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茶道の歴史とは?茶の湯の起源・発祥を歴史年表付きで簡単解説

茶道の歴史とは?茶の湯の起源・発祥を歴史年表付きで簡単解説

茶道の歴史は、平安時代に茶葉が中国から持ち帰られたことに始まり、お茶の作法が確立して茶道へ昇華しました。本格的な茶道は、安土桃山時代に千利休らの尽力でわび茶が始まったことです。飲用のお茶は中国が発祥ですが、作法や道具にこだわる茶道は日本で始まり、世界中に広がりました。

2022.12.04 部活動

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公式ライター
まる蔵

選手・コーチ・認定審判員と、バレーボールと共に人生を謳歌しています。スポーツやバレーの楽しさをお伝えしたい、そう思いながらweb記事を書いています。


茶道の歴史とは?

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茶道の歴史は、鎌倉時代に栄西禅師が臨済禅とともに抹茶法を伝えたことに始まります。ただお茶を飲むだけでなく、一定の場所に集まり茶会を開き、作法や道具にこだわり始めたことが茶道のルーツです。

平安時代に遣唐使で唐に留学した僧侶たちがお茶を持ち帰り、日本でお茶が飲まれ始めました。当時あらゆる文化の先頭を走っていた唐とは今の中国で、お茶は漢方薬扱いでした。味も美味しくなかったと伝えられています。

茶道の起源・始まり

茶道の起源は、お茶を飲むだけでなくお茶を飲む形式、いわゆる茶道が確立された鎌倉時代後半です。茶道は、ただお茶を飲むだけでなく、お茶を点てて客にふるまう、形式や茶道具にこだわる日本独自の文化です。

鎌倉時代以前は、お茶は漢方薬・薬茶でした。鎌倉時代に抹茶を飲む習慣がもたらされお茶が普及し始めましたが、依然お茶は特権階級だけの楽しみでした。一般的に茶道は抹茶を用いる茶道のことですが、煎茶を用いる煎茶道も含みます。

茶道の語源

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茶道の語源は、お茶を飲むだけでなく、お茶を点てて客に振る舞う過程や様式全般を指し、茶道といわれるようになりました。茶道とは、茶室でお湯を沸かして茶を点て、茶を客人に振舞う行為の様式です。

茶道は元来、茶湯​(さのゆ・ちゃのゆ)と呼ばれていましたが江戸時代に茶道の名前が定着しました。茶道の英訳は、tea ceremony、 the way of tea、chanoyuです。

茶道の発祥国

茶道の発祥国は日本です。

お茶の木を育てて収穫し、お茶を飲む習慣は中国が発祥で遣唐使が日本に持ち帰った品ですが、抹茶を点てて振舞う形式を確立した国は日本で、茶道の発祥国は日本といえます。お茶は世界中で飲まれていますが、茶道は日本独自の伝統の芸道です。

中国でおこなわれている中国茶を飲む所作は、日本の茶道の影響を受けて中国に逆輸入されたといわれています。

茶道の発祥の地

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茶道の発祥地とされている場所は、奈良県の称名寺です。戦国時代の茶人の村田珠光は、わび茶の開祖といわれていて、称名寺で現代に伝わる茶道の基礎を作った人物です。

村田珠光がたてた茶道の礼儀作法は、武野紹鴎や千利休を経て今日に伝わり、いずれの茶道の流派も村田珠光を祖としています。

称名寺に石標はがありますが、茶道が発祥した表示ではなく、 奥に茶道発祥地の称名寺がある​ことを示す案内です。

茶道の人口 

茶道の人口は、2018年の調べで、25歳以上の茶道人口は1,364,000人​です。割合で見ると、25歳以上の100人あたり1.38人が茶道に関わりました。都道府県別では石川県の茶道人口が1番多い統計が報告されています。

茶道は日本の精神文化で世界中でブームですが、日本国内の茶道に関わる人口は減少傾向です。茶道の純粋な素晴らしさが広まり、気軽に茶道をたしなむ人が増えることが期待されます。

茶の湯の歴史

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茶の湯の歴史は、平安時代に茶が中国から持ち帰られたことに始まり、鎌倉時代以降に茶道が普及していきました。

ただお茶を入れて飲むだけではなく、所作や茶室・茶器にこだわる茶道は、江戸時代前期までは大名や豪商の一部の特権階級の楽しみでしたが、江戸中期から一般の町人に普及します。明治時代以降は、教養やたしなみで茶道はさまざまな階級で発展していきました。

平安~鎌倉時代

お茶は、平安時代に遣唐使が持ち帰り嵯峨天皇や貴族階級に伝えられました。当時のお茶は、お茶の葉を蒸して固めた形で、美味しいといえませんでした。お茶は病気治療のための漢方薬で、特権階級だけの所有物でした。

鎌倉時代の初めに、当時の中国へ留学した栄西が抹茶を飲む習慣を持ち帰り、禅宗寺院を中心に抹茶が普及し始めました。武家階級でお茶をたしなむことが普及し、後の茶道の基盤となります。

南北朝時代

鎌倉時代後期に、武士の間でお茶の種類や産地を当てる茶歌舞伎・茶香服が始まりました。
南北朝時代になると、各地の茶を飲み当てる闘茶の遊びが武士の間で大いに流行します。闘茶は茶歌舞伎よりも賭博性が濃くなり、幕府の禁止令が出ました。

現代に伝わる茶会のスタイルの基礎ができ、茶会​の名前が生まれた時期は南北朝時代の後半です。

室町~安土桃山時代

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鎌倉時代は、豪華な美術工芸品を飾った座敷で、高価な茶道具を鑑賞しながらお茶を飲む茶会が催されました。京都の東寺南大門の門前で、お茶の商人がお茶を点てて売る一服一銭が登場して、庶民に喫茶が広まります。戦国時代は、茶道が武士の社交術となり、千利休らが独自の茶の湯スタイルを確立しました。

安土桃山時代に娯楽性の高い茶の湯が一般化されましたが、一方で禅宗の礼儀を重んじたわび茶が生まれたのも同じ時期です。

江戸時代

江戸時代は、茶の湯が江戸幕府の儀礼に正式に取り入れられて、武士にとって必要なたしなみとなり、所作や過程全般が茶道​と呼ばれ始めます。現代の茶道の流派が増えて分岐したのも江戸時代です。

江戸時代に、お茶を飲む方法が、抹茶で点てる茶道と、庶民が飲む煎茶の2つの方向に分かれました。庶民に本格的にお茶が浸透していった時期は江戸時代で、庶民が飲んでいたお茶は抹茶ではなく現代に普通に飲まれている煎茶です。

明治~現在の茶道

明治時代になり鎖国時代が終わり一時衰退をしていた茶道でしたが、政財界人は茶道の心得が必須でした。明治時代は、良家の女子が通う女学校の教養科目で茶道が組み込まれ、華やかな茶道の文化が始まりました。

昭和になると、女性の習い事で茶道が注目を集め、男性の特権階級が中心だった茶道が、女性中心のお稽古事に移行します。現代は、独特のルールで精神文化を味わうことができる茶道は、世界中に注目されています。

茶道の歴史年表

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年代 年号 できごと
平安時代 805年 遣唐使が日本にお茶を伝える
貴族や僧侶がお茶を飲むようになる
鎌倉時代 1191年 日本でお茶が作られ始める
1207年 明恵上人が栄西禅師から贈られた茶の種を栂尾高山寺に植える
1211年 栄西禅師がお茶の専門書「喫茶養生記」を書く
1239年 西大寺の僧叡尊が大茶盛をはじめる
1338年 足利尊氏が連歌会や茶の寄合いをやめさせる
南北朝時代 茶の味を飲んで当てる闘茶ゲームが流行する
「祇園社家記録」に闘茶をしたときの得点が書かれた表が残る
東寺南大門の前に、お茶を飲み一休みするための茶店ができる
室町時代 古市胤栄が、古市一族らと茶の湯と風呂を楽しむ淋汗茶湯を催す
能阿弥の奥書の君台観左右帳記に、将軍家の茶の湯の会のことが記される
1554年 今井宗久の「今井宗久茶湯日記抜書」が書きはじめられる
1556年 津田宗達が三好実休の茶会に招かれる
1569年 今井宗及が堺に進駐してきた織田信長の家臣を接待する
1573年 今井宗及が妙覚寺の茶会で織田信長と初めて顔を合わせる
安土桃山時代 千利休らが、茶道の文化が広める
1585年 千宗易が利休の名前をもらう
1587年 聚楽第が完成し、豊臣秀吉が北野大茶の湯が催す
江戸時代 茶の湯の流派が増えて、茶の湯が茶道と呼ばれ始める
1654年 煎茶ができ、急須で入れるお茶が庶民に広まる
1738年 お茶の製法が現代とほぼ同じになる
明治時代 茶道が政財界人や良家の女子の教養とされる
大正~現在 茶道の習い事が女性中心になる

茶道の歴史を記した本

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茶道の歴史を記した本は、子供や初心者が理解できる漫画から専門書まで多く刊行されています。茶道だけではなく華道とリンクさせて、日本の伝統文化を紹介する本も興味深いです。
茶道の歴史の書籍は、茶室や茶器の写真が多く掲載されている本が多く、読むだけでなく芸術品を写真で鑑賞する楽しみもあります。

一日5分茶の湯の歴史

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出版社 淡交社
著者 谷端昭夫
難易度 ★☆☆☆☆
一日5分茶の湯の歴史は、75のテーマをそれぞれ見開きでコンパクトに解説している本です。茶の湯の歴史のポイントがわかりやすく解説され、通勤通学中に少しずつ茶の湯の歴史を学びたい人におすすめの1冊となります。

解説だけでなく、新しい知見を織り交ぜつつ茶道に関わる人物のエピソードも書かれていて、エンターテイメント要素もあります。

茶の湯:時代とともに生きた美

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出版社 平凡社
著者 別冊太陽編集部
難易度 ★★☆☆☆
茶の湯:時代とともに生きた美​は、茶の湯の文化が始まった鎌倉時代から現代までの茶の湯の歴史を、写真を中心に解説したムック本です。茶の湯の思想や歴史が丁寧に紹介されているだけではなく、写真集でも楽しめる1冊です。

2017年に東京国立博物館で茶の湯の特別展が開催されたことの記念に出版された別冊太陽の記念号で、貴重な名品の写真が多く掲載されています。

茶と花 (日本の伝統文化)

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出版社 山川出版社
著者 熊倉功夫/井上治
難易度 ★★★☆☆
茶と花 (日本の伝統文化)は、茶道と華道の通史を紹介した本です。茶道と華道に共通する日本人の美意識が丁寧に書かれていて、茶の湯の歴史を学ぶだけではなく、茶道だけの歴史よりも立体的な知識を得ることができます。

文字中心の本ですが、単なる解説ではなく著者独自の目線から茶道の歴史をわかりやすく述べられ、最後まで飽きずに読むことができる本です。

よくわかる茶道の歴史

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出版社 淡交社
著者 谷端 昭夫
難易度 ★★★★☆
よくわかる茶道の歴史​は、日本の茶の湯の歴史を詳しく解説した本です。エンターテインメント風に書かれた本ではなく研究書に近い本なので、誰もが気軽に楽しめる内容ではありません。

茶の湯の創成期からわび茶の成立過程が、多くの裏付けを織りまぜて丁寧に述べられていて、真剣に茶道の歴史を学びたい人や、レポートを書く人におすすめの1冊です。

茶道の歴史

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出版社 講談社
著者 桑田 忠親
難易度 ★★☆☆☆
茶道の歴史は、茶道の歴史を順不同でわかりやすく解説した文庫本です。茶道に関わった人物に沿って口語調で書かれている本なので、茶道の知識がない人も茶道の歴史を楽しく学ぶことができます。

茶道の歴史の講演に基づく読みやすい本で、研究やレポートの材料にするには不向きですが、茶道の基礎知識がない人も理解しやすい内容です。安価で手に入る文庫本で、茶器の写真や図解はありません。

茶道の歴史を知って理解を深めよう

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茶道の歴史は、平安時代に中国から茶葉が薬の扱いで持ち帰られて、鎌倉時代に栄西禅師が抹茶法を伝えたことに始まりました。特権階級の遊技や儀礼でしかなかった茶の湯は、わびの精神を持った茶道に昇華し、現在に至ります。

日本の茶道人口は減少傾向にありますが、世界的には日本の精神的文化のWABISABIはブームになり広がりつつあります。茶道の歴史を知り静謐な空間でお茶をいただくことが、非日常の空気を味わえる茶道の醍醐味です。

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