サウスポーの由来と語源とは?野球などで使われる用語を解説
野球やボクシングでは左利きの選手のことをサウスポーと呼びます。左利きをサウスポーと呼ぶ由来や語源はさまざまなものがありますが、実はどの説も確固たる証拠がなく、サウスポーの由来や語源を正確に知る人はいません。しかし、左利きが多くのスポーツでアドバンテージを持っているのは多くの人が知る事実です。
2023.01.03
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公式ライター Activel_director
サウスポーとは?
サウスポーとは、スポーツで左利きの選手のことを指す言葉です。特に野球とボクシングでは、左利きの投手、左構えの選手をサウスポーと呼ぶことは多く、競技世界に広く浸透しています。しかし、なぜ左利きの選手をサウスポーと呼ぶのかを知る人はほとんどいません。
サウスポーの由来
サウスポーの由来は、2つの英単語の組み合わせから来ています。サウスポーは英語でSouthpawと書き、南を意味するSouthと前足を意味するPawの2つの単語を組み合わせた言葉です。言葉の誕生に関してはさまざまな議論がされていますが、スポーツ記者のチャールズ・シーモアが野球の左投手のことを指して使ったのが定着したとするのが一般的です。
サウスポーの語源
サウスポーの語源は諸説あり、由来とともに今も多くの意見が飛び交い議論の的です。しかしながら、どの説も決め手に欠け、正確な語源はいまだ謎のままです。
語源①野球場の方角が関係する説
野球の公式規則では球場の方角に関連したガイドラインが定めてあり、午後の日差しが観戦の妨げにならない設計にせよとされています。これに従うと、左投手の利き手が南側に位置することから、南の手つまりサウスポーと呼ばれたとする説です。
しかし、アメリカのスポーツジャーナリストがまとめた野球用語辞典The Dickson Baseball Dictionaryでは、球場の方角に由来する説は否定されています。
語源②アメリカ南部出身者説
方角説とは別に、アメリカ南部出身の投手は左利きが多かったから、説もあります。ただ確固たる根拠がないため、あまり信憑性はありません。
そもそもアメリカで野球が始まる以前に、風刺漫画の新聞のなかですでに、右の手をrite paw、左の手をsouth pawと表現した記事が登場しているため、野球由来の説自体に疑問があります。
語源③映画「ロッキー」説
ボクシングが語源となった説もあります。ボクシングを題材にした映画ロッキーでは、「昔、フィラデルフィアに負け知らずだった左利きの男がいた。彼の左腕はいつもニュージャージーの方角(アメリカ南部)を向いていた」と話すシーンがあるため、映画ロッキーをサウスポーの語源とする説です。しかし、残念ながらセリフには何の根拠もなく物語上の創作でした。
サウスポーの反対語とは?
ボクシングでは、サウスポーの選手に対して、右利きの選手をオーソドックスと呼ぶことがありますが、私たちが使っているサウスポーには明確な反対語が存在しません。反対語が存在しない理由は、世界的に右利きが一般的であることからとされています。
サウスポーの類義語
サウスポーの類義語には、レフティがあります。現在ではむしろこちらの言葉のほうが一般的に使用されることが多くなり、サウスポーは以前に比べ耳にすることがなくなりました。レフティ以外の類義語では、レフトハンドやレフトハンディッドがよく使われます。
サウスポーはスポーツで有利なのか?
スポーツの世界では、左利きの希少性が優位に働くことが少なくありません。ほとんどのスポーツで左利きの選手は珍しく、右利きの選手は左利きの選手と練習する機会が少ないため、経験値を積むことができないのが主な要因です。
利き手の違いが出やすいスポーツ
利き手の違いが出やすいスポーツは、クローズドスポーツとも呼ばれる対戦型の競技に多くみられます。一方、マラソンや水泳などの記録を競うスポーツでは、自分との闘いとなることが多いので利き手による差異はあまり見受けられません。
野球・バレーボールの球技
野球やバレーボールあるいはサッカーに代表される対戦球技では、左利きは有利といわれています。ボールの軌道や出どころが右利きの選手とは違うので、相手方の選手は普段とは違った対応を迫られるためです。また、野球ではグラウンドとの相性もあり、守備面だけでなく攻撃面でも有利なことが多くあります。
テニス・卓球のラケット競技
テニスや卓球をはじめとした1対1のラケット競技でも、左利きの選手は優位を持っています。左利きの選手が打つボールは右利きの選手の打つボールとはすべて逆の回転がかかります。結果、打ったボールは全て右利きの選手が打つ逆の変化をします。
ボクシング・フェンシングの対戦格闘競技
via www.joc.or.jp
ボクシングやフェンシングでも、左利きは有利です。近距離で向かい合う格闘技系スポーツでは、攻守のための間合いと呼ばれるお互いの距離感が大切です。左利きの選手と相対したとき、右利き同士の対戦に慣れている選手は距離感が狂わされ思い通りにアタックできないことが多く、左利きの選手が主導権を掴む様子がたびたび見受けられます。
特に、フェンシングのエペ・フルーレ部門での左利きの優位は際立っていて、世界で活躍するトッププロの約50%がサウスポーです。
サウスポーは個性のひとつ
スポーツの世界でサウスポーと呼ばれる左利き。サウスポーの由来や語源は不確かなことが多いですが、左利きがスポーツでアドバンテージを握る場面があることは統計上のデータを見ても確かであるとわかります。つまり、サウスポーはスポーツの世界で輝く個性のひとつです。
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