ミドルブロッカーの役割と意味とは?役立つための動き方やコツを解説
ミドルブロッカーの役割は、まずはブロックの中心となることが求められます。ミドルブロッカーは、相手のセンターからの攻撃はもちろん、レフト・ライト両サイドにトスが上がった場合でもしつこくブロックでついていくことが大切です。攻撃ではクイック攻撃を行います。相手にセンターからの攻撃を意識させることで、相手ブロックの注意を引き付ける狙いも持っています。
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公式ライター Activel_director
バレーボールのミドルブロッカーとは?
センターからの攻撃とネットディフェンスの中心
ミドルブロッカーは、「ブロッカー」と名前がつくため、攻撃はしないのかと勘違いしてしまう方もいるかもしれませんが、ミドルブロッカーも攻撃を行います。
ただ、多くのチームではウイングスパイカーと異なり、ミドルブロッカーが打つスパイクは「クイック」と呼ばれる低いトスによる攻撃です。もちろんブロックにも参加し、ブロックでは中心的な役割を果たすことが多くあります。
後衛に下がり、サーブを打つとミドルブロッカーはリベロと交代するケースが多いです。
エースアタッカーと呼ばれる「ウイングスパイカー」のレフトポジションの選手はレシーバーとしても優れていることが多いです。
また、バレーボールはポジションのローテーションがある関係上、対角にあたる選手がそれぞれリベロが交代するのが、交代するタイミングも明確になります。
ライトアタッカー(オポジット)の選手はセッターと対角になり、セッターを下げるわけにはいかないので、ミドルブロッカーと交代するチームが多くなっています。
ミドルブロッカーに関する誤解「ミドルブロッカーはレシーブが下手か?」
この考え方は、中学生~高校生のアンダーカテゴリーにおいては事実であることが多く、理由は以下の点が挙げられます。
【理由①】
人数が少ない部活動のチームなどでは、まず運動神経の良い選手やバレー歴の長い選手をエースと呼ばれるレフトポジションに置くので、ミドルブロッカーにプレーの上達しきっていない選手を置く場合がある。
【理由②】
リベロを採用する場合、ミドルブロッカーと交代になるため、ミドルブロッカーはレセプションやディグに参加することが少なくなる。試合はもちろん、練習でもサーブやスパイクのボール出しを務めることが多くなり、レシーブが上達しにくくなる。
ミドルブロッカーに関する誤解と現在の考え方
例えば、セッターがアタックを打ったり、リベロがトスを上げたり…。
ミドルブロッカーでは、サーブを打った後にはレシーブに参加しないといけません。自チームのブレイク(連続得点)のチャンスだからこそ、レシーブをしっかり繋げなければいけません。「ミドルはレシーブが上手くなくても良い」という誤解は取り除いていきましょう。
ミドルブロッカーの役割①
ネットディフェンス(ブロック)の中心的存在
基本的に、ミドルブロッカーはレフト・ライトどちらのサイドにトスが上がっても追いかけて飛びにいかなければいけません。
ミドルブロッカーのブロックが遅れたり、ずれたりすると、フロアディフェンス(レシーバー)がそれに合わせてフォローをしなければならず、チームの理想のディフェンスの形にはなりません。また遅れたブロックは相手アタッカーからは恰好の的になります。隙間を狙われたり、ブロックアウトを狙われたりしていまいます。
バレーボールのブロックの3つのコツ!手の形やタイミング – Activeる!
ミドルブロッカーの役割②
センターからの攻撃参加
クイックは、打つ場所によって大きく4種類に分けられますが、基本的にはウイングスパイカーが行う攻撃よりも速い攻撃になることが多く、そのことから「囮」という表現をされることがあります。
なお、ミドルブロッカーにエースアタッカーを置くチームもあり、チャンスボールであればクイック攻撃を、スパイクレシーブからであれば、2段トスを打つ場合もあります。
クイック攻撃からの種類とは?
【Aクイック】
セッターの正面方向で、セッターのすぐ側でジャンプして行う攻撃です。一番オーソドックスなクイック攻撃です。
【Bクイック】
セッターの正面方向で、2~3メートルの距離が離れたところで行う攻撃です。サーブレシーブが短いときなどに使えるクイックです。
【Cクイック】
セッターの真後ろ、すぐのところでジャンプして行う攻撃です。
【Dクイック】
セッターの後方、2メートルほどのところにトスを出します。女子のトップが行う、「ブロード攻撃」というのは、Dクイックをベースにしていることが多いです。
【バレーボール】国体選手のスパイク練習 クイック編 様々な速攻攻撃 右打ちと左打ち
ミドルブロッカーの役割③
ディフェンス戦略のプランニング
チーム全体にも共有して、ブロックでのディフェンスとディグでのディフェンスを連動させていきます。これをトータルディフェンスと呼んでいます。
ネットディフェンス(ブロック)の考え方
①相手の攻撃に対してのブロックの優先順位
②相手スパイカーのアタックに対して、どのコースを空けるか(もしくは締めるか)
もっともやってはいけないことは、ミドルブロッカーが自分一人で判断して、①②を行うことです。相手の攻撃に対して最前線で守備を行うミドルが勝手に行動してしまうと、その後方で守備を行うレシーバーを混乱させてしまいます。
相手のアタッカー陣を確認した時に、どの優先順位でブロックに付くのかをチームで確認します。
相手エースが強力であれば、当然2枚以上のブロックを配置しなければなりませんし、ミドルから強烈なクイックを打ってくる選手がいれば、クイック攻撃にもある程度警戒する必要があります。
これはケースバイケースですので、ベンチやチームメイトともよく確認をして、チームとして対応していきましょう。
①が相手チームとの駆け引きなのに対して、この②は相手選手との駆け引きです。
相手スパイカーの得意なスパイクコースを塞ぐということも有効ですが、自チームのディグの得意な選手(リベロなど)に拾わせるように「あえて」コースを空けることも非常に有効です。
リベロは通常、バックレフトにポジショニングすることが多いので、相手レフトの攻撃はクロスを空ける、相手ライトの攻撃はストレートを空けるということが戦術として取れます。
これもチームでの決め事になりますので、サイドのブロッカーやリベロと相談して決めるのが良いでしょう。
ミドルブロッカーに必要な資質とは?
相手コートを見ることのできる広い視野と状況把握能力
①レシーブが乱れたときに、クイック攻撃を使用してくるのか、ミドルブロッカーは助走に入っているか?
→助走に入っていなければセンターからの攻撃はありません。
②エースアタッカーがレシーブした後に転んでいないか?
→転んでいれば、エースの速い攻撃はありません。まずセンターからのクイックをしっかりマークした後に、エースの高いトスの攻撃に対応します。
これらの事例はあくまで主なものです。他にも様々なポイントがありますので、試合を通して学んでいきましょう。
どんな時でもジャンプし続ける持久力
また、ウイングスパイカーのアタックと違って、ジャンプまでするのがクイック攻撃の特徴です。ですので、ミドルブロッカーにはブロックでも相手のすべての攻撃にジャンプする、味方の攻撃でもジャンプするという持久力が必要です。
ラリーが長引けば長引くほど、ミドルブロッカーは疲弊します。ただ、そんな状況でもジャンプしていく献身性を持つことで、味方の5人を助けることになります。
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