マルセイユルーレットのやり方とコツ【サッカー上達ガイド】
サッカーの名選手ジダンが愛用していたマルセイユルーレットはサッカーのフェイントの中でも最も華麗なフェイント技術です。ここではマルセイユルーレットのやり方やコツについて詳しく動作を分解することにより、段階的な練習方法を学び習得できるよう解説します。
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公式ライター Activel_director
サッカーにおける最も華麗なフェイント「マルセイユルーレット」
実はサッカーの天才マラドーナも同様の回転テクニックを駆使していたのですが、現代ではジダンが多用していたこともあり、ジダンのサッカーテクニックとしてマルセイユルーレットが定着しています。
サッカーではマルセイユルーレット以外にも様々なフェイントテクニックがありますが、マルセイユルーレットほど華麗で美しいフェイントは他にはないでしょう。
マルセイユルーレットの由来はジダンの出身地
ですから同様の回転フェイントですが、マラドーナの場合は「マラドーナ・スピン」と言います。
実は見た目に反してルーレットそのものはテクニックに優れるサッカー選手なら誰でも使えるものだったのですが、ドリブルのフェイントとして活用し、実際に絶大な効果を生み出せていたのがマラドーナなのです。
しかしマラドーナのマラドーナ・スピンはボールキープに重きを置いていたのに対して、ジダンのマルセイユルーレットは縦への突破としてのフェイントにまで昇華されたテクニックになっており、よりゴールに近づく1つの高等テクニックになっていると言えます。
ジダンだからこそマルセイユルーレットが生まれた?
ジダンはもともと大柄な体格を活かした懐の深いボールキープが特徴的で、マルセイユルーレットではこの懐の深さと長い足で大きな回転径を生み出すことの組み合わせが活用されており、非常に効果的なフェイントになっています。ジダンだからこそ単純なルーレットを、より高度なフェイントにできたと言えます。
基本的にサッカーでは小柄な選手こそフェイントに向いているという固定観念がありますが、ジダンはこれを覆したサッカー選手の一人なのです。
マルセイユルーレットの概要
①マルセイユルーレットの1段階目:足裏によるストップとコントロール
②マルセイユルーレットの2段階目:逆足で引いてボールの方向を変えながら回転
③マルセイユルーレットの3段階目:ボールとともに相手DFの横を抜ける
以上がマルセイユルーレットの基本動作を3段階に分解したものとなります。
次にこの3段階をさらに細分化してやり方を解説していきます。がマルセイユルーレットの回転方向はどちらでもできる方がより実践的ですが、最初は利き足で引いて回転する方がやりやすいでしょう。
※ここでは右利きとして解説していきます。
マルセイユルーレットの1段階目のやり方とコツ
引き寄せた後、その足をボールの前に着いて軸足としながら、逆足で引いたボールを受け止めつつ身体は半回転して相手DFとボールの間に入り込みます。ここまでを見るとボールにアプローチしてこようとする相手DFから身体を壁にしてボールを隠すようなやり方になります。
中盤など密集地でのサッカーの基本的なボールキープテクニックの1つがマルセイユルーレットの1段階目になっているわけです。
足裏での引き寄せのコツ
この右足を軸にして回転していくことになります。
一連の流れを素早く行うと右足裏で引き寄せた瞬間には左足は受け取るために動きだしており、両足とも空中にあるように見えて、まるでボールに乗っているかのような錯覚を起こしますが、実際にはボールに体重をかけてはいません。ボールに体重をかけるのは大変危険で、大怪我に繋がるような転倒をしてしまうので、絶対にボールに体重を乗せるのは止めましょう。イメージとしては右足裏から左足裏へボールを持ち換えて、相手から遠い位置に置いてボールを隠すという動きを意識しましょう。
この段階で回転を意識するとバランスを崩しやすいので、持ち換えるイメージで練習を行うのが上達しやすいやり方です。
しっかりブラインドできる位置に右足を着地させるのがコツ
相手DFの視点から見ると、足裏の引き寄せについて行ってボールにアプローチしようとした瞬間にボールを隠されてしまうことになるので、結果アプローチを止めざるを得なくなってしまい、完全に対応が後手にされてしまいます。
マルセイユルーレットを実際のサッカーの試合で活用するときも、この回転途中のブラインドが大切なので、右足の着地位置をしっかりブラインドできる位置にするのがコツとなります。
ただ回転するだけではなく、回転によってブラインドすることを意識して練習していきましょう。
逆足でのキャッチのコツ
この左足裏でのコントロール段階は、このままマルセイユルーレットを続けるか止めて他のプレイに切り替えるかの分岐点だからです。そのため、ここで一旦瞬間的なタメを作れることでよりサッカーの試合での汎用性が高いテクニックとなるのです。そしてキャッチするイメージを持つとボールの動く範囲を大きくできるようになります。流れるように回転しようとするあまり、回転の径が小さくなっているマルセイユルーレットをよく見ますが、このやり方ではせっかくのブラインド効果も薄れてしまい、相手DFが再度ボールに対してアプローチしやすくなります。
もちろん密集地では回転の径が小さい方が良いのですが、一旦キャッチのイメージを作っておくことでこの大きさをコントロールできるようになるのです。逆にタメの時間をゼロにして回転速度を速めるやり方の方が効果的な場面もあり、サッカーの試合では臨機応変に使い分ける必要があります。
マルセイユルーレットの2段階目のやり方とコツ
回転することを意識しなくても動作がそのようになっているからです。このときに左足裏で引いただけのボールはあまりスピードがないので、次は左足を軸に回転を続けて右足でタッチし加速します。
ほとんどの場合、相手DFが右足の軸足方向から身体を寄せてきていますから、その相手を抑えるように腕を広げて回転の邪魔をさせないことがコツだと言えます。
また相手DFの寄せが強力である場合は、その力を回転の力に変換してやり、よりスムーズに素早く回転するというやり方になります。入れ替わりが劇的になるので、相手ディフェンスがかなり食い付いてくれると、よりマルセイユルーレットの効果が高まるという側面もあります。
左足でのタッチでコントロールするのがコツ
そのためこの左足裏でどのようにタッチしてどこまで回転するかを見極めるのがこの後の動作をスムーズにするコツとなるので、再度言いますがキャッチしてタメを作るくらいのイメージの方が確実にマルセイユルーレットを行うことができます。あまりにも連続性を意識しすぎてタッチが雑になると、ボールの軌道が身体から離れすぎてしまいなかなか上達できません。
特に練習し始めたばかりだと回転することばかり考えてしまいがちですが、サッカーの試合で活用できるテクニックにするためには回転をコントロールすることを重視したほうが良いでしょう。
流れるように回転するためのコツ
初動の右足裏タッチから左足裏でのキャッチまでは比較的ゆっくりとタメを作るイメージで、その後の左足裏から回転して右足でのフォロータッチまでを加速することで全体に緩急がつき、よりサッカーの実戦で効果的なマルセイユルーレットにすることができます。
マルセイユルーレットの3段階目やり方とコツ
また、回転することでバランスを失いやすい状態であることも意識して、回転後はすみやかにバランスを取り戻すのも大切なコツです。何度も練習して上達することでバランス回復から次のプレイまでのタイムラグを少なくし、マルセイユルーレットの精度を高めていけば、マルセイユルーレットの直後にまたマルセイユルーレットを行うという高等テクニックも可能となります。実際にジダンも2連続のマルセイユルーレットを行っています。
フィニッシュへのイメージを持っておくのがコツ
特に密集地で行うことで相手DFを引き付ける効果が高いため、回転後には周囲に効果的なスペースがいくつも生まれていますから、これを活用するためのマルセイユルーレットであることを意識しましょう。
利き足から回転を始めた場合、回転後は必ず利き足側にボールがあるので、選択肢をイメージさえしていれば回転後のプレイは決定的なものとなります。
マルセイユルーレットのメリットとは?
テクニックに自信がつくと、無意識に得意なプレイを頻繁に行ってしまいがちですが、そのテクニックのメリットを最大限に生かせるような活用法を理解して行わなければ、それは曲芸のようなテクニックで終わってしまいます。ここではマルセイユルーレットがサッカーにおいてどのようなメリットを持っているか解説します。
メリット①1対1に強い
しかしここが重要で、あくまでマルセイユルーレットは「後の先」を取ることで1対1に強いテクニックですから、相手が先に動いてくれなければ効果が半減してしまいます。特に自身がスピードに乗ってドリブルしていない状態であれば、相手が動かない限り抜いていくのは難しいと言えます。
メリット②スピードが落ちにくい
「後の先」であるマルセイユルーレットを「先の先」で使うのであれば、このスピードを落とさずに行える性質を活用しましょう。
つまり相手DFが飛び込んでこない状況でも、スピードが十分であればブラインド効果だけで抜き去ることができますが、トップスピードでマルセイユルーレットを行うとバランスを失いやすいため、かなりの練習を行い体感の強化なども含めてしっかりとトレーニングを行うようにしましょう。
メリット③局面を一変させられる
またどの選手も回転後のプレイが明確でイメージしながら行っているのがわかります。
しかしどの選手の回転も回転径が小さくジダンのような懐の深さが見られませんので、相手DFに引っ掛かる場面も多いです。
マルセイユルーレットの練習方法
練習方法①半回転で引く動作を身につける
練習のやり方はいくつもありますが、動画のようにテンポを速めて反復するほか、引いて持ち替える動作をゆっくり確認しながら繰り返すやり方も織り交ぜて、足裏でのコントロールの感覚を掴んでいきましょう。またサッカーの効果的なドリブルテクニックの習得にも繋がる練習なので、マルセイユルーレットに関係なく日常の練習メニューに取り込むのも良いでしょう。
練習方法②各段階を個別に練習する
個別の動作を上達したあとに連結して行えば、最初は動作が途切れ途切れのようになってしまいますが、実戦での活用を見据えれば理にかなっているのです。マルセイユルーレットは各段階に意味があり、また各段階だけでも一つのテクニックとして応用できるという性質があるからです。
サッカーのフェイントは基本的な動作にこだわらず、局面に合わせて柔軟に変化させることで、よりフェイントとして有効性が高まりますから、段階で分けて上達しておくことで総合的なサッカーテクニックを獲得することができます。
練習方法③回転することに囚われない
優雅で華麗に回転することに憧れてマルセイユルーレットに挑戦する気持ちは理解できますが、ジダンのマルセイユルーレットは一連の動作がスムーズ過ぎているために回転が際立っているだけで、テクニックの方向性としてはボールキープするためのものという性質が強いのです。
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