サッカーボールが白黒の理由とは?気になる色の疑問を解決
なぜサッカーボールは白黒なのだろうかと思ったことはないでしょうか?今でこそさまざまなデザインのサッカーボールが販売されていますが、昔はあの白黒の普遍的なサッカーボールだけでした。そんな長年疑問に思われている問題を今回は解決いたします。
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公式ライター old_user_id: 8
サッカーボール誕生の由来とは?
サッカーというスポーツの由来は、1863年に設立されたイギリスの学生が球体を蹴っていたことが始まりです。
その後フットボール協会が設立されましたが、その当時は今のように科学技術もなかったことからどのように公式球を作るか決まっていませんでした。
そこで、動物の膀胱に皮革を縫いつけた球体を製作。これが、サッカーボール誕生の由来です。ここから改良を重ねて現在のサッカーボールが生まれました。
もともとサッカーボールは白黒ではなかった!
サッカーボールのもともとの色は茶色。サッカーボールが誕生した1800年代後半は茶色の革が一般的で、サッカーボールにもそのまま茶色の革が使用されました。
1930年にはワールドカップの第1回大会が開催。サッカーボールの色が白黒に変わったのは前述した通り1960年代ですから、1930年開催のワールドカップは茶色のサッカーボールを使用していたことになります。
サッカーボールが白黒になった理由とは?
それはTVの普及にアリ!
しかし、その当時のテレビの色は白黒でサッカーボールは茶色のため白黒テレビでは白一色になり見えにくいという事態が起こってしまったのです。
そうして誕生したのが白黒のサッカーボール。この白黒サッカーボールはテルスターと名付けられ
1968年に開催されたメキシコオリンピックから使用されます。
白黒サッカーボールの比率
なぜこの比率かというと、数学者アルキメデスが考えた多面体の法則を利用しているからです。
また、この白黒サッカーボールを製作したのは日本のスポーツメーカーであるモルテン。アディダスからの依頼で同メーカーが見やすい白黒のサッカーボールの製作し、その後サッカーボールを作る際にこの比率が採用されるようになりました。
白20枚・黒12枚の比率で作られたサッカーボールが見やすい理由
前述した通り昔のテレビは白黒でした。そのため、一色のサッカーボールでは見えにくいのが難点。しかし、黒色なら白色に見えるサッカーボールのポイントになり認識できます。
反対に黒の比率が多いと、ピッチの色が白黒テレビでは黒色になるので転がっている時に見えにくいです。これが白20枚・黒12枚の比率で作られた理由。
サッカーボールはワールドカップと共に進化している
1970年アメリカ大会 テルスター
テルスターという名前はテレビが普及したこの当時の時代背景が由来です。
日本のスポーツメーカーであるモルテンが世界で初めての白黒サッカーボールを製作。
1970年のアメリカワールドカップで初めてスポーツブブランドとスポーツメーカーが製作しました。サッカーボールの定番であり、全てのサッカーボールの基礎と言えます。
1978年アルゼンチン大会 タンゴ
タンゴと呼ばれるそのモデルは白黒の比率が同じですが大幅にデザインを変えています。独特な曲線で描かれた黒のラインはパスやシュートでボールが動くたびにクールに見えることを目的としており、タンゴという名前もイタリアで誕生したリズミカルな音楽が由来。
テルスターが白黒サッカーボールの発祥なら、タンゴはデザインを重視した白黒サッカーボールの発祥と言えるでしょう。
1986年メキシコ大会 アステカ
なぜアステカという名前なのか、それに関してもこのようなデザインが理由でしょう。
ここからワールドカップで使用される公式球は、その国の文化や歴史などに関連したデザインが流行。ワールドカップというものをより国際的で権威ある大会として意識づけされていきます。
1990年イタリア大会 ユニコ
タンゴが何大会も続くとさすがにマンネリ化しそうですが、デザインが変わっているので全くマンネリ化しません。
また、表面に少しだけ変化をつけておりザラザラした素材を使用しているのもポイント。タンゴを使用した大会の中でもこのようなレザーを使ったサッカーボールはイタリア大会だけです。
1994年アメリカ大会 クエストラ
ラインデザインだけ変化。
アメリカ大会が開催された1994年は
アポロ11号が月面着陸して25周年の年のため、
流星のような宇宙的なデザインが描かれています。
素材をツルツルした表面のものにしている理由は、
ボールが動いた時にラインデザインがきれいに見えるように表現するため。
これがワールドカップで最後に使用される白黒カラーのタンゴ。
長く続いたブームも、この大会でやっと終わりを迎えます。
1998年フランス大会 トリコロール
ここで初めてカラーのサッカーボールが誕生。
なぜここでカラーのサッカーボールが採用されたのかというと、
当時は白黒テレビからカラーテレビに切り替わる時期で
色がしっかり識別されてカラーのサッカーボールを使っても見えるようになったからです。
ベースはタンゴそのままですが、フランス開催ということで赤・白・青の色で構成。
トリコロールという名前もそういったことが由来。
ここからサッカーボールにさまざまな色が使用され始めます。
2002年日韓大会 フィーヴァーノヴァ
アジアの文化や地域柄から影響。白黒は一切使われておらず、
ゴールド・レッドなど華やかな色で描かれています。
また、このフィーバーノヴァは軽量なのも有名。
重量を極限まで減らし軽さにこだわったことで、
ジダンやベッカムなどテクニックある選手のプレー幅を大きく広げたと言われています。
対して、その軽さによってボールが動くことから
キャッチやスローイングが難しくなりゴールキーパーからは不評でした。
2006年ドイツ大会 チームガイスト
まさに革新的なサッカーボールと言っても過言ではありません。
なぜ革新的なサッカーボールかというと
32枚のパネルで構成することが一般的でしたが、こちらはその半分以下の14枚で構成。
さらに、面同士を縫い付けるのではなく熱で溶かして繋ぎ合わせています。
これによって完全防水のサッカーボールが完成。
天候やピッチ状況に関係なく、普段通りのプレーができるようになりました。
この頃から、フリーキックでの直接ゴールが急増。
2010年南アフリカ大会 ジャブラニ
ジャブラニはさらに少ない8枚構成。
これによって現代サッカーの定番となった
無回転シュート・無回転フリーキックが蹴れるようになりました。
なぜ無回転のボールを蹴れるようになったのかというと、
パネルが減ることで空気抵抗が極端に大きくなったから。
史上最悪のサッカーボールなんていう不名誉な名前もつけられましたが、
ジャブラニの誕生はサッカーの既成概念を大きく変えたことでしょう。
2014年ブラジル大会 ブラズーカ
こちらはジャブラニよりも少ない6枚のパネルで構成されているのが特徴です。
色もカラフルで、ブラジルらしさが表現されています。
また、前回の南アフリカ大会からの教訓を基に研究され
空気抵抗を小さくし無回転で飛んだ時にボールがブレないようにしてるのもポイント。
そのため、フリーキックによるスーパーゴールは期待できませんが
正確で速いボールが蹴れるのでプレーの精度を高めてくれました。
白黒サッカーボールまとめ
長い歴史と技術の進歩があることが分かりましたね。
その上、白黒サッカーボールが誕生したことで
サッカーというスポーツ自体が急激に成長。
つまり白黒サッカーボールが現代サッカーの基礎を作ったと言っても過言ではありません。
今ではなかなか白黒サッカーボールを見かけることがありませんが、
まだ販売はされているので白黒サッカーボールが気になるという方は、
ぜひ一度プレーしてみてはいかがでしょうか。
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