平泳ぎの泳ぎ方!フォームのコツやポイントとは?【水泳上達ガイド】
平泳ぎは水泳の種目の中でも泳ぎ方が独特な種目です。そこで本記事では、水泳の平泳ぎの泳ぎ方を徹底解説しています。平泳ぎの基本的なフォーム、正しい泳ぎ方とそのコツ、そして水泳初心者から上級者まで行える練習方法を詳しく解説します。
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公式ライター Activel_director
平泳ぎの泳ぎ方とは?
平泳ぎは、胸の前で手を合わせるようなストローク(腕の動き)と、かえるのようなキックという、水泳の中でも独特な泳ぎ方をします。 この独特の動き・泳ぎ方から、水泳主要4種目の中では、クロールや背泳ぎと比べて泳ぎ方の習得が難しいといわれています。
水泳において平泳ぎが難しい理由
平泳ぎは、水泳の中でも独特な動きをするというのは先程説明した通りです。 その中で水泳の他の種目にない動きの特徴として、胸を立てる(上体を起こす)点、脚(膝)を曲げてかかとをお尻に近づける点が挙げられます。
この動きにより、水泳において進行の邪魔となる水の抵抗を受けやすくなり、逆に水泳において重要な推進力が損なわれやすくなってしまいます。
そのため水泳初心者が泳ぐ場合、平泳ぎは他の水泳種目に比べて進みにくく、難しい・苦手というイメージがついてしまう傾向にあります。 このように平泳ぎは水泳の種目の中でも難しく感じてしまいがちな種目ですが、そのコツを覚えて練習を積めば、比較的楽に泳げる種目でもあります。
水泳の平泳ぎの泳ぎ方①キックの泳ぎ方
まずは平泳ぎのキックの泳ぎ方(やり方)です。
平泳ぎの泳ぎ方で最大の特徴といえるのが、かかとを引き付けるキックです。
水泳の他の種目では膝をあまり曲げることがありませんが、平泳ぎのキックではしっかりとかかとをお尻に引き付ける必要があるため、必然的に膝は曲がります。
具体的な泳ぎ方としては、脚を少し開いてかかとをお尻に引き付けるようにしたあと、脚を伸ばしながら足の裏で水を蹴るという泳ぎ方が一般的です。
他にも脚で水を挟むように蹴る泳ぎ方もありますが、足の裏で水をとらえるように蹴る泳ぎ方の方が推進力が高いためおすすめです。
水泳の平泳ぎの泳ぎ方②ストロークの泳ぎ方
平泳ぎのストローク
具体的な泳ぎ方としては、ばんざいのような形から、手のひらを外側に向けて水を集め、円を描くように肘を曲げながら集めた水を一気に胸の前に集め、軽く手を合わせたら前に戻して身体を伸ばします。 前に戻した時、手はストリームライン(けのび)のように重ねる必要はありません。
水泳の平泳ぎの泳ぎ方③全体の泳ぎ方のフォーム
平泳ぎの泳ぎ方として、まずはストリームラインに近い形(ばんざいのような姿勢)から、ストロークを始めます。手のひらを中心に腕を使って水を集め、胸の前で手を合わせるくらいのタイミングで、脚を曲げ始めます。そして、合わせた手を前に戻してからキックを打ち、身体全体を伸ばします。
詳しい泳ぎ方のコツは後ほど紹介しますが、平泳ぎという抵抗の多い泳ぎ方でいかに抵抗を減らすような泳ぎ方をするかという点が、きれいに速く泳ぐためのポイントです。
水泳平泳ぎの泳ぎ方④ターンと潜水の泳ぎ方
ひとかきひとけりのやり方は、まずストリームラインから両手で腰の横まで一気に水をかきます。これが「ひとかき」です。この際1回だけドルフィンキックを打つことが許されています。そして、大きく平泳ぎを泳ぐようなイメージで両手を合わせながら前に戻し、平泳ぎのキックを打ちます。
また、平泳ぎのターンやゴールにおけるタッチは必ず両手で行わなければなりません。詳しいターンについては下記のほかの記事で紹介していますので、確認をしてみましょう。
水泳のターンの種類とは?それぞれの仕方のコツと練習方法を解説! – Activeる!
平泳ぎにおける泳ぎ方のコツ①キックの泳ぎ方
水泳の平泳ぎにおいては、かえるのようなキックを打ちますが、水泳初心者がしやすい間違ったキックとして「あおり足」と呼ばれるものがあります。ここでは、あおり足とはどのようなものかを紹介し、あおり足にならないためにどのようなポイントに注意してキックをすればよいか、上手にキックを打つコツについて解説します。
平泳ぎにおいてはキックの推進力がとても重要なので、泳ぎ方のコツをしっかりとつかんでおくことは大切です。
あおり足とは
かかとを引き付けた時に足の甲はできるだけ前を向いているようなイメージで足をひきつけ、キックの時に足の裏で水をとらえられるようにするのが平泳ぎのキックにおける正しい泳ぎ方です。
平泳ぎのキックは、慣れるまで泳ぎ方を習得するのが難しいかもしれませんが、平泳ぎにおいては水泳の他の種目と比べてもキックの推進力は非常に重要です。
そのため、うやむやにせず、初めからしっかりとコツを意識して取り組んでおきましょう。
かかとをしっかりと引き付ける
平泳ぎ:平泳ぎキックのポイント|平泳ぎのコツ(5)〜足の引きつけ方〜<森塾>【定-35】
かかとがしっかりとお尻に引き付けられていないと、上手く蹴ることができず、水泳において重要な推進力が生まれません。
特に平泳ぎでは他の水泳種目よりもキックによる推進力が大きいため、かかとを引き付けて足の裏でできるだけ多くの水をとらえることは非常に重要であるということができます。
脚を立てすぎない
かかとを引き付けることと脚を立てすぎないことは相反していることのように感じられるかもしれませんが、股関節(足の付け根)と膝を曲げて脚を立てるような姿勢になると、水泳においては推進力の邪魔になる水の抵抗を太腿の広い面に受けてしまい、前に進まないフォームになってしまいます。
できるだけ抵抗を受けないようなフラットな姿勢で、且つしっかりとかかとを引き付けてキックを打つことが必要です。
水泳初心者の方などは最初難しいかもしれませんが、はじめのうちからこれらのコツを意識して自分なりのフォームを見つけておくことは重要です。
平泳ぎにおける泳ぎ方のコツ②ストロークの泳ぎ方
平泳ぎではキックの推進力が大きいと説明しましたが、平泳ぎはストロークとキックを交互に行いながら進んでいく水泳種目なので、ストロークの時にも進まないとせっかくのキックの推進力がなくなってしまいます。
水泳の平泳ぎにおいて効率的な泳ぎ方をするには、ストロークでもしっかりと水泳に必要な推進力を生み出すことが重要です。
水をとらえて素早くかく
ストロークが止まっている間はキックで進みますが、キックを打つ前の段階ではストロークでしっかりと水をとらえて推進力を得なければなりません。
上手く水をとらえて推進力にするには、素早くかくことが重要です。
平泳ぎのストロークにおいては、前で伸ばしている時はきれいな姿勢でキープする必要がありますが、それ以外、つまり水をかいて前に戻すまでの段階では止まることがないように、一連の動きを素早く行うと効率よく進むことができます。
水泳の平泳ぎにおけるストロークは胸を起こして行うため、手を合わせた時など一連の動作の途中で止まってしまうと、身体(足)が沈む原因となり、抵抗を受けやすくなってしまいます。
しっかりと脇を閉め前傾姿勢で泳ぐ
水泳 プールサイドで平泳ぎのキック
脇を閉めず、腕が身体と離れている状態のまま前に戻してしまうフォームだと、しっかりと水がかけていないことが多いです。脇をしっかりと閉めつつも素早いストロークを心がけてください。また、胸の前で手を合わせる際、できる限り前傾姿勢で行うようにしましょう。顔の正面は斜め下か下向きで、肩を丸めるような姿勢が理想です。
息継ぎをしようと顔を前や上に向けてしまうと体が起きて抵抗を受けやすく進まないフォームになってしまいます。
肘は曲げすぎない
これを防ぐためには、脇を閉めるというコツでも説明したように、前傾姿勢を意識することがポイントです。前傾姿勢を意識して肩を丸めるように水をかくと自然と肘がある程度までしか曲がらなくなり、理想的なフォームで泳ぐことができます。
泳ぎ方に緩急をつける
素早く、脇を閉めて前傾姿勢で水をかき、止まることなく手を前に伸ばしたあとは、また素早く水をかき始めるのではなく、しばらく前に伸ばしたまま静止します。時間としては、水をかいてから伸ばすまでの時間と前で手を伸ばしている時間が1:2くらいのイメージで緩急をつけるのが理想です。
特に水泳初心者の場合はやはりストロークの最中に上体が起きてしまったり腰や脚が沈んだりしてしまいやすいため、泳ぎ方に緩急をつけて前に伸びる時間を有効活用すると、スムーズに泳ぐことができます。
平泳ぎにおける泳ぎ方のコツ③平泳ぎの泳ぎ方
・手足のタイミング
・息継ぎのタイミング
・平泳ぎにおける最重要ポイント
・抵抗を少なくする泳ぎ方
これまでにも紹介してきたように、平泳ぎには泳ぎ方のコツとポイントがたくさんあるため、最初はスムーズに泳ぐことが難しいかもしれません。 しかし、練習を重ねてコツをつかみ、スムーズに泳ぐことができるようになれば、平泳ぎは水泳初心者でも沈みにくく疲れにくい、長い距離を泳ぐのに適している種目になり得ます。
水泳平泳ぎにおける手足のタイミング
平泳ぎ:手と足のタイミングの注意点|平泳ぎのコツ(3)〜手と足のタイミング〜<森塾>【定-16】
この時点では脚は動かしません。
水をかいて胸の前に集め、手を合わせるくらいのタイミングで脚を曲げてかかとを引き付け始め、素早く手を前に戻してから足の裏を使ってキックを打ちます。このように平泳ぎの場合、他の水泳種目とは違いストロークとキックを交互に行うような泳ぎ方をします。キックとストロークそれぞれでしっかりと推進力を生み出す必要があるのはそのためです。
水泳平泳ぎにおける息継ぎのタイミング
どの水泳種目にもいえますが、水泳の息継ぎにおいては息を思い切り吸うのではなく、軽く一瞬のうちに吸うことでストロークやフォームへの影響を少なくできます。
また、息を吸い過ぎることには、疲れやすくなったり、過呼吸を引き起こしてしまったりといった欠点もあります。平泳ぎにおいては、息を吐くのは手を前に伸ばした時です。息をしっかりと吐いておくと自然と一瞬で息を吸えるようになるため、吐く方を意識して行うと上手く呼吸ができます。
息を吸う際には口から(鼻の方が吸いやすければ鼻から)、息を吐く際には鼻からが水泳における基本的な呼吸方法です。
水泳平泳ぎにおける最重要ポイント
平泳ぎにおいてはけのびに近い状態でキックを打つことによって最大の推進力が生まれます。
平泳ぎの泳ぎ方におけるコツでも少し紹介しましたが、手を前に伸ばしてすぐにまたかき始めてしまうと、手足が同時に動いて抵抗を受けやすくなるなどフォームが崩れやすくなるほか、キックで生み出したせっかくの推進力が存分に活かせず、エネルギーを余分に消費してしまいます。
伸びて進む時間を大切にしながらスムーズに泳げるように練習しましょう。
抵抗を少なくする泳ぎ方
そのため、ある程度の抵抗を受けるのは泳ぎ方の性質上仕方がありません。
その中で、できるだけ抵抗を減らし、またその抵抗を上回る推進力を生み出すことが必要です。
抵抗を少なくするフォームとしてはこれまでに説明したように、上体をなるべく低くする、脚を立てすぎないようにする、前に伸びる時間を大切にして推進力を有効に使うなどのフォームが挙げられます。
キックとストロークそれぞれ単体で行う時には意識ができていても、合わせると意識が反れてあおり足になったり脇が開いたりなどのフォーム崩れが起こりやすくなります。
それを防ぐためには、たくさん練習を重ねて、何も考えなくても本記事であげたコツを実践できるようにするということが最も効果的な方法として挙げられます。
平泳ぎの練習方法①キックの泳ぎ方
ここでは平泳ぎのキックの練習方法として、 3つに分けて紹介します。
・ビート板での練習
・ストリームラインでの練習
・その他の練習
ビート板での平泳ぎのキック練習
平泳ぎのキック
まずは、ビート板の前方を掴んでキックを打ってみましょう。その際、顔は半分程度水につけておき、キックとキックの間に少しだけ顔を上げて息継ぎを行うようにすると平泳ぎのフォームに近い形で練習を行うことができます。
更に平泳ぎのフォームに近づける方法としては、ビート板に腕は乗せず、後方を掴むだけにして、平泳ぎで前に伸びている状態のような形で練習するという方法が挙げられます。このやり方でビート板が浮いてしまってやりにくい場合は、縦長に持つのではなく横長にして長辺を持つと多少浮いてしまうのを防ぐことができます。ビート板で練習する際には水面でキックを打つため、足が水面上に出ないよう気を付けながら行うことが重要です。
ストリームラインでの平泳ぎのキック練習
ひとかきひとけりから行い、浮き上がらずに水中でキックを打ちます。呼吸は毎回ではなく、少し苦しくなってきた段階で行います。
ビート板での練習よりも、キック動作による水の抵抗と推進力が大きく感じられるため、フォームの修正や練習に最適です。
その他の平泳ぎのキック練習
水泳 プールサイドで平泳ぎのキック
平泳ぎのキック練習のやり方には他にも、ビート板やストリームラインでの練習以外にも、壁キックや背面キックといった方法があります。
壁キックは、プールの壁やへりに手を当てたり掴んだりして行うキック練習のことです。キックを打った時の肘の曲がり具合によって、自分のキックの推進力を確認することができるほか、水泳初心者でもプールサイドに近いため安心して練習を行うことができます。背面キックは少し水泳上級者向けの練習方法ですが、その名の通り背泳ぎのように上を向いてキックを行うというやり方です。膝を立てすぎていないか確認ができるほか、天井などを見ることで推進力を感じることができます。
平泳ぎの練習方法②ストロークの泳ぎ方
パドルは手のひらに装着する水泳の道具で、素手でかくよりも大きな力で水をかくことができます。
水をかいたときに感じる重さによって、良いストロークができているかの確認ができるほか、水泳に必要な筋肉を泳ぎながら鍛えることができます。
また、パドルを使わない練習方法としては、ドルフィンキックやバタ足を打ちながらのストローク練習が考えられます。
スカーリング
スカーリング
やり方としては、プルブイとパドルを装着し、手のひらを外側に向けながら腕を広げる動きと内側に受けながら狭める動きを繰り返します。
前に進む場合、手の甲を前に向けるように手首を曲げて動作を行います。
あまり進まない場合、うまく水をとらえてかくことができていない可能性があります。
慣れてきたら、パドルを外して素手で行ってみてください。
平泳ぎの練習方法③平泳ぎの泳ぎ方
平泳ぎのコツ~高安亮選手のお手本~【コナミメソッドまとめ】
平泳ぎ:平泳ぎを速く泳ぐ為のコツ(1)<森塾> 【定-4】
この練習を行うことで、伸びる感覚やキックとストロークのタイミングを合わせるコツを掴むことができます。
しかし、平泳ぎを上達させるためには、通常の平泳ぎをたくさん泳ぐことが一番の近道です。
先述したように、水泳の主要4種目の中でも体力消耗の少ない種目なので、水泳初心者や平泳ぎを覚えたての方でも比較的長い距離を泳いで練習することができます。
練習の際は、股関節痛・膝痛などを引き起こさないよう、十分に準備運動を行い、練習後もストレッチをするなどしてけが予防をしながら練習を行うようにしてください。
平泳ぎの泳ぎ方のまとめ
平泳ぎを上手に泳ぐためには、他の水泳種目に比べても意識しなければならないコツが多くあります。
しかし平泳ぎは、コツさえつかんで習得してしまえば、非常に楽に優雅に泳げる種目でもあります。
自分には無理だと思わず、まずは1つ1つ練習してみてください。
たくさん練習することによって、平泳ぎは必ず泳げるようになります。
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