
リードブロックとコミットブロックの違いとは?ブロックの種類を理解しよう
リードブロックは、見て動くブロック、コミットブロックは上がる前に跳ぶブロックのことです。現代バレーではリードブロックが標準の戦略ですが、コミットブロックも状況に応じて使われることがあります。ブロックのシフトも様々なものがありますので、ブロックの種類と組み合わせて、相手の攻撃に対応できるようにしましょう。
2023.09.23
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バレーボール
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バレーボールのブロックの種類とは?
バレーボールのブロックはいくつかの種類がありますので、、まず主なものをいくつか最初に紹介します。
リードブロック
相手のトスが上がってから動き、2枚以上のブロックで相手のアタックを封じるのがリードブロックです。現在、世界で標準的に使われているブロックです。
コミットブロック
相手の攻撃に対して、トスが来るか来ないかは別として、トスが上がる前に跳びに行きます。試合の状況に応じてこちらのブロックも使われることがあります。
ゲスブロック
相手の攻撃に対して、自分一人が勝手に推測し、ブロックに行ってしまうのがゲスブロックです。ゲスブロックのゲスは、guessで推測するという意味です。いまだに日本では多くのブロッカーがやってしまうブロックの種類です。
リードブロックとは?
リードブロックは「読む」ブロックではなく、「見て動く」ブロック
リードブロックは、相手のトスを「見てから動く」というブロックです。相手のトスが上がる前に動き出す、コミットブロックやゲスブロックとは異なります。
リードブロックのポイントは、高さはそこまで必要なく、相手アタッカーにブロックの存在を意識させることです。しつこく2枚以上のブロックでアタッカーに対応し、「打ちにくさ」を感じさせることがリードブロックの最大の目的です。
リードブロックのポイントは、高さはそこまで必要なく、相手アタッカーにブロックの存在を意識させることです。しつこく2枚以上のブロックでアタッカーに対応し、「打ちにくさ」を感じさせることがリードブロックの最大の目的です。
リードブロックが世界標準のディフェンス
後述するバンチ・シフトと組み合わせた、「バンチ・リードブロック」は世界のトップチームでは標準的なブロックシステムになっています。なぜかと言うと、リードブロックは相手のアタックの数的優位に対抗することができるからです。
数的優位とは?
バレーボール以外にもサッカーやラグビーなどのスポーツでも盛んに使われている言葉です。攻める場面や守りの場面で、相手の選手よりも味方の選手が多い人数で攻撃・守備を行う状況のことを指します。数的優位になると、その局面で味方が一気に有利になるため、大胆な攻め・守りが可能です。
バレーボール以外にもサッカーやラグビーなどのスポーツでも盛んに使われている言葉です。攻める場面や守りの場面で、相手の選手よりも味方の選手が多い人数で攻撃・守備を行う状況のことを指します。数的優位になると、その局面で味方が一気に有利になるため、大胆な攻め・守りが可能です。
リードブロックのメリットとデメリット
リードブロックのメリットは、デメリットはそれぞれ以下の通りです。
【メリット】
攻撃枚数が多いチームにも対応することができる
【デメリット】
習得にはかなり時間がかかり、ブロッカーの経験値とバレーボールへの理解が必要
【メリット】
攻撃枚数が多いチームにも対応することができる
【デメリット】
習得にはかなり時間がかかり、ブロッカーの経験値とバレーボールへの理解が必要
リードブロックを完成させるために必要なこと
サーブをとにかく攻める!
リードブロックを行う上で大切なことは、強いサーブを打って、相手の攻撃の選択肢を減らすことです。これで相手のクイック攻撃を潰せれば、サイドからの攻撃、もしくは真ん中からのバックアタックが相手の攻撃の基本となり、攻撃の選択肢を絞ることができます。
世界のトッププレイヤーでも、常に攻撃枚数が4枚以上という状況ではリードブロックは完成しません。サーブと組み合わせて、相手の攻撃の選択肢を絞ることで、リードブロックは成立します。
世界のトッププレイヤーでも、常に攻撃枚数が4枚以上という状況ではリードブロックは完成しません。サーブと組み合わせて、相手の攻撃の選択肢を絞ることで、リードブロックは成立します。
強いサーブを打つのが難しい方は、コントロールサーブを打ってみましょう。狙いはスパイカーの前か後ろです。スパイカーをサーブでけん制し、体制を崩すことで相手のセッターはサーブを処理したスパイカーにトスを上げにくくなります。それによって、味方ブロッカーの判断を助けることになります。
ブロックステップの練習
ブロッカーがリードブロックを習得する上で必要なことは、横移動の速さです。そのために、クロスステップとスイングブロックを覚える必要があります。
これら2つをマスターすると、横移動が速くなり、ジャンプが流れにくくなり、真上に跳ぶことができるようになります。
これら2つをマスターすると、横移動が速くなり、ジャンプが流れにくくなり、真上に跳ぶことができるようになります。
初心者段階から導入すべき「クローズド・スキル」の1例【スイング・ブロック】
via www.youtube.com
コミットブロックとは?
コミットは「託す」「委ねる」という意味
コミットブロックは、「託す」「委ねる」ブロックという意味で、トスが上がる前に跳びに行くというブロックです。トスが上がる前に跳ぶため、跳んだところにトスがきた場合には、ブロックの体制が万全の状態で待ち構えることができ、ブロックで得点できる可能性が上がります。
ただ、跳んだところにトスが来なかった場合は、ブロックの枚数が減り、相手のアタッカーに自由に打たせてしまうリスクを伴います。コミットブロックは、ポイントを絞って使っていくのが良いでしょう。
ただ、跳んだところにトスが来なかった場合は、ブロックの枚数が減り、相手のアタッカーに自由に打たせてしまうリスクを伴います。コミットブロックは、ポイントを絞って使っていくのが良いでしょう。
コミットブロックを使う場面
コミットブロックを使用するタイミングは基本的に以下の3パターンが考えられます。
①サーブ等で相手のディフェンスを崩した結果、相手の攻撃の選択肢が1つしかなくなり、トスがどこに上がるかが誰の目にも明らかな場合
②スカウティング(相手チームの分析)によって、セッターのトスワークなどが掴めており、タイム明け後の最初の相手の攻撃にコミットブロックで勝負を仕掛ける場合
③相手ミドルのクイック攻撃が脅威で、サイドのブロックを減らしてもミドルに対応した方が良いとチームで判断した場合
①サーブ等で相手のディフェンスを崩した結果、相手の攻撃の選択肢が1つしかなくなり、トスがどこに上がるかが誰の目にも明らかな場合
②スカウティング(相手チームの分析)によって、セッターのトスワークなどが掴めており、タイム明け後の最初の相手の攻撃にコミットブロックで勝負を仕掛ける場合
③相手ミドルのクイック攻撃が脅威で、サイドのブロックを減らしてもミドルに対応した方が良いとチームで判断した場合
リードブロックとコミットブロックの違いとは?
via www.photo-ac.com
これまでのまとめになりますが、リードブロックとコミットブロックの違いをまとめます。
リードブロック:トスが上がってから動く
コミットブロック:トスが上がる前に跳ぶ
リードブロック:トスが上がってから動く
コミットブロック:トスが上がる前に跳ぶ
カテゴリーに応じた使い分け
中学から高校の県大会レベルのカテゴリーでは、アタッカーの枚数がそろっていないことも多く、リードブロックではなくコミットブロックでも十分に対応可能な場合もあります。
リードブロックは相手が3枚以上で常時攻撃をしてくる場合にとても有効ですが、相手の攻撃がエースアタッカー1枚のみだったり、ミドルのクイックとレフトエースの攻撃の2枚の場合などは、コミットブロックでも十分に対応ができます。
また、リードブロックは技術と経験が要求されるので、中学レベルで勝ち進むにはコミットブロックの方が選手には分かりやすいということも考えられます。
リードブロックは相手が3枚以上で常時攻撃をしてくる場合にとても有効ですが、相手の攻撃がエースアタッカー1枚のみだったり、ミドルのクイックとレフトエースの攻撃の2枚の場合などは、コミットブロックでも十分に対応ができます。
また、リードブロックは技術と経験が要求されるので、中学レベルで勝ち進むにはコミットブロックの方が選手には分かりやすいということも考えられます。
コミットブロックでいかに勝てたとしても、リードブロックが現代の世界標準の戦術ということは変わりません。中学~高校でも上位のチームにおいてはリードブロックの練習は積極的に練習していくと、大学以上のカテゴリーに上がった際に役に立ちます。
ブロックシフトの種類
バンチ・シフト
via ブロックシフト①バンチ・シフト
バンチとは「束」を意味し、ブロッカーが中央で束になってポジショニングするために、バンチ・シフトと呼ばれます。
中心に3人が集まるため、相手の中央付近の攻撃に対してブロック2枚以上で対応することが可能です。サイドからの攻撃には、素早い横移動で対応します。
サイドアタッカーのストレート打ちにはブロックが間に合わないことが多いので、最初から空けておき、レシーバーを配置するというルールを決めておくと良いでしょう。
中心に3人が集まるため、相手の中央付近の攻撃に対してブロック2枚以上で対応することが可能です。サイドからの攻撃には、素早い横移動で対応します。
サイドアタッカーのストレート打ちにはブロックが間に合わないことが多いので、最初から空けておき、レシーバーを配置するというルールを決めておくと良いでしょう。
バンチリードブロック
現在、世界で標準的になっているブロックシステムがバンチ・リードブロックです。バンチ・シフトとリードブロックを組み合わせたもので、レベルの高いチームでは、相手がどこから攻撃してきてもブロックを2枚以上で対応することが可能です。
現在、世界で標準的になっているブロックシステムがバンチ・リードブロックです。バンチ・シフトとリードブロックを組み合わせたもので、レベルの高いチームでは、相手がどこから攻撃してきてもブロックを2枚以上で対応することが可能です。
リリース・シフト
via ブロックシフトの種類③リリース・シフト
リリース・シフトはバンチ・シフトの派生系です。基本的にはコートの中心でポジショニングするものの、レフトブロッカーもしくはライトブロッカーのみ、どちらかのサイドに前もって寄っているというシフトです。
相手のアタッカーに特にマークする選手がいて、マークするアタッカーの攻撃にまず1枚がしっかりつくことができるというメリットがあります。
相手のアタッカーに特にマークする選手がいて、マークするアタッカーの攻撃にまず1枚がしっかりつくことができるというメリットがあります。
デディケート・シフト
via ブロックシフト③デディケート・シフト
デディケート・シフトもバンチ・シフトの派生で、ブロッカーが束になったまま、束ごとにレフト寄りかライトに寄りにポジショニングします。
メリットは、大きく2つあります。
①相手のアタッカーがレフトもしくはライトに寄っている場合に、前もってブロッカーが寄っていることで移動のロスが減る。
②事前にシフトを寄せておくことで、相手のセッターを考えさせる(揺さぶる)ことができる。
ただ、一方のサイドを完全に空けるというリスクがあるので、使用する際にはチームでの戦術理解が必要です。
メリットは、大きく2つあります。
①相手のアタッカーがレフトもしくはライトに寄っている場合に、前もってブロッカーが寄っていることで移動のロスが減る。
②事前にシフトを寄せておくことで、相手のセッターを考えさせる(揺さぶる)ことができる。
ただ、一方のサイドを完全に空けるというリスクがあるので、使用する際にはチームでの戦術理解が必要です。
スプレッド・シフト
via ブロックシフト④スプレッド・シフト
バンチ・シフトとは反対にサイドアタッカーが両サイドに事前に寄っておき、中心から離れておくというポジショニングが、スプレッド・シフトです。
サイドブロックが事前に移動しているため、相手のサイド攻撃に対してしっかりとブロックを完成させた状態で待ち受けることが可能です。しかし、コート中央からの攻撃に対してミドルブロッカーしか対応できないため、中央から2枚以上で攻撃された場合にはノーブロックになってしまう可能性があります。
サイドブロックが事前に移動しているため、相手のサイド攻撃に対してしっかりとブロックを完成させた状態で待ち受けることが可能です。しかし、コート中央からの攻撃に対してミドルブロッカーしか対応できないため、中央から2枚以上で攻撃された場合にはノーブロックになってしまう可能性があります。
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