ネイマールのドリブルの凄さとは？相手を抜くテクニック！

いわずと知れたブラジルサッカー界の至宝ネイマール。そのルックスはもとより、速い足技、相手をあざ笑うかのような華麗なドリブルは全世界の少年の憧れの選手です。

そんなネイマール選手は1992年2月5日、ブラジル・サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼスに生まれました。元サッカー選手の父を持ち、成長するにつれフットサルとストリートサッカーに熱中する少年になっていきました。
1999年にポルトゥゲーザ・サンチスタのユースクラブ入団、2003年にサントスFCのユースクラブに移籍し17歳でプロ契約を交わしサントスのトップチームに昇格し、スポンサー契約を結ぶようになりました。

2012年1月1日、2011年の南米年間最優秀選手賞に選出されたネイマール選手は2013年5月24日サントスから放出され、26日にFCバルセロナと契約を交わします。5年契約で背番号は11番でした。これはそれまで11番を着けていたティアゴ・アルカンタラ選手がバイエルン・ミュンヘンに移籍したことで調度番号が空いたからでした。
デビュー戦では強烈なドリブルを武器にスーペルコパ・デ・エスパーニャのアトレティコ・マドリード戦にてチームを優勝に導くアウェーゴールを決めるなどして、メッシ選手、スアレス選手らとMSNとして活躍しバルセロナで成功を収めました。

クラブではサントス時代にコパ・ド・ブラジルをはじめとしブラジルサッカー計6タイトル、 バルセロナ時代にはUEFAチャンピオンズリーグなど計8タイトル、現在のパリ・サンジェルマンでもすでに4タイトル獲得しています。更に、代表ではFIFAコンフェデレーションズカップなど5タイトルを保持し、個人タイトルでは南米年間最優秀選手賞2回をはじめとして15タイトル獲得しているサッカー選手です。

サッカー界の至宝ネイマール選手の凄さを挙げるならば主に、得点力・身体能力・スター性・ドリブルです。
得点力は、デビューから現在までシーズンでの得点が2桁を下回らないという驚異的な数字を示しています。 また、流れからも、フリーキックからもミドルシュートもシーンを選ばずに決めることが出来るのも強みです。
身体能力ではドリブルにおいてフェイントの動き、トップスピードになるまでの早さが別格です。
スター性にしても移籍金の高さや、彼にかけられたスポンサー料だけでサッカー協会の収入が100億増えたという話だけでもその人気度合いが分かります。
この中でも特に注目したいのが、ドリブルです。このドリブルにかけては、メッシ選手ら世界のトップ選手の中に絶えず名前を連ねるほどなのです。

そんなネイマール選手のドリブルの凄さを、ここからは紹介していきます。

ネイマール選手のドリブルの特徴は自身の体をうまいぐあいに動かし、相手ディフェンスの重心をコントロールするところです。
動画でもわかるように同時に相手が動いたあとに足を一度空振る動作に、更に右足をクロスさせて裏側から蹴るという二重のフェイントを絡めることで、相手の重心を2度3度動かし地面に縛り付けてしまっています。
これが相手を操るドリブルのコツです。

しかし、ドリブルの最初の動き出しにはなかなか出ていません。相手がぴったりとマークについているときに、ボールにはタッチせず、上半身を何度も振るわせるフェイントを使うことで相手の重心を動かしているだけです。
まるでストリートサッカーをするようにドリブルし、2人の選手の間をうまいぐあいに抜き去るネイマール選手。ドリブルにおいて行かれた選手は思わず足をかけて止めてしまいました。ドリブルのスピードに乗ってしまうと中々手のつけられないサッカー選手のひとりです。

ネイマール選手のドリブルの凄さのひとつにボールが足に吸い付くようなボールコントロールをしているという点にあるでしょう。普通足元でボールを止めるというのはスペースがなくなり、更に視界が下に向きがちになるため、タブーとされています。トップスピードに乗るまでの時間もかかってしまうのが普通です。
しかしネイマール選手はこれを2つのコツで解決しています。
まず少しずつステップを踏んでいることです。もうひとつはタッチ数を増やしていることです。

少しずつステップを踏むことであたかもその場に居ついているように見えますが、小さなステップを小刻みにかつやわらかく踏むことで、相手選手の動き出しにスムーズに対応しています。コツはあまり力まないことです。
動画で確認するとボールタッチの数も小さく刻むことで相手にボールの動きの的をつかませないようにしています。更に、絶えず触るようにしていることで、相手ディフェンスの動きに瞬時に反応できるようにもしています。相手がじれてボールを触りにくると、後述するドリブルの鋭い切り返しの餌食になってしまいます。これがネイマール選手のうまいポイントです。

ネイマール選手といえば華麗なフェイントや、緩やかなボールタッチ、相手ディフェンスを惑わす動きや目線といたイメージが強いですが、実はスピードも凄い選手のひとりなのです。
トップスピードにのってドリブルしたときは、けっしてボールコントロールは下がらず、スピードだけが増すような恐ろしい選手でもあります。

しかし、ドリブルの動き出しはいつも緩やかです。これが急加速のコツです。
味方からのパスを吸い付くようなうまいトラップで受けると、ボールを使って自分の世界を思い描くように小さなトラップで様子を伺います。まるで周囲の戦況を操るようにボールを触って相手を誘いそしてここぞというタイミングで一気に加速すると、その速いプレーに相手は思わず足を出すしかありません。

よくサッカーの試合で、ファールを受けているイメージのあったネイマール選手ですが、ファールをたくさん受けるのには、このドリブルのスピードの緩急についていけない相手選手によって引き起こされることが多いのです。

ネイマール選手のドリブルのフェイントの特徴に鋭い切り返しが見られます。
緩やかなボールコントロールにわずかに見える法則を狙ってプレスをかけてきた相手ディフェンスを抜き去るときに、一瞬の早業で相手を抜き去ります。このとき、ほんの一瞬速い切り替えしで相手と反対側に抜け去るのですが、この切り替えしに相手選手は中々反応できません。

注目したいのは、ネイマール選手はドリブルのスピードや、ドリブルする方向をわざと単調にし、相手選手を誘っているということです。これが切り返しのタイミングを伺うコツです。
動画をみると誘って誘って誘って、あと少しでボールが奪われそうなときに速い切り返しで相手を完全に置いてけぼりにしてしまいます。時には本当に足先で少し方向を変えるだけで相手の大きなエネルギーを受け流したりしています。この状況に相手のDFは、ドリブルに翻弄されるばかりでボールには触れられず、最後にはファールをするしかなくなります。

ネイマール選手の神がかり的なドリブルを解析する上で特に重要なのがこのトラップです。トラップがネイマール選手のドリブルの精度を上げているといっても過言ではないでしょう。ではトラップのどんな部分がネイマール選手のドリブルに影響をあたえているでしょうか。ネイマール選手のトラップには3種類あります。

・吸い付くようにコントロールしてしまうトラップ
・次に続くプレーに移行しやすい場所へするトラップ
・相手の動きと逆に落とすトラップ

多くの場合は前述したように足元付近に勢いを殺してコントロールしてしまいます。これにより、ボールを我が物にしてしまうネイマール選手ですが、戦況によっては選手と選手の間のスペースにトラップしスピードにのって一気にドリブルで攻め込むこともあります。
また、相手がトラップを狙ってプレスしてきたときは合気道のようにその力と逆側にトラップすることで、相手を抜き去ります。時にはトラップすると見せかけて、そのままスルーし相手ディフェンスを抜き去ることもあります。コツは相手の動きを常に伺っていることです。
いずれもトラップ前から次のプレーを予測し行っている、高度な技です。

ネイマール選手のドリブルの凄さはなんといってもフェイントの数の多さと、トリッキーさにあるでしょう。
相手の裏をかく動きを二重三重をしかけ、最終的には相手のバランスを崩しぬき去るか、相手の強引なチャージを誘い、ファールを誘発します。奇抜で変幻自在なそれらのテクニックがネイマール選手の持ち味であり、特にその持ち味はサッカーコートの狭いスペースで発揮されることが多いです。

その理由にネイマール選手が幼少のころ、サッカーよりもフットサルやストリートサッカーに熱中していた経験がいきていることは言うまでもありません。
巧みなボールコントロール、相手の重心を自在に支配する身体の動かし方はフットサル選手のテクニックです。そしてこのトリッキーなフェイントやドリブルが活きるのは、重心をずらす動き、鋭い切り替えし、巧みなトラップ技術、スピードの緩急といった技術が、フェイントの成功率を上げているコツと考えられます。

ブラジルサッカーの生んだサッカー界の至宝ネイマール選手の凄さ、中でもドリブルの凄さを中心に紹介しました。
よくよく見てみればその凄さのほとんどは、サッカーの細かい基本技術の集積があの天才的なドリブル技術につながっていることが分かります。
多くのサッカーファンや、世界中のサッカー少年少女の憧れの的であるネイマール選手のドリブルの凄さですが、今なお衰えることなく、日々量産されるネイマール選手のスーパープレーと凄さに、ファンもそうでない人も目が離せない凄い選手の一人です。