のたくましい上半身をつくることができます。女性の場合はウエスト周りが引き締まり、メリハリのあるボディラインに仕上がります。
ダンベルで広背筋を鍛える筋トレ方法5選
ダンベルは可動域を広く使えるため、マシンやバーベルでは鍛えにくい広背筋の細部まで効果的に鍛えることができます。両手で握るバーベルは胸や足にバーがぶつかるため可動域が制限されますが、ダンベルは動作の邪魔になりにくく限界まで広背筋をストレッチさせる効果の高いトレーニングが可能です。またダンベルはトレーニングのバリエーションが豊富な点も魅力で、自宅でいろいろなトレーニングを楽しめます。
ダンベルローイング
効く部位 |
広背筋・僧帽筋・三角筋 |
回数 |
10回×3セット |
インターバル |
1分 |
ダンベルローイングはベンチ台や椅子に手を置き、片手でダンベルを引き上げて広背筋を鍛えます。フォームが安定しやすく腰の負担が少ないことから、ダンベル初心者や腰に不安のある人も習得しやすいトレーニングです。ダンベルローイングは広背筋を中心に肩回りから背中全体に効く鍛え方であり、逆三角形の背中づくりに効果的です。
【やり方】
①台に手と膝をつき足を肩幅より広めにする
②上体を倒し腰骨に向けてダンベルを上げる
ダンベルベントオーバーローイング
効く部位 |
広背筋・僧帽筋 |
回数 |
15~20回×3セット |
インターバル |
1分 |
ダンベルベントオーバーローイングはダンベルをみぞおち方向に引き寄せて広背筋を鍛えるトレーニングで、背中の厚みをつくる僧帽筋を鍛える効果もあります。広背筋と僧帽筋に効くダンベルオーバーローイングは、分厚く広がりのある背中をつくりたい人におすすめの鍛え方です。
【やり方】
①両手にダンベルを持ち足を肩幅に開く
②胸を張り背中を軽く反らせる
③膝を軽く曲げ前傾姿勢をとる
④ダンベルをみぞおちの方へ引き寄せる
ダンベルデッドリフト
効く部位 |
広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・ハムストリングス |
回数 |
15回×3セット |
インターバル |
30秒 |
ダンベルデッドリフトは前傾姿勢で膝を曲げてダンベルを下ろし、元に戻す動作を繰り返すトレーニングです。広背筋をメインに背中全体と下半身を鍛える効果があり、バランスのよい体型をつくることができます。広範囲の筋肉に効くため、筋肉量を増やして基礎代謝をアップさせたい人におすすめです。
【やり方】
①ダンベルを持ち足を肩幅に開く
②胸を前に出し肩をおとす
③膝を曲げていく
④上体を起こしダンベルを引き上げ胸を張る
ダンベルプルオーバー
効く部位 |
広背筋・大胸筋 |
回数 |
15~20回×3セット |
インターバル |
1分 |
ダンベルプルオーバーは両手で1つのダンベルを持ち縦方向に上下させて、広背筋を鍛えるトレーニングです。横方向に刺激する筋トレで、広背筋の成長が停滞気味の人におすすめのトレーニングといえます。広背筋と同時に胸の筋肉を鍛える効果もあり、背中の引き締めと一緒にバストアップしたい女性に効果的です。
【やり方】
①台の上に寝てダンベルを胸の前で持ち上げる
③肘を伸ばしダンベルを頭上へ下ろす
④ダンベルを元に戻す
ダンベルリバースフライ
効く部位 |
広背筋中央部・僧帽筋下部 |
回数 |
10回×3セット |
インターバル |
30秒 |
ダンベルリバースフライは前傾姿勢でダンベルを持ち、腕を開閉させて広背筋中央部を刺激する筋トレで、背中の中央ラインを引き締め美しい姿勢をつくります。軽めのダンベルで正しいフォームを意識したトレーニングが効果的であり、筋力に自信のない人も始めやすい広背筋の鍛え方です。
【やり方】
①ダンベルを持ち膝を曲げ前傾姿勢をとる
②肩甲骨を寄せながら腕を開き、ダンベルを上げる
③ゆっくり腕を閉じてダンベルを下ろす
ダンベルで広背筋を効果的に鍛えるコツ
体の背部にある広背筋は目で確認しながらのトレーニングが難しく、広背筋に効く鍛え方ができているかわかりにくい部位です。広背筋に効かせるためには、腕や肩に負荷を逃がさないことや広背筋を意識しながら動作することが大切です。鍛え方のコツを掴んで、効果的に広背筋を鍛えましょう。
ダンベルの握り方
広背筋に効かせるコツはダンベルを強く握りすぎないことです。強くダンベルを握ると前腕や肩に負荷がかかり、広背筋の負荷が低下します。ダンベルには2つの握り方があり、サムレスグリップにすると手に強い力を入れずに広背筋を鍛えることができます。
ダンベルの握り方 |
詳細 |
サムアラウンドグリップ |
ダンベルに親指を巻き付けて握る |
ダンベルを強く握れるため動作が安定しやすい |
けがをしにくい握り方のため初心者におすすめ |
サムレスグリップ |
ダンベルに親指を巻き付けず指に引っ掛けて握る |
ホールド力が弱く動作が安定しにくい |
サムレスグリップはけがやフォームの乱れを起こしやすいため、トレーニングに慣れた人におすすめの持ち方です。初心者はサムアラウンドグリップで落とさない程度の強さでダンベルを握り、広背筋に効かせましょう。
動作のやり方
広背筋の鍛え方ではダンベルを持ち上げることではなく、背中で上腕を引くことを意識して動作することが大切です。広背筋は腕の動きだけでなく肩甲骨を寄せたり下げたりする動作でも使うため、上腕を背中で引くことで肩甲骨が中央に寄り広背筋に大きな負荷をかけることができます。動作は広背筋が引き延ばされる感覚をつかみながら、ゆっくりおこなうこともポイントです。
広背筋をダンベルで筋トレするときの重量
ダンベルの重量は自分の筋力に見合う重さであることが重要です。ダンベルが重すぎるとフォームの乱れやけがを招く可能性があり、軽すぎるとフォームは容易に安定しますが筋トレの効果が低下します。また目標とする理想の広背筋に合わせて、ダンベルの重量を考えることも必要です。
広背筋を筋トレするときの重量の考え方
一般的に初心者は、男性:5~10kg、女性:3~7kgがダンベルの重量の目安です。しかし筋力には個人差があるためジムなどで試せる場合は実際にダンベルを持ち筋トレをして、連続10回をこなしたときにキツイと感じる重量にするとよいでしょう。最初は正しいフォームのマスターに重点を置き、フォームが安定し確実に広背筋に効く鍛え方を習得できたら徐々に重量を増やしていきましょう。
広背筋を筋トレするときの適切な重量
ダンベルの適切な重量はトレーニングの目標により変わります。ダイエットや背中の引き締めを目標に、広背筋を鍛えるならば軽めのダンベルで回数をこなすトレーニングが効果的です。重量は15~30回を連続でこなせる重さを目安にしましょう。広背筋の肥大化が目的のトレーニングの場合は、連続10回をやっとこなせる重めのダンベルを使います。ちなみにトレーニングの目的別の重量の目安は、下表のとおりです。
筋トレの目的 |
適切な重量の目安 |
ダイエット |
15~30回で限界を迎える重量 |
パワーアップ |
5~8回で限界を迎える重量 |
バルクアップ |
7~12回で限界を迎える重量 |
広背筋を筋トレするときのおすすめダンベル3選
価格が手ごろで置き場所に悩む必要のないダンベルは、自宅でのトレーニングにおすすめの筋トレグッズです。ダンベルには固定式と可変式の2種類があります。
固定式ダンベルの特徴 |
ハンドルと重りが一体であり、重量の変更が不可 |
重量を調整する必要がない |
負荷を変えるには複数のダンベルが必要 |
可変式ダンベルの特徴 |
重りの取り外しができ、重量の変更が可能 |
重量を変えるときに手間がかかる |
負荷調整により1本のダンベルで幅広いトレーニングに対応 |
固定式ダンベルは重量調整が不要ですぐにトレーニングが始められますが、重量を変える場合は新たにダンベルを購入する必要があります。トレーニングで広背筋を大きくしたい人は、高重量に対応できる可変式ダンベルがおすすめです。
MOJEER ダンベル:固定式
重量 |
1kg/2kg/3kg/4kg/5kg/6kg/8kg/10kgから選択 |
材質 |
スチール/ソフトゴムコーティング |
セット内容 |
2個セット |
MONJEERのダンベルは重量のバリエーションが豊富で、筋力や目的に合わせた重量選択ができる初心者向きの固定式ダンベルです。流線型のハンドルは細めで握りやすく、表面にはPVC加工を施し汗をかいてもグリップが滑りにくい造りです。特殊コーティングで耐久性に優れたダンベルは水洗いができ衛生的なうえ、六角形のデザインで床に置いても転がりません。
Wout バーベルにもなるダンベル:可変式
重量 |
5kg/10kg/20kgから選択 |
材質 |
セメント/ポリエチレンコーティング |
セット内容 |
2個セット |
Woutの可変式ダンベルはダンベルとバーベルの2wayの使い方ができる商品でありながら、安価な価格が魅力のコスパのよい商品です。グリップにはフィット感に優れた樹脂を使用し、グローブなしで安心してトレーニングに集中できます。八角形のプレートは床に置いても転がらず、付属の連結シャフトを使用するとバーベルになり、いろいろな鍛え方が楽しめるダンベルです。
Northdeer ダンベル:可変式
重量 |
2.5kg/5kg/7.5kg/10kg/15kg/25kgから選択 |
材質 |
純鋼製/弾性発砲素材 |
セット内容 |
2個セット:2.5kg/5kg/7.5kg/10kg |
1個セット:15kg/25kg |
Northdeerの可変式ダンベルは豊富な重量展開で、ダイエットから筋肉を大きくしたい人まで幅広いニーズに応えられる商品です。光沢のある美しいボディは小さめサイズで扱いやすく、縦置きが可能なため狭いスペースにきれいに収納できます。ハンドルにはクッション素材を使用し、重みによる手の痛みやグリップの滑りを防ぎます。ナットレス設計のため、プレートを緩めるだけで簡単に重量調整が可能な点も魅力です。
ダンベルを使う筋トレで理想の背中を目指そう
背中の下部にある広背筋は鍛えにくい筋肉ではありますが、ダンベルを利用することで広背筋の細部まで負荷をかける鍛え方ができます。ダンベルトレーニングは自分の筋力や目的に合わせた負荷調整が可能であり、女性や筋トレ初心者でも始めやすいトレーニングです。場所を取らずに自宅でも幅広いトレーニングができるダンベルで、理想の背中を目指しましょう。