2019年10月21日 更新

リトリートサッカーとは? 守備戦術を考察しよう!

リトリートとはディフェンス時の守備戦術の言葉で、相手にボールを奪われた時に、素早く自陣に戻り、守備陣形を整えることを意味するサッカー戦術となります。リトリートサッカーは柔能く剛を制す戦術です。今回はそんなリトリートサッカーという守備戦術を考察していきましょう。

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レスターの守備戦術は、基本的に最終ラインを高く設定し、高い位置からハイプレスをしかけるフォアチェックとは正反対を意味し、自陣内のスペースを埋めるように選手を4-4-2に配置する戦術で、ゴールキーパー意外の8人が守備に徹し、残る2人にボールを繋ぎます。これだけの選手を守備にあてるわけですからレスターのディフェンスは鉄壁です。

ポゼッション率、パスの成功率が物語る

レスターのディフェンスはとにかく自ら与えられたテリトリーのカバーを念頭におき、攻撃よりも守備を優先することに努めます。

レスターのチームとしてのポセッション率は欧州リーグ全95チーム中62位の46.24%、パス成功率についてはプレミアリーグで最下位の71%です。引いた位置からボールを奪い、パス成功率の高いショートパスではなく、パス成功率の低いロングボールを多用していることを意味しています。

それでも2017-2018の順位は20チーム中8位という好成績を収めていることから、ポゼッション率が低いからといって勝てないわけではないことをリトリートサッカーは証明しているわけです。

リトリートサッカーを推奨するアイルランド

@o.yoryu on Instagram: “STRIKER us Great Ireland Robert David KEANE #STRIKER#KEANE #Ireland #Tottenham #Spurs #ASTONVILLA #Liverpool #INTER#InternazionaleMilano…” (27416)

リトリートサッカーを協会をあげて推奨する国がアイルランドです。アイルランドサッカー協会は「狭いビッチと少ない人数でのゲーム」「後ろからボールを繋ぐアプローチ」「勝利にこだわり過ぎないこと」をテーマに、選手育成に力を注いでいます。

そこでアイルランドサッカー協会が取り入れているのが「リトリート・ライン」です。

リトリート・ラインとは?

リトリート・ラインとは、基本的にピッチを3分割して2本のラインで区切り、このラインが両チームにとってのリトリート・ラインになります。そして、攻撃チームは相手ゴールキーパーのゴールキック時又は、相手ゴールキーパーのスローイングの際には、守備に切り替わるのでリトリート・ラインまで戻らなければならないというものです。

もう一つのルールは、守備側はゴールキーパーからのキック又はスローが一旦攻撃側選手に触れるまでリトリート・ラインを超えることができないという点です。これにより、意図的に初めはノンプレッシャーでゴールキーパーも含めたビルドアップを行うことになり、攻撃の流れを理解することができます。

「狭いピッチと少ない人数でのゲーム」の意味

リトリート・ラインによりピッチが3分割され、選手も3分割されるので、自然と狭いピッチで少ない人数による攻防が繰り広げられます。
ここでの目的は、狭いピッチでも少ない人数でボールを繋げることです。

「後ろからボールを繋ぐアプローチ」の意味

アイルランドサッカー協会は、6歳~8歳までのサッカーのルールとして、キックオフを廃除し、代わりに全てゴールキーパーのマイボールからリスタートするとしています。そしてゴールキーパーからのリスタート時は、必ずゴールキーパーとリトリート・ラインの間でボールを受けなければなりません。
この目的は、数的有利な状況で後ろから攻撃を組み立てるというアプローチにあります。

「勝利にこだわり過ぎないこと」の意味

アイルランドサッカー協会はこのように育成年代からリトリート・ラインというルールを取り入れ、カテゴリーの上昇と共にリスタートはゴールキーパーからというような制限を徐々に解消しながら、未来のフル代表の土台作りを行っています。そこには特に勝利にこだわり過ぎる必要はないわけです。

リトリートサッカーへの対策

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各選手が自分の持ち場を任されるゾーンディフェンスにおけるリトリートサッカーは鉄壁の守備を誇りますが、対するチームもその点は対応策を練って挑んできます。

守備のバランスを崩す作戦

対応策として考えられるのが、ゴール前・バイタルエリアを守備ブロックで固めるのであれば、リトリートサッカーを採用するチームに意図的にスペースを与えてボールポゼッションをさせます。

パスも繋がり、プレッシャーもさほど感じないはずなので、敵陣深くまで誘い込み、相手選手の守備陣形が崩れたところでボールを奪いに行き、リトリートする前に一気にカウンターに持ち込む方法が考えられます。

相手選手を釣り出す作戦

つまり、ディフェンス戦術としてリトリートサッカーを採用するチームの攻撃としては、時間をかけずに、最終ラインやセンターハーフ付近の選手は必要以上に攻め上がることはありませんが、ボールポゼッションさせることでそれら全ての選手を自陣内へ釣り出し、手薄になった裏を一気に狙う作戦です。
下がった相手をおびき寄せるという意味と言えます。

リトリートサッカーのまとめ

現代の主流である中盤を固め、フォアチェックからショートカウンターという戦術に反するリトリートサッカー。ポゼッション率の高さが勝敗を左右するわけではないという事を証明したことは紛れもない事実です。時代と共に移りゆくサッカー戦術の中で、いつしかリトリートサッカーがフォアチェックサッカーを超える日がやってくるかもしれません。
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